2017年12月16日
「年収850万円超で増税」所得税改正と兼業との関係、あとソーシャルレンディングとの関係
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2018年度税制大綱の内容
12月14日、与党の税制改正大綱が決定されました。
おそらく今後の審議でも大きな変更はなく、このまま通る事になるでしょう。
マスコミは色々とかまびすしいですが、兼業サラリーマン投資家として内容を見ていくことにします。
今回の税制改正は大まかに以下の内容となっています。
@所得税改革
A賃上げや設備投資に積極的な企業に対する法人税強化
Bたばこ税増税(加熱式たばこも含める)
C国際観光旅客税、森林環境税の増設
D地方消費税の配分基準の変更
このうち当記事では、@について取り上げます。
なお、所得税改革について私自身は賛成とも反対とも言うつもりはありません。
投資家としては賛成反対よりも実利、つまり制度改革をどう利用するかの方が大事だと思っているからです。
個人の意見や感情と、実際どうするかの対応は完全に切り分けて考えるべきでしょう。
(無駄な支出を抑えろよ、とは思いますが)
所得税はどう変わるのか
さて、では所得税は実際、どう変わるのでしょうか。
自作の表を作ってみました。
赤線が給与所得控除、青線が基礎控除。
点線が今までの制度で、実線が新しい制度です。
新しい制度になって変わったところは、以下の4点です。
@基礎控除がこれまでの38万円から48万円へ増加(減税)
A給与所得控除のベースラインが10万円減少(増税だが、@と合わせると税額に変化無し)
Bこれまで220万円だった給与所得控除のキャップが195万円に減少。
(給与年収850万円以上は増税)
C収入2400万円以上で基礎控除が段階的に減少、2500万円でゼロに(2400万円以上は増税)
これ以外に公的年金控除もありますが、これは年金受給者対象なので割愛します。
マスコミが良く取り上げているのはBの「850万円以上が増税」という部分です。
中にはこれを「850万円の壁」と表現する事もありますが、これは正確とは言えません。
この表現の元になったのは「103万円の壁」なのでしょうが、これは年収が103万円を超えてしまうと
扶養から外れたり、国保や年金を負担したりするため、103万円を境に可処分所得が逆転してしまうという
現象のことです。
850万円を境にして可処分所得の逆転は生じませんので、これを壁というのはおかしいでしょう。
せいぜい、「制度改革で上り坂がきつくなった」というところではないでしょうか。
サラリーマンとしての意見
基礎控除と給与所得控除を合計した、サラリーマンの視点から見た改正前後における税控除の変化は
以下の図のようになります。
サラリーマンだけの収入であれば、850万円以上で増税というのは正しいです。
ただ、当たり前の事ですが所得以上に税金で持って行かれる事はありません。
このため、この税制改正は高収入を目指すモチベーションに冷や水を浴びせる事になるかと言われれば、
私は「そんなことはないんじゃないの?」と思っています。
あくまでも私の周りだけかもしれませんが、向上心ある方々の意識の高さと欲望の大きさは、この程度の
増税でどうにかなるようなものではありません。
もっとも、「この程度の増税」が何度も続けば、いずれは影響してくるような気もしますが。
ちなみに、私自身はどうかと言いますと。
収入については、過激なミッションや炎上事案による海外出張の連発がなければ、850万円は超えません。
(などと言ってると速攻でフラグが建つのは、製造業の常ですが)
向上心については昇進意志含めありませんので、税制改正で変わるモチベーションは持っていません。
ということで、サラリーマンとしての私には、この税制改正は影響を及ぼさない、という結論になります。
兼業投資家としての意見
次に、兼業投資家としての私に対する影響を考えます。
ソーシャルレンディングの所得は雑所得扱いとなり、給与所得控除は関係ありません。
ですから、給与所得+ソーシャルレンディングの所得が850万円を超えても、増税にはなりません。
(所得が2,400万円を超えれば基礎控除が減るので影響ありますが、それはちょっと非現実的です)
増税にはなりませんが、基礎控除が増えた分給与所得控除が減っているので、減税にもなりません。
サラリーマン兼業投資家である限りは、今回の税制改正は影響なさそうです。
一方でアーリーリタイア後を考えますと、給与所得控除が無くなり基礎控除が増えるだけとなりますので
結果的には減税となります。
今回の所得税改正の恩恵を受けられるのは、私がアーリーリタイアした後ということですね。
それまでにまた税制が変わってなければ、の話ですが。
所得税改正、副業、ソーシャルレンディング
今回の所得税改正は、自営業者やフリーランスにとっては減税になります。
近く、政府が企業に副業を解禁するよう要請を出す事も含めて考えると、政府はダブルワークなどの
多様な働き方を進めようとしるのでしょう(税収を増やすためだとは思いますが)。
・当ブログ参考記事
「副業は高所得者と低所得者に二極分化、副業解禁で長時間労働が進む懸念も」という記事を読みました
正社員のメリットを希薄化することは、労働市場の流動化を生み、ブラック企業問題にも役立ちます。
労働者側にも多くの努力を強いるでしょうが、それは受益者負担の一環です。
もっとも、そうなった先には格差の拡大があるわけで、それは別のセーフティネットが必要でしょう。
こうした動きは今後、日本において緩やかながら進んでいくものと予測します。
投資家の立場としては、副業兼業が一般化した社会の制度を予測し、それをどう利用するかについて
今から検討と準備を始めても遅くはないでしょう。
もちろん、そうならなかったらというリスクヘッジは常に考えた上で、です。
さて、ここからは宣伝です。不要な方は読み飛ばして下さい。
そういった副業の一つに、不労所得(実際は不労でもないですけど)としての投資があります。
そんな中でも、ソーシャルレンディングは優れたインカムゲイン投資だと思っています。
なにせソーシャルレンディングは、案件を決めて投資をしたら、後は償還までやることがありません。
退屈に感じる事もありますが、退屈なくらいが投資にはちょうどいいです。
お金を賭けてスリルを求めるのなら、それは投資ではなくギャンブルと呼ぶべきでしょう。
ソーシャルレンディングに興味のある方向けには、私がなるべく客観的に判断しましたお勧めの事業者に
ついてまとめた記事が下記となりますので、ご覧下さい。
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・(2017年12月版)SL初心者にお勧めの事業者
また、既にソーシャルレンディングを行っている方には、こういった節税策はどうでしょうか。
私は実際に実践をしています。
・世界中の欲しい物やサービスを「3割引」で入手する方法
以上、併せてご覧いただければ幸いです。
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posted by SALLOW at 17:30
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