場所は近所の団地の中の子供クリニック。昼の時間を利用してワクチン接種をしているようだ。
若い医師だった。左腕を出すと「あっ、筋肉があるから打ちやすくて助かります」と。
この早い時期の接種はじいさんばあさんが多いからそれとの比較か。
「筋トレしていますからね」答える。
子供を診るにふさわしい愛想のよい医師だ。
ついつい言う。
「実は頚髄を損傷していて、この両腕も右半身も痺れて感覚が鈍いんですよ」と。
医師は驚く。全くそのように見えないこと。そしてよく頑張ったと。
そうなのだ、この褒め言葉が欲しいのだ。
いわゆる“承認欲求”の類だ。普通に見られたい、そのために努力はしている。しかしそんなことは誰にも解らない。その自分に対して頑張ったという声が欲しいのだ。
それについてはこれまで何度も考えた。
悪いことではないと思っている。
「よくぞここまで」と思ってもらうことが自分に対する何よりものご褒美なのだ。特にこの頚髄損傷という症状を解っている人に。
それでもっと努力をしようと思う。
胸を張って言えるのだ、自分がやってきたことに対して。
3回目のワクチンによる副反応は腕の痛みだけだった。
初めてのモデルナだけにビビッていた。腕の痛さは24時間後くらいがピークだったか。少し動かし始めると痛みは治まってきた。何度かテレビで見たモデルナアームにはならなかった。
木曜日は雪だった。引きこもっていても理由が付く。金曜日にはジムで筋トレもした。
5連休といっても相変わらず何もせずに過ごした。いや、掃除機をかけただけマシか。
相変わらず金曜と土曜の夜は居酒屋Q。
土曜の鍼。
太い鍼が来ました!とセンセイが開口イチバンに言う。
特別に頼んだとのこと。えっ、太い鍼…。想像するだけで少しゾッとする。これを打つのは○○さん(自分)とあと数人かなぁとも。
鍼は太ければ太いほど、長ければ長いほどいいとセンセイは言う。細い鍼は細い鍼で骨に当てて滑らせられるからいいし、太い鍼はしっかり打てると。
鍼は嫌ではなく好きな方だが、自分の身体に鍼がどのように入るのか想像すると目まいがしそうになる。この身体になったから受け入れているのが事実だ。
その骨のすき間に入るとかの感覚、実際に経験すると打った箇所以外の筋が反応するから、効いている感覚がある。
お尻に打ってパルス。
前回のように下腿には響かなかった。鍼が浅く坐骨神経に届いていないのだろう。最初のパルスはお尻がピクピク、あと下腹部と股間の付け根に響いた。
このパルスの影響だと思う。思いがけない作用があった。
便秘が解消したのだ。ずっと3日に1度くらいの状態。あまりにも出ない時は下剤。
鍼後、なんか腸が動いているような感覚があった。そのまま呑みに行って帰ると便秘は解消した。
翌日も。そして今日も。
頚髄損傷者は排便困難になる。それは急性期だが、その後はどうなのだろう。自分は続いているように思うが、もともと便秘気味だったのでよく解らない。
ただ右半身の感覚が鈍い。ということは内臓も右半身がそんな状態なのだろうか。
鍼前までは座って立ち上がる時にお尻とモモに痛みを感じていたが少し緩和している。
5連休明けの出勤。歩きもまあまあか。
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