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2020年11月30日

おちょこ


社長と出逢ったのは、そろそろまともな仕事にでも就いてみるかと漠然と思っていた22歳の頃。
東京の、とある会社にOL・・・と言えば聞こえはいいが、まあ要するに事務員として就職した。
遊園地やテーマパーク等、アミューズメント施設の設計や施工を請け負う小さな会社だった。

始めは、何だか変わったご老人だなというのが社長の印象だったが、だんだんと馴染んでくると、非常に個性的でユーモラスな人柄だということが分かった。
社長は、会社の地下室で仕事をしていた3人のデザイナーたちを、『隠し砦の三悪人』などと呼んでいたが、(確か大昔のアメリカのサイレント映画『三悪人』から来ていたと思う。)私の事はなぜか『監督』と呼んでいた。多分だが、当時の私が余程生意気だったせいだろう。

大きな仕事が入って上司もデザイナーもみんな現場に出払ってしまうと、私はいつも社長室に呼びだされ、社長の秘書のようなことをしているもう一人の事務員とともに、社長の自叙伝的なものをパソコンにおこしたり、社長の好物の晩柑という大きなみかんの皮を蜂蜜漬けにするのを手伝ったりした。
そしてその後決まって、帝国ホテルで売っているという、これまた社長の大好物のヴィシソワーズや、マリアージュフレールの『マルコポーロ』というエキゾチックな香りのする紅茶等を頂きながら、第二次大戦中に社長が捕虜として捕まった時の話や、さまざまな仕事に関する見解、社会情勢についてのうんちくなどを聞かされたものだった。
社員のみんなと食事をするのが好きで、よく行きつけのロシア料理店や寿司屋に連れて行っては美味いものをご馳走してくれたり、時には自宅で社長の奥さんが高級な料理を振る舞ってくれたりもした。

ある日、休日にもかかわらずいきなり社長に呼び出されたことがあった。
失礼ながら、休日出勤かと渋々出かけた私だったが、会社に着くとすぐに社長の車で栃木県に飛ぶことになった。何の仕事かといぶかしく思っていると、何のことは無い、ただ社長の好きな窯元にお供として連れて行かれただけだったのである。
帰り掛けに社長は私に、『お礼に好きな器を買ってやるから何でも好きなのを言え』と言った。
急に何でも好きな物と言われて困ったが、おちょこを一つ買ってもらうことにした。
色鮮やかな色彩で、小さくても非常に存在感のある古伊万里風のものだった。

残念ながら、社長は私が就職して3年目くらいに突然亡くなってしまったのだが、その短い間にずいぶんと沢山のことを教えてくれた。
それは単なる知識ではなく、一種の思想のようなものだったと思う。

以前社長が好きだと言う、胡弓で演奏されたツィゴイネルワイゼンのCDを頂いたことがあった。
社長が亡くなったという知らせを受けた直後、『死んだらこの曲で送られたい』と生前よく言っていたのを唐突に思い出し、急いでそのCDをかけると、その場で泣き崩れた。


林九郎窯1-本番.JPG

林九郎窯2-本番.JPG

林九郎窯3-本番.JPG





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posted by たまき at 21:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食器

2020年11月29日



ある友人のお宅へ招待された時のこと。
彼女は私より3つ年上の大人の女性だが、落ち着いたなかにも時折見せる茶目っ気が可愛らしいひとだ。
ある日、友人の何人かで彼女の家に招待されたのでお邪魔することにした。
彼女はワインが好きなようで、私たちに美味しいワインを振る舞いたいとのことだった。
まだおやつ時ということもあったので、手土産は少しだけ高価なチョコブラウニーと、こ洒落た感じのチーズにした。

実は彼女の家は歩いて10分くらいのごくごく近所にあるのだが、お邪魔するのはこの日が初めてだった。
外観は、少しだけ年代を感じさせる、一見普通の一軒家。ちょうど私の元実家のような風情である。
スライド式の和風の玄関ドアを開けると、質素だがきちんと掃除の行き届いた凛とした気配を感じさせた。
室内はとても広く、和の雰囲気。
広い和室の周りを、これまた広い廊下のような、こげ茶色の板張りの床がぐるりと囲んでいる。
天井は高く、広い和室には不釣り合いなほど暗い照明が一つあるだけだったが、幾つもの様々なデザインの年代物の和ダンスが置かれていて、さながら鎌倉辺りの人気の古民家カフェのようだった。

