2017年04月08日
SRPG(シミュレーションRPG)から学ぶRPGのバトルの考え方
◆SRPG(シミュレーションRPG)から学ぶRPGのバトルの考え方
SRPGから思いついたことから、RPGのバトルバランスに応用できそうなことを考えてみました。
制作しない方も読み物として、お楽しみくださいませ。
□SRPG(シミュレーションRPG)とは
この記事では盤上ゲームとターンRPGの要素を足したジャンルを指しています。
具体的には、タクティクスオウガ、ファイアーエムブレム、ファイナルファンタジータクティクスのようなタイトルですね。
SRPGは時間に縛られず、長考しながら、広範囲をみながら進めることができます。
将棋やチェスのような盤上ゲームの性質が強いことから、ゲームが苦手な方にも向いていますね。
□SRPGにおけるバトルのコツ
まずはSRPGを例に、私が考えるコツのようなものを書いていきます。
原則は「1ステージあたりの総被ダメージを減らす」ことです。
これにより勝率を挙げることに繋がります。
具体的には次のようなことですね。
・敵ユニットとの距離を保つ
敵ターンで攻撃を受けない距離間を見極めること
・原則は自ターンに1(敵ユニット)対 多数(自ユニット)で攻める
自ターンでダメージを集中させて敵ユニットを減らす
・遠隔攻撃/範囲攻撃ユニットは優先的に倒す
おおよそSRPGのコツは、このようなところかなと思います。
加えて、次のようなことが作品ごとの味付として挙げられます。
・マップスキルによるダメージ、バフ/デバフ※のコントロール
・地形、属性の概念によるパラメーターの変動要素
・ユニット同士の連携によるダメージコントロール
・ランダムな要素(特定条件によるバッドステータス、クリティカル、援軍など)
SRPGは計算で進める側面が強い分、ランダムな要素でひっくり返されると興ざめになりがちです。
これはもしSRPGを作るのであれば、注意したいところですね。
※バフ:ステータス上昇系スキルなどにより、強化すること
デバフ:ステータス下降系スキルなどにより、弱体化すること
RPGに応用するとどうなるか、考えてみました。
□RPGにおけるバトルのコツ
こちらもSRPGと同様、基本は被ダメージを減らすことにあると考えます。
・行動速度が敵よりも上回る
・敵1ターゲットに対して、複数キャラクターで攻撃する
・範囲攻撃スキルを使う敵は優先的に倒す
またSRPGよりもバトル回数が多いので、バトルテンポが快適であることも重要視されます。
これはゲーム外のプレイヤーの時間コストを守るという意味でも大事ですね。
・1バトルを1〜2ターンで終える手段を持つ
具体的には「イオナズン」(ドラゴンクエストにおける全体攻撃魔法)で一掃するような行為ですね。
逃走手段もこれに含みます。
雑魚戦における回避手段のある/なしは、プレイヤーを飽きさせないという点でも機能しています。
ボス戦では少し考え方が変わり「負けないこと」がプレイヤーとしての勝率を高めます。
具体的には次の通りです。
・回復行動が確立する
自軍の回復行動が敵行動よりも早い
もしくは
自軍の回復効果が1ターンあたりの被ダメージを上回る
バフ(ステータス上昇系スキルで強化すること)を積むことで、上記条件が整うというバランスもあります。
いわゆるちょっと難しいゲームというのは、バフのような一手/一考を必要とするバランスなのだと思います。
プレイヤー目線でこれらに気付くと、制作者目線で作品のバランスを考えるときに役立ちます。
この考えを発展させ、制作サイドではどのような応用ができるか、考えてみました。
□制作への応用
・適正レベルに満たない場合は、雑魚敵の敏捷性が自キャラよりも上回るようにする
雑魚戦で「自キャラが育ちきっていないこと」が分かります。
雑魚戦はスイスイ進み、ボス戦で歯が立たない→戻るのが大変、バランスが悪い、という印象を軽減することに繋がります。
・範囲攻撃を使う敵キャラを敵グループの2番目、3番目に配置する
言いかえると、イオナズンを使うような魔法使い系の敵キャラを2番目、3番目に配置するということです。
ちゃんと攻撃対象を考えるプレイヤーさんにとっては、恩恵を感じることができます。
ボタン連打対策も兼ねられます。
やりすぎると「テンポ悪い」になりますのでご注意。
・回復行動がストレスにならないこと
アイテム欄、スキル欄において上に表示され、メニュー画面→選択の操作がスムーズ
※「地図の時間」より
http://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm868
[ストレスに感じる例]
・入手数、タイミングに限りがある回復アイテム
・高コストの回復魔法
・発動に時間がかかる回復手段(被ダメージが増え、本末転倒)
まだまだ思いつくポイントはあると思いますが、そこは気付いた方の独自ノウハウになさってください。
□最後に
私が考える重要なポイントを1つご紹介します。
これはバトルバランス以外にも言えることですが……「どのようなプレイヤー」がプレイしてくださるかを「できるだけ具体的に」イメージしてバランスを作ることは大切です。
・作品のタイトル
・サムネイルやタイトルイラスト
・説明文
はじめて作品を遊ぶ時(あるいは遊ぼうと思う時)おそらくは上記のような要素から、作品のイメージや期待を持つことと思います。
プレイヤーの持つイメージと作者のバランスがマッチすること、あるいはマッチしない場合でも違和感なく補正できることが、プレイ感においては重要だと思います。
上手く機能すると、作品に対してファンがついてくださります。
そしてこの法則(作者とプレイヤーさんとの関係)を何作も守り続けることで、いずれは作者に対してファンがついてくださる……と思ってます(思いたいです)。
この辺りは私自身、活動を通じて証明したいことでもありますね。
私もまだまだ発展途上ですけれども、研鑽を重ねる作者さんにとって、ヒントや息抜きになれば嬉しいです。
