ここで呑んでいると隣にオッサンが来た。しばらくは黙って呑んでいたが、オッサンが日本酒を頼んだ。
日本酒は止まらなくなるので、外ではあまり呑まないようにしている。
そのオッサンの日本酒、けっこう大きなぐい飲みになみなみだった。かなりお得だ。
つい声をかける。「けっこう量が多いですね」と。
酒呑みは少しでも量が多いと嬉しい。このオッサンも喜ぶタイプだ。そこから色々と話をしながら呑んだ。同じくらいの歳ですかねというが、歳は3級下だった。住んでるエリアは近くだ。オッサンとオッサンで仲良く呑んだ。話も進み21時半のバスになる。最後には日本酒を呑んでいた。
ライン交換をして、また一緒に呑みましょうと。どうもオッサンをナンパするのが得意になってしまったようだ。
帰って風呂に入ってソファに座ると立てないくらいだった。いつもよりハイボール大2杯と日本酒1杯を余分に呑んでいる。
こんなに酒が弱かったっけと考えるが、そんなものだろう。去年の状況だと週末に生ビールと焼酎ロック4、5杯呑んだら酔ったなと感じていたのだ。帰ってすぐ横になっていたから、酔った時の身体に及ぼす状態まで気づかなかったのだろう。玄関に入って靴を脱ぐ瞬間に転んで起き上がれないことは何度かあった。
酒が弱くなったのだ。酒呑みはいかに自分が量を呑めるかが一つの自慢だ。自分もそうだ、自慢というよりグダグダな状態にならずに長く呑めることが嬉しかった。
呑む気になったらハタチの頃はウイスキー1本、20年前も焼酎を一升瓶1本は呑んだ記憶はあるが、大体はその半分くらいが自分の適量だった。
純アルコール量の計算式は「飲んだ酒の量(mL) × 酒のアルコール濃度 × 0.8」らしい。厚労省は「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」と定めているらしい。
長く呑んでいた居酒屋Sでは毎日生ビール1杯と900mlの焼酎半分だった。これを10年くらい続けた。これで92gの純アルコール量。ちょうど良いほろ酔いだった。
今だとほろ酔いで生ビール1杯、ハイボールが4杯くらいだから68gか。
座って立ち上がるのに苦労した一昨日は120gの摂取か。これを思うと今は100gを超えないようにしないといけないのだろう。
もちろん呑んでいる時間にもよる。今までの自分の感覚としては、呑んでいてアルコールを分解しているなと感じていた。やはり年齢とともに分解能力も劣ってきたのだろう。
昔は量を呑めた記憶が頭に残っているから、ついつい呑んでしまうのだ。この脳の記憶を書き換えないといけない。
受傷して入院中はもちろん禁酒・禁煙。
その頃は毎日呑みに行って、ほぼ毎週ゴルフをしていた日常だった。楽しかった日常だった。それを取り返すことが一番だった。
まもなく受傷から9年を迎える。酒の量は加齢による減少、タバコの本数減少は身体を気遣って。
あとはゴルフか。こればかりは受傷の影響がある。
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