酵素についていろいろお勉強してきて、現時点で導き出た私の結論としては「加齢により減っていく体内酵素を補う」ことを目的にして酵素サプリや酵素ドリンクを摂取しても意味がないということ。

食品に含まれる酵素はたんぱく質なので、アミノ酸に分解されて吸収されてしまうため体内酵素の補完にはならない。そもそも必要な酵素は体内で作られるわけです。しかし足りない栄養素を摂取することを目的とするならば、酵素商品を活用するのは大いに有益なのではないでしょうか。栄養バランスを整えることは、ひいてはダイエット効果に結びつくのでしょう。

酵母ではどうなのか

そこでひとつ疑問に思ったのが、酵素ではなく酵母を体内に取り入れると効果があるのかということ。

おなじみの「エビオス錠」はビールを濾過したあとのビール酵母を原料にしています。ビール酵母を精製・乾燥させた「乾燥酵母」を使っているので、生きたままの酵母が詰まっているわけではありません。

乾燥酵母には消化機能を助け、乳酸菌など有用菌を増やす作用があり、胃もたれ、消化不良、胃部・腹部膨満感などに効果があるそうです。

たいていの人は、酵素にしても乳酸菌にしても「生きたまま腸に届く」ことが大切だと思い込んでいませんか？　私はそうでした。なので、エビオスの原料が乾燥酵母と知ったときは驚きました。

（参考：「ビール酵母のひみつ」アサヒ　フードアンドヘルスケア）

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生きた乳酸菌は腸に定着しない

そうこうするうちにこんなサイトを見つけました。

光岡氏は腸内細菌研究の第一人者で、「善玉菌・悪玉菌」の名付け親なのだそうで、このような本も書いておられます。

人の健康は腸内細菌で決まる　−善玉菌と悪玉菌を科学する― (知りたい！サイエンス)

光岡氏のインタビュー内容を抜粋しまとめてみました。

腸内フローラ環境定義

プロバイオティクス
ヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬか漬け、納豆など、生きた細菌や酵母が腸内フローラのバランスを整え、宿主の健康に寄与するという考え方。

プレバイオティクス
難消化性の食品成分が腸内に棲みついている善玉菌の増殖をうながすという考え方。わかりやすく言えば、オリゴ糖も食物繊維も腸で消化されず、そのまま善玉菌（乳酸菌）のエサになり、その増殖を促してくれる。

バイオジェニックス
光岡氏が新しく定義づけし提唱する定義。ヨーグルトやオリゴ糖を摂れば健康になれるという単純なものではなく、生きた菌、死んだ菌に限らず腸内フローラ（腸内環境）に好影響を与えることがわかってきた。腸内の免疫を活性化することで、腸内環境を整えるだけでなく、体全体の健康レベルを高め、生活習慣病や老化を防止するという考え方。

まとめ

菌の成分（死骸）が腸に届きさえすれば腸管の免疫が刺激されるので、大切なのは腸に届く菌の量ということになりますね。