2017年12月15日
クラウドクレジットからの月利金合計がマイナスになった理由
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投資開始から初のできごと
ちょっとインパクトの強いタイトルですが、それなりの衝撃を受けたものだと思って下さい。
確かに最近の状況を考えますと、理屈上は月利金の合計がマイナスになることもあり得るのですが、
それにしても単独ファンドでのマイナスならともかく、月の合計だったので驚きでした。
ちなみに、私の状況はこんな感じです。
税引後利金の総額は、マイナス365円となりました。
今回はなぜこんな事になったのか、現在の状況も含めて記事にしたいと思います。
クラウドクレジットでの投資をお考えの方にとって、参考になれば嬉しいです。
こうなった理由1:ヨーロッパ案件の問題
まず一つには、ヨーロッパ案件(北欧個人向け及び欧州3カ国個人向け)が抱えている問題があります。
上の表で見てわかる通り、これらの案件については現在の利金がゼロなだけではなく、おそらく今後は
返済遅延が起きると思われます。
というのも、毎月返ってくる元本と投資残金、そして償還までの期間を見ればだいたい予想できます。
・北欧個人向け2号
直近償還金 ¥6,627 残り元本 ¥107,719 → このままのペースなら完済に16ヶ月
実際の残り期間 2ヶ月
・欧州3ヶ国個人向け2号
直近償還金 ¥4,278 残り元本 ¥166,885 → このままのペースなら完済に39ヶ月
実際の残り期間 14ヶ月
もちろん、これから一気に完済に向けて償還金が増える可能性がゼロではありません。
ですが、それは希望的観測が過ぎるというものでしょう。
これらのファンドがこのような状況になっているのは、個人向けローンファンド特有の問題によります。
要は、「延滞債権の発生と延滞期間の長期化」です。
個人向けの無担保ローンは一定率の貸し倒れを織り込むものですが、その貸し倒れや延滞が当初の予想より
拡大している、ということなのでしょう。
・当ブログ関連記事1:
クラウドクレジット 北欧個人向けLFで金額訂正あり
・当ブログ関連記事2:
クラウドクレジット 欧州向け3か国個人向けローン・ファンド(バランス型)でも利回り低下発生
もっとも、北欧個人向け及び欧州3カ国個人向けのファンドは、これまでの時点で既に利益が出ています。
その額は、私の場合それぞれ¥22,971と¥44,649。
この利益までの元本損失であれば、最終的には黒字になるわけで、今後に注意していきたいと思います。
こうなった理由2:ペルー案件の誤算
もう一つの理由は、ペルー案件の誤算です。
ペルー案件については以前、ペルーの税制変更の解釈が間違っていたため、一旦増えた利率を元に戻す
という対応を行った事がありました。
・当ブログ参考記事:【解説記事】クラウドクレジット ペルー案件不成立の理由
その際、それぞれのファンドの取り扱いとして、以下のようにすると発表がありました。
@源泉徴収額がゼロという前提の案件(ペルー案件34〜45号)
源泉徴収税を払う運用に戻す。
認識を誤った責任はクラウドクレジットにあるため、源泉徴収税額相当については自腹を切る。
(ただし、日本の監督官庁に確認中で、OKが出れば)
A源泉徴収額が30%という前提の案件(ペルー案件2〜12、14、16〜33、ソル建て1号)
源泉徴収税を払う運用に戻す。
ただしこれらの案件は、募集時説明で源泉徴収がある事を前提としているため、その後の利率増加は
棚ぼたであり、修正を実施する。
B既に償還してしまったもの(1、13、15号)
源泉徴収無しで分配した分が、ペルー法人の原資から減っている。
既に償還している案件に金額補正はできないので、ペルー法人が自腹を切る。
(ただし、日本の監督官庁に確認中で、OKが出れば)
このうち、AとBについては上記の通り。
ただし@については、赤字の「監督官庁に確認」した結果、OKが出なかったようです。
青字で書いたBについては、既に償還してしまった以上しかたない。
しかし、赤字で書いた@については利益供与になる、というのが当局の見解とのことなのでしょう。
結果として私の案件の場合、ペルー8号と26号はこれまで払いすぎた利金分を補正するため利金はゼロ。
ペルー19号は今月で償還済みのため、これまで払いすぎた利金分を補正して利金がマイナスとなりました。
一応誤解無きように申し添えますと、ペルー19号は通算で30万円を投資しています。
結果、投資期間18ヶ月で投資成績は¥30,901の黒字。
税引き前利益率は8.6%であり、元本が毀損しているわけではありません。
