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日独合わせて看護師歴10年くらいです (途中休憩かなり多め) 仕事のことだったり、子供のことだったり書いてますたぶん
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2023年03月16日

看護師目線から見た、ドイツのICU事情について

お久しぶりです〜!(^^)!



病院スタッフたちがお給料あげるために、ストライキ・デモ行進やってみたり、

新聞社が『今後半年はドイツの約半数が経済的状況で患者の受け入れに制限を来す可能性がある』
とかSNSに投稿しちゃったり、
(3月13日付 Tagesschau『Kliniken erwarten Einschränkungen für Patienten』より)



なにかと忙しいドイツですが、私は元気です!(^^)!



今諸事情でしばらくお仕事お休み中なので、
とりたてて真新しい事件が身の回りに全く起きないので、ネタ少なめですが

今日はドイツのICU事情について、看護師視点から書いてみようと思います!(^^)!




ドイツの一般病棟はやはりきつい(個人的な感想です)




さて、ドイツの病院・一般床がなかなかのハード就業になることは、

これまで数回に渡って書いてきましたが・・・


(詳しくは、以前の記事読んでみてくださいね♡)




以下、私の勤務している病院に限って言えばですが、


一般病棟は、ドイツと日本を比較すると

ドイツでは日本のおよそ2倍ほどの受け持ち患者がある分、かく汗の量はおよそ3倍です(笑)


残す記録は少ないし、

お局さんもいないし、

有給休暇は年30日以上(なんなら、最大36日あることが最近わかりましたw)、

前残業ほぼなし、

家に持ち帰るような委員会・係活動なし、


それにもかかわらず、ドイツのほうが私にはきついです


患者の受け持ちがおよそ12〜18人、
その中には全介助の患者さんも普通に半数ほど含まれることになるので、

普通にやってたらとうてい終わりません




かといって、
終わらなかったんだから仕方ないよ〜!(^^)!
的なゆるい雰囲気もあるおかげで、


患者さんはケアされないし、(夏場はずっと汗臭いですあせあせ(飛び散る汗)
ベッド回りはごちゃごちゃべとべと



私今までわりときれい好きな上司のもとで働いてきたせいもあるのか、
こういうの生理的に無理なレベルですね



あと、具体的な数では言えないですけど、

急変コール(コードブルーとも言いますが)が、明らかに多いです。

後ほど書きますが、

うちの病院では、一般病棟でやばい急変が起こると、直接ICU内に急変コールが来ます。

(日本だったら、院内中の医者が駆けつけるやつですね)


具体的な数は言えませんが、
その出動数はあきらかに私が今まで働いてた日本のどの病院より多いです。




・・・っていうのも、
看護師がそんな人数みてたら、危ない患者さん見逃してもしょうがない気もしますが・・・



対してICUですが



通常の業務の比較で言うと、日本のICU事情とかなり似ています


受け持ち患者は2名、(夜勤は3人まで)
(コロナ中は4人まで増えることありましたが、かなり少ないです)

私の勤務するICUは、集中治療科か麻酔科の医師が常在するタイプのクローズドICUに近いので、
患者の状態で何かあったり、処方が足りなければわりとすぐに担当と話し合えます。



ICU看護師の業務時間(あくまで一例ですよ)



うちの病院の勤務時間は

・早番 6:15〜 13:45
・遅番 12:50〜20:20
・夜勤 19:55〜6:35  

・・・だったかな?w

日勤は7時間+休憩30分
夜勤は10時間+休憩45分 くらいのはずです。


この開始時間までに、病院内各地にあるタイムカードをスキャンして出勤すればOKです。


この開始時刻のそれぞれ5分後に、
次勤務者の一斉申し送り(ラウンド)があって、各部屋を歩き回りながら、

前勤務者からおおよその患者の状態を聞いて回ります。
(疾患名、カテコラミンの有無、呼吸器や補助循環の有無なんかですね)


前残業はしないので、
ここでだいたいの患者の重症度なんかを把握してから、
リーダーナースがこの日の受け持ちを決めます。(もちろん希望も聞いてくれます)


