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2021年04月28日

ジュリアナ

少し肉付きの良い体型、口元にわざとらしく付けた付けぼくろ、地声とは思えぬほどの甘い猫なで声で、冗談ではなく本当に『ウフフフ』と笑う。
今思えば、多分セクシーな子だったのだろう。

その日、東京から、彼女の友人のいる横浜まで連れて行かれた夜、横浜駅で彼女の友人達と落ち合った。
ナンパ目的の長い車の列の横をこれ見よがしに歩き、欠伸が出るほど退屈な殿方達に食事をご馳走してもらった後、はい、ではさようなら、とはいかないことも多々ある。
その日もそうだった。
時間はかかったが、なんとか男たちを振り切って、さて帰ろうとしたらもう電車はなかった。
横浜のどこなのかも分からない、畑と住宅街が混在しているような場所に連れて行かれ、帰り方も分からない。今のようにスマホも無い。
私たちは途方に暮れた。
とにかく車の多い通りまで、と今では考えられない程きらびやかで派手な衣装のディスコ服姿で、延々と畑と住宅の中を歩いた。
そしてやっと大通りと呼べそうな所までたどり着くと、一台の大型長距離トラックをヒッチハイクした。
今なら怖いことになっていてもおかしくなかったかもしれないが、こうしてやっとふるさと東京へ帰ってきたのである。


酩酊状態でジュリアナ東京のお立ち台から落っこちた夜からおよそ30年。
遊び好きの彼女とは、何度もその年齢特有の❝危ない橋❞を渡った。
けれどどんなに冒険しても、小さな頃から冒険好きを自負する私の心は晴れなかった。が、おそらく彼女自身もまた同じだったのではないだろうか、と今となっては想像の域を出ないがそう思う。


あの頃、悠々と顔パスでジュリアナ東京に入っていくお姉さま方を、ある種の羨望の眼差しで見つめながら、いつか自分も、とくだらない欲望を抱いていた。
店の外に長いチェーンのように連なる人々の列に、自分も例外なく寒さに震えながら並び、今となっては伝説になってしまった巨大なディスコに入る順番を、彼女と共に今か今かと待ち構えていた。


振り返れば沢山のことが思い出される青春時代。
けれどだからと言って、その一瞬一瞬は、結局その時にとってはリアルに日常の欠片でしかなく、大切だとは気づかずにただ時が過ぎた。
彼女が今どうしているのかも分からないまま、最後に電話で聞いた鼻にかかった猫なで声が、今も尚頭の片隅で『ウフフフ』と笑っている。










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posted by たまき at 13:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年04月21日

『バイトするなら海?山?』と、高校生の頃いつも一緒に過ごしていた彼女が聞いてきたのは19の夏の初め。
私が、海、と即答すると、彼女は、その頃メジャーだったアルバイト情報誌「フロム・エー」を片手に、片っ端から海の家でのアルバイト募集に電話をかけまくっては、鉛筆で丸だのバツだのを書き込んでいった。

もうすでに夏に入り始めていた頃だったので、結局海の家のアルバイトはあらかた決まってしまっていた為、仕方なく山の民宿でのアルバイトにシフトチェンジした私たちがたどり着いたのは、長野県は野辺山。
「日本で一番標高が高い街」
当時は、ちっぽけな木で出来た角材に、黒のインクでそう書かれた、申し訳程度の標識がポツンと立てられているだけの、小さな駅だった。

民宿の仕事は朝早くから夜9時頃まで。
別段新しくも綺麗でもない民宿に泊まりに来るのは、出張で来たサラリーマンたちがぽつんぽつんと、高校のサッカー部の合宿や、サークル等の団体客。
山奥で遊ぶところなど何も無かったが、仕事が暇な時にはたまに、民宿のご主人が観光客で賑わう清里へ車で連れて行ってくれた。


その民宿には結局夏の間中いたのだが、やっと仕事に慣れてきたある夜のこと。
仕事終わりに自分たちの泊まっている離れから母屋に向かう途中、彼女が私に向かって囁いた。
『ねぇ・・ちょっと見てごらん。』
仕事で疲れ果てていた私は、だるそうに、えー?と言って、彼女の指さす上を見た。


息を飲む、とはこういう事なんだと初めて知ったのはその時だろう。
街灯も無い真っ暗な夜の空に、一面の星。それも、多いなんてものではない、隙間が無いほどの量。
天の川はくっきりと見え、溢れる星が、本当に川を流れる水のようだった。
そして一面の星空のあちらこちらで、大量の流れ星が雨のようにざあざあと降り注いでいた。


星がぽつぽつとしか見えない都会育ちの私が知識の中でしか知らなかった宇宙を、この時ばかりは肌で感じることが出来た。
あぁ、私たちは確かに、宇宙に存在しているのだと。

その夜から、民宿にいる間中、良く晴れた日の夜はいつでも、私たちはその星空を見上げた。


大人になってから度々、星の綺麗な場所、星が良く見える場所などで有名な地方へ行ったりはしたのだが、19の頃見たその星空に敵う場所はいまだどこにも無い。


バブルの弾けたばかりの頃の清里はまだ賑やかだったが、10年近く前にまた訪れた時にはゴーストタウンと化していて、空き家の目立つカラフルなショッピング街は、昔の華やかだった頃を知る者としては、寂しさやもの悲しさしか感じさせなかったが、あの星空はきっと今でも昔と何ら変わらず、あの素晴らしい景色でそこに居続けていることだろう。



















タグ:野辺山
posted by たまき at 17:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年04月14日

ホスピタリティー

ある時、帰り際に若い女性スタッフが、客の見送りに店の外まで出てきて、深々とお辞儀をしてくれるカフェがあった。
綺麗処が沢山いるような、何処ぞのクラブでもあるまいに、ずいぶん仰々しいなと思ってその様子を見ていたが、顔を上げたスタッフを見て驚いた。
彼女の顔が、まるで能面のように無表情だったのだ。
ただただ義務でやっているのだろうが、背筋がゾッとする思いをしたのを覚えている。



理想を言えば、カフェやレストランに限らず、サービス業のお店にはこうあってほしい、というのがある。
それは、誰しも感じることなのではないかというようなこと。

例えば、

出てくるメニューが美味しいことや、スタッフの対応を含め店の雰囲気が良いこと等は勿論の他、
家具や食器、インテリアのセンスが良いこと(単に高価な物という意味ではなく)、
そして、気取り過ぎないこと などなど・・。

スタッフの対応の良さとは、あれこれ細々と世話を焼いたり、客の一挙手一投足をじっと観察するということではなく、適度に放っておいてくれて、それでいて要所はきちんと押さえてくれるというもの。
自分には到底出来ない芸当だと思うから、他人にもとやかく言うことは無いが、
先ほどの店のような対応ならば、むしろやってくれない方がマシだと心から思ってしまう。



またある時、コンビニでお釣りを渡された時に、お互いの手が触れ合わないよう、お客の掌にお金を落っことすように渡す(?)スタッフがいた。
お互いに非衛生でしょ?ということなのだろうか。それとも一方的に触りたくないからということなのだろうか。
最近はコロナの影響で、お金のやり取りをトレーに置いてするようになったが、むしろそういったやり取りになってホッとしてしまうほど、嫌な気持ちになった。

