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2017年08月26日

「黒騎士衛星」約13,000年前から存在する、謎の衛星?



「黒騎士衛星」とは、1954年にアメリカ空軍によって発見されたという、地球を周回している謎の衛星のことである。この衛星は、約13,000年前から存在していると考えられており、その呼び名の由来は、この衛星の外観が「盾を黒く塗り潰した騎士」に見えることに由来している。また日本では、英名のまま「ブラック・ナイト・サテライト」と呼ばれることも多い。



黒騎士衛星」発見までの経緯

1954年、アメリカ合衆国の日刊紙であるセントルイス・ポスト・ディスパッチ紙とサンフランシスコ・エグザミナー紙は、「アメリカ空軍が、地球を周回する、謎の衛星の目撃報告を行った」という記事を掲載した。この当時、人類はまだ人工衛星の打ち上げに成功しておらず、人工衛星の開発競争において、アメリカは旧ソ連に遅れを取っていたため、アメリカ市民の間では「旧ソ連による、人工衛星なのではないか」という憶測が飛び交った。

1960年2月、アメリカ海軍が「地球の周りを回転しながら周回する、謎の黒い物体を発見した」という発表を行った。この物体は特異な軌道を描いており、その遠点は約1,700km、近点は約200kmだと考えられた。しかし、どこの国からもこの物体の所有については報告がされておらず、その外観が「盾を黒く塗り潰した騎士」に似ていることから、この謎の物体は「黒騎士衛星」と呼ばれるようになった。

1973年、スコットランド人の天文研究者ダンカン・ルナンは、1920年から1930年頃に掛けて、複数のアマチュア無線家によって受信されたという、謎の電波信号の解析に成功した。その結果、この電波信号は星図の情報に関わるものであり、それは約13,000年前に月の方面から、うしかい座イプシロン星の方面へ向けて発信されたものであることが判明した。この謎の電波信号については、以前から様々な憶測が飛び交っていた黒騎士衛星との関係が取り沙汰され、「この電波信号は黒騎士衛星から発信されたものであり、それは黒騎士衛星が少なくとも約13,000年前から存在していたことを意味している」という解釈が生まれた。

1998年、アメリカ航空宇宙局(NASA)による国際宇宙ステーション計画において、この計画の主要構成区画とされていた基本機能モジュール「ザーリャ」を、アメリカ合衆国がロシア共和国から受け取るという、STS-88ミッションが行われた。このミッションの際、記録用として大量に撮影された写真の中に、謎の黒い物体が映り込んでいたため、その物体が長年の間、物議を醸し出していた黒騎士衛星の姿として世界へ広く知れ渡ることになった。

「黒騎士衛星」の特徴


黒騎士衛星の特徴は、主に下記の通りである。

全長:詳細は不明だが、1954年の発見当時に考えれていた人工衛星より遥かに大きい
重量:不明
姿形:人工的に作られたような形をしており、色は全体的に真っ黒である
速度:約7km/秒
遠点:約1,700km
近点:約200km
軌道:赤道傾斜角79度
公転周期:約105分

その真相とは?

黒騎士衛星については、「あのNASAも、その存在を認めている」というような説明がされているが、これは「地球を周回する謎の黒い物体」の存在を指しているだけであり、それが人工的に作られた衛星であること、また約13,000年前から存在していることを認めるものではない。

また1920年から1930年頃に掛けて、複数のアマチュア無線家が受信したという、謎の電波信号を解析した天文研究者ダンカン・ルナンは、その約13,000年前に発信されたとされる電波信号が、黒騎士衛星によって発信されたものであるかどうかについては、一切言及しておらず、「黒騎士衛星については、自分とは無関係である」という趣旨の発言をしている。

黒騎士衛星の正体については、1954年の発見当時、まだ人類は人工衛星の打ち上げに成功していないため、スペースデブリであることは考えられない。しかし、人工衛星を打ち上げる前には、その大気圏再突入時のデータ収集や性能確認を目的とした大量の試験用ロケットが打ち上げられていたため、現在ではそのロケットの残骸の一つなのではないかと考えられている。その正体が試験用ロケットである場合、その狭い軌道を何十年も逸れることなく、地球を周回している理由にも説明が付く。

現実的には、スペースシャトルを打ち上げるには数千億円もの莫大な費用と10年単位の長い歳月を要し、また地球を周回する制御不能な衛星を回収することは困難を極めるため、今後もNASAが本格的な黒騎士衛星の調査を開始するということは、考え難いとされている。



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