『古い家でしょ?』とはにかみながら彼女は言ったが、そんなことよりも、その部屋の落ち着いた和のたたずまいと、華美な物たちにはけして真似できないであろう凛とした美しさに、私は感心してしまった。
年代物の和ダンスのあちらこちらに置いてある、洋でありながら和に溶け込んでいる大小の観葉植物たちも、その部屋の雰囲気づくりに一役買っていた。

彼女は、これまた年代物の風合いを感じさせる、大きな和のテーブルの上に、なんのへんてつもない花柄のハンカチーフをふわりと広げて、その上にワインと、私たちが持ってきた手土産の菓子等を置いた。
こうして、そのシックな古民家カフェのような部屋で、ひとときの楽しい宴が始まったのであった。

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2020年11月28日

一目惚れの買い物

かれこれ30年程前、池袋の東口を出てすぐの横断歩道を渡ったところに、小さな食器屋があった。
今はもう、とうにその店はなくなってしまったようだが、当時二十歳になるかならないかの私は、ある日何の気無しにぶらりとその店に立ち寄った。
今思えば、それが『食器屋』というものに初めて自ら足を踏み入れた日であった。

1階は普通の、いわゆるよくある食器を売っていたのだが、2階は少し変わった趣向の食器ばかりを、まるで美術品でも飾るかのようにうやうやしく展示していた。
客の中には、私のような若造は一人も見当たらなかったが、私はそこで人生初めての『一目惚れ』を体験することとなる。

その、ペアのコーヒーカップ&ソーサーは、一言で言えば青なのだが、何とも言えない色合いで、当時の私にはとても魅力的に映った。

それから何度かその店に足を運んでは、その食器を眺めていたのだが、まだ若く懐も寒めな私には、ちょっとだけ高価な代物だった。
おまけに、当時は一緒にコーヒーを飲んでくれるようなロマンティックなお相手もいなかったので、はてさてどうしたものやらとただいつも眺めているばかりだった。

そのうち、私がちょくちょく顔を出すので店主も気に留めるようになってしまい、こちらにはまだ買う算段も無いのに、にこやかに話しかけられたりするまでになってしまった。

結局私はその食器の事を諦めきれずに、生涯初めての一目惚れによる買い物をすることとなったのである。

今でもその日の出来事はようく覚えていて、着ていた服や、買った後1階へ降りる時の階段の軋みまでもが、時に脳裏に鮮明に映し出される。

青 ペアコーヒーカップ.JPG




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posted by たまき at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食器

2020年11月27日

銀杏

昼間街を歩くと目につく、黄色く色づいた銀杏の木々。
空は明らかな曇天でも、この黄金色の風景を見ていると、まるでモネだかマネだかの描いた絵のように思えてくる。
それほど美しい。
10月のハロウィンが終わればすぐにクリスマス支度を始める街並みには、少しだけそぐわない気もするが、これが本当のこの時期の姿だ。

テレビでは今日も、やれ本日の感染者数は〇〇人などと、アナウンサーがさもありなんという顔をして喋っているが、昼間のこの街はあっちもこっちも元気なご老人たちでいっぱいだ。もちろん対策はしているのだろうが、毎日の感染者数更新も、この街のご老人たちにとってはどこ吹く風、といった具合。こちらからすると頼もしい限りだが、そうは言っても、行きたい店に行きずらい雰囲気が無い訳では無い。
親しい友人たちとのお茶会もめっきり減ってしまった。

銀杏の木々1.jpg

それならば、今日も自宅で美味しいミルクティーを入れよう。
今日のミルクはいつもと違う、どっしりとした味の濃いタイプ。

窓の外に遠くの森の紅葉が見える。
紅茶とミルクの混じり合う、何とも言えない香しい香りに舌鼓を打ちながら、本日のティータイムを堪能する。

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posted by たまき at 15:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2020年11月26日

ギフト

知り合いに、よく鍵を失くす女性がいる。
自宅の鍵や実家の鍵など、とにかくしょっちゅうどこかへ忘れてくる。
先日も、出先にコートごと忘れてきてしまった。幸いその場所へ連絡したら、コートも無事で、鍵もポケットにちゃんと入っているという。

あまりにしょっちゅう失くすので、他人事ながらどうしたものかと思案していたところへ、いいものを見つけた。
縦長で、小さなタイプのショルダーバッグだ。
レイジースーザンの物だが、蛇柄で、ちょっと粋な感じ。自分で使う訳でもないが、一目惚れだった。

