2019年06月28日
中小企業がトップダウン経営を続けることの善悪!(終わり)
・・・・・前回より続く
優秀な社員であっても、社長自身がトップダウンを続け、優秀な社員の意見を聞かなかったり、自分の意見ばかり押しつけていたりすると、優秀な社員は嫌気して会社を辞めるのは当然だろう。その結果、質の低い社員ばかりが残り、確かに社長のイエスマンにはもってこいで、社長は最初は優秀だが使いにくい社員よりもできが悪いが従順な社員の方が自らも優越感にしたれるからいいだろうが、生産性の低い会社に陥るのは間違いなしだ。
そういう優秀な人たちが「もうこんな会社では働きたくない!」と離職した瞬間、組織は崩壊する。一番たちが悪いのは、仲間を引き連れて辞めてしまうこと」で優秀な社員の周りには同じ志を持つ優秀な社員ばかりである。こうした事態を防ぐためにも、トップダウンの経営スタイルからの脱却を目指す必要がある。
社員が30名を超えるとトップダウン型の弊害が顕在化する。
経営者の決定、指示に従う「指示待ち型組織」というのは、会社の成長度合いにもよるが、2つのタイプがある。
指示待ち型でいることが成長につながるタイプと、会社の成長を止めるだけでなく、衰退に向かわせるタイプである。会社のメンバーが20〜30人までの規模の場合は、社長と近い距離なので、直接的に指示したり、社長の思惑や意図がそのまま伝わりやすいので指揮系統が統一される。これが「トップダウン型組織」の功の部分です。
会社の立ち上げ時期である「創業期」や「成長期」は、逆にトップダウンでないと伸びないであろう。不確実的な要素が多く命令系統を一本化した方が組織が円滑に機能する。社長を中心にお客様に向かっていく集団づくりがしやすい時期である。
トップダウン型の組織は、社長の命令=会社の命令である。社員全員が社長のやり方にトップダウンで従い、指揮系統が統一された組織になる。これは「創業期」や「成長期」には適した組織なのです。社員数20〜30人くらいまでは、こうしたトップダウン型の方が、社内のマネージメントはうまくいく。
だが人数が30人を超え、社長からのトップダウンと部門長からのトップダウンなど、2つ以上の指示が出されるようになると、命令系統が複雑化してきて組織が円滑に機能しなくなる。
特定の人物によって運営されているのが「属人型組」だが、この「属人型組織」は、「成熟期」「衰退期」の企業でよくみられます。社員が社長や部門長、特定の幹部のトップダウンで従っている組織です。この場合、幹部から聞く話と、社長から聞く話が異なることが多くなり、現場の社員は混乱する。
社長のトップダウンといっても、「属人型組織」の状態が長引くと、社長自身に全社をまとめる求心力がなくなってくる。こうした組織では、「社長はああ言っているけどな、俺はこういうやり方なんだよ」と幹部たちが公言する。その結果、社内の意思統一が図れなくなり、「衰退期」を招いてしまうのである。
社長がいないと「何もできない」組織には限界がある。
社長に対して「はい、喜んで!」というだけの人間は、結局、指示待ち型の人間なので、たとえ業務スピードが速かったり、行動力があったりしても、社長がいなかったら何もできないし、やろうともしない。
社長が言う事が総て正しいことはない。社長も部分的無知の状態で意思決定している時もある。だから社長の周りを社長が間違ったことを言っても、ノーと言わないイエスマンで囲んではいけない。それよりも、社長と幹部が会社の理念を共有し、会社の発展のために同じ方向を向いて、対等に話し合える環境や組織になっていった方が、永続的な成長が期待できるでろう。
成長を目的としない自分の代で会社を終えたいという小規模の会社は、トップダウン型の指示待ち・イエスマン型の組織でもいいであろう。
でも現状維持に留まらず会社を更に発展させ、社員のためにも事業を拡大し、社員の成長のためのステージをつくり続けていきたいと考える経営者の場合は、イエスマンをそろえるのではなく、会社の発展のために同じ方向を向き、お互い自由に話し合い、切磋琢磨できる社員を育てていくという組織づくりが必要不可欠になる。
よく中小企業の社長は自社の社員のことを「うちの社員では無理だ」とか否定的なことを言う社長がいる。誰が採用して誰が育てたのかである。自分の指導能力不足を社員の資質のせいにしてはいけない。
「組織はトップの器以上にならない」との名言があるように、器の小さい社長が規模が大きく強固な組織を求めても実現不可能で大きな矛盾と歪みが生じることになる。
昔、社長は社員を家族のように扱い、社員は社長を父のように慕う「経営家族主義」があった。社員は自らを会社に帰属させ、会社は社員や家族の一生の面倒を見るといった良好な関係は、バブルがはじけ終身雇用が忘れ去られる今の時代は、死語となっているかもしれないが再考を促すいい機会になるかもしれない。
終わり
