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2017年08月14日

最近見かけない集約放牧

農業技術の進歩は、工業と比べれば
緩やかなように感じていますが、
それでもある程度は進んでいるようです。

放牧技術についてもそうで、かつては
粗放的な放牧がおこなわれていましたが、
近年の濃厚飼料多給による生産乳量増加の
流れを受けて放牧は衰退していきました。

しかし近年は放牧の効果が見直され、
集約放牧という技術を取り入れる
酪農家も出てきました。



ところが最近は、集約的な放牧を
やっている方に出会うことがありません。
かつての粗放的な放牧に戻っていった
感もあります。

なぜ集約放牧は広がっていかないのでしょうか。


そもそも集約放牧とは、放牧地を
電気牧柵などで細かく区切って、
牛を放すスペースを小まめに移動させる
(時期によっては毎日移動)技術でした。

こうすることによって、牛は常に
短草を食べることができる。
草は伸びすぎると栄養がなくなる
(草自身の成長に用いられてしまう)
ものですから、短草を食べさせる
ことで栄養を取らせ、濃厚飼料を
減らして自給率を高める。
さらには草の食べ残しも減らすことができる。
合理的な技術だと思います。


ではなぜ集約放牧にしないのか。
理由を尋ねたことはないのですが、
おそらくは手間がかかり過ぎることが
一番の原因ではないかと思います。

さらには小まめに放牧スペースを
移動させなくても短草を食べさせる
技術がうまく働いていること、
集約放牧にしなくても十分に栄養を
摂取できる草づくりができていること、
などが挙げられるのかな、と想像しています。

最近はペレニアルライグラスを
入れている方が増えましたが、
このことも関係しているのかも
しれません。


酪農における大きな技術革新といえば、
ここ何年かで搾乳ロボットの導入が急激に
増えました。
搾乳ロボット自体は10年近く前(もっと前かな?)
から日本に導入されていましたが、
国の政策やロボットの技術の向上により
一気に導入が進んでいます。

最初に農業技術の進歩は緩やか、
なんて書きましたが、
搾乳ロボットやファームノートなどのIoTが
急速に広がっています。

農業技術というよりは農業の世界に
工業技術が進出してきた、という
べきでしょうか。

これらの技術により酪農がどう変わっていくのか、
注目していきたいと思います。
posted by とば吉 at 22:53 | TrackBack(0) | 酪農

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