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2018年08月10日
作業の無駄を顕在化させる手段
生産システム全体の流れをよくする
原料在庫、部品在庫を極限まで減らしてしまったら、
一体どんなことが起こるでしょうか?
生産システムのごく一部でも流れが悪いと
すぐに生産システム全体が止まってしまいます。
ジャスト・イン・タイム(JIT)は
トヨタ生産方式の主要部分です。
英語でそのまま通じるほど有名になった
かんばん方式はJITの一部です。
しかし、それを導入したからといって、
生産性が向上するわけではありません。
JITは、作業の無駄を顕在化させるための手段なのです。
作業の無駄が把握されると、現場監督クラスを中心とした
作業標準改訂、作業者個人の改善提案、小集団活動
といった現場主導型の問題解決サイクルが回り始めます。
多工程待ち、多能工化、幅広い職務区分が手持ちの圧縮、
正味作業時間の拡大、再編成された作業プロセスの
作業標準としての速やかなマニュアル化、
作業組織内に固定、、、、、
このサイクルが繰り返されることで、
初めて生産性が向上し始めるのです。
大量生産すれば生産性が向上すると、
根拠もなく主張されることがありますが、
実際には、生産システム全体の流れが良くなるので、
生産量も増加し、生産性も向上するのです。
メーカーで生産量と生産性に関係が見られても、
それは見かけ上の関係にしかすぎません。
「代わりが簡単に見つかるか否か」で生産方法を変える
生産量と販売量の見極めがカギとなる
価格、性能、品質が同じ2つの商品があった時、
一方はすぐ入手できるのに、
もう一方は「1ヶ月待ちです」と言われたら
今すぐ手に入る方を購入するでしょう。
ただし製品の種類によっては話が変わってきます。
もしお客さんが店頭で買う際に、
売り切れなどで置いていない場合、
他社の製品で済ませてしまうような製品の場合は、
店頭で在庫がなければ致命的です。
見込生産をして、在庫を補充するように生産します。
それに対し受注生産は、
顧客からの注文があってから生産を始め、
指定された期日に納入します。
納期にはこの納入期日の意味と
お客さんが注文してから手に入れるまで
の2つの意味があります。
いずれにしても、
生産量は販売量、受注量に
完全に一致させることはできないので、
見込生産の場合は製品在庫、
受注生産の場合は受注残がバッファになります。
受注生産の場合も原料や部品は
見込生産がされているものを使うことが多いので、
そこには原料在庫、部品在庫が存在します。