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2017年06月08日

手術後の生活

入院してからもずっとベッドをフルフラットで過ごす日々だった。少しでも起こすと首と肩に痛みが走った。手術の影響というより、寝ている生活が長くなると筋肉が重力に耐えられなかったのかもしれない。ベッドを少しでも起こすことは重要だったと後で調べて知るのだが。
また、筋肉がどんどん落ちていくのがわかった。これまで鍛えてきた(適当なトレーニングだがしっかり付いていた)筋肉がなくなり、棒のような手と足になった。でかい顔も小さくなれば良かったのだが、首回りが細くなった程度。

手術後すぐリハビリは始まったのかな?しばらくはベッドから車いすに乗ってすぐ近くのリハビリ室へ。
右手はだいぶ動くようになってきた。足は平行棒の中での歩行訓練。左足も不自由ながら動かすことが出来るようになっていた。
このころから、何とか自分の手でスプーンを持って食べられるようになったと思う。

1月も末に近づいたころ、ベッドから一人で立ち上がることと杖をついて歩けるようになった。といっても病院内のフロアだけだが。立ち上がって歩くという目標はまずはクリア。
手は相変わらず使いづらく、歯磨きももどかしかった。
もうこの頃には入院馴れをしていたのだろう、人に何かしてもらうのが当たり前になっていた。
歯磨き後のうがいは身体を起こさないといけないので、面倒臭いので吸引をしてもらった。後で知ったが、吸引もしっかりチャージが付いていた。

これは後で調べて解ったことだが、歩けるなど回復の兆しがあったのは手術の効果でもなんでもなく頸髄損傷の急性期を脱したからだろう。急性期に起こるべき症状は全て経験した。呼吸も一時的に苦しい時があった。

1月末には仕事のこともあり、部屋で会議をする計画をしていた。これまでも東京の部下は週に何度か来て、仕事上のことなどは打ち合わせていたのだが、名古屋や大阪の部下を呼んで全体的な事柄を打ち合わせたかった。ところが、当日に熱が39度に。インフルエンザの可能性もあるので、人の出入りは禁じられた。
これは、尿の管から細菌が入ったことからだった。

尿管から管を抜く時がきた。たまたまその日に一回り上の友人Aさんが見舞いに来てくれ、入れた時に痛かった話をすると「抜く時が一番痛いんだよ」と脅かされた。その2年後、Aさんは大腸がんで癌研に入院するのだが、「癌研の管は特注で太いらしいよ」と脅かし返してやった。
尿管から抜くのはそれほどでもなかった。これでこれまでの姿・立って小用が足せると嬉しかった。
その後、Aさんは癌を克服して今でも仲良く遊んでいる。

その翌日、看護師さんが「さあ、入れましょうか」という。な、何のこと??
自分の排泄で膀胱に尿が残ることがあるからもう一度刺すという。手術の時に必要以上に刈り上げた看護師さんだ。「刺して抜くの?」さすがに凹んだ。この看護師さんの天然さにはその後も相当癒された。

2月になったらリハビリ専門の病院への転院を言われる。同じ医会の近くのリハビリ専門病院。
頸髄損傷は急性期を経て回復期になる。運ばれた病院は救急病院なので急性期専門ということらしい。この時に他の病院への転院も考えられたが、同じグループの方がいいかなと思った。
相変わらず「高級ホテル」の個室だったのだが、もう個室に慣れてしまったのでリハビリ病院でも個室を希望する。こちらの個室は少し安くて16000円くらい。

左手がピクリと動いたのが2月5日。指と手首が少し動かせた。見舞いに来てくれたTに見せようと無理をして指を痛めた。
かつて結婚していた時、入籍が12月24日・・・その10年後に受傷。結婚式が2月5日・・・その10年後に左手が動く。覚えやすい、というか忘れて良い日。

お風呂の話を書いていなかった。
病院内の「高級ホテル」にはシャワー室とトイレが備わっていたが、結局シャワーは1回、トイレも2週間くらいしか使わなかった。身体の清拭は毎日してもらったけど、お風呂には早く入りたかった。でも自分では無理。
結局、寝たままの入浴。病室のベッドを入浴室の近くまで移動して、入浴用のベッドに乗り換え。
素っ裸で洗ってもらうのは抵抗があったけど、病人はそんなこと言っていられない。
入浴用ベッドをスライドさせて湯の中に。週3回の入浴時間は楽しみだった。入浴介助してくれる看護師さんとは必要以上に良く喋った。なんせ素っ裸で恥ずかしいから。
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posted by shigenon at 16:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 入院
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2014年クリスマスイブのプレゼントは最悪でした。 「頸髄損傷」というケガなのか病気なのか・・その症状との戦いの記録と現在の日々をアップします。 (2018年4月追加) 不全の頸髄損傷は「健常な人」に見えます。“ふつうに見える”様に努力をしています。が、反面、「もう良くなったんだ」と思われがち。 骨折とは違い、中枢神経の損傷は完全回復はしないという現実。 「健常に見える」「もっと良くなるよう努力する」「もう治っているんでしょ」の狭間で何とか毎日を過ごしています。
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