同じレイジースーザンでも、店舗によって置いている物は違うのかもしれないが、私の自宅近くにあるレイジースーザンでは、そこらへんでよく見かける量産型の物とはひと味違った、洗練されたデザインを多く見かける。
レイジースーザンとは、英語で『回転トレイ』を意味するらしい。店内をぐるっと回れば、欲しいものを見つけられるという思いが込められているそうだ。
別にレイジースーザンの「回し者」という訳でもないが、お値段もそれほど主張してこない感じで、わりとお気にいりだ。

話が逸れたが、この蛇柄のショルダーバッグを彼女にプレゼントすることにしようと思う。
もうすぐクリスマスだし、ちょうどいい贈り物になる。
鍵の他にも、財布やスマホ、ちょっとした化粧品くらいは入りそうだ。

レイジースーザンも、「ギフト=贈る心」をテーマにしているそうだが、まさにそんな気持ちで彼女に贈りたい。
まだ若い彼女に、きっとよく似合うだろう。
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posted by たまき at 17:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2020年11月25日

オリジナリティのある風景

最近はあまり見かけなくなった喫茶店コロラド。
昔よく通っていた。
あれは16歳か17歳のころだったか。

高校の近くにあった小さな店だった。
動きのスロウな手動式の開きドアを開けると、チリンチリンと少し錆びついた金色の呼び鈴が鳴る。
店内は、外の冷気を忘れてしまうほどの温かさと、店いっぱいに広がったコーヒーの香りで満ちていて、
一人かまたは友達と、いつもの奥まった席につく。
壁は赤茶けてすすけた本物のレンガで、店の温かさにのぼせた時そっと触れると、ひんやりと気持ちよかった。
人慣れした店員さんに頼むのは、いつも決まってウィンナーコーヒー。
最近の食べやすいサラッとした軽い口どけの生クリームではない、少しこってりとした重めの生クリームを、時には多めにのせてくれた。
我ながらずいぶん生意気な女子高生だったな・・・

なんて思い出にふけりながらふと、
そういえばコロラドもチェーン店のカフェなはず、チェーン店なのにあのオリジナリティある空間はいったいどこから来ていたのだろう、などと考えを巡らせた。
あんなにホッと心を温めてくれる喫茶店は最近あまり見かけない。

今日はクリスマス並みの寒さという。
あのホッとする感じが、恋しい。 続きを読む...
posted by たまき at 13:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2020年11月22日

インテリアの醍醐味

コーヒーカップ 掛谷窯.JPG

コーヒーカップ 掛谷窯 裏.JPG


急に寒くなると、なぜだかむしょうに温かいコーヒーか紅茶が欲しくなる。
コーヒーの香りにはリラックス効果があると言われているが、果たして本当に、何とも言えない幸福感が胸いっぱいに広がっていく。
紅茶なら、この時期はミルクたっぷりのコクのあるミルクティー。
そして場所は、最近どこにでも良く見かけるありきたりなタイプの街のカフェよりも、せっかく粋なインテリアにした自分の部屋で、美しい食器と共に。
甘さ控えめのガトーショコラがいろどりをそえてくれるだろう。
うっすらとスタンダードなジャズでも流したら、宵闇迫る僅かなひと時を贅沢に過ごす。
posted by たまき at 16:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食器

インテリアの醍醐味




インテリアの醍醐味とは、何と言っても「どんなにつまらない部屋でも一瞬で自分好みの部屋にしてしまう」ということだろう。
自分好みの部屋、または『異空間』とも言えるだろうか。

私の場合は、部屋を変えたい時にまず一番先にやることは、その部屋で一番多く割合を占める物を変えることだ。
それは例えば本棚だったり、普通の棚だったり。またはTV台だったり、とにかく目につく大きな物だ。
そして、やるときは、少し大袈裟なくらい個性的で存在感のあるものにする。
そうでなければやる意味が無い。
そしてそうでもして部屋に置く物だからこそ、これでいいか、では選ばない。
必ず「一目惚れ」であること。
これが大事。
一目惚れした相手にはそれほど飽きることはない。
なぜならそれこそが自分の好みドストライクだからだ。

大きな物を置いたら、今度はそこから少しずつ、それに合うものを足していく。
家具だったりファブリックだったり食器だったり・・・
ただのつまらないアパートだった部屋が、だんだんと自分好みの『異空間』に様変わりしていく。
それこそが、まさにインテリアの醍醐味と言えるだろう!
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