2017年06月17日
ツクールMV 敵キャラクター/敵グループ/バトル行動パターンについて
◆ツクールMV 敵キャラクター/敵グループ/バトル行動パターンについて
私がRPG作品のバトルを作るにあたり、意識しているポイントをまとめました。
私の作品「重力ルーペ」でも実装しておりますので、よければ参考も兼ねてプレイして頂けると嬉しいです。
■重力ルーペ
RPGアツマール版
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm3311
PLiCy版
http://plicy.net/GamePlay/40437
■お役立ち知識
・戦闘テスト中にF5キーを押下すると、戦闘テストのリトライができる
・1ターン目でスキルを使用するためには「ターン0」(ターン『「0」+「0」*X』)を設定する必要がある
例)3ターンでローテーションする場合の設定
1ターン目の行動(A):ターン0
2ターン目の行動(B):ターン1+3*X
3ターン目の行動(C):ターン2+3*X
4ターン目の行動(A'):ターン3+3*X
この通りに設定すると敵キャラクターはA→B→C→A'→B→C→A'→B→C→……と行動します
■雑魚バトルで意識したこと
・敵の見た目と能力や行動を一致させる
例)鈍重な外見のオークはHP、力が強い、敏捷性が低い
剣を持つ甲冑の敵は剣技をスキルとして使う など
見た目と能力や行動を一致させることで、プレイヤーには対策や想像の余地が生まれます。
(「鎧で物理防御高そう…!魔法撃っとこ」みたいな。)
・敵キャラクターのクラス分け
敵キャラクターにもクラス(職業)のような役割を持たせることで、敵グループを作成するときの目安になります。
「前衛タイプ」
HP:通常攻撃3〜4発分
攻撃力:最大HPの1〜3/10分の単体攻撃
敏捷性:適正レベルではプレイヤーが先手をとることができる
「後衛タイプ」
HP:通常攻撃2〜3発分
攻撃力:最大HPの1〜3/10分の全体攻撃、状態異常
敏捷性:適正レベルではプレイヤーが先手をとることができる
「スピードタイプ」
HP:通常攻撃2〜3発分
攻撃力:状態異常※、HP/MP吸収などのいやらしい攻撃
敏捷性:適正レベルでも互角または先手をとられる
※状態異常はステージ(ダンジョン)やテーマにあわせたり、回復手段が用意できる状況であることが望ましいですね
例えば前衛タイプを複数体集めた兵団のような敵グループ
前衛1体に後衛3体といった戦略が垣間見える敵グループ
とにかく先手をとられっぱなしのスピードスターな敵グループ などなど。
敵グループの構成も掘り下げると奥が深いです。
・敵グループは初期カーソル(左)に前衛キャラを配置
プレイヤーがボタンを押したままと、そうでない場合との差別化です。
例えば、後衛やスピードタイプの「やっかいな」敵を選んで攻撃するプレイヤーは、被ダメージを抑える戦いができる……などです。
■雑魚バトルにおける注意点
・敵の「意味のない行動」はバランスを悪くする
例)「XXは警戒している」=しかし内部処理的には防御力が上がるわけでもないような一回休みスキル
敵の1回休み行動は発動タイミングが悪いと白け、難易度が減少してしまうため調整が難しく感じました。
例えば雑魚が3体出て、一定確率で3体とも「おろおろしている」状態で無抵抗のターンが発生してしまうと、失敗したな……と思いました。
この場合、敵グループの構成や同グラフィック同名敵キャラでも「一回休みスキル」を持たない敵と組み合わせる、などで解決が図れます。
または後述の「特徴的な行動」の後に立て直し用に1ターンだけ挟む、というような救済策であれば個性付けもかねて機能すると思います。
◇◇【加筆】
本記事をTwitterという丸いSNSに投稿したら、コメディな行動をさせたり、特定スキルの代償(上の1ターン挟む)みたいな使い方もあるよね、という反響を頂きました。
他には盛大な空振り行動(まじんぎりの失敗ケースをスキルに割り当て)とかもいいですね。
考えるほどアイディア次第で活きます。
この記事が「意味のない行動」じゃなくてよかったです。
◇◇
・「ボタン連打」プレイへの配慮と対策
雑魚戦バトルは多くのRPG作品にとって最も多いイベント、操作です。
そうなると毎回スキルを選択して、敵を選んでというプレイヤーの操作コストは負担になっていきます。
4人パーティーの場合は4倍です。
そこで必要と感じたのがボタン連打への配慮と対策です。
[配慮の例]
『スキルを優遇する(使用コストの割に効果が大きい)』
例えば通常攻撃1.1倍程度の微妙な攻撃スキルの場合、通常攻撃を連打の方が楽です。
これが1.5倍+同ターンの間は防御力ダウンの効果が付くのであれば、被ダメージを抑える戦法としてスキルが利用されるかもしれません。
『オートバトル』