逆に、お客の手をがっつり包み込むようにしてお釣りを渡してくれる女性スタッフもいたが、あれもちょっと頂けない、と思うのは、はたして私だけだろうか。
スタッフの方からすれば、お客に対しての丁寧な心づもりなのだろうが、妙な輩なら勘違いするかもしれないし、私のように逆にちょっと引いてしまう人間もいるだろう。



ホスピタリティーとはなんだろう。
接客業をしようというのなら、やはり最低限のホスピタリティーくらいは持ち合わせてほしい。
そうでなければ寂し過ぎる。
しかしやりすぎもまた、本当のホスピタリティーとは逸れてしまうように感じる。




ここ暫く、「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」や「ソーシャルディスタンシング(社会的距離を置くこと)」等と騒がれてきたけれど、最近では、『フィジカルディスタンス(身体的距離)はソーシャルディスタンスで。でも心の距離は縮めよう』という風に変わってきつつあるらしい。

もともと「ソーシャルディスタンス」や「ソーシャルディスタンシング」には、身体的距離と同時に心の距離までもが含められてしまうようで、WHO(世界保健機関)が、あくまでも❝身体的距離のみを置く❞ということを強調するために、「フィジカルディスタンス(身体的距離)」という言葉に改めたとのこと。

「フィジカルディスタンス」と「心の距離」。
その両方がちょうど良い程度で、お互いが居心地良く感じられる距離とは、一体どのくらいの距離なのだろうか。
本当の意味での心の通った他人付き合いを考えさせられる、今日この頃である。




※ ホスピタリティー・・・思いやり・心のこもったおもてなし










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posted by たまき at 12:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年03月23日

居酒屋

雑踏の中、サンシャイン方面へ向かう人々の波とは少しずれて左へ行くと、ひっそりと姿を現す「サンシャイン中央通り」。
サンシャイン60通りとは格差大きくあまり人気もない、❝中央❞とは名ばかりの裏通りである。


30年程前そこに、とある小さな居酒屋があった。
薄暗い階段を地下に降りていくと、居酒屋独特の黴臭さの混じった、すえた匂いが鼻をつく。
建付けの悪い木製のおんぼろな開きドアを開ければ、今ではもうあまり見かけない昭和の居酒屋が現れる。
炉端焼きを売りにする店だったからなのか、壁一面が煤で黒く薄汚れていて、一見して若い女の子は絶対近寄らないであろうほど汚くてボロボロな店だった。


平日の夜は、昼間懸命にその辺りで働いた昭和のお父さんたちで、小さなその店は一杯になる。
スーツ姿のサラリーマン風の人もいれば、いったい何の仕事を生業にしているのやらといぶかしく思ってしまうような形(なり)をした、汚くくたびれたおじさま達もちらほら見かけた。
毎日のように泥酔状態の人もいれば、1、2杯ビールか日本酒を飲んだ後、慎ましやかに『ご馳走さん。』と言い大人しく帰っていく人もいる。
たまに来る若いサラリーマン達一行が、大騒ぎして他の客たちを居ずらくさせる日もあったが、それ以外は常連の若めなカップルや、訳ありそうなカップル他、人のいい常連客でいっぱいになるような、正味30席位の小さな店だった。


みんなただのアルバイトだった私をずいぶん可愛がってはくれたが、日々の小さな不満や鬱憤の吹き溜まりのようなその場所は、自分の実名すら容易には他言しないような、正体を明かしたがらない人々と、その人たちの大きな笑い声や怒号で溢れ返っていた。
そして時折男社会の縮図のようなものが垣間見え、ただの小娘だった私には到底計り知れないほどの見栄と欲望の渦の中、人種差別や男女差別、職業差別など、多種多様な差別と偏見等、理不尽な世の中の裏の姿を赤裸々に映し出していた。



コロナ前から、居酒屋離れが広がってきていたと言う。
新聞などによると、職場の付き合いよりも家族との時間を大切にしたいというニーズが広がってきている証拠であるとのこと。
そして今回のコロナが更に居酒屋離れを助長する形となった。
大型チェーン店でも40%近く閉店を余儀なくされている所もあるようだ。
サンシャイン中央通りにあったあの店のような小さな店はひとたまりもなかっただろう。



今でもあのすえた匂いをかぐと、当時抱いていた懐かしい感情と共に、その頃の情景がフラッシュバックする。
安いアルバイトが調理する大型居酒屋チェーンとは異なり、きちんと板前が料理していただけあって、出される食事だけはいつでも美味かった。















posted by たまき at 12:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年03月16日

ハッピーエンドで終わらせて2

昔からウィノナ・ライダーが大好きだが、彼女の出演作品の中で特に好きなのが、イーサン・ホークと共演した『リアリティ・バイツ』である。
東欧ユダヤ系の血が混じる彼女は、アメリカ人でありながらも普通のアメリカ人とは異なるとてもエキゾチックな顔立ちをしている。


シザーハンズでは、金髪ロングヘアの、可愛いが別段特徴のない、今で言うところのゆるふわ系女子だったウィノナ・ライダーだが、ブルネットのショートヘアにして初めて、❛ウィノナ・ライダー❜という魅力的な女優の存在に気が付いたと言っても過言ではない。
リアリティ・バイツには、そんな彼女の魅力が存分に詰まっている。


映画のストーリー的には、❛ジェネレーションX❜と呼ばれる、1960年代〜80年代初頭に生まれた、いわゆる私達世代の若い頃のリアルな毎日・・普通に恋に生き、仕事に悩む若者の様子を描いている。

高度経済成長期に、国や会社の為にがむしゃらに働いて社会に貢献してきた親たち世代とは違い、現実の平凡でつまらない社会より、個人の夢や理想に生きていたい若者達が、実際にはその現実と理想とのギャップに埋もれたような日々を送っている、という状態をリアルに再現している。

リアリティ・バイツ=現実が噛みつく(現実は厳しい)という意味であるらしいが、若者のリアルな生活は、やはり恋、仕事、それと友情。それ以外に何があるの?と言っているような作品である。
そしてそれこそがまさに❛ジェネレーションX❜以降の世代の若者のリアルな姿なのかもしれない。


ストーリーの中で、ウィノナ・ライダー演じるリレイナの友人がGAPで働いているという設定になっているのだが、面白いのはGAPの創業者が店の名前をGAPとした理由として「ジェネレーション・ギャップ」について討論していたというのだ。
もしかしたら、この映画の監督ベン・スティラーと脚本ヘレン・チャイルドレスはこれを映画のストーリーの背景でもあるジェネレーションXとその親たち世代のGAPにかけたのではないだろうか?等と妄想してしまう。