SRPGから思いついたことから、RPGのバトルバランスに応用できそうなことを考えてみました。
制作しない方も読み物として、お楽しみくださいませ。
□SRPG(シミュレーションRPG)とは
この記事では盤上ゲームとターンRPGの要素を足したジャンルを指しています。
具体的には、タクティクスオウガ、ファイアーエムブレム、ファイナルファンタジータクティクスのようなタイトルですね。
SRPGは時間に縛られず、長考しながら、広範囲をみながら進めることができます。
将棋やチェスのような盤上ゲームの性質が強いことから、ゲームが苦手な方にも向いていますね。
□SRPGにおけるバトルのコツ
まずはSRPGを例に、私が考えるコツのようなものを書いていきます。
原則は「1ステージあたりの総被ダメージを減らす」ことです。
これにより勝率を挙げることに繋がります。
具体的には次のようなことですね。
・敵ユニットとの距離を保つ
敵ターンで攻撃を受けない距離間を見極めること
・原則は自ターンに1(敵ユニット)対 多数(自ユニット)で攻める
自ターンでダメージを集中させて敵ユニットを減らす
・遠隔攻撃/範囲攻撃ユニットは優先的に倒す
おおよそSRPGのコツは、このようなところかなと思います。
加えて、次のようなことが作品ごとの味付として挙げられます。
・マップスキルによるダメージ、バフ/デバフ※のコントロール
・地形、属性の概念によるパラメーターの変動要素
・ユニット同士の連携によるダメージコントロール
・ランダムな要素(特定条件によるバッドステータス、クリティカル、援軍など)
SRPGは計算で進める側面が強い分、ランダムな要素でひっくり返されると興ざめになりがちです。
これはもしSRPGを作るのであれば、注意したいところですね。
※バフ:ステータス上昇系スキルなどにより、強化すること
デバフ:ステータス下降系スキルなどにより、弱体化すること
RPGに応用するとどうなるか、考えてみました。
□RPGにおけるバトルのコツ
こちらもSRPGと同様、基本は被ダメージを減らすことにあると考えます。
・行動速度が敵よりも上回る
・敵1ターゲットに対して、複数キャラクターで攻撃する
・範囲攻撃スキルを使う敵は優先的に倒す
またSRPGよりもバトル回数が多いので、バトルテンポが快適であることも重要視されます。
これはゲーム外のプレイヤーの時間コストを守るという意味でも大事ですね。
・1バトルを1〜2ターンで終える手段を持つ
具体的には「イオナズン」(ドラゴンクエストにおける全体攻撃魔法)で一掃するような行為ですね。
逃走手段もこれに含みます。
雑魚戦における回避手段のある/なしは、プレイヤーを飽きさせないという点でも機能しています。
ボス戦では少し考え方が変わり「負けないこと」がプレイヤーとしての勝率を高めます。
具体的には次の通りです。
・回復行動が確立する
自軍の回復行動が敵行動よりも早い
もしくは
自軍の回復効果が1ターンあたりの被ダメージを上回る
バフ(ステータス上昇系スキルで強化すること)を積むことで、上記条件が整うというバランスもあります。
いわゆるちょっと難しいゲームというのは、バフのような一手/一考を必要とするバランスなのだと思います。
プレイヤー目線でこれらに気付くと、制作者目線で作品のバランスを考えるときに役立ちます。
この考えを発展させ、制作サイドではどのような応用ができるか、考えてみました。
□制作への応用
・適正レベルに満たない場合は、雑魚敵の敏捷性が自キャラよりも上回るようにする
雑魚戦で「自キャラが育ちきっていないこと」が分かります。
雑魚戦はスイスイ進み、ボス戦で歯が立たない→戻るのが大変、バランスが悪い、という印象を軽減することに繋がります。
・範囲攻撃を使う敵キャラを敵グループの2番目、3番目に配置する
言いかえると、イオナズンを使うような魔法使い系の敵キャラを2番目、3番目に配置するということです。
ちゃんと攻撃対象を考えるプレイヤーさんにとっては、恩恵を感じることができます。
ボタン連打対策も兼ねられます。
やりすぎると「テンポ悪い」になりますのでご注意。
・回復行動がストレスにならないこと
アイテム欄、スキル欄において上に表示され、メニュー画面→選択の操作がスムーズ
※「地図の時間」より
http://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm868
[ストレスに感じる例]
・入手数、タイミングに限りがある回復アイテム
・高コストの回復魔法
・発動に時間がかかる回復手段(被ダメージが増え、本末転倒)
まだまだ思いつくポイントはあると思いますが、そこは気付いた方の独自ノウハウになさってください。
□最後に
私が考える重要なポイントを1つご紹介します。
これはバトルバランス以外にも言えることですが……「どのようなプレイヤー」がプレイしてくださるかを「できるだけ具体的に」イメージしてバランスを作ることは大切です。
・作品のタイトル
・サムネイルやタイトルイラスト
・説明文
はじめて作品を遊ぶ時(あるいは遊ぼうと思う時)おそらくは上記のような要素から、作品のイメージや期待を持つことと思います。
プレイヤーの持つイメージと作者のバランスがマッチすること、あるいはマッチしない場合でも違和感なく補正できることが、プレイ感においては重要だと思います。
上手く機能すると、作品に対してファンがついてくださります。
そしてこの法則(作者とプレイヤーさんとの関係)を何作も守り続けることで、いずれは作者に対してファンがついてくださる……と思ってます(思いたいです)。
この辺りは私自身、活動を通じて証明したいことでもありますね。
私もまだまだ発展途上ですけれども、研鑽を重ねる作者さんにとって、ヒントや息抜きになれば嬉しいです。
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