オートバトルでバトルそのものを簡略化する方法もあります。
私は装備品でオートバトルを設定するようにしており「バトル中は変更できない」というリスクとトレードにしています。
「プレイヤーの操作コスト」の軽減と「プレイ体験の味気無さ」は表裏一体なので、ここは作者さんの考え方や腕の見せ所です。
[対策の例]
『敵の並び順』
前述の「敵グループは初期カーソル(左)に前衛キャラを配置」です。
これはただのいじわるではなく、プレイ経験で「優先的に倒した方がいい敵」が判断できる→意識して対策をとるという遊び方も兼ねた対策です。
『敵の強さを底上げする』
HPを上げる、防御力を高くするなどで敵を強化し、プレイヤー側にスキルの使用を誘導する、属性や弱点をつくことで楽しませる遊び方もあります。
その場合、スキルが使用できない、弱点をつけないような場合には、バトルが長期化するだけの苦痛になるので、選択の余地をバランスよく提供することが大切だと思います。
■ボスバトルで意識したこと
・1ターン目は印象づけるための固定行動
ボスの特性を印象づける行動をとることで、戦い方を想像する余地が生まれます。
例)複数ボスの場合、保守的/サポートの性質をもつ片方は1ターン目に防御力上昇スキルを使用させる
→この場合、サポート役から倒そうという考えに至るかもしれません
・対策のある特徴的な行動
1ターン目のサインに気付いたらプレイヤーは次の対策が取れる行動例です。
例)力を溜める(1ターン)→大技を発動するターン(2ターン)
この場合、プレイヤーは次のような対策をとる「自由」があります。
[プレイヤーがとれる選択肢の例]
A.攻めの対応(敵攻撃力ダウン、大技の妨害行動、大技を使う前に倒しきる)
B.守りの対応(防御/HP回復/味方防御力アップ)
C.その他(逃走、バトル限定イベントの発生を促すなど)
D.特に考えない(いつも通り通常攻撃)
ここにプレイスタイルの違いが生まれ、タイムアタックやレベル上げプレイのような遊び方のバリエーションに繋がるのだと思います。
■終わりに
いかがでしたでしょうか。
ここに挙げたのは基本的な部分のみで、個性的な作品と認められるには、より高いレベルの工夫が必要です。
それは敵キャラ1体ごとの設定の掘り下げや、1つ1つのスキルに対するこだわりだったり、あるいはバトルシステムそのものに手を入れた改革だったり、作者さんの個性があらわれる部分でもあると思います。
この記事が最適解を探す一助になれば幸いです。
私がRPG作品のバトルを作るにあたり、意識しているポイントをまとめました。
私の作品「重力ルーペ」でも実装しておりますので、よければ参考も兼ねてプレイして頂けると嬉しいです。
■重力ルーペ
RPGアツマール版
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm3311
PLiCy版
http://plicy.net/GamePlay/40437
■お役立ち知識
・戦闘テスト中にF5キーを押下すると、戦闘テストのリトライができる
・1ターン目でスキルを使用するためには「ターン0」(ターン『「0」+「0」*X』)を設定する必要がある
例)3ターンでローテーションする場合の設定
1ターン目の行動(A):ターン0
2ターン目の行動(B):ターン1+3*X
3ターン目の行動(C):ターン2+3*X
4ターン目の行動(A'):ターン3+3*X
この通りに設定すると敵キャラクターはA→B→C→A'→B→C→A'→B→C→……と行動します
■雑魚バトルで意識したこと
・敵の見た目と能力や行動を一致させる
例)鈍重な外見のオークはHP、力が強い、敏捷性が低い
剣を持つ甲冑の敵は剣技をスキルとして使う など
見た目と能力や行動を一致させることで、プレイヤーには対策や想像の余地が生まれます。
(「鎧で物理防御高そう…!魔法撃っとこ」みたいな。)
・敵キャラクターのクラス分け
敵キャラクターにもクラス(職業)のような役割を持たせることで、敵グループを作成するときの目安になります。
「前衛タイプ」
HP:通常攻撃3〜4発分
攻撃力:最大HPの1〜3/10分の単体攻撃
敏捷性:適正レベルではプレイヤーが先手をとることができる
「後衛タイプ」
HP:通常攻撃2〜3発分
攻撃力:最大HPの1〜3/10分の全体攻撃、状態異常
敏捷性:適正レベルではプレイヤーが先手をとることができる
「スピードタイプ」
HP:通常攻撃2〜3発分
攻撃力:状態異常※、HP/MP吸収などのいやらしい攻撃
敏捷性:適正レベルでも互角または先手をとられる
※状態異常はステージ(ダンジョン)やテーマにあわせたり、回復手段が用意できる状況であることが望ましいですね
例えば前衛タイプを複数体集めた兵団のような敵グループ
前衛1体に後衛3体といった戦略が垣間見える敵グループ
とにかく先手をとられっぱなしのスピードスターな敵グループ などなど。