そしてウィノナ・ライダーとイーサンホークの恋の掛け合いも、ジリジリさせる、恋愛で一番楽しい部分を堪能出来るところが見どころ。
イーサン・ホーク演じるトロイという青年が、ウィノナ・ライダー演じるリレイナに対し、嫉妬の炎をメラメラと燃やす場面は、アメリカのレゲエバンド、Big Mountain(ビッグ・マウンテン)の『ベイビー・アイラブ・ユア・ウェイ』や、イーサン・ホーク自身が歌っている『アド・イット・アップ』が盛り上げ役となっていて、当時はビデオで何度巻き戻して見たか分からない程お気に入りの場面だった。
イーサン・ホークはその美声を生かし、2016年に公開された映画『ブルーに生まれついて』では、イーサン・ホーク演じるチェット・ベイカーが、代表曲の『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』を歌うシーンが収録されている。



前出のアメリカのレゲエバンド、Big Mountain(ビッグ・マウンテン)の『ベイビー・アイラブ・ユア・ウェイ』や、1970年代を代表するロックの一つである、The Knack(ザ・ナック)の『マイ・シャローナ』などは殊更に有名だが、それに加えて、当時イーサン・ホークの友人でもあったLisa Loeb(リサ・ローブ)の『ステイ』(彼女はこれをきっかけに売れた)、イーサン・ホーク自身が歌った曲、『アイム・ナッシング』と前出の『アド・イット・アップ』、Juliana Hatfield(ジュリアナ・ハットフィールド)の『スピン・ザ・ボトル』、Angelique Bianca(アンジェリーク・ビアンカ)の『ベッド・オブ・ローゼズ』(ボンジョビの同名曲が有名だがそれとは全く異なる曲である)、アイルランドの超ビッグロックバンドU2や、Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)などの大御所たちの曲もこの映画を盛り上げている。



最初に発売されたサントラ盤ではイーサンホークの歌う『アド・イット・アップ』は含まれていなかったが、後にその『アド・イット・アップ』を含め数曲加えられて新たに発売されている。




Baby I Love Your Way Big Mountain(ビッグ・マウンテン)
https://www.youtube.com/watch?v=5dB4TThG9zw




My Sharona The Knack(ザ・ナック)
https://www.youtube.com/watch?v=g1T71PGd-J0




Stay (I Missed You) Lisa Loeb(リサ・ローブ)
https://blog.mryogaku.com/stay-i-missed-you/




I'm Nuthin(Ethan Hawkeバージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=S7ggaN1p3uE





Spin The Bottle Juliana Hatfield(ザ・ジュリアナハットフィールド3)
https://www.youtube.com/watch?v=jUAVbGoR81I
https://www.youtube.com/watch?v=jWqrxK5qsNM





Bed of Roses Angelique Bianca(アンジェリーク・ビアンカ)
https://www.youtube.com/watch?v=T5FnFdyFRU8





All I Want Is You U2
https://www.youtube.com/watch?v=iOA697hoop8










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posted by たまき at 13:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年03月09日

幼馴染

玄関を入るとすぐ、その絵が目に飛び込んできた。
壁一面ほどもあるその大きな絵には、三人の幼い少女が描かれている。


真ん中に、保育園の保母さんなのか、それとも三人の通った学童保育所の先生なのか、あるいは誰かの母親なのか分からないが、大人の女性に抱きかかえられながら梨狩りをしている少女。
その両脇には、じっと真正面を見つめ、得意げな笑みを浮かべた二人の少女。
ぐるりと周りを取り囲む黄色く色付いた木々と、緑がかった梨、真ん中の少女が着ている青いジャンパースカート、そして両脇の少女たちの着ているピンクや黄色のカラフルな洋服、それらのコントラストが印象的な一枚である。


絵画に描かれている三人の少女は、保育園から学童保育所までずっといっしょに育った。
やんちゃなじゃじゃ馬娘二人と、絵を描くのが好きな大人しい少女は、何故かとても気が合って、いつも一緒だった。
三人とも両親が働いていたので、小学校は違っても同じ学童保育所に通い、遊ぶのも一緒、いたずらをするのも一緒、喧嘩したり、またすぐ仲直りしたりしながら、その日一日一日を過ごした。
長い夏休みも、冬や春の短い休暇中も、親と過ごすよりも長い時間を、いつも一緒に、ただただ自由にのびのびと暮らしていた。


学童保育所の先生達はいつでも三人を温かい心で受け入れてくれて、いたずら等して叱られる側も叱る側も、お互いの愛を信じて疑わなかった。
学童保育所というものがまだまだ認知されるのが難しかった時代、先生達はその学童保育所が認知されるように四方八方奔走した。
ゴミに出されていた家具で使えそうな物を見つけると譲ってもらい、リヤカーで運んでは、直して使った。
アレルギーのある子には、普通の白い食パンよりも、ドイツの黒パンがいいと、わざわざ黒パンを食べさせてくれた。
そんな、厳しくも温かい先生達の中で、三人娘はすくすくと成長した。


小学校卒業と共にあまり会わなくなった三人だったが、50代という若さで亡くなってしまった先生のお葬式で久しぶりにお互い顔を合わせることになる。
18歳になっていた少女たちは、大人になったお互いを見ていったい何を感じただろう。
それからも三人はそれぞれの人生を歩み、今現在も親交を温めている。
絵を描く大人しい少女が、ある時言った言葉を胸に。
『あの頃の私たち三人の思い出は、私の中ではキラキラして、まるで宝石箱の中のようなんだ。』
彼女の中の彼女自身の素直な心に、生身の手で直に触れたような気がした。


心から信じあえる友とは何なのだろう。
幼い頃から、酸いも甘いも一緒に噛み分けてきた相手。
沢山喧嘩して、でもすぐ仲直りして・・
幼い子どもだったからこそ、率直に、時には残酷に。
そして大人になった今でも信じ合える相手。

今現在一人は学童保育所の先生に、もう一人は主婦の傍ら介護のパートをしている。
ただありがとうと言うだけでは伝えきれないほどの感謝の気持ちを、彼女達に伝えたい。













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タグ:エッセイ
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2021年03月02日

ラジオ

夜中0時を回る頃、ジェット機の飛行音と共に始まる『JET STREAM(ジェットストリーム)』というラジオ番組がある。
東京FMで放送されているこの番組が大好きで、30年程前はよく聞いていた。


映画『ローマの休日』、『白鯨』等のグレゴリー・ペックの日本語吹き替えも担当していた、ナレーション城 達也氏の、妙な抑揚の無い紳士的で落ち着いた静かな声と語り口。そしてオープニングテーマ曲である「Mr.Lonely」が、昼間の喧騒でざわついた心を落ち着けてくれた。
番組中も時折入るジェット機の飛行音と、数々の美しい音楽も、夜のしじま、行ったことのない国へ飛び立つような錯覚と共に、夢の中へいざなってくれる効果として最適だった。


その頃街のCDショップでもよくその手のCDを見かけたが、今で言うところの「ヒーリングミュージック」というものが番組の随所で流れ、脳内にリラックス効果を与えていたのだろう。
波打ち際の静かな波の音や、はたまた誰も足を踏み入れたことの無いジャングルの森の中の、見たこともないような鳥の声、澄んだ空気のように凛とした静かな音などが、疲れた頭を空っぽにしてくれた。
一日の終わりに、心地よい眠りへの前準備として最高のラジオ番組だったと思う。