受け持ちを決めてから、各々全勤務者から詳しい申し送りを聞く形になります。


このシステム上、
着替え時間すら勤務時間に含まれるので、
前残業は全く発生しないようになっています。


素晴らしいですね。
日本もぜひ見習ってほしいです(笑)





あと業務終了時間まで書きましたが、

こちらは日によってかなりまちまちです。

申し送りがトントンと終わって引き継げたら、それで帰ってもOKです


早番なんて規定時間の30分以上前に帰れるときもあるので、
あんまり早番でそんな日が続くと、マイナス勤務時間になってしまうこともあるくらいですので、


そこはちょっと救急カートを整理したり、
人工呼吸器を組んだり、
ステーション内を掃除したりと



残りたかったら合理的な理由で残っても文句は言われませんw
(というか感謝されますw)

友達と約束があったりすると、もちろん早く帰りますけどねww



ただ、やはり早番のこの開始時刻の早さはちょっとえぐいところではありますww



1日の業務の流れ



先に勤務開始時間から申し送りまでの流れを書いたので、

それ以降ですね。


どの勤務帯でも、

申し送りが終わったらまず持ち場チェックします。(日本のICUと同じですね)


呼吸器の設定、滴下中の点滴・シリンジの流量、
侵襲ラインなんかですね。


時間が少し余裕があれば、
私はここで一緒に

患者のカルテ、ZNA(救急)からの情報、採血などのもろもろデータをさっとみます。

ほんと、5分くらいでさっとですけどね!(^^)!




患者の状態を把握できたら、

自分の勤務帯に必要になる薬剤を準備したり、

早番だったら清拭の準備に入ります。



※ヤニ休憩必須の方々は、ここで一度ヤニパウゼ(タバコ休憩w)に外出してますw




あとは、空いた時間でなるべく離床すすめたり、

患者さんの体にクリーム塗りたくったり、

お部屋をいい匂いにしてみたりw


日によってまちまちな感じですが、
やはり日本より時間的な余裕は多い気がします!(^^)!



ただ、MEさんが居ないのはかなりでかい



MEさんって、日本独自の資格みたいですね。


あのプロが居ないのはかなりでかいです

上でもさらっと書きましたが、

人工呼吸器の回路は看護師があいた時間に組んでいますし、
キャリブレーションも自分たちでやります。


というか、透析の回路も看護師が組んでますw

ECMOなどの補助循環は、くそ忙しい中医者が自分で組んでます



各勤務で居なくてもいいから、

せめて平日1名くらいでもいいから居てくれたらなぁと思うところではあります・・・



薬剤部はみたことない


これまで日本では薬剤師がICUに常在してたり、

はたまた定期的に点検とか巡回しに周りに来てくれることが多かったんですけど、


こちらのICUでは未だかつで薬剤部のスタッフを見たことがありません。



なんなら、土曜日の午後と日曜祝日は薬剤部は閉めてしまうので、

もはやこちらのスーパー並みに使い勝手悪いですw



よくあるあるなのが、

大型連休前にアルブミンや抗生剤なんかの病棟在庫を追加注文し忘れて、

土曜日の12時前に慌てて薬剤部に連絡すると

かなりの確率で怒られますwwww


(私は悪くないと開き直って電話しているので、ニコニコしながら平謝ってますw)


っていうか、一応業務時間内なんだから
文句言わず対応しろって話なんですけどねw



栄養部ですが



日本だと、

たまに栄養部の管理栄養士なんかがラウンドして経管栄養を見に来てくれたりする

病院もあったんですけど、



たぶんここは栄養部ないですねw


どうも給食のおばちゃんしかいないっぽいですw


っていうか栄養部なんてあったら、

もっとバランス良いちゃんとしたご飯提供されるはずですしw



さて、話がなんだかICUから逸れてしまいましたが。


院内の急変コールの対応




全病院内、患者の急変があったら、

ICU内とPHS3台に緊急コールがかかってきて、ICUスタッフが対応に向かいます。


業務開始時には、この緊急コール対応スタッフを2名看護師からあらかじめ決めておいて、

それ+医師1名の計3名で病棟まで走ります。


各病棟にはAEDや救急カートが無いので、
それらのリュックサックを背負って全力ダッシュします。

(ほんと、教育がてら、一般床にもAEDと救急カート置いとくべきだと思うんですけど・・・)



