ジョーク・ユーモア・笑いの館

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「彼、上手に隠れましたね。

　まったくどこにいるか分かりませんよ」

「こういう状況を表す諺を知っているかね？」

「いえ、知りません」

「『頭隠して尻も隠す』じゃ」

「なるほど。

　あ、彼、今度はジャグリングを始めましたよ。

　全然失敗しませんねぇ」

「この状況は『猿は木から落ちず』もしくは『河童は流されない』という」

「勉強になります。

　そう言えば彼、１年程前に住んでいたアパートが火事で燃えたそうなんですよ。

　夜寝ている時だったんで危うく死ぬところだと言ってました」

「うむ、まさに『災いは寝て待て』じゃな」

「佐々木君、ちょっと悪いんだがシュレッダーを買ってきてくれないか？」

「分かりました」



「主任、シュレッダー買ってきました」

「お〜ありがとうって、佐々木君、それヤギじゃないか！」

「違いますよ、ちゃんとしたシュレッダーです。

　見ててください、紙をこうやって口元に近づけると・・・」

“ムシャ、ムシャ、ムシャ”

「この通りちゃんと処理してくれます」

「そりゃ、まぁ、ヤギだから紙は食うわなぁ」

「シュレッダーですって。近づいてよく見てくださいよ」

「う〜ん、見れば見るほど本物のヤギだ」

“メェ〜”

「鳴いてるし」

「お腹の部分を見てください」

「お腹？　あ！　バッテリーを入れるためのフタがついてる！」

「フレー！　フレー！　み・ん・な！　頑張れ！　頑張れ！　み・ん・な！」



「あいつ、自分が底なし沼に嵌ってもうじき死ぬっていうのに俺達のこと応援してくれてるぞ」

「昔からあいつは友達思いの優しいやつだったよ」

　最近、小学生の間でカンチョーのいたずらが流行っていた。

「先生、カンチョー！　きゃははははは」

「こらー！　お前たち本物の浣腸を人にさすなと何回言えば分かるんだ！

　うぐ、腹が・・・」

「３年Ｃ組の皆さんによるヒップホップダンスでした。

　続いての演目は３年Ｄ組古田君による『でんで太鼓　独奏』です」

　古田はゆっくりと階段を上りステージの中央に立った。

　そして静かに目を瞑り左右の手のひらで、でんでん太鼓の柄を挟み回し始めた。



“でんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでん・・・”

１分経過

“でんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでん・・・”

２分経過

“でんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでん・・・”

３分経過



「あいつ鉄の心臓だよなぁ」

「俺、今度から古田のことさん付けで呼ぶわ」

　今日仕事で失敗してしまった。

　明日、上司と一緒にお客様のところへ謝りにいかなければならない。

　いつも失敗ばかりしている。

　こんな私が生きている意味なんてあるのだろうか？

　そんなことを考えていると、たまたまつけていたテレビに一人の力士が豪快に上手投げを決めるシーンが映し出された。

　それはとても美しく力強く・・・

　不意に私の胸の中で一つの思いが芽生えた。



　この力士の下手捻りも見てみたい。



　それはともかく、明日のことを考えると非常に憂鬱だ。

「誰も本当の自分の顔を自分の目で見ることはできないんだぜ。

　鏡だって写真だって本当の自分の顔じゃないからな」

「そんなことねーよ」

“ベリベリベリベリ”

「ほら、これがお前の顔だ」

「な、なんてことを・・・」

「やられたらやり返す、倍返しだ！」

「施されたら施し返す、恩返しです！」

「相手の発言を繰り返す、オウム返しだ！」

「俺に手裏剣はきかないぜ、畳返しだ！」

「夜中に寝ていると激痛が走った、こむら返りだ！」

「ケツから尻尾が生えてきた、先祖返りだ！」

「やられてもやり返さない、そんな人間です！」

「親でもなければ子でもない、勘当だ！」

「呼ばれたら返事をする、ルールだ！」

「今はこっちを見ないで欲しい、全裸だ！」

「涙の数だけ強くなれるよ、負けないで！」

「オラこんな村、イヤだ！」

「トモちゃん、たい焼き買ってきたから一緒に食べましょう」

「ねぇママ、どうしてたい焼きはたい焼きって言うの？」

「それはお魚の鯛の形をしているからよ」

「じゃあタコ焼きは？」

（来た！　その時が遂に来た！）

「タコの形をしているからよ」

「タコ焼きはタコの形してないよ」

「してますとも」

　マサコは台所へと走った。

「ほら、タコの形しているでしょ？」

「ホントだ！」

　トモミに物心が付いて以来、マサコはこの質問がくることを予想し冷凍庫にタコの形をしたお手製のタコ焼きを保存していたのだ。

「お前、今日誕生日だったよな？」

「違うよ」

「え？　違った？　なんだ、せっかく１億円やろうと思ったのに。

　もう一生１億円やらない」

「ぐぬ・・・ぐぬぬぬ・・・ぐぬぬぬぬぬぬぬ」