2018年06月08日
グランクレスト戦記 20話感想 マリーネの本音が吐露される瞬間に強いカタルシス
20話 三勢力会戦
あらすじ
ノルドの大敗により同盟・連合・条約の戦力が拮抗するが、マリーネは和睦を拒絶する。
三勢力は一堂に会する決戦に臨むが、連合の到着の遅れにより同盟と条約が先んじて総力戦となる。
条約軍は単体でヴァルドリンド、ナユタ、シャーンなどの攻撃を凌ぎきり、連合軍が到着する。
盟主の交渉の席でテオは聖印の統合、そして大講堂の惨劇の黒幕である魔法師協会の打倒を提案する。
マリーネはアレクシスを危険に晒したくない一心を吐露するが、テオたちの説得をついに受け入れる。
アレクシスたちの再びの婚姻により皇帝聖印が誕生しようとする中、魔法師協会が牙を剥き始める。
感想
仕事とダンジョンメーカーを周回するのが忙しくて遅れました、すいません。ストーリーも後半となると情報量が累積されることもあり、書くことが多くなって長くなってしまうのが難点ですね。今、序盤の感想記事を見るとめっちゃ短くてびっくりします。
ナユタ候、シャーン候など同盟の主だった戦力が集結。同盟が東側にあるからかどの国も現実世界のアジア系の装いである。マリーネが戦争に強行的な理由の一つに「まだ全然同盟のほうが強いから」というのがあるのだが、ネームドキャラが少なかったせいかあまり伝わっていないように思う。彼らのようなキャラがもう少し早く出ていればマリーネの合理性を補強できていたかもしれない。
前回壮絶に散ったノルド王の息子も参戦。とてもあのバーサーカーの遺伝子を継いでいるように見えないが、ウルリカと同じく母親似なのだろう。
エドキア様はソロン様が死んだ時は同じように散る要員かと思ったがすっかり準レギュとして定着。ラウラさんとの主従がおなじみで嬉しい。今回はちゃんとすてきな服をお召しである……と思ったら近侍の男がパンイチである。なんなの。
あ、泳ぐためにその格好なんすね、なるほど。てっきりそういう国是の国になったのかと思った。
ラウラさんの制動魔法によって燃える船をぶつける火計。魔法のある世界なので本来ノルド側としては想像してしかるべき戦術のはずだが、それが出来なかったということは、船を複数動かすようなラウラほどの使い手がかなり希少であることが伺える。
ここの「逃さないわ」の声色が凛としてかっこいい。ラウラさんのCVは安済知佳さん。シャドウバース勢は破魂の少女やベルフェゴール役でおそらく毎日声を聞いているのでは。さらには福井ご出身で「北陸とらいあんぐる」のゲームの越前和花役としてわれわれ北陸民の一部におなじみ。
両陣営とも盟主の登場により士気向上する描写がアツい。テオ様は一騎打ちはしない、と約束していたがそんなに前線に出ていたら危険度は大差ないのではないだろうか。シルーカさん、心中お察しします。
ヴァルドリンド騎士団の聖印弾がすさまじい迫力。盾に当たる金属音が衝撃の強さを感じさせる。
ヘルガさんのお姿を発見。原作ではテオたちはシスティナ解放後一度エーラムに行っており、そこで再会してテオと契約したことになっている。ちなみにシルーカに次ぐナンバー2魔法師らしい。……ところでコリーンさんはどうなったんですかね……?
黒幕が魔法師協会であることが明確な言葉としてはおそらく初めて明かされる。アレクシスの魔法師の驚愕の顔が印象的。なるほど、シルーカやアウベストは既知なので驚き役ということか。
「知らしめてどうなると言うのです」
「いつか誰かが志を受け継いでくれる」
ここ、原作ではマリーネは序盤から自分個人が死んでもスムーズに次のリーダーが決まって理念が受け継がれるように、選帝侯制度を同盟に導入しているので、ある意味散るための万全を期しているのだが、アニメではそのくだりがカットされているのでかなり行き当たりばったりに見えてしまう。このあたりも前回のアレクシスの戦旗と同じく想像で補うのは難しい部分である。愛ゆえに暴走する姿も彼女の確かな側面ではあるが、「合理的なクライシェ家の現当主」という側面は尺不足の打撃を最も受けてしまった部分かもしれない。
「アレクシスを!……巻き込まないでくれ……!」
ついに吐露されるマリーネの心情。8話や19話の描写で十分推察できるが、当人の口から誰かに対して本音が出ることにカタルシスがある。マリーネが覇道を選ぶことは惨劇直後であれば合理性があった(父親の死で同盟内をまとめられない・世界全体の協力が得られない・アレクシスが頼りない等)のだが、今はテオの立身とアレクシスの覚醒によりハードルがクリアされ、当時の合理性が失われている。もはやアレクシスを巻き込みたくない・もう後には退けないというマリーネの感情的動機しか残っていないということが示されるシーンである。この悲壮な誤ちをかたくなに続行しようとする様は封神演義の聞仲と似ていて個人的に好ましい。彼女にはこれから救いが訪れる点が違うところだが。
8話のリフレインだが今度はアレクシスから求婚する点が対比的。ここのアレクシスはとにかく精神的にカッコいいのだが、まあ彼の頼りなさからマリーネが覇道を選んだ部分もあるのでこれくらいは頑張ってもらわないといけないだろう。主君のキスを囃し立てる兵士たちからアレクシスへの愛情が感じられる。侍従のみなさんもさぞかし思うところがありそうなのが1カットから想像できる。
娘の結婚発覚に完全に無反応なパパに笑う。目すら動かない。この作品は細かい感情の動きを表情で描写してくるので(17話のテリウスや、今見返すと1話のサトゥルスなども)、本当に何も感じていないという表現なのだろう。恋仲なのは知っていたので想定内ということだろうか。その後の目を閉じる動きにちょっとだけ感情が見える。
1話では騎士未満だったテオがついに皇帝に。毎週感想を書くほどにじっくり見ていると感慨もひとしおである。
ついに最後の敵が動き出す。この初登場のおじいちゃん個人がラスボスというわけではないようだが、協会を象徴する存在としてもうちょい早めに出しておいたほうがよかった気はする。まあそういう因縁的な存在はディミトリエ様が担っているとも言えるが。お久しぶりですね。顔だけの姿がちょっとシュールである。
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タグ:グランクレスト戦記
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