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2018年08月23日

RPGのパラメーター設定、バランスの調整法

◆RPGのパラメーター設定、バランスの調整法

パラメーター設定について、考えをまとめました。
調整しながら加筆修正予定です。

※8/23 ダメージ計算式とバトルテストの調整について加筆しました。


■基本値の設定

・調整しやすくするため、基本ステータスを100にする(百分率で表現する)
 最終値は1/2、1/4にして値を整形する

  装備品や敵ステータスの倍率調整は次の方法で一括調整できる
  https://fanblogs.jp/tabirpglab/archive/1166/0

■個性付け

・個性差のパラメーター差を決める
 [例]
 魔法戦士:最初は100を起点にする
 戦士:HP、攻撃力、防御力が高い。MP、魔法攻撃力、魔法防御力が低い
 魔法使い:戦士の反転
 *個人的に体感でき、極端すぎない値としては2割と考える。(100±20→80〜120)

20180820_10.jpg

・パラメーターをA群、B群、C群に分類し、扱いを分ける

 A群:HP、MP
 B群:攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力
 C群:敏捷性

 *A群はA群、B群はB群でバランスが取れるようにする
  A群の例:HPが高くMPは低い or HPが低くMPが高い
  B群の例:攻撃力が高く魔法攻撃力は低い or 魔法攻撃力が高く攻撃力が低い
 *C群=敏捷性の大小は役割で決める(トドメを指すキャラなら低く、回復/先制/搦め手キャラなら高く)
 *A群+B群+C群の総和でバランスを取らない
 *無消費の物理攻撃と消費MPを伴う魔法攻撃はイコールではない
  よって、攻撃力と魔法攻撃力が等価である必要はない

memo:
 几帳面な人ほど、戦士キャラと魔法使いキャラのパラメーターの総和を等しくしたくなると思います※。
 実際は役割で区別されるので、完全な上位/下位互換を生まないことが大切だと考えてます。
 ※キャラメイクでパラメーター割り振りをするシステムがこの感覚を生んでいる気がします。
  市販作品でパラメーターの総和が等しくなるゲームはほとんどないのでは?

■耐久性(最大HP)をもとに各パラメーターを設定

・採用する通常攻撃(スキルID0001)の計算式にあわせてHP、攻撃力、防御力を整形する
・ツクールの場合、攻撃力は防御力の倍

 a.atk * 4 - b.def * 2

 *ダメージ0が発生し辛い
 *ステータス差(LV差、職業差、装備差)が極端に広がる

[ツクールの場合の設定例]
・最大HPを10倍にする。
20180820_11.jpg

・基準となる敵を設定する。
20180820_12.jpg
・最初の敵は最大HP以外は全て100にすると、自軍と敵軍のパラメーターが同じ価値になり設定しやすい
 *後で丸ごと調整するので一旦100にするという考え
 *最終的な最大HPは物理2〜3回分、2ターン以内に戦闘が終了するよう敵数を考慮して設定する

 HP:敵の攻撃からn回耐えられるHPで決定。二桁開始の場合、二桁→三桁になったときの成長が感じられる。
 MP:回復スキルn回分。値は少ない方がユーザーが計算しやすい
 攻撃力:敵を倒すn回分
 防御力:生存率を高める補正値。
 魔法攻撃力:物理攻撃の1.5〜2倍の威力になるようにする
 [設定例]
  方法1.魔法攻撃力を1.5〜2倍にする
  方法2.魔法スキルの計算式をa.mat * 6 - b.mdf * 2のように補正を与える

 ステータスの見た目を考えると、方法2の方が見栄えが良く公正である

 魔法防御力:一般的に敵の魔法スキルは使用頻度が低く、範囲攻撃が広い傾向がある
 敵の魔法スキルは自軍とは別の計算式にして魔法防御力の効果を高めにする

 a.mat * 4 - b.mdf * 2
 
 *魔法防御を上げる部位が1枠の場合、装備効果が極端か感じられないかの二極化になりがち
 *装備枠を増やすか、属性耐性を他枠に持たせることで装備効果の幅を広げる。弊害としてシステムが複雑になる

 敏捷性:役割にマッチするように割り振る

 ランダム要素で行動順序が崩れる=役割が果たせないストレスになる
  対策1.コアスクリプトorYEP Battle Engine Coreを弄り、行動計算式を完全にAGI依存にする
  対策2.スキルの速度補正で先制/後攻を決定づける
    (アイテムポーションは速度補正500で詠唱ヒールを上回るなど)

一連の調整が終わったら値を整形する
 
 参考:(dataフォルダをバックアップ必須)
 装備品や敵ステータスの倍率調整は次の方法で一括調整できる
 https://fanblogs.jp/tabirpglab/archive/1166/0

・除算(割り算) 例.攻撃力:100→50 or 100→25
・最終桁を近い値で崩す 例.攻撃力:50→51 or 49

 [桁数が少ない場合のメリット/デメリット]
 *LVアップ、装備品による調整がし易い
 *補正値によるダメージのバラつきが発生し辛い(10〜13ダメージ→ほぼ10ダメージのようになる)
 *職業差、キャラクター差が極端になりがち
 *行動結果が予想しやすくなる(マリオRPG、FEシリーズは低い値で管理)
 ※計算式側でカバーできるので、深刻に考える必要はない

