学習能力が非常に高い。観察眼がスルドイ。記憶力が良い。親ばかに近いかな。
四女的なゆずである。満1歳と3か月位。
私が朝、支度しているとじっと見つめている。
何故注目して見つめているのか。
兎に角人が何をしているかじっと見ていることが多い。観察しているのである。
その日の私の服装によってその後の彼女の動きが全く違うのである。
私服、若しくは会社に行く恰好の場合、彼女は私に興味を示さない。
しかし、何よりも面白いのは、作業着に着替え終わった瞬間に玄関に走りだし、玄関のタイルのたたきに体を
横にしぐるりと床にこすりつけるのであった。
それからは、私が歯を磨く時は洗面所に、トイレに行こうとすれば一緒に、チョット台所に用足しをしにゆこ
うとすれば台所にと、ピッタリとマークして離れない。
庭に出してもらいたい一心で啼いてアピールするのであった。
玄関を下手に開けようものなら逃げ出しかねない。
毎回出せないので、その都度妻が捕まえてゲージに入れるのであった。
奥から先輩のミミが出たいと泣いた場合も、一緒は危ない為、妻がゆずをゲージに入れるのであった。
最近は学習して普段妻のそばにいるゆずが、奥の部屋でミミが一声啼くとゆずはすっと姿を隠し、捕まるもの
かと妻を避け逃げまどうとのことである。
私の外仕事が一段落し、安全であり猫に注意が出来るようになった時、紐を付けて庭先に30分から1時間位
出すのであった。
時として2時間を超えることも。
庭に出す際に1m位の高さの台上で紐を付けるのであるが、台を指でトントンと叩くと、ピョンと飛び乗って
くる。
そして、早く首輪を付けてくれと言わんばかりに首を出してくるのであった。
茶の間に休息用にノボリ台を設置したのであるが、このペントハウスに上がるときも二匹の登り方が全く違う
のである。
2m程の休息所にゆくために3段の昇降用の足場を設置してあるのだが、先輩13年のミミは茶の間の座卓上か
ら2段目に飛び上がりその勢いで最上階に爪をたて一気に力技で上がるのであった。
2段から最上階にはかなりオーバーハングしていて見た目はほとんど不可能な程である。
だから上がる様がもの凄いのである。力が無かったら真っ逆さまに落下する位危険である。
そこに行くとゆずは、初めて上がる時しばらく台を見つめていた。登り始めたら私がこういうふうに上って欲
しいなと、設計通りに一段ずつゆっくり上り、最上階には弧を描くように削った箇所からびしっと、決めて上
がってくれたのである。
この塔を作るのにあたり、私は先ず一段目は小さく作り二段目は大きく作った。
トン、トンと軽快に上がり二段目で多少ゆとりを持ち、三段目に移動し向きを変え、へこみ部分を利用し最上
段に登ってゆく姿を思い描き、その様に昇降台を設けたのであった。
あーッ!、賢い猫だなとその時痛く感動したものである。
私が思い描いたとおりに、上がってくれるとは何たる賢さなんだろうと、嬉しかったのである。