優秀な社員であっても、社長自身がトップダウンを続け、優秀な社員の意見を聞かなかったり、自分の意見ばかり押しつけていたりすると、優秀な社員は嫌気して会社を辞めるのは当然だろう。その結果、質の低い社員ばかりが残り、確かに社長のイエスマンにはもってこいで、社長は最初は優秀だが使いにくい社員よりもできが悪いが従順な社員の方が自らも優越感にしたれるからいいだろうが、生産性の低い会社に陥るのは間違いなしだ。
そういう優秀な人たちが「もうこんな会社では働きたくない!」と離職した瞬間、組織は崩壊する。一番たちが悪いのは、仲間を引き連れて辞めてしまうこと」で優秀な社員の周りには同じ志を持つ優秀な社員ばかりである。こうした事態を防ぐためにも、トップダウンの経営スタイルからの脱却を目指す必要がある。
社員が30名を超えるとトップダウン型の弊害が顕在化する。
経営者の決定、指示に従う「指示待ち型組織」というのは、会社の成長度合いにもよるが、2つのタイプがある。
指示待ち型でいることが成長につながるタイプと、会社の成長を止めるだけでなく、衰退に向かわせるタイプである。会社のメンバーが20〜30人までの規模の場合は、社長と近い距離なので、直接的に指示したり、社長の思惑や意図がそのまま伝わりやすいので指揮系統が統一される。これが「トップダウン型組織」の功の部分です。
会社の立ち上げ時期である「創業期」や「成長期」は、逆にトップダウンでないと伸びないであろう。不確実的な要素が多く命令系統を一本化した方が組織が円滑に機能する。社長を中心にお客様に向かっていく集団づくりがしやすい時期である。
トップダウン型の組織は、社長の命令=会社の命令である。社員全員が社長のやり方にトップダウンで従い、指揮系統が統一された組織になる。これは「創業期」や「成長期」には適した組織なのです。社員数20〜30人くらいまでは、こうしたトップダウン型の方が、社内のマネージメントはうまくいく。
だが人数が30人を超え、社長からのトップダウンと部門長からのトップダウンなど、2つ以上の指示が出されるようになると、命令系統が複雑化してきて組織が円滑に機能しなくなる。
特定の人物によって運営されているのが「属人型組」だが、この「属人型組織」は、「成熟期」「衰退期」の企業でよくみられます。社員が社長や部門長、特定の幹部のトップダウンで従っている組織です。この場合、幹部から聞く話と、社長から聞く話が異なることが多くなり、現場の社員は混乱する。
社長のトップダウンといっても、「属人型組織」の状態が長引くと、社長自身に全社をまとめる求心力がなくなってくる。こうした組織では、「社長はああ言っているけどな、俺はこういうやり方なんだよ」と幹部たちが公言する。その結果、社内の意思統一が図れなくなり、「衰退期」を招いてしまうのである。
社長がいないと「何もできない」組織には限界がある。
社長に対して「はい、喜んで!」というだけの人間は、結局、指示待ち型の人間なので、たとえ業務スピードが速かったり、行動力があったりしても、社長がいなかったら何もできないし、やろうともしない。
社長が言う事が総て正しいことはない。社長も部分的無知の状態で意思決定している時もある。だから社長の周りを社長が間違ったことを言っても、ノーと言わないイエスマンで囲んではいけない。それよりも、社長と幹部が会社の理念を共有し、会社の発展のために同じ方向を向いて、対等に話し合える環境や組織になっていった方が、永続的な成長が期待できるでろう。
成長を目的としない自分の代で会社を終えたいという小規模の会社は、トップダウン型の指示待ち・イエスマン型の組織でもいいであろう。
でも現状維持に留まらず会社を更に発展させ、社員のためにも事業を拡大し、社員の成長のためのステージをつくり続けていきたいと考える経営者の場合は、イエスマンをそろえるのではなく、会社の発展のために同じ方向を向き、お互い自由に話し合い、切磋琢磨できる社員を育てていくという組織づくりが必要不可欠になる。
よく中小企業の社長は自社の社員のことを「うちの社員では無理だ」とか否定的なことを言う社長がいる。誰が採用して誰が育てたのかである。自分の指導能力不足を社員の資質のせいにしてはいけない。
「組織はトップの器以上にならない」との名言があるように、器の小さい社長が規模が大きく強固な組織を求めても実現不可能で大きな矛盾と歪みが生じることになる。
昔、社長は社員を家族のように扱い、社員は社長を父のように慕う「経営家族主義」があった。社員は自らを会社に帰属させ、会社は社員や家族の一生の面倒を見るといった良好な関係は、バブルがはじけ終身雇用が忘れ去られる今の時代は、死語となっているかもしれないが再考を促すいい機会になるかもしれない。
終わり
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