以上のような要因が組み合わさったため、今月の利金合計はマイナスとなってしまいました。
理由を一つ一つ分析すれば納得はできますが、やはりインパクトはありますね。
今後の話
外国における小口分散投資、それと現地の法規制は確かに色々な課題を抱えているのは理解できます。
ただそれにしても、ちょっと今回はお粗末だったかな、というのが印象です。
リスクが大きいと覚悟していてもそれなりのショックを受けるのですから、これがもし初めての投資なら
ソーシャルレンディングへの投資自体を取りやめようか、というくらいの影響を及ぼしかねません。
クラウドクレジットにはより一層の案件の精査を行うと同時、丁寧な説明をお願いしたいと思います。
同時に、クラウドクレジットで投資してみようか、と思う投資家側にも一つお願いがあります。
クラウドクレジットの案件は、既存のソーシャルレンディングとは異なるユニークな特徴を持ちますが
一方で海外個人向け、案件によっては為替リスクありと安定しない案件でもあります。
そのリスクはきちんと認識いただけますよう、お願いします。
クラウドクレジットを推すブログは多いですが、その一つの理由は高額のアフィリエイト報酬です。
金額は公開できませんが、その額はソーシャルレンディング事業者では現在、最高額です。
となればアフィリエイト狙いの記事も多いわけで、十分に内容を吟味の上、投資を決定して下さい。
少なくとも私は、クラウドクレジットの案件は初心者には勧められないと考えます。
もちろん、当ブログの内容は信じていい、などとは申しません。
当ブログも、アフィリエイトを利用していくばくかの収入を得ていることに変わりはないからです。
ですから当ブログの記事も、存分に疑ってかかるべきです。
まとめと良いニュース
また一つ混同すべきではないのは、今回の件は海外案件の難しさにより起きた事だということです。
事業者として調査が不十分だったことは否定できませんが、運営体制の信頼度とは切り離して考えるべき。
クラウドクレジットの直近決算には色々とツッコミどころもありますが、クラウドクレジットの掲げる
国際分散投資には変わらず賛同しますので、私はこれからも投資を続けていくつもりです。
・当ブログ参考記事:クラウドクレジットの第5期決算を見て思うこと
最後に良いニュースとして、クラウドクレジットのエストニア子会社は内部統制が当局から認められ、
エストニアの金融機関として登録されたとのことです。
・クラウドクレジット プレスリリース
これにより、クラウドクレジットはエストニア国内でのファンド組成が可能となります。
将来、今回の失敗をひっくり返して余りあるほど魅力的な案件が登場することに期待したいと思います。
クラウドクレジットへの投資をお考えの方は、こちらから検討いただけると嬉しいです。
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リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 10:45
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コメントありがとうございます。
クラウドクレジットは案件のリスクがかなりあるため、万人にお勧めできる事業者ではないと思っています。特に、ソーシャルレンディング初心者の方は堅実なインカムゲインを求めて来るはずなので、お勧めはできないと言い切れます。
利回りについては同意見です。現在はさらに利率が低下しており、分散投資先の一つとして見るならともかく、メイン投資先としては微妙になってしまいました。
為替についてはどちらにも触れるので、一概に良い悪いを言うのは難しいですね。ただ、クラウドクレジットに円建て口座しかないため、償還と同時に為替リスクが確定してしまうのが問題だと思います。
外貨建て口座にプールできるなら良いのでしょうが、多分そこまでは第二種の免許では扱いきれないのではないでしょうか?
maneoやオーナーズブックのように、証券会社と提携できれば化ける可能性のあるサービスじゃないかな、と漠然と考えています。
クラウドクレジットは、口座開設休眠状態です。カメルーンのオバンバ社の抱えるカントリーリスク。
個人債権ローンと言っていますが、実態は返せない劣悪債務者のサービサージャンク債権であり、リスクは高いという点で見送っています。(ハイイールドであるためこの倍くらいの利回りは欲しいところです。)
この会社は、運用は良くても最後で為替で負けることもありなかなか使いにくいように感じます。