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2015年09月09日

市場における価格形成の不合理さ

牛は主に市場で取引されます。
農家から直接家畜専門の商人が買い付けることもありますが、
中心は市場取引だと思います。

牛が市場で売られる月齢というのはだいたい決まっています。

和牛だと、10ヶ月齢くらいで繁殖農家が売り、
肥育農家が買う市場。
肥育された牛が出荷され、枝肉となった後に
食肉業者が買い付ける市場。

搾乳用のホルスタインだと、分娩が近いメス牛を
酪農家が売り、別の酪農家が買い付ける市場。

肥育用のホルスタインや交雑種だと、
生まれて2週間から1ヶ月程度の子牛を
酪農家が売り、育成農家が買う市場。
その牛を8ヶ月齢ぐらいまで育てた育成農家が売り、
肥育農家が買う市場。
肥育した牛を枝肉にして売る市場。

主要な市場は上記のような取引を
目的として開催されています。
もちろん上記にあてはまらないような牛を
販売する市場もあります。


最近は牛の価格の高騰が続いています。
あまりにも上がり続けて、いつまで続くのか
農家にもわからないくらい。

牛の値段が高いので、買う側は大変です。
自分の所でメス牛を揃えられる酪農家はいいですが、
買ってこないといけない酪農家は本当に大変です。

肉牛農家で言えば、もちろん、売る時の値段も
上がってはいますので、ある程度は高値になっても、
売値に見合う価格で仕入れられればいい。
しかし、そうもいかないのが、今回のタイトルにある
市場の不合理さ。

牛の市場ではどのように値段を決めるかというと、まず
牛を買いに来た農家や家畜商がそれぞれ
ボタンを持ちます。そして牛が1頭引かれてきて、
買いたい人がボタンを押す。
すると掲示板に表示された値段が上がっていき、
最後に押した人が買う、という仕組み。

買う人が自分で値段を付けるのだから、理想的には
その牛を自分が売る時に儲けが出る値段で買うはず。
でも実際はそうはいきません。

出品される牛に対し買いたい人が買いたい頭数が
少なければ、牛の取り合いになり値段が上がっていく。
牛の頭数を確保しないと、その牛を肥育して出荷する
際に取引先に迷惑がかかるから、採算よりも
頭数を優先させないといけない、ということも
起こっています。

また、出荷した牛が高く売れるので、仕入れに
強気になってしまう、あるいは、ある程度の
頭数を仕入れないと不安、そんな心理も
働いているかと思います。


いろんな理由は考えられますが、
今の状況を牛バブルという人もいるくらい、
価格が上がり続けている状況です。


一番の原因は、酪農家の減少でしょう。
酪農家の減少により母となるメス牛は減り、
生まれてくる子牛は減り、結果牛の値段は
高くなる。

そのような状況下で、景気の上昇や世界的な
牛肉需要の増加により、牛肉の相場が上がっている。
これらの原因が重なり、今の状況を招いているのでしょう。


では、この状況をどのように解決するか。
一番話が早そうなのは、購買者同士で話し合って
ボタンを押しすぎないように値段を調整すれば
いいのですが、そうはいきません。

市場のルール上許されていませんし、
相手が本当に自分に協力してくれるかはわからない。


採算が合わなくても、買わなければならない。
このあたりが、公平に見えて実は不合理な
市場の限界なのかな、と個人的には思います。


解決策として一部の農家が実施しているのが、
母牛を飼って子牛を産ませることです。
実際に、肉牛農家が酪農を始めた、なんて
事例もぽつぽつあります。

ただ、それにはかなりの資金力は必要です。

他には、交雑種のメスに子供を生ませて、
その後そのメスを肥育して売る、いわゆる「一産取り」
というやり方を実践している農家もあります。


とにかく、母から子まで全て自分で飼う、
そのやり方が一番儲かるだろうな、と思います。
もちろん母牛を飼うのはとても大変。
苦労もかなり増えますが…。
posted by とば吉 at 23:09 | TrackBack(0) | 肉用牛

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