城 達也氏の引退後は、小野田英一さん、伊武雅刀さん、大沢たかおさん、福山雅治さんなどの有名どころがその後を引き継いだが、やはり元祖城 達也氏の醸し出すあの雰囲気は、彼にしか出せない特殊なものだったようだ。
番組自体はまだ続いているみたいだが、彼のジェットストリームが終わってしまってから、それに代わるようなものはなかなか見つからなかった。



最近になって、夜ラジオをつけた時にたまたまやっていた『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING(テューダー・トラベリング・ウィズアウト・ムービング)』 というラジオ番組の、野村訓市(のむら くんいち)さんの語り口にじわじわ来ている。
動かない「旅」をテーマにしたラジオ番組。ご自身も大学卒業後、各国を旅していたと言う。

城達也氏とは全く異なり、若い頃は少しやんちゃだったのかもしれないなという雰囲気を、そこはかとなくまとってはいるのだが、淡々とした語り口と、人を落ち着かせる感のある声質で、独特なセンスのトークを繰り広げる。
モデル業や女優業でご活躍の佐多真由美さんの旦那様とのこと。
ちょうど同じくらいの年代ということもあってか、妙に親近感が沸いた。
第二のジェットストリームなるかと期待しつつ、遠い日の城 達也氏のナレーションを思い出す。






 JET STREAM
  
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tC7NCSCH4xU(城 達也)

https://www.youtube.com/watch?v=S45sZVbKm-g(城 達也/最終回)


公式ホームページ (毎週月〜金曜 24時からTOKYO FMにて放送中)
https://www.tfm.co.jp/jetstream/




 TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING
  
公式ホームページ(毎週日曜 20時からJ-waveにて放送中)
https://www.j-wave.co.jp/original/travelling/







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2021年02月23日

カタルシス

笑うといいとはよく言うが。

笑う門には福来たるということわざがある。
誰もがよく知っている言葉だが、それを鵜呑みにしてお笑い番組ばかり見ていた時期があった。
嫌なことがあっても、とにかく笑ってさえいれば何とかなると思ってしまっていたのだ。


一時はかなりはまって、沢山のお笑い芸人の名前を覚えたりなんかしていたのだが、しかしやはり過ぎたるは及ばざるが如し。
ある頃から、笑っても一向に心が晴れなくなってしまった。
笑うことが常態化している毎日であったはずなのに、まるで一つ腑に落ちないモヤモヤが、心に引っかかってしまっているかのように。


ある日、何とはなしに見ていた映画で、久しぶりに涙を流していることに気づいた。
すると、その今まで引っかかってしまっていた何かが急に、すっと落ちて、溶けるように消えていくのを感じた。
あぁ、私は泣きたかったんだと、ようやくその時理解した。



女が何年も生きていれば、精神の浄化を得たいと思うような出来事は幾度となく訪れるもの。
幾つの頃からか知らないが、とにかく気を張る毎日に、知らず知らずのうちに心身ともに疲れ果ててしまっていたようだ。
幼い頃は、あんなに素直にのびのびと、感情を表現して生きていたのに。
いつの間にか、自分が笑いたいのか泣きたいのかすら分からなくなってしまっていたなんて・・と少なからず驚いた。


もしも、今現在特に辛いことが無かったとして、例えば昔を懐かしんでいるときに、良い思い出ばかりではなく、哀しかったり辛かったりした思い出を思い出してしまったら、思い切り泣くのがいいらしい。
無理に感情をとめずに、気が済むまで泣き続ける。
そうすることで、カタルシス(精神の浄化)を得られるというのである。
それまで鬱屈して押し込められていた不の感情を全て吐き出すことで得られる、「心が洗われる」という状態のことである。


大人だってもっと自由に感情を表現できればどんなにいいだろう。
そうしたら鬱なんて言葉はなくなるかもしれない。
勿論そうそう表に表してばかりはいられないとは思うが、泣きたい時は泣き、笑いたい時には笑う、その両方が素直に出来て、笑うばかりでも、泣くばかりでもなく、双方のバランスが釣り合っている時に、精神のバランスも良い状態に保てるのだろう。









posted by たまき at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ

2021年02月12日

ハッピーエンドで終わらせて

好きな映画は『プリティ・ウーマン』や『リアリティ・バイツ』だと言ったらミーハーだと思うだろうか。

母はモノクロのフランス映画が好きで、仕事帰りに時々、まだ若かりし頃の私と落ち合っては、有楽町の小さな映画館で、名作だと言われる「禁じられた遊び」や、その他のマニアックで退屈なモノクロのフランス映画を見たりした。
家で見る映画ももっぱら、「シェルブールの雨傘」や「十戒」、「王様と私」、「雨に唄えば」、「カサブランカ」などのクラシカルな映画ばかりだった。

確かに、ハンフリー・ボガートやユル・ブリンナーはとても魅力的ではあった。
が、私はと言えば、勿論そういった1930年〜60年代にかけて作られた、長くて古典的な映画も好きではあるが、若さゆえに、どちらかと言うとテンポよく進む、現代の王道ハリウッド映画が好きだった。



プリティーウーマンが映画館で公開されたのは、かれこれ30年程前、17、8歳の頃だったと思う。
大きな目と大きな口、ウェーブのかかった赤い髪が印象的なジュリア・ロバーツが、目をぐるぐると見開いて、日本人にはちょっと大袈裟だと感じられるほどのジェスチャーを交えながら、その大きながま口のような口をガバっと開けてゲラゲラ笑う様子に、なぜか当時の私はとても強烈なインパクトを受けてしまい、ドはまりするほど好きだった。


生き生きと娼婦を演じるジュリア・ロバーツにハマってしまったのだ。
❝生き生きとした娼婦❞というのもちょっと変だが、ジュリア・ロバーツの素のままのような明るさとパワーと、「娼婦ではあるが根は真面目」という一見正反対にも思えるそのキャラクター設定に惹かれたのかもしれない。


リチャード・ギアとジュリア・ロバーツの恋のサクセスストーリーであるにも関わらず、その辺の経緯よりも、ジュリア・ロバーツの存在に釘付けだった。
私の記憶が正しければ、この映画に関するインタビューか何かで、リチャード・ギア本人もジュリア・ロバーツに対し、「(役者として)完全に食われていた」とコメントしていたように思う。


プリティーウーマンの魅力はそこだけにとどまらない。
娼婦役のジュリア・ロバーツと金持ち男役のリチャード・ギアが、大きなホテルに泊まるのだが、そのホテルの従業員たちが、みんな愛すべきキャラクターであるということ。
ホテルの総支配人を始め、娼婦丸出しのジュリアロバーツ演じるヴィヴィアンに、フォーマルドレスを選んでくれる女性従業員や、エレベーターボーイなど、彼女を取り巻くホテルの従業員達の、彼女への温かい愛情を感じるのである。
そこには、映画を作った監督や脚本家自身の、人間に対する愛情のようなものがあるように思えた。


