早く家に帰って、少し横になってから出勤。行くともう誰かいる。まだ開店前だ。
Eさんだった。彼は勤務先まで1時間以上歩いて行っている。帰り道なのだ、居酒屋Qは。
あっ、と思った。誘っていなかったのだ、営業再開のこの日。
居酒屋Qに行くときはいつも誘っていたのだ。
温泉旅行もあったし、一緒に行ったOさんたちも来るので旅行の話で盛り上がったら、行っていないEさんは寂しいだろうと思って誘わなかった。金曜日に誘おうと思っていた。
少し気まずいかなと思ったが、もう来ているのだから仕方ない。一緒に並んで呑んだ。
人と人が関わることって難しいようで簡単なのか。
表面だけ良くして付き合おうと思えばできる。相手がどんな人でも否定せずに“そうだね~”的に返しておけばいいのだろう。
相手に興味を持ち長く付き合いたいと思えば、相手に自分のことを解ってもらって、同じ価値観を持ちたいということを想う。だから意見が違ったら理解してもらうよう努めたりする。
いつもどこかの居酒屋をホームとして人と仲良くなった。東京の今の友達は居酒屋Sで知り合った人たち。居心地のいい店で顔見知りになった人たちと仲良くなっていく。仲良くなって別の店に行ったり、ゴルフに行ったり。大阪のお好み焼き屋のママの店もそうだった。
居酒屋Yが閉店したのはコロナ禍の前だから去年の2月か。
居酒屋Yが閉店して、どこかホームとする居酒屋を探そうとはしなかった。
面倒くさかったのだ。一から店に馴染むこと・既にいる常連っぽい人と会話することが。寂しがりやのくせに面倒臭がりなのだ。
居酒屋Yで知り合ったEさん。Yマスターと3人でゴルフに行ってから行った焼き肉屋でYマスターにボロクソ言われたEさん。確かに呑んで調子が良くなるのだEさんは。Yマスターは弱者を責めるのが好きなタイプだった。
それ以来、Yに来なくなったEさん。何度かラインをして呼んだのだが。
そのEさんとたまたま近所のスーパーで会った。そして飲みに行くようになったのがちょうど去年の今頃か。
居酒屋Qはたまたま行った店だ。Eさんと焼肉に行こうとして、歩き疲れて入った店。
そんな縁の居酒屋Q。自分なりのふつうに生活していて新しい人間関係の縁ができた。
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