そのタバコ屋は古いビルだ。何階建てだろう、5階くらいか。上は母さんの住居。場所もいい。オフィスとマンションが混在する都心。大きな通りにも面している。
朝、7時過ぎに一服に寄るが、店はシャッターが降りて灰皿だけが置いてある。9時半過ぎ、母さんは店に出勤し、ビルの入り口にもう一つ灰皿を置いてくれる。
出勤時、9時半、11時、1時半、3時半にタバコを吸いに行く。母さんが居れば必ず話をする。気候の話、家の前に植えている花の話など。休日前に“日曜はゴルフだ”と話すと、月曜には“天気が良くて良かったね”と言ってくれる。
多くの喫煙者がそこで一服する。昼には10人くらいになることもある。中には前の歩道の真ん中で吸う人もいる。そんな人たちを母さんは注意する。優しくだ。「お客様、もう少し軒先の方で吸ってね」と。
中にはイヤそうな顔をする人もいる。火の付いたまま灰皿に入れる人もいる。朝には灰皿の下に吸い殻がたくさん落ちていることもある。灰皿があるのにだ。
ここのタバコの自販機で買っている「本当のお客様」は何人いるのだろう。買っている人は週に1回も見ない。ほとんどがお客様でない。僕も吸う銘柄が自販機にないので買っていない。
この辺りの喫煙スペースは全て無くなっている。まわり500mではここだけか。母さんもタバコを吸うので吸える場所が無ければ困るからということで灰皿を置き続けてくれている。
保健所から通達が来た。11月27日で灰皿を撤去しろとのことだ。
これまでも保健所や警察が来たことがある。吸わない人にとって、歩道の近くにタバコを吸う人が集まっているのはイヤなのだ。通報する人が何人かいたのだ。敷地内は4人くらいしか入らない。その他の人は自販機の壁に沿って吸っている。身体半分は歩道だ。それでも置き続けてくれた。
そんなことがあって、母さんは歩道にはみ出している人に注意している。
保健所から通達の用紙が来た日、僕を見た母さんは黙ってその紙を僕に突き出した。
猶予期間っていうことで年末まで置こうと思うの。来年から灰皿がないって方がキリがいいでしょ。
昨日、母さんはそう言っていた。それも保健所が認めたらのことだろうが、27日と書いている以上難しいかとは思うが。
違う喫煙所は遠くにある公園。まあ、タバコを止める気もないので行くだろう。
桃色インコ母さんの顔はたまに見に行くつもりだ。毎日顔を合わせて話していたのだ、なんか親戚のような感覚を覚える。
身体の調子。右下腿が良い感じだ。
動くが硬かったモノに油が差されて動きが大きくなった・そんなイメージだ。決してそこの筋肉が反応していなかったわけでない。鍼を打つと、ちゃんと足先まで神経が通っている感覚だった。だが、筋肉そのもの、裏も表も、必要な動きが出来ていなかったのだろうか。筋肉の収縮を日常の動きで十分にできていなかったという感じ。それが“舐める歩き”で使えるようになった。
これについてはしっかり検証して書くつもりだ。
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