そして、映画で使われている、ロイ・オービソン(Roy Kelton Orbison)の『オー・プリティー・ウーマン』の曲は特に有名だが、その他にも、スウェーデンのバンドRoxette(ロクセット)の『It Must Have Been Love』やレッチリの愛称で知られるアメリカのロックバンドRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の『Show Me Your Soul』、イングランド出身のミュージシャンDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の 『Fame '90』、 ジャズ界の帝王ナット・キング・コールの娘、Natalie Cole (ナタリー・コール)の『Wild Women Do』などなど、映画を盛り立てる影の立役者、音楽においても錚々たる顔ぶれである。


どうも、当初は薬物中毒の娼婦が、金持ち男にゴミくずのように捨てられるという、もっと陰鬱とした映画になる予定だったらしいが、どうやら明るい恋のサクセスストーリーにして正解だったという訳だ。
ジュリアロバーツの魅力を余すことなく使いきったこの映画で、彼女は一躍スターダムにのし上がったのだから。
バブリーな浮かれた時代だったからかもしれないが、見ている観客だってその方が良かったのだ。
人々は陰鬱な雰囲気など求めてはいない。
誰しも明日に希望を、そして未来に期待して生きていたいのだから。




 Roy Kelton Orbison(ロイ・オービソン)
『オー・プリティー・ウーマン』

https://www.youtube.com/watch?v=XGIKlKt9-k8




 Roxette(ロクセット)
『It Must Have Been Love(邦名 愛のぬくもり)』

https://www.youtube.com/watch?v=p0MdP8KeAII




 Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
『Show Me Your Soul』 

https://www.youtube.com/watch?v=HXtR4oRdsjY




 David Bowie(デヴィッド・ボウイ)
『Fame '90』 

https://www.youtube.com/watch?v=_Up1s8z7jH8



  Natalie Cole (ナタリーコール)
『Wild Women Do』

https://www.youtube.com/watch?v=3TvH5A4wNHA
















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2021年02月02日

昔話

最終電車で最寄り駅に降りた辺りから、変な輩につけられているのを感じていた。
酔っ払いや不審者あたりがうろついていてもおかしくはない時間帯。
むろん、うら若き乙女の頃の話だが。

改札を出ると、本能的に自宅とは反対の方へ道を折れた。
が、行こうとした先は細く暗い道が続いているだけ。
内心しまったと気が動転しながらも、左手に数件店があるのに気づき、あそこのどこかに入ろう、
そう思って速足で店の前まで来た。
けれども着いてみれば、そこは若い娘が気安く入れるような店ではなく、場末の妖しげなスナックと、ひっそりとした小料理屋しかなかった。
とにかく安全な場所へと切羽詰まってはいたが、何故かそこは冷静に、ぼったくられても嫌だな、と思い、
咄嗟に小料理屋の方に入ることにした。

後から気付いたことだったが、表に「和風スナック」と書かれた看板が、全く目立たない形でひそやかにかかっていた。

髪をポニーテールに束ね、ラメ入りの柔らかそうな黒いツーピースを着た、60歳近い小柄な女性が一人、その当時売られていたMoreという、茶色い紙で巻かれた細長いタバコを片手に、ポツンとカウンターの裏に立っていて、高く細いしゃがれた声で「いらっしゃい。」と言った。
それが、ママと私との最初の出会いだった。

当時の私は、たまに友達とディスコに行ってお酒を飲んだりすることはあったけれど、たった一人でそんな所へ入ったりするのはその夜が初めてだった。

焼酎のいいちこや二階堂のボトルばかりがずらりと並んでいて、木製のカウンターと、お座敷のテーブル席が2つあるだけの、質素な店だった。
「こんな若いお客さんは初めてよ。」
とママは言った。

その時は大した持ち金も無く、もしかしたら席に座るだけでチャージ料等取られて、焼酎1杯で何千円とかするのかもとドギマギしながら、恐る恐る「とりあえず焼酎」とだけ言った。
若いというのは、なんというか、本当に無鉄砲である。
私はその時17だった。

焼酎を飲みながら、当たり障りない話をしていたが、やがて正直に、実は不審者に追われて、とママに伝えた。
ママは心配して店の外に出て見てくれたが、ありがたいことにその時にはもう、その不審者の姿はなかった。

その夜を境に、私はちょくちょくその店に顔を出すようになった。
ママは私を娘と言って可愛がってくれ、自分の店が終わってから、マスターとは長い付き合いだという隣の妖しげなスナックに、一緒に顔を出すこともしばしばだった。
飲んだくれるとたまに、ママの住む小さなアパートの一室に泊まらせてくれたりもした。

ママは一人暮らしで、しかもいつも酔っ払って帰るわりには、アパートの部屋は小奇麗に整頓されていて、そして、どんなに酔っ払った翌日でも、必ず私に朝食を作ってくれた。
その朝食は、ザ・和食といったメニューで、卵ご飯に納豆、味噌汁、ちょっとした漬物やお浸しのようなもので、正直二日酔いの私には勿体ないくらい贅沢な朝食だった。
こんなに食べられないよ、とも思ったが、一生懸命作ってくれたママを思うと、いつもなるべく残さずに食べようと頬張った。

どんなに時が経っても忘れられない思い出が誰にもあると思うが、ママと過ごした数年間はとても印象深い思い出の一つだ。
おばあちゃん達三人で朝までやっている、ママ行きつけの居酒屋のニラ玉がめちゃくちゃ美味しかったことや、年の瀬に、ママのパトロンとでもいうべき男性と、ママと私との三人で、夜中車を走らせ行った新宿の酉の市の華やかさとか、若い私にはその全てが刺激的で、ちゃらちゃらした同年代の男友達や女友達と遊ぶよりも、何倍も印象の深いことだった。
ある一人の女の生き方として、心に焼き付いた。

先日、久々にママから電話があった。
毎年年賀状でのやり取りはしてきたものの、店があった地元からは遠く離れて暮らすようになり、殆ど会えていない。
久しぶりに会いたいね、と言っていた。
❝コロナ時世❞と呼ばれて久しいこのご時世、お互いなかなか会えないことは承知の上で出た言葉。
初めて出会った夜からおよそ30年、ママもだいぶ年を取ったことだろう。
女が一人で生きていくというのは、想像以上にいろんな思いがあっただろう。
もう一度、ママに会って酒でも飲みながら、積もる話をしたい。









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2021年01月16日

草花

祖父達や父は植物が大好きで、沢山の草花や木を庭中に育てていた。
幼少期からそんな男たちを見てきたせいか、マメな男性が普通だと思ってきた。

しかし案外世の中には、本当にマメな男性はいらっしゃらないということを徐々に理解し始めた二十代も後半の頃、ガーデニングで有名な吉谷桂子さんの本と出逢った。

7年間の英国暮らしの中で得た、生活を楽しむ術から始まって、イギリスの美しい本場のガーデンやイタリアの古典的なガーデンの紹介、これまた素晴らしい自身の庭の様子等々が、12ヶ月の月ごとに紹介されていて、読んでいるだけで自分の生活が豊かになるような気がする素晴らしい本である。

