2019年05月03日
将来の収益を担保に資金調達(終)
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でも何回も大阪という遠方から行く度に担当者もその労力を気の毒に思ってもらえるようになり、それを機会に親しくなり人間関係もできてきた。最初は事務的義務的な役所独特の対応であったが、色々と優しく丁寧に教えてもらえるようになり、最後の頃はお茶まで出るようになった。とにかく図面については細かくチェックされ、私も「水路への接続がこれでは困難では」とかテクニカルな質問を受けたら、その道のプロではないので答えに窮する連続だったことには苦笑いしたものである。
農業事業者からの押印だけはスムーズで気のいいご高齢の人達とお茶を飲みながら談笑したのは思い出だ。農業委員会の現地調査も終わり農地転用の手続きも終わり、南都銀行の融資も無事に決定してようやくハッピーエンドとなったのだが、依頼から許可まで6か月の期間を要した結果となりこの時間を金額換算すれば結構なものになるだろうから「餅は餅屋」で農地転用はプロの行政書士に委任した方が良かったなと改めて思ったものである。
これも私が「行政書士」に興味を持つことになったきっかけである。
今も様々な規制がある中で再生資源エネルギーの必要性が重視されているが日本は気候条件から風力や水力が難しく太陽光に依存しているのが実情である。電力会社も太陽光を設置する投資(電柱など)を負担する消費者に配慮して売電価格を年々低くしている。
補助金もなくなり売電価格も42円(2012年)から24円(2019年)となった現在、原発も絡め将来のエネルギー政策にその顧客も注目しているであろう。何故ならば、売電価格は固定価格で保証されているとは言え、長期に渡る一億円の返済だから新設される近隣の太陽光設置の動向が気になるようで大変だと思う。
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しかし、今回の事業条件や担保条件で一億円の融資がなされたことは双方にいい経験をしたと思うし、この実績は今後の仕事に必ず活かせると思う。
途中、その顧客が金利を競り合わせたいと自らが会員であるJAに自ら話を持っていき、ややこしい話になったが、何とか説得して、またJAもあまり乗り気でなかったので何とか落ち着き事なき得たが当然といえば当然かもしれない。顧客も最初から一行の話を聞くのではなく他行の条件と照らし合わせたいのは当然だろう。一億円の投資をする顧客の選択する権利にも付き合わなければいけないのもやむを得ないなと思ったものだ。
金融機関の担保偏重主義の融資スタイルでは企業に対する鑑識眼を養うことはできず融資担当者の育成には大きな課題となる。そのスタイルでは、本来の企業と共に成長する金融機関や経済の血流を円滑にする金融機関の使命を果たすことはできない。担当者も企業のことを理解しようとせず、また経営知識の習得もしないだろうから成長しないだろう。担保さえあれば貸すといった姿勢を続けていれば、欧米と比較して低い開業率の改善は永遠に無理だと思う。担保はないが優れた技術やアイデアの持ち主たちも起業機会を失うだけだ。
最近の傾向では金融機関も事業の収益性や将来性を重視したり、個人保証を求めないなどの融資姿勢に変わりつつあるが、まだまだ担保や保証協会に依存し自らはリスクを取りたくない姿勢の金融機関が多いのは否めない。もちろん借手も担保や個人保証の提供なしで借入をしたいなら、最低でも自社の財務分析ができるように数字に強くなり、根拠ある返済計画を金融機関担当者に示せるようにしなければならない。このリレーションシップバンキングは貸手・借手の双方にメリットがある。相互が構築された信頼関係を破壊するようなことはしてはならない。
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