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2018年05月14日

グランクレスト戦記 17話感想 陣営を逆にして再び描かれる滅びの美学

17話 両雄


あらすじ
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包囲され援軍の望めないミルザーはマリーネを巻き込まないために一角獣城から打って出る。
ダルタニア軍はペトルの砦を突破し、アルフレートとヨルゴの軍勢を退けテオの陣へと肉薄する。
ミルザーはシルーカ、アイシェラ、アーヴィン、エマとルナの攻撃をはね退けてテオと対峙する。
テオは一騎討ちの申し出を受け、激闘の果てに聖印の力の差でテオが勝利する。
ミルザーは果てテリウスは自決、ヴィラールの聖印とアルトゥークの地はテオたちの元に戻る。
感想
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「お願いです!もうしばらくご自重下さい!」
「テリウス、お前は誰の契約魔法師だ」
マリーネを巻き込まないためと武を存分に揮うため野戦を選ぶミルザーと、それを涙して静止するテリウス。ああ……これは陳宮コースですね……。本来の主人を問われたテリウスが、ミルザーの言いたい事を察した瞬間をきっちり表情の動きで描いているところが細かい。これまで呼んだことのない配下の名前を初めて呼ぶというのもベタだが胸に来る演出。スパンの長いタイプのいいツンデレを見た。敵役にも感情移入できる描写があるのは戦記物らしくて嬉しい。

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「主役は誰ぞ!端役は誰ぞ!」「それは閉幕の時、明らかになる。」
この演出はゴキゴキゴキッというSEがデーモンロードを思い出して心臓に悪い。しかし描写をスキップして尺を稼ぎつつ不穏な緊張感を出す良演出。ヨルゴは父ソロンと違って演劇嫌いという設定が原作で記されるが、「さて、死ぬとしよう」「私はつまらなく生きるつもりだったのだがな」というセリフはさすがソロン様の息子という演劇性を感じさせる。ミルザーの目的が撃滅でなく突破だったせいか、生還。よかった。

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ミルザーとの対峙を目前に義勇兵を下がらせようとするテオ。またそれか!という印象はあるが包囲のための義勇兵ならミルザーにぶつけるのは無意味だし、これこそがテオの譲れないポイントで、描写を省くことはできない部分なのだろう。聖印の力は強固な意思・信念とリンクしている、という世界観を描く一環のように思う。

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アイシェラ、エマルナ、アーヴィン、シルーカと平均武力90はありそうなボスラッシュをことごとく退けるミルザー。強!つっっよ!!(興奮)例によって17話視聴後に進んだ部分まで原作を買ったのだが、この部分はアニメオリジナルである。動きがアニメ映えするところで総力戦の趣があり、ミルザーの超人性の強調にもなっていると思う。動きに全振りした作画もスゴい。

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「死ね゛ェ゛ェ゛!!!」
シルーカの火球をかいくぐって斬りつけるときのセリフ。今更だがミルザーのCVは羽多野渉さん。どのセリフも気合と迫力がこもっていたが特にここの腹の底から殺意が噴き出るような声がスゴい。

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「儀礼なので問わせてもらう。聖印か、命か。」
優しいながらも殺るべき時はきっちり殺る男テオ様。このへんも個人的には好感が持てる部分である。以前の描写から当人同士の力量ではかなり劣っていたはずだが、システィナでのドーニ戦(14話)で1度この戦法での勝利を見ているので、個人武勇最強のミルザー相手に勝つことにも説得力が生まれているように思う。

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ミルザー絶命。マリーネを生かすために死地に赴いた形になった。前回、追い込まれる様子にヴィラールとの対比があったが、ヴィラールがテオ達を防衛でなくプルタヴァ侵攻に使ったのも彼らを生かすためだったように思えるので、自身を損切りして他を生かすという、裏切った元主君と最終的には同じ行動をとったようにも思えるのが皮肉である。テリウスとのやりとりに始まりマリーネのモノローグで終わるあたり、ミルザー側を主体的に描いたようにも見えるので、”滅びの美学”を表現した11話のリフレインと言えるかもしれない。

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「それでも俺はミルザー様に勝ってほしかった!」
ミルザーに殉ずるテリウス。ミルザー個人はさほど好きなタイプのキャラではないが、テリウスとの主従はもっと見ていたかった。派遣の彼がここまでミルザーに肩入れしたことに関しては納得できない人もいるかもしれない。”必死に役目を果たそうとした結果認められたから”と説明することは可能だしその描写もきっちり存在するが、それを実感・理解する時間がないというのは3〜4話あたりに見られた現象と同じ。「ははーんこのメガネ君は陳宮か范増ポジだな」と見立てられれば理解も容易になるのだが。

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(お兄さんの聖印、もろてええ?)(ええで。)
というテオとセルジュのやり取り。(厳密には聖印でなくヴィラールの聖印が浄化していた量の混沌ということだろうが)これも原作にはないものである。特にアニメ映えするところでもないので、ヴィラールの仇討ちである面を強調したということだろうか。4話の時点ではシルーカを奪おうとする敵にも近い存在だったのがここまで敬意を払われる先達になるとは。地味ながら味わい深いシーンである。

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しるかわシーン詰め合わせ、いかがでしたでしょうか。キャプチャがはかどる回でした。

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聖印めっちゃでかい。テオの成し遂げてきたことや今の強さが視覚的にわかるのが面白い。

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(――ミルザー殿、安らかに眠れ。)
内心のセリフということで少なくともマリーネとミルザーの間に信頼関係があったことがわかるのが、彼がマリーネを生かすために死んだ結果に対してなんとなく救われたような気持ちになる。恋愛感情とも友情とも違うがお互いのために命をかける関係の男女であることが印象深い。




posted by ぺーた at 12:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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