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2018年06月03日
どんなリーダーが組織をうまく動かせるのか?
専制的なリーダーでも、短期良いなら業績はあがる
優れたリーダーとはどんなリーダーか
みんなそんな話が大好きです。
戦国時代の武将の話がビジネス誌をにぎわせ、
「リーダーシップ論」と称する某大学の人気授業では、
経営者を次々招いては、とにかく武勇伝を聞くのだとか。
実際、第二次世界大戦のころまでは
リーダーの資質が注目されていました。
それが年代になるとリーダーの資質ではなく、
リーダーシップのスタイルを科学的に研究する
リーダーシップ論がでてきます。
アメリカのミシガン大学では、
リッカート氏が中心になって
リーダーの行動と業績に関係を調べました。
その結果、例えば、階級階層的に上下関係でガンガンやれば、
短期的に業績は高くなっても長期では悪化し、
不満がたまり人は辞めていき
対照的に、参加的にやれば、
長期的に業績が上昇していくことがわかりました、
アメリカのオハイヨ州立大では、
部下の仕事環境を整える
構造づくりと部下への配慮の二次元で
リーダーシップをとらえ両方とも
高いリーダーシップ行動が
良い結果につながるという、
ある意味当たり前の事がわかりました。
日本でも三隅二不二氏が集団における目標達成や
課題解決に関するP行動集団の維持に関するM行動の
両方を兼ね備えたリーダーが望ましいとする
PM理論を提唱しました。
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人間はもともと「怠け者」なのか
人間の本質に挑む数々の実験
科学的管理法を唱えたテイラー氏は、
怠業の理由としてもう一つ自然的怠業を挙げていました。
人間は本能として楽をしたがるので怠業するというのです。
ところが、そんなテイラー的人間観を
否定する研究が次々出てきます。
マクレガー氏は『企業の人間的側面』の中で、
テイラー的な考え方をX理論とし、
それに対して、当時新しく出てきた研究蓄積は
生来人間は仕事が嫌いなわけではなく
条件次第で自発的に働くという事を
明らかにしているとして
それらをY理論と呼びました。
またバーズバーグ氏は面接調査の結果から、
達成や仕事そのものや
責任は満足をもたらす動機付け要因だが、
給料などはもっぱら不満足を予防するための
衛生要因だとする動機づけ衛生理論を提唱します。
後に『仕事と人間』では、多くの追試を紹介し、
予想と違う結果になったものは
3%にも満たないと結論付けます。
人間の欲求は最低限の生理的欲求から始まって
最高次の自己実現欲求まで5段階に分かれていて、
各段階の欲求が満たされるとより高次段階の欲求を
するようになるというマズロー氏の欲求段階説は、
いまだに人気ですが、
1970年代には科学的に否定されています。
「達成感」が基本
「お金」はインパクトが強すぎる
ブルーム氏はその著書の中で、ある画期的な予想していました。
それは、人は外的報酬とは無関係に、
高いパフォーマンスからは高い満足度を
引き出しているというのです。
確かに、子供のころテストで100点を取れば、
誰だって嬉しかったはずです。
それは100点を取ったら親から「報酬金」がもらえる、
なんてことがなくても、うれしいのです。
実は単純なストーリーを邪魔していたのが
金銭的報酬だったことがわかります。
ブルーム氏の指導を受けたデシ氏は『内発的動機付け』で、
面白い実験をしています。
大学生を使ってパズルを解かせる実験をするのですが、
学生は、途中で金銭的報酬をもらうと、
自由時間を休憩にあてるようになってしまうのです。
これは、お金がモチベーションに効果がないと
いっているのではありません。
逆に、インパクトが強すぎるのです。
もともと仕事自体が報酬だったのに、
金銭的報酬は仕事と満足の間に割り込んで、
「仕事⇒金⇒満足」と分離してしまうのです。
こうして一度お金のために仕事をするようになると
もうおしまいです。
あとはお金をもらえなくなると満足も得られなくなり、
仕事をする気もまた、無くなってしまうのです。
見返りが大きいほどやる気は出る?
効果的な「見返り」は人それぞれ
金銭的報酬のような外的報酬による
モチベーションの理論の代表は期待理論です。
これは打算的で合理的な人間を仮定しており、
わかりやすく言えば、馬の鼻先にニンジンをぶら下げて
食べたら買ったら走ってみろという理論です。
期待理論を現代のようにな比較的完成させた形にまとめたのが
ブルーム氏の『仕事とモチベーション』です。
言っていることの途中までは
ミクロ経済学の期待効用理論と同じです。
単純化すると「行為⇒1次の結果⇒2次の結果」
つまり「仕事⇒成果⇒報酬」
という関係を考え、期待効用が大きいほど行為(仕事)の
モチベーションが高まると考えたのです。
ブルーム氏は、500以上の選考実験・調査の結果を整合的に
説明する枠組みを考えましたが
自分自身では検証できていません。
検証しようとすると、効用の個人間比較のような
問題にぶち当たり検証を強行した他の研究者の実験でも
低い相関しか見られませんでした。
ブルーム氏の期待理論をモデルをベースに
さらに複雑なモデルを作ることも行われてきましたが、
実質的には、期待値には、期待理論が検証不能な
代物であることをカムフラージュしているだけです。