日本では見られないめずらしい花々や果物なども、非常に魅力的な写真に収められていて、見ていて飽きない。
イギリスはガーデニングが本場なだけあって、日本と違い、冬でもお店で売られている観葉植物の種類が多いこともこの本で知った。

大好きな吉谷桂子さんにあやかって、生活にいろどりを、という訳で町のところどころにあるお花屋さんをめぐることに。
テレビの料理番組で料理の香りまではしないように、インターネットの買い物では花の香りも、枝葉の粋の良さも感じることはできないから。

寒々しい冬の日々が続いても、ちょっとお花屋さんを覗けば、寒さに強い草花が、もう春が来たかと思わせるほどに咲き乱れている。
今日のような小春日和ともなると、近所のご婦人方がその温かいいろどりに誘われて、幾人も吸い込まれるようにお花屋さんへ入っていった。
そして私も例外なくその一人。

これもほんの少しだけ、生活に豊かさを感じる一瞬。
この些細な一瞬一瞬のつらなりが、❝本当の豊かさ❞なのだと教えられる、大切な時間である。

吉谷桂子さんはその本の中で、
『一家のマダムに必要なのは、自分自身の個性と特質、そして短所と長所をよく理解した上で、のびのびと、自分や家族のポテンシャルを引き出す、独自の創造力である』
と言っている。

そんなたいそうなものではないかもしれないが、自分の選んだこのいろどりで、自分も家族も一瞬でも幸せな時を感じられたら、それが最高ではないだろうか。

ポテンシャル・・・潜在的な力、可能性としての力)





パンジー 『プティ・シャトン(❝可愛い子猫❞という意味) ブルーナ』

パンジー プティ・シャトン ブルーナ.JPG





ビオラ 『バニーガール』 青紫

ビオラ バニーガール 青紫.JPG


ビオラ 『バニーガール』 赤紫

ビオラ バニーガール 赤紫.JPG





アラビスプロクレンス 『ハーレクイン』

白い小さな花を沢山付けるそう。

アラビス プロクレンス 「ハーレクイン」.JPG


およそ2ヶ月後のアラビスプロクレンス

3月末 アラビスプロクレンス.JPG






プリムラ(ジュリアン)の薔薇咲き種

プリムラ   (ジュリアン)薔薇咲き 横.JPG

プリムラ(ジュリアン)上から.JPG





ミニシクラメン

欠けてしまったティーカップに入れて。

ミニシクラメン まだら.JPG





アルメリア 『バレリーナ』
花も可愛いが、葉の形状が美しい!

アルメリアバレリーナ.JPG


およそ2か月後のアルメリア

3月末 アルメリアバレリーナ.JPG





寒さで赤くなったゼラニウムの葉。

ゼラニウムの紅葉.JPG






 吉谷桂子(よしやけいこ)
https://www.dinos.co.jp/garden/keiko_yoshiya/


〈参照〉 吉谷桂子のガーデンライフ12ヵ月 〜イギリスからの贈り物〜


 イタリアの庭園 イゾラ・ベッラ
https://4travel.jp/travelogue/11322790

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2021年01月12日

ノスタルジー

何度も夢に出てくる喫茶店がある。
実在はしない。文字通り、自分の夢の喫茶店だ。
いわゆる妄想なのだが、それにしては作りも何もかもが、写真で撮られたかのようにくっきりとリアルに夢に出てくるのである。
その喫茶店のデザインには、どうやらあの、カルーセル・エルドラドが一役買っているような気もする。


人は何故古いものに憧れを抱くのだろうか。
カルーセル・エルドラドが造られたばかりの頃を私は知らない。
けれども一度それを見れば、何故か懐かしさを感じるのだ。


昨今の純喫茶ブームも、年配の方々のみならず、若い世代にも人気らしい。
評論家は、若い世代の方々にとっては新しさを感じるものだから、と言っているが、果たして本当にそれだけだろうか。
確かに現代には無い独特な感性は、見る者に刺激を与えるだろう。
だが刺激を受けるのと同時に、その古い物たちがまだ新しかった頃に思いを馳せる。
それが作られた当時、流行った当時はいったいどんなだったのだろう、どんな人々が愛用してきたのだろう、と。
そしてその時何故か、人はノスタルジーを感じずにはいられない。
例えそれが、自分の経験した過去でなくても。


ノスタルジックな思考というのは、昔を懐かしむ行為のことである。
ノスタルジックな思考に陥る時、その前段階として、不安や孤独、憂鬱やイライラした感情が起こるらしい。
つまり、現在の自分の置かれている状況に対して、大なり小なり何らかの不満を抱いている、ということである。


イギリスやアジアの研究者によれば、ノスタルジーを抱くと、人間の脳は精神状態を高めることが出来るらしい。更に、認知機能が上がる、ということも分かっている。
そして、アメリカのある心理学者と研究グループによって、ノスタルジーは、哀しみや孤独感から立ち直るのに役立つだけでなく、未来に起こる様々な不幸に対する免疫、及び抵抗力がつくことも明らかになった。


古い物を見る時、私たちは知らず知らずのうちにノスタルジックな感情を抱き、気持ちが高揚するのを感じているのではなかろうか。
飛躍した考えかもしれないが、その高揚は、単なるロマンとしての興奮とはまた別に、もしかしたらその人の精神の状態を高め、ポジティブな感情に押し上げる手伝いさえしているのかもしれない、とそう感じてしまうのは、果たして私だけであろうか。


日本経済新聞によると、コロナにより低迷した屋上バーベキューのプロデュースから、純喫茶展開にシフトアップしたREALBBQ取締役の福山俊大氏は「純喫茶型は時代遅れに見えるが、安定していてコロナにも強く、付加価値を与えることでビジネスとして成立する」と語っているらしい。
コロナ時世で鬱屈した人々の精神がノスタルジーを求めても、何ら不思議はないだろう。

因みに、ノスタルジー(名詞)とはフランス語で「過去を懐かしむ気持ち」のこと。英語ではノスタルジア。
ノスタルジック(形容詞)は英語で、「懐かしさを覚える」という意味。




脳に関する国内最大級の総合メディア
脳科学メディア
https://japan-brain-science.com/archives/2259



日本経済新聞 2020/12/6版
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO66951240T01C20A2H56A00



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2020年12月30日

カルーセル・エルドラド

今年起きた出来事で忘れられないことと言えば、夏の終わり、東京練馬区の『としまえん遊園地』が惜しまれつつも閉園してしまったこと。
幼い頃は親や祖父母に連れられて、年頃になると友達やボーイフレンドとなど、散々行った大好きな遊園地だった。
そこには『カルーセル・エルドラド』というメリーゴーラウンドが長年存在していた。


カルーセルとはフランス語で❝回転木馬❞、エルドラドとはスペイン語で❝黄金郷❞という意味である。
その名の通り、非常に豪華なメリーゴーラウンドだ。制作から110年あまり経っていて多少劣化してはいるが、当時の豪華絢爛な様子は見て取れる。
今まで様々な遊園地のメリーゴーラウンドを目にしてきたが、あんなにも美しく豪華で、造作の素晴らしいメリーゴーラウンドを見たことはない。


