2020年05月17日
シャドウバース 6話感想 考察に値するルシアの心情と強者同士の思考戦が見どころ
#06「強さの理由」
※原作ゲームプレイヤーの方はコメントありでの視聴をオススメします。
あらすじ
ルシアの所属校を知ったヒイロはバトルを望むがルシアはそれを避ける。
ルシアはプロプレイヤーにしてタクマの兄、牙倉セイヤに会いバトルする。
バトルはルシアが勝利し、セイヤから全国大会「ジェネシス」に招待される。
感想
登校途中にルシアと遭遇するヒイロ。2話で屈辱と言っていい感情を受けて以来の邂逅のはずだがごく普通の友人のような態度なのが印象深い。ヒイロのカラッとした性格が現れている。登校中に対戦しようとするのはもはや中毒者の感覚だが、自分も初めた当初はずっとプレイしてたので他人をとやかく言えた義理ではなかった。
カイの持っている双眼鏡が前回の景品の一つのように見えるが……。ミモリの指摘通り別のトーナメントに参加してたんだろうか。それはそうとストーキングはよくないよカイくん。スマホ賭博をしたりとコンプライアンスの怪しいアニメである。良い子は真似しないように。
【牙倉セイヤ】登場。名前の通り牙倉タクマの兄だが、アイドルアニメから来た人かな?というレベルの柔和な優男である。1話で登場が示唆されていたものの、あの時のタクマのセリフからはもっと屈強なチンピラが報復にくる展開を想像していたので意外。そしてシャドバのプロプレイヤーらしい。このシャドバに最適化された世界であればそれこそアイドル的存在だと思うがルシアは知らなかったようだ。世事に疎いタイプなのかもしれない。ちなみに現実のプロリーグ・プロ選手たちも大変魅力的なのでぜひ見てほしい。(ごく自然な宣伝)
【e-Sports】リニューアルしたシャドバプロリーグが面白い【シャドウバース】
セイヤの口から弟タクマが更生の兆しを見せていることが明かされる。なんだよ根はいいヤツだったんだな……今週出てこないけど。再登場が期待されるところである。タクマを変化させたのはヒイロと思われ、セイヤはルシアと勘違いしているようだがそれを数秒のカットで表現している。一貫して視聴者の読解力を信頼した作風といえる。
お前もバンクあるんかい!(弟にはなかったのに……)オリジナル切り札も持っていることからメインの7人の他に各クラスもう1人ずつ上位キャラが登場する可能性が出てきた。だとすると1クールでは終わりそうにないので結構な長編アニメとして作られているのかもしれない。サイゲの本気を感じる。
セイヤのクラスはウィッチで【土の秘術デッキ】と呼ばれるタイプのデッキを使用。カイの使う【スペルブーストデッキ】と並ぶウィッチ初期からのコンセプトである。秘術デッキは土の印の供給と消費のバランスが難しく、概ねどの時代でも難易度が高いデッキとして知られている。強キャラが使うデッキとしてはふさわしいかもしれない。
セイヤのオリジナル切り札【グレートマジシャン】登場。相手フォロワーを奪う能力を持つ、アニシャドのカードプールならなかなか強力なフォロワーと言える。「進化権を使う」+「土の印を消費」+「相手フォロワーの体力が低い」という条件を満たす必要があるので、状況によって強弱の分かれる玄人向けのカードと言える。最大限活用したときの効果も派手なのでこちらも作中のプロプレイヤーが使いこなすカードとしてふさわしいのでは。オリジナル切り札とキャラクターの個性をリンクさせて作っている印象も受ける。
「土の秘術を警戒すべきだったか……僕のミスだ。」
確かにグレートマジシャンをケアする(警戒して対処できる選択をすること)なら【グランドガーゴイル】を攻撃するのは【キャタラクトビースト】進化ではなく場の【フォレストバット】4体(もしくは1体を進化させて2体)にすべきだった。しかしルシアの選択のほうがリーダーにダメージを与えつつ場も強力になるのでかなり難しい局面と言える。強キャラ同士のバトルにふさわしい思考戦が描かれている。
「それから……ターンエンドで。」
2話でヒイロができなかった「復讐ケア(ヴァンパイアリーダーの体力を10以下にさせないこと)」をちゃんとできるセイヤさん。えらい。さすプロ。まあ結局ルシアがヴァンパイアのお家芸・自傷で復讐に入るのでグレートマジシャンの5点を通す選択肢もありえたが、3点自傷するカードは少なめなのでケアを優先するセイヤの判断は合理的と言える。しかしながらルシアの心象としては「堅実で期待通りのセイヤ」よりも「荒削りだが期待を超えてくるヒイロ」に惹かれていることが面白い。復讐ケアというゲーム内のテクニックを通してヒイロとセイヤが対比的に描かれている。
【群れなす飢餓】+【血餓の女帝】のコンボで5/5守護3体を突破して【ダークエンペラー】の攻撃を通し、ルシアの勝利。ヒイロ以外の戦いのほうが勝敗が読めず面白いという「はじめの一歩現象」がこの作品にも適用される気がする。セイヤがいつ豹変して3話のカイ以上の顔芸をかましてくるかとヒヤヒヤしていたが、最初から最後までいい人だった。よくよく考えたらシャドバ販促アニメでシャドバのプロを悪く描くはずもないが、全国大会とおぼしき「ジェネシス」で再登場は確定的なのでまだ油断はできない。おれはだまされないぞ。
ルシアの妹【夜那月シオリ】登場。病弱そうなのは見たとおりだが、セリフから察するに治療のために金銭的な負担の大きい病院に入院しているようだ。2話でヒイロに問いかけた「君は何のためにシャドバをする?」のルシア自身の回答をここで素直に推察するなら「お金のため」ということだろうか。アニシャドはシャドバに最適化された世界なのでプロの収入や大会賞金も大きいのだろう。(ちなみに現実でも世界大会の賞金は1億円と高額である。)
ただ、妹を救うことだけを考えているなら冒頭の「繰り返しの日々、くだらない毎日…」というモノローグに違和感を覚える。ルシアは妹のことだけでは満たされず、そこを埋めるのがヒイロという存在なのかも知れない。「シャドバで金銭を得る」ことだけが目的であればプロとして活動するセイヤは成功の象徴ということになるのでもっと興味を示してもいいところだが、彼にはあまり惹かれずヒイロに惹かれる心境がそれを証明しているように思う。相変わらず全体のノリが低年齢向けなわりに、考察を誘う深い心情描写が面白い作品である。
次回はOPに姿がある金髪の青年が登場するようだ。彼もセイヤのようにバンクとオリジナル切り札を持っていることが予測できるので期待したいところ。
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