以下は私の設定例です。
 *バランサーが物理アタッカーの最終HPを上回っているのは、ストーリー進行の成長を加味したもの
 (このように曲線以外にも最終値を変えることで、成長を表現できる)
 *1LVあたりの成長を算出しておくと、スキルの消費MPや装備品の上昇値を決める参考に役立つ

20180821_1.jpg

■調整のポイント

・敵のレベルデザインを考えるときは「適正レベル」、「適正装備」の2要素の幅を考慮する
 この場合、勝てない敵の攻略方法はレベル上げor装備強化であり、どこに基準をおくかも考える
 (タイムアタックを許容したい場合、装備補正を大きくする)

・物理攻撃と消費MPを伴う魔法攻撃は差別化を図る
 戦士の通常攻撃と魔法使いの魔法が同火力の場合、魔法使いは戦士の下位互換になる
 差別化を図る要素:火力、効果範囲、追加効果

・攻撃力/魔法攻撃力/敏捷性から入力するとメリハリがつけやすい
・防御力、魔法防御は最大HPを決めたうえで何回まで耐えられるかで決定する
・キャラクターの生存率、耐久性(しぶとさ)は防御力より最大HPで表現する(ダメージ0を防ぐ)
・装備による上昇値は入手難度(プレイ時間、価格)に釣り合うように設定する
 例.10分で1LV上がるゲームなら、30分の探索で手に入る1ランク上の装備は2〜3LVの成長相当にするなど

・キャラが下位/上位互換にならないようにする
 パラメーターだけでなくスキルで差別化を図る
・LVアップ時にパラメーターは1以上アップするように見せる(成長の可視化)
・パラメーターはプレイヤーの目に入る、計算式は目に入らない
 パラメーターは見た目を整えることも意識する
 例.バランスがとれていても攻撃力200、魔法攻撃力900のような見た目だと、戦士が不遇職に感じられる
・スキル0001「攻撃」の計算式にアレンジを加え、作品の個性/独自性を足す
 a.atk * 4 - b.def * 2
 TPの残量により補正がかかる、
 親密度変数の補正がかかる、
 0ダメージを防ぐように端数ダメージを加える、
 滑らかになるよう黄金比計算を組み込む、など

■ダメージ計算式の調整

目指した調整は次の通り。

・与ダメージ/被ダメージ:2桁から開始、徐々に3桁台のダメージ
・レベルアップ、装備装着の効果が感じられる
・最大HP LV1:100-LV99:5000
・攻撃力、防御力 LV1:50、LV99:255

上記の条件で調整していました。
幾つかポイントがあります。

・自軍の攻撃スキルと敵の攻撃スキルの計算式は分ける

【自軍の「攻撃」コマンド】
 a.atk * 2 - b.def * 2

【敵軍の「攻撃」コマンド】
 a.atk * 4 - b.def * 2

 [a.atk * 4の理由]
 ・自軍の最大HPがLV1アップあたり50成長するので、被ダメージを大きくみせるための調整
 ※最大HP、LVの上昇幅が少ないのであれば4を3、2.5、2と調整しても良いと思います
  敵キャラの攻撃力を弄るよりもこちらを調整した方が感覚的にマッチしました
 ※自軍最大HPは9999に対して、敵最大HPは999999まで設定可能なので、見た目的にも与ダメージは
  多くなるように調整した方が良いのかもしれません
  あまり桁数が多いと目が疲れますけどね

■バトルテストのコツ

・自軍/敵軍に不死身ステートをつける
・ランク別にパラメーターの基準とする敵キャラクターを用意
 ダメージの評価だけであれば「攻撃」スキルだけを使わせる
 これにより後の敵キャラクターの評価とパラメーター設定が楽になります。
180823_1.jpg

・HPゲージのプラグインを実装する
・最大HPは実戦想定で設定する
 何打撃で倒せるか、体感できます。

180823_2.jpg

参考プラグイン:Visual HP Gauges(YEP_Battle Engine Coreが必要)
http://yanfly.moe/2015/11/21/yep-30-visual-hp-gauges/

・バトルテスト専用の全員が装備可能な「汎用装備LV1」「汎用装備LV2」…といった武器/防具を用意
・LVと装備の組み合わせで次の@〜Dのパターンをテストする

@適性レベルやや低い+装備1ランクダウン
A適性レベルやや低い+適正装備
B適正レベル+適正装備
C適正レベルよりやや上+適正装備
D適正レベルよりやや上+1ランク上装備

私は次の基準でチェックするようにしています。
・Bの状態で2ターンでバトル終了
・10回まで攻撃に耐えられること

基準パラメーターが決まったら、次の点を意識して調整の精度を高めます。
・PTメンバーの数(=自軍の手数)→敵HPに影響
・一度に出現する敵キャラクターの数→敵攻撃力に影響
・拠点との距離(=回復、LV上げ、強化が容易か)→敵攻撃力に影響
・敵全体攻撃スキルの使用頻度→スキル威力に影響

■追記したいこと

・敵グループを考慮した最大HPの設定バランスの調整方法
・ステージ単位のバランスの調整方法
 一般的なステージ格差
・ラストステージの到達LVを想定したバランスの調整方法
・装備のパラメーター調整
 ランダム入手と市販入手の違い
・職業のパラメーター調整
・スキルのパラメーター調整
・限定ステージ(魔封じ、スキル封じ)の敵パラメーター調整
・バフ、デバフの補正バランス
・プレイ時間、エンカウントを考慮した1LVアップに必要な経験値のおおよその求め方
・パラメーター「運」の運用方法(洒落ではなく)

進めながら、まとめていきます。
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