上にも書きましたが、

このコールの頻度は圧倒的にドイツの方が多いです。

一般病棟のスタッフがICUに電話を掛けやすい雰囲気があるっていうのはいいことだと思うんですけど、

緊急挿管だったり心肺停止している患者さんも感触的に明らかに多いので、


一般病棟ではかなり急変の兆候を見過ごされているんだろうなと思わざるを得ません。。。



ですので、

精神的にはかなりこちらは鍛えられます



Intensivコース



略してIコースなるものが全ドイツ中に浸透していて、

これはICUに配属されたあとに、さらに2年間かけてICU看護について勉強していくコースです。

座学もありますが、臨床実習がかなり多いので、

実質普通に働いているスタッフとほぼ同じように扱われます。(ちょっと重めの患者を担当します)


給料もおそらく通常のそれまでと同じ分発生するはずですし、個人負担は無い(はず)です。
(これ、普通にありがたいですよね)


これには、その地域で3分野に分かれて臨床実習を経験する必要があり、

・内科系ICU
・外科系ICU
・麻酔科

に分かれてそれぞれ何か月か別の病院・病棟などで働くことになります。
(もちろん、自分のホームが受け入れしてたら、それでもOKです)


Iコースの履修者とそれ以外のスタッフの違いは、

給料があがる
・リーダーナースになる
・透析回路(HD)を管理できる
・補助循環を管理できる




それぞれIコースをとったスタッフは、やはり薬剤や呼吸器に関しての知識は全然違いますし、

なにより給料がけっこうかわります!!!

これ、モチベーションになりますよね!



かくゆう私は、

またドイツ語で新しいことを習ってもすべて吸収できそうにないので、

Iコースは当分先になりそうですが。。。


そういえば、
こちらは一般床とICUスタッフというだけで給料が上がりますので、

それだけでもお得な気がします!(^^)!


日独、どっちが進んでいるか?



未だにドイツ語が臨床で使われている日本の現場もありますし、

なんとなくヨーロッパの医療・看護と聞くと先進的な感じしますよね?


かくゆう、

ドイツのスタッフたちと会話していると、

「日本の医療ってテクノロジーが進んでいそう!ドイツとは違うよね!」

と、働き始めた当初は言われていました。



個人的な感想で言うと、

どっちもどっちです!(^^)!


似たり寄ったりです!(^^)!!(^^)!



ドイツの方が、
スタッフのためのシステムやルール、機材なんかが多い反面、

日本は病院全体の各部署がうまく機能し合っていたり、
安全面でもやや軍配があるかなぁ、といった印象ですが、


きっと国全体でみるとICU自体はどっこいどっこいなんじゃないですかね。




ただ、働く身としてはドイツの方が絶対いいです



少し前までは、日本のICUもよかったよなと思うことはいっぱいあったんですけど、


今は完全ドイツの方が働きやすいと思っています。


というのも、

・年間有給最大36日間
・前残業なし
・記録物は日本の半分以下
・委員会や係活動がない(ある人は、別にオフィスディが設けられている)
・円安の影響で、こちらの方が給料が大幅に多くなった
・コロナ手当の羽振りがよかった

・産休、育休への理解がすごい



ぱっと思い浮かぶ中では、こんなとこでしょうか。


お給料面と、お休み面では本当にこちらでは感謝していますww


これは、ここのICUがというよりは、

きっとドイツの労働者への還元姿勢なのかなとも思いますが。






長くなりましたので終わります!




振り返ってみるとぽろぽろ出てくるので思わず長くなってしまいましたが


現状私はかなり満足して働いています!(^^)! これ大事



働く場としては日本もいいんですけど、

そこにプライベートの充実とお給料も反映されてくればな、、、と今後に期待しているところですね!(^^)!




なんとなく、
ドイツで免許書き換えする方って、ICU経験者が多いような…?(気のせいですかね?)

とも思いましたので、
これから書き換える方に少しでも参考になれば幸いです!(^^)!


もしすでにICU勤務者がいたら、

そちらの違いなど教えてほしいです〜!(^^)!




それではまた!
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