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2019年03月01日

【インタビュー(前編)】Funds(ファンズ)の藤田氏に回答いただきました。



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今回は前編です

 今月、Funds(ファンズ)を運営するクラウドポート社の代表取締役、藤田氏にインタビューを行う機会を
 いただきました。

 サービス開始を有名メディアが取り上げたり、ホリエモンが言及したりで話題となったサービス。
 これまでのソーシャルレンディングにおける問題点に対する処方箋を提示したこと、これまでのサービスの
 良いとこどりをしていることから、私も次世代サービスとして注目し、実際に投資も行っています。

 そんな中でいただいたインタビューのチャンス。
 昨今、ソーシャルレンディングを取り巻く問題についても聞いてみました。
 Fundsへの投資に興味のある方は、記事の最後に登録方法を紹介していますので、合わせてどうぞ。

  ・(参考記事)Funds(ファンズ)注目の案件は瞬間蒸発。予想は大当たりでした。


 Funds(アフィリエイトリンク)
 Funds

インタビュー内容


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 私は関西圏在住で物理的距離がありますので、インタビューはTV会議で行いました。
 以下、その内容です(QはSALLOW、Aは藤田代表取締役。赤字はSALLOWが重要と思った点)。
 かなり読み応えのある分量となっています。

Q:クラウドポート設立時から、Fundsの構想はあったのか? Fundsの設立の狙いは?

A:Fundsのようなサービスの構想はあった。
ソーシャルレンディングは優れた投資商品だが、デフォルトにより元本が大幅に毀損する、いわゆる「コツコツドカン」のリスクがある。
リスクを軽減するためには分散投資が重要であり、ソーシャルレンディング事業者の立ち上げに経営メンバーとして参画した経験から、分散投資をしやすくする環境を作るために、ソーシャルレンディング比較サイトであるクラウドポートを立ち上げた。
そのうちに比較だけではなく、実際に投資したいという声があった。投資先の分散のために10や20の事業者に口座開設をして投資していくのは面倒であり、より簡単に分散投資が行えるサービスとして、Fundsをリリースした。


Q:既存のソーシャルレンディングサービスとの差別化、利点は何か? 関係会社貸付が大きな特徴とは思うが、それを含めて他の点についても説明をお願いしたい。

A:大きな特徴の一つは、我々は自社でファンド組成を行わず、プラットフォームを提供するのみという点。
ファンドの組成と販売が分離しているため、牽制が効きやすく投資家目線でファンドの販売が可能。これまで問題のあったケースでは、組成と販売が同じであり牽制が効かない状況が散見されたため。
プラットフォームに参加できる企業の審査は厳格に行っている。参加の前提として、自社または支配会社が上場企業、もしくは監査法人の監査を受けている企業、もしくはVベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けている必要がある。

また関係会社貸付のメリットについて、例えばアイフル案件の場合子会社を通さないで直接アイフルが資金を運用すると、損失が発生してもアイフルは投資家に対して補填することができない(損失補填の禁止)。
そこで子会社に貸し付けるリコースローンとし、万一のときはアイフルが子会社を救済するという建付けとすることで、投資家の保護に繋がる。


Q:参加する企業の立場から見た、Fundsの魅力は?

A:クラウドファンディングに参入したいという企業はかなり多いが、ボトルネックになっているポイントは「第二種金融商品取引業登録が必要」「投資家を開拓する必要」「システム開発の必要」。
 Fundsがプラットフォームになることでこの点をクリアでき、参入を希望する企業はファンドの組成に注力できる。


Q:Funds自体の業務内容と、運営人数について。
A:運営人数は15名。社内に弁護士、公認会計士もいる。
業務内容はカスタマーサポート、営業、マーケティング、システム開発、そしてコンプライアンスなどの審査・監督部門。


Q:専門家や弁護士が複数在籍しているが、その狙いや社内牽制はどうなっているか? また、ここ最近他社では色々な事件があったが、それらについてはどのような措置、対処法を考えているのか?

A:業務分掌上、営業と審査を切り離すことで、社内牽制を行っている。
またプラットフォームに参加する企業はまず前提条件(上場or監査法人orVC出資)を満たした上で、当社で事業計画の妥当性や財務状況を確認し、社内審査会で参加者「全員」の賛同を持ってファンドの募集取扱いが決まる。社長であっても独断で販売を決定することはできない。
最近のような事件を起こさないためには、問題があるような事業者をプラットフォームに入れない、というのがまず大事だと考えている。
また、モニタリングも重要。決算期ごとに経営状況や財務状況を確認し、問題があれば対応を検討、実施する。


Q:初動の会員登録の勢いは? 今後どこまで裾野を広げていくつもりなのか?
A:登録会員数は予想を超えていた(詳細は非公開)。
当初はソーシャルレンディングの経験者や、クラウドポートを知っている人が多く、裾野もそのあたりと考えていたが、セミナーなどの感触では一定数の初心者の方もいる。リスクをきちんと理解した上で、訴求していきたい。


