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2017年08月25日

アリとキリギリスに隠された本当の教訓





イソップ寓話のアリとキリギリス。
キリギリスのように、将来の危機への備えを怠ると、その時が訪れたときに困ることになる。という教訓の話として語られるが、もともとは、アリのようにせこせこと貯めごんでいるものは、餓死寸前のものにさえ手を差し伸べないほど冷酷で、独善的なケチであるという話である。

アリとキリギリスの話を簡単に説明すると、アリは冬に備えて夏の間は食料を蓄えるために働き続け、キリギリスは夏の間中、歌を歌って楽しく過ごす。そして最後に冬がきて・・・

最後の冬の内容が世代によって違う。

最近は、最後はアリがキリギリスに食料をわけ、お礼にキリギリスがバイオリンを演奏する話しとされている。この終わり方であれば、将来の危機への備えを怠るなという教訓で納得できる。

しかし、もともとの終わり方は違う。こちらの終わり方に馴染みあるという世代もあるだろう。

冬になり、蓄えのないキリギリスは、アリに助けを求めるが、「夏は歌っていたんだから、冬は踊ったらどうだ」と追い返しキリギリスは餓死してしまう。

これも、将来の危機への備えを怠るなという教訓を含んでいるが、イソップ寓話の始まりを知ると違う教訓が現れる。

イソップ寓話は、紀元前6世紀にアイソーポスという奴隷が話していた寓話が始まりである。

アリとキリギリスという話は、「アリとセミ」という話で語られ、貴族富豪は、餓死寸前のものにさえ手を差し伸べないほど冷酷で、独善的なけちでアリのようだと揶揄し、そういった者に助けを求めてもムダだという教訓の話だった。

時代とともに、地位や名誉あるものは慈悲深いと解釈させるために、今のようにアリがキリギリスを助ける終わり方に改変されたが、慈悲深さの部分は、現実とかけ離れているため理解されず、将来の危機への備えを怠るなという教訓だけが残った。






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