『カルーセル・エルドラド』は、1907年ドイツのフーゴー・ハーゼ(ヒューゴ・ハッセという記載もあり。)という機械技師によって制作された。
機械技師であると同時に移動遊園地業者でもあった彼は、『カルーセル・エルドラド』と共に、ヨーロッパ中を巡業した。
そしていつしかヨーロッパでは「遊園地の王様」とまで呼ばれるようになっていく。

1911年、『カルーセル・エルドラド』はドイツで起こった紛争などの理由からアメリカへ移送され、その後ニューヨークのブルックリンにあったスティープルチェース遊園地に当時15億円で売却されることになる。
しかしそこでも、第二次大戦後の不動産価格上昇のあおりを受け、アメリカの遊園地が次々と閉園。
同時に『カルーセル・エルドラド』は解体され倉庫に保管されたまま数年が経過することになる。

その後、どういう経緯か突如としてとしまえんが当時一億円で購入。心臓部である電動機に致命的な不具合があったため、希少な在庫品の調達に翻弄されながらも、もともとのオリジナル性を重視し、制作当時の色に復元したり、木馬やゴンドラ等の木彫り部分の修復も、出来る限り木彫りにこだわるなどして2年がかりで修復、1971年から運転を再開した。

日本最古のメリーゴーラウンドで、世界でも同じく最古クラスの物。
全体的に、花や植物、天使や女神などのアールヌーヴォー様式の装飾が施されている。
木馬は上下運動こそしないけれど、メリーゴーラウンド内は3段に分かれ、上に行くほど回転速度が速くなっている。一番上の3段目はかなりの速度で回転する。

2010年に日本機械学会により、機械遺産(後世に残すべき機械と機械技術の保存、文化的遺産として次世代に伝えることを目的とする)に認定されている。
機械遺産に認定される物は、機械工学的な見地からだけでなく、社会・経済・文化・生活に貢献しているかどうかも含めて認定される。

『カルーセル・エルドラド』は、「機械仕掛けの芸術的乗り物として100年以上の歴史を持つ、世界的に貴重な文化遺産」であるとして、生活関連機械部門で認定を受けた。
日本機械学会は、『カルーセル・エルドラド』について、原動機部は当初の物ではないが、20世紀初頭のアールヌーヴォー様式の装飾が施され、「芸術作品と機械技術が見事に融合されている顕著な例」としている。

としまえん遊園地は『カルーセル・エルドラド』が今の姿のまま後世に残るよう最善を尽くしたいとしてメンテナンス後の処置を検討中である。
非常に古いものなので、かなりの手間やコストがかかるのは重々承知だが、本当は東京都や国を挙げて残すべき価値ある文化遺産であることに間違いないのではなかろうか。
『カルーセル・エルドラド』の今後の行方が気になるところである。


因みに、今年2020年に機械遺産に認定された物としては、1950年代、それまでカメラと言えばドイツと言われていたカメラ業界で、日本の一眼レフカメラを世界水準へと進展させたアサヒフレックス、ミランダT等のカメラが選ばれている。




☆としまえん動画
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/oshirase/toshimaentokusyu.html


☆アールヌーヴォー様式とは
https://www.artpedia.asia/art-nouveau/


☆アールヌーヴォー様式の建物の例
http://www.arukikata.co.jp/webmag/bn/belgium02_07.php


〈参照〉CAROUSEL ELDOLAD  吉村和敏 著(写真集)







カルーセル・エルドラド内部 






回転軸の柱上部
20201217-224457.JPG


20201217-224636.JPG


20201217-224643.JPG

天井・屋根部
20201217-224721.JPG


20201217-224708.JPG

回転軸の柱下部
20201217-225119.JPG

照明
190104_175104_Moment-2 (2).jpg



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2020年12月13日

植物のある風景

植物は良い。あるだけで癒される不思議な存在である。
家の中には観葉植物が、外にはガーデニング用の植物があってほしい。

けれどもなぜか観葉植物は高い。
その鉢込みでその値段が妥当なのかどうかは分からないが、とにかく高いので、私はいつも近所の小さな花屋で、小さくても勢いがあって元気そうなものを数百円で買ってくる。
多少枝葉があっちこっち明後日の方角を向いていても構わない。とにかく元気な物が良い。
あとはその元気な形を生かすように、ガレッジセールや骨董市などで手に入れた趣のある鉢や、植物大好き人間だった祖父の遺品の鉢、更には海で拾ってきた大きめの貝殻などに植え替えて楽しむ。

旅行に出かけたりして多少水やり等しなくても育つパキラやポトス、多肉植物等育てやすいものを選ぶのもポイントだ。
それは観葉植物ではない普通の植物を選ぶ時にも言えることではあるが、私のようなズボラな人間は、精魂込めて育てなければならないような柔な植物を育てるのは不向きなので、今うちにある植物たちはみんな私のズボラペースについてこられた非常に強靭な植物だけである。
ゼラニウムやハナニラ、多肉植物などがいい例。彼らは勝手にどんどん増えるし、折れてしまっても、ポンと土にさしておけば、数日で根を張るほど強い。
全く見習いたいものである。



観葉植物ミニ×2.JPG

テーブルヤシ。アジアンな雰囲気を作り出してくれる。乾いたら水をやればよし。

観葉植物ガラス瓶.JPG

観葉植物 ポトス 幸音の花瓶.JPG
観葉植物 ポトス.JPG
ポトス。上から2つ目3つ目も全て同じポトスから株分け?したもの。


多肉植物.JPG
多肉植物の❛金のなる木❜。葉を無造作に土に置いておくだけ
で根を生やす強靭過ぎる生命力。しかし金はならない。

観葉植物 パキラ.JPG
パキラ。このひともさしておくだけで定着する。土が乾いたら水をやればよい。

植物 外 小さいもの.JPG
アスパラガススマイラックス。白い小さな花と赤い小さな実をつける。


ゼラニウム 葉のみ大.JPG

ゼラニウム。この寒さでもお構いなしに精力的に蕾をつけている。

下全て祖父の遺品の鉢。
植物 外の小さいもの2.JPG

おじいちゃんの植木鉢青×3.JPG

向かって右=不二鉢

おじいちゃんの植木鉢他×2.JPG

向かって右=万光鉢

※不二鉢や万光鉢は盆栽用の鉢。ヤフーオークション等でも売っている。



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2020年12月02日

ホットブレイク

寒い朝。
この辺では昨日より5℃近く気温が下がった。
全国的には昨日と今日とでそんなに気温差は無いようだが、この地方だけ−5度とは全く恐れ入った。
冷たい雨も少しぱらついたようだ。

こんな日は、とかく心までも凍てついてしまいそうだが、知り合いからのお下がりならぬお上がりのカラフルなセーターと、可愛い花柄のモチーフのカップで気持ちを上げるお手伝い。