敵グループの構成も掘り下げると奥が深いです。
・敵グループは初期カーソル(左)に前衛キャラを配置
プレイヤーがボタンを押したままと、そうでない場合との差別化です。
例えば、後衛やスピードタイプの「やっかいな」敵を選んで攻撃するプレイヤーは、被ダメージを抑える戦いができる……などです。
■雑魚バトルにおける注意点
・敵の「意味のない行動」はバランスを悪くする
例)「XXは警戒している」=しかし内部処理的には防御力が上がるわけでもないような一回休みスキル
敵の1回休み行動は発動タイミングが悪いと白け、難易度が減少してしまうため調整が難しく感じました。
例えば雑魚が3体出て、一定確率で3体とも「おろおろしている」状態で無抵抗のターンが発生してしまうと、失敗したな……と思いました。
この場合、敵グループの構成や同グラフィック同名敵キャラでも「一回休みスキル」を持たない敵と組み合わせる、などで解決が図れます。
または後述の「特徴的な行動」の後に立て直し用に1ターンだけ挟む、というような救済策であれば個性付けもかねて機能すると思います。
◇◇【加筆】
本記事をTwitterという丸いSNSに投稿したら、コメディな行動をさせたり、特定スキルの代償(上の1ターン挟む)みたいな使い方もあるよね、という反響を頂きました。
他には盛大な空振り行動(まじんぎりの失敗ケースをスキルに割り当て)とかもいいですね。
考えるほどアイディア次第で活きます。
この記事が「意味のない行動」じゃなくてよかったです。
◇◇
・「ボタン連打」プレイへの配慮と対策
雑魚戦バトルは多くのRPG作品にとって最も多いイベント、操作です。
そうなると毎回スキルを選択して、敵を選んでというプレイヤーの操作コストは負担になっていきます。
4人パーティーの場合は4倍です。
そこで必要と感じたのがボタン連打への配慮と対策です。
[配慮の例]
『スキルを優遇する(使用コストの割に効果が大きい)』
例えば通常攻撃1.1倍程度の微妙な攻撃スキルの場合、通常攻撃を連打の方が楽です。
これが1.5倍+同ターンの間は防御力ダウンの効果が付くのであれば、被ダメージを抑える戦法としてスキルが利用されるかもしれません。
『オートバトル』
オートバトルでバトルそのものを簡略化する方法もあります。
私は装備品でオートバトルを設定するようにしており「バトル中は変更できない」というリスクとトレードにしています。
「プレイヤーの操作コスト」の軽減と「プレイ体験の味気無さ」は表裏一体なので、ここは作者さんの考え方や腕の見せ所です。
[対策の例]
『敵の並び順』
前述の「敵グループは初期カーソル(左)に前衛キャラを配置」です。
これはただのいじわるではなく、プレイ経験で「優先的に倒した方がいい敵」が判断できる→意識して対策をとるという遊び方も兼ねた対策です。
『敵の強さを底上げする』
HPを上げる、防御力を高くするなどで敵を強化し、プレイヤー側にスキルの使用を誘導する、属性や弱点をつくことで楽しませる遊び方もあります。
その場合、スキルが使用できない、弱点をつけないような場合には、バトルが長期化するだけの苦痛になるので、選択の余地をバランスよく提供することが大切だと思います。
■ボスバトルで意識したこと
・1ターン目は印象づけるための固定行動
ボスの特性を印象づける行動をとることで、戦い方を想像する余地が生まれます。
例)複数ボスの場合、保守的/サポートの性質をもつ片方は1ターン目に防御力上昇スキルを使用させる
→この場合、サポート役から倒そうという考えに至るかもしれません
・対策のある特徴的な行動
1ターン目のサインに気付いたらプレイヤーは次の対策が取れる行動例です。
例)力を溜める(1ターン)→大技を発動するターン(2ターン)
この場合、プレイヤーは次のような対策をとる「自由」があります。
[プレイヤーがとれる選択肢の例]
A.攻めの対応(敵攻撃力ダウン、大技の妨害行動、大技を使う前に倒しきる)
B.守りの対応(防御/HP回復/味方防御力アップ)
C.その他(逃走、バトル限定イベントの発生を促すなど)
D.特に考えない(いつも通り通常攻撃)
ここにプレイスタイルの違いが生まれ、タイムアタックやレベル上げプレイのような遊び方のバリエーションに繋がるのだと思います。
■終わりに
いかがでしたでしょうか。
ここに挙げたのは基本的な部分のみで、個性的な作品と認められるには、より高いレベルの工夫が必要です。
それは敵キャラ1体ごとの設定の掘り下げや、1つ1つのスキルに対するこだわりだったり、あるいはバトルシステムそのものに手を入れた改革だったり、作者さんの個性があらわれる部分でもあると思います。
この記事が最適解を探す一助になれば幸いです。
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