2017年05月23日
クラウドクレジット「東欧金融事業者支援ファンド」の中身を見ていきます
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東欧金融事業者支援ファンド
クラウドクレジットのファンドは海外に投資するものが多く、投資スキームが少し複雑です。
ペルー向けPJについては前回の記事で紹介しましたので、今回は東欧金融事業者ファンドについて
紹介をしたいと思います。
案件の詳細は、以下のリンクからご覧下さい。
・東欧金融事業者支援ファンド(ヘッジ無)
・東欧金融事業者支援ファンド(ヘッジ有)
なお私の投資状況は、クラウドクレジット全体では360万円、
東欧金融事業者向けに67万円と、後で紹介するルーブル建てマイクロローン事業者ファンドに20万円です。
投資スキームとヘッジスキーム
東欧金融事業者向けの投資スキームは、以下の2つです。
これに、為替ヘッジ(為替変動の影響を緩和する)のスキームが加わります。
@東欧向け個人ローンを扱う会社の持ち株親会社(キプロス籍)へ貸付を実施する。
AMintosというP2Pレンディングのプラットフォームを介して、ジョージアにある金融事業者から
債権を購入する。
Bヘッジスキーム:出資金の一部(5%)をUSDに転換して留保、その一部をヘッジ担保金とする。
ヘッジ額が一定額を下回れば、担保金は返金される。
案件終了時、USD→JPYに転換して変換(この5%分は為替ヘッジが効かない)
リスクと特徴
代表的なSLである不動産担保ローンに比べ、この案件のリスクは多岐に渡ります。
全体としては、国内不動産担保ローンに比べてリスクは大きい、と言えるのではないでしょうか。
東欧金融事業者支援ファンドは、小口の個人が最終の資金需要となります。
この場合、代表的なソーシャルレンディング案件である不動産担保案件などと根本的に異なる点として、
「回収不能は当然」という考え方があります。
「年20%で貸し付けて1年で10%回収不能になっても、10%は利益が出るからいいや」
というのが、個人向けローンの基本的な考え方です。
(この考え方は、高い貸付利率と小口分散の貸付があってこそ成り立ちます)
一方で特徴としては、エストニアに子会社を置いている事が挙げられます。
エストニアの税制には、以下のような特徴があります。
@投資による利益に所得税がかからない
A法人の内部留保に税金がかからない
B海外親会社からエストニア子会社への貸付利息にも税金がかからない
つまりエストニアは、いわゆるタックスヘイヴンに相当します。
パナマ文書などで一時ニュースを飾ったタックスヘイヴンですが、投資家としてあるべき姿は
敵視や嫉妬をすることではなく、どうやって利用するか考えること、ではないでしょうか。
本案件への投資により、一般投資家でもタックスヘイヴンを利用できるメリットがあります。
ルーブル建てマイクロローン事業者ファンド
ルーブル建マイクロローン事業者ファンドの投資先は、実は東欧金融事業者ファンドと全く同じです。
・【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド
違うところは、東欧金融事業者ファンドでは通貨がユーロもしくは円だったのに対し、ルーブルで
貸付を行っているところです。その分、利率は高くなっています。
なお、なぜこちらにはヘッジ有り案件が無いかというと、ヘッジしたら利益が吹き飛ぶからです。
ユーロ円ヘッジならともかく、ルーブル円ヘッジは凶悪な逆スプレッドがかかります。
(注:為替ヘッジは、対象通貨を「売り」で持つことで、円高になると利益が出るようにする手法。
ただし、売りで持っている間、日本とその国の金利差による損失を被る。
ロシアの政策金利は9.25%、この案件の利率は13%なので、手数料含めると利益が出ない)
SL投資のリスク分散
何回か記事にしていますが、日本における個人向けP2Pレンディングは、色々な都合上ビジネスとして
成立するのは難しいと思います。
それでもP2Pレンディングを投資対象に組み込みたくて、クラウドクレジットでの投資を始めました。
(Lending Clubにも問い合わせましたが、投資金額100万ドルからと言われ断念)
日本におけるSL案件というと、不動産担保や債権担保が主流です。
それはそれで強力な担保ですが、有利な条件だからと言って投資対象を集中させるのは危険です。
SL投資はまだ新しい投資であり、他投資と比べて情報の非対称性(匿名性)が高い商品です。
そのような状況では、あらゆる条件(事業者、案件、出資先、国、貸付対象)を分散させることが
リスク分散に繋がると考えています。
クラウドクレジットへの投資をお考えの方は、こちらから検討いただけると嬉しいです。
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posted by SALLOW at 12:40
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