前半の所感と関連リンク

 個人的に最も興味深かったのは、「Fundsのようなサービスの構想は最初からあった」という点です。
 いずれサービスを開始することを視野に入れた上で、その調査の意味も含めてソーシャルレンディングの
 比較サイトであるクラウドポートを立ち上げたのだとしたら、驚くべき戦略だと思います。

 また、Fundsは自社で運用を行わない、という点も重要だと感じました。
 Fundsの特徴として当ブログでも良く取り上げていた「関係会社貸付」は、貸付先の事業者において返済の
 確実性を上げるためのもの。
 しかし、返済の確実性が上がっても、ソーシャルレンディング事業者自身がやらかしてしまっては元も子も
 ありません。そして、最近の重大事件はたいていこのパターンで起きています。
 この部分にも対策しているあたり、やはりFundsは「次世代型のサービス」と言えると思います。


 インタビュー後半は現在まとめ中。明日くらいにアップできると思います。
 後半では今後の予定や中長期的展望などを伺いました。


  ・(参考記事)Fundsの特徴を紹介。投資単位は? 手数料は? 預かり金口座は?

  ・(参考記事)Funds(ファンズ)の会員登録方法を解説。個人的に大本命のサービス!


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posted by SALLOW at 18:40 | Comment(4) | TrackBack(0) | 投資の話題
この記事へのコメント
投資家A 様
参考になったなら何よりです。
アイフルくらいになれば、子会社をみすみす切り捨てるという選択肢は取らないと思います。
なのでリスクは限定的と言えるのではないでしょうか。
なお、アイフルの貸付先は匿名化されていますが、とりあえず調べてみました。おそらくこれで正しいと思います。
https://fanblogs.jp/sallowsl/archive/1114/0

言質についてはお褒めいただいたのは嬉しいのですが、実際に救済するのはアイフルですからね。
「おそらく救済するだろう」とは思いますが、藤田社長の言質があっても実際に救済するかどうかの担保になるわけではありません。その点はさっ引いて考える必要があると思います。
Posted by SALLOW at 2019年03月03日 20:59
ご回答ありがとうございます。
なるほど、そういうことですか。

リンク先のページの
 1.子会社の事業がアウトになった場合→リコースなので子会社に返済義務あり
 2.子会社自体がアウトになった場合→金商法に触れるのでアイフルは弁済できない
ここまでは、私もFundsに問い合わせて確認していました。

ですが、1から2にならないように、
 1.5.アイフルが子会社を救済する
というオプションがあるということですね。

1.にならないようにアイフルが子会社を監督、指導するというのは知っていましたが。
1.になったあとの対処については、まったく想定していませんでした。
これについて藤田社長から言質を取ったのは貴ブログが初ではないでしょうか。
大変参考になりました。ありがとうございました。
Posted by 投資家A at 2019年03月02日 22:39
投資家A 様
コメントありがとうございます。
このあたりについては、Fundsの以下のページが詳しいかと思います。
https://funds.jp/guide/structure
「万一のとき」というのは、アイフルの先の資金需要者がその資金を使って運用した結果、想定のリターンが得られなかった場合と想定されます。

ノンリコースであればその案件が不調なら「無理でした」と返済を免れますが、リコースなのでその子会社が吹き飛ぶまでは資金を回収することができます。
そうした場合、子会社を失わないためにアイフルは子会社に資金を注入することなどで、子会社を救済、結果として資金の保全が為されることになります。
(これは貸付資金とは独立に行われるものですから、資金の分別管理が適切に行われている限り金商法には触れないと考えられます)
Posted by SALLOW at 2019年03月02日 22:04
普通では知りえない内容をご紹介いただき、ありがとうございます。

関係会社貸付のメリットのところで「万一のときはアイフルが子会社を救済する」とのことですが。
 1.万一のとき
 2.救済
この2つの単語を、藤田社長は具体的にどういう意味でお使いになられたのでしょうか?
このインタビュー時の2つの単語の定義です。

もし、
 1.万一のとき=子会社が返済不能になったとき
 2.救済=アイフルが子会社に代わって返済する
であれば、Fundsサイトに書かれてある内容(借り手がデフォルトした場合元本は毀損する)と矛盾します。

万一のときが来ないように、アイフルが事前に子会社に適切な指導、監督を行う、ならば分かるのですが。
万一のときが来たあとで、アイフルが金商法等に触れずに救済(代弁)することはできないと私は思っていたものでして。
それでこの部分だけがちょっと引っかかった次第です。
もしよろしければ、ご教示ください。
Posted by 投資家A at 2019年03月02日 07:01
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