そして、ルノワールの『靴紐を結ぶ女』や、セザンヌの果物系の絵など、とにかく暖色系の絵画でも見ることで暖をとる。

もうみんなクリスマスツリーなど飾っただろうか。
うちはまだだが、そろそろ始めるとするか。


年間販売実績100万箱、元祖くず餅【船橋屋】


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2020年12月01日

廃墟

蛇柄のショルダーバッグの彼女は大の『廃墟』好きである。
長崎の軍艦島の事を語りだすとお喋りがとまらなくなるので少々辟易としていたが、
ある日彼女から1冊の小冊子を渡された。面白いから是非読んでくれという。
なんだろうと思って表紙の題名を見て、思わず目を見開いてしまった。なんとラブホテルの写真集?的なものだったのだ。それも、全国津々浦々の昭和のラブホばかりを集めて掲載している。
彼女は目をキラキラさせていたが、私は正直かなり引いていたので、丁重にお断りして小冊子を彼女の手に戻そうとした。が、彼女はしつこく食い下がる。
しかしこちらはこちらでそういうことにそこまで興味津々でガツガツした時期はとうに過ぎていると思っていたので、彼女との間にかなりの温度差を感じずにはいられなかったが、仕方なく、じゃあ少しだけねと言って家に持ち帰った。

実を言うと、暫くは本棚にしまって放置していた。借りてから数週間過ぎてから彼女に、本は見たか?と催促されてようやく思い出したくらい忘れてしまっていた。
これはそろそろ返さないとまずいなと思い、仕方なくページをめくり始めた。
と、これが結構面白い。
けばけばしい電飾と、おとぎの国かあるいは、海底の竜宮城にでも迷い込んだかと勘違いさせられるような内装の数々。中にはまるで宮殿のように美しい内装の部屋もある。
浴槽も、プールのように広かったり、ギリシャ神殿でも参考にしたのかと思うほど豪華なものもある。
最近のホテルしか知らない世代の人達が見たら、きっと驚きを隠せないだろう。

1960年代後半から1985年に花開いたとされるラブホテル文化。
今ではその殆どが廃業に追いやられ、絶滅危惧種として昭和遺産とまで呼ばれているらしい。
高度経済成長期からバブル期に入るまでの間に、金に糸目をつけずに非日常を追求した挙句完成した建造物たち。
一時は栄華を極めた多くの建物は、長い月日と共にそのきらびやかな様相は劣化し、哀愁ゆえの妖しい美しさを放っていた。
軍艦島とは以って非なるもののように感じるが、確かにこれもまた、彼女の好きな『廃墟』に違いないと思った。
毎日の日常生活を送る自分の部屋のインテリアをこんな風にしたいとは全く思わないが、ある意味勉強になったと心の中で彼女に感謝した。










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タグ:廃墟
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2020年11月27日

銀杏

昼間街を歩くと目につく、黄色く色づいた銀杏の木々。
空は明らかな曇天でも、この黄金色の風景を見ていると、まるでモネだかマネだかの描いた絵のように思えてくる。
それほど美しい。
10月のハロウィンが終わればすぐにクリスマス支度を始める街並みには、少しだけそぐわない気もするが、これが本当のこの時期の姿だ。

テレビでは今日も、やれ本日の感染者数は〇〇人などと、アナウンサーがさもありなんという顔をして喋っているが、昼間のこの街はあっちもこっちも元気なご老人たちでいっぱいだ。もちろん対策はしているのだろうが、毎日の感染者数更新も、この街のご老人たちにとってはどこ吹く風、といった具合。こちらからすると頼もしい限りだが、そうは言っても、行きたい店に行きずらい雰囲気が無い訳では無い。
親しい友人たちとのお茶会もめっきり減ってしまった。

銀杏の木々1.jpg

それならば、今日も自宅で美味しいミルクティーを入れよう。
今日のミルクはいつもと違う、どっしりとした味の濃いタイプ。

窓の外に遠くの森の紅葉が見える。
紅茶とミルクの混じり合う、何とも言えない香しい香りに舌鼓を打ちながら、本日のティータイムを堪能する。

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2020年11月26日

ギフト

知り合いに、よく鍵を失くす女性がいる。
自宅の鍵や実家の鍵など、とにかくしょっちゅうどこかへ忘れてくる。
先日も、出先にコートごと忘れてきてしまった。幸いその場所へ連絡したら、コートも無事で、鍵もポケットにちゃんと入っているという。

あまりにしょっちゅう失くすので、他人事ながらどうしたものかと思案していたところへ、いいものを見つけた。
縦長で、小さなタイプのショルダーバッグだ。
レイジースーザンの物だが、蛇柄で、ちょっと粋な感じ。自分で使う訳でもないが、一目惚れだった。

同じレイジースーザンでも、店舗によって置いている物は違うのかもしれないが、私の自宅近くにあるレイジースーザンでは、そこらへんでよく見かける量産型の物とはひと味違った、洗練されたデザインを多く見かける。
レイジースーザンとは、英語で『回転トレイ』を意味するらしい。店内をぐるっと回れば、欲しいものを見つけられるという思いが込められているそうだ。
別にレイジースーザンの「回し者」という訳でもないが、お値段もそれほど主張してこない感じで、わりとお気にいりだ。

話が逸れたが、この蛇柄のショルダーバッグを彼女にプレゼントすることにしようと思う。
もうすぐクリスマスだし、ちょうどいい贈り物になる。
鍵の他にも、財布やスマホ、ちょっとした化粧品くらいは入りそうだ。

レイジースーザンも、「ギフト=贈る心」をテーマにしているそうだが、まさにそんな気持ちで彼女に贈りたい。
まだ若い彼女に、きっとよく似合うだろう。
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2020年11月25日

オリジナリティのある風景

最近はあまり見かけなくなった喫茶店コロラド。
昔よく通っていた。
あれは16歳か17歳のころだったか。

高校の近くにあった小さな店だった。
動きのスロウな手動式の開きドアを開けると、チリンチリンと少し錆びついた金色の呼び鈴が鳴る。
店内は、外の冷気を忘れてしまうほどの温かさと、店いっぱいに広がったコーヒーの香りで満ちていて、
一人かまたは友達と、いつもの奥まった席につく。
壁は赤茶けてすすけた本物のレンガで、店の温かさにのぼせた時そっと触れると、ひんやりと気持ちよかった。
人慣れした店員さんに頼むのは、いつも決まってウィンナーコーヒー。
最近の食べやすいサラッとした軽い口どけの生クリームではない、少しこってりとした重めの生クリームを、時には多めにのせてくれた。
我ながらずいぶん生意気な女子高生だったな・・・

なんて思い出にふけりながらふと、
そういえばコロラドもチェーン店のカフェなはず、チェーン店なのにあのオリジナリティある空間はいったいどこから来ていたのだろう、などと考えを巡らせた。
あんなにホッと心を温めてくれる喫茶店は最近あまり見かけない。

今日はクリスマス並みの寒さという。
あのホッとする感じが、恋しい。 続きを読む...
posted by たまき at 13:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ
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