2015年06月10日
酵素は胃酸に負けないで無事腸に届くのか
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が健康に良いことはひろく認知されています。CMやヨーグルトのパッケージには「生きたまま腸に届く乳酸菌」という言葉がよく使われています。胃酸に負けず腸でがんがんに活躍して欲しいのは酵素にもあてはまるはず。ですが、酵素商品の説明ページに、酵素が胃酸にどの程度耐性があるのか記載しているものがあったかどうか。もしかすると見落としているだけかもしれませんが記憶に残っていません。はたして取り入れた酵素は胃酸で死滅せずに腸に届くんでしょうか。
パイナップルで実験
酵素を多く含む食品のひとつにパイナップルがあります。酢豚に入っているパイナップルは是か非かよく話題にのぼったりしていますね。その是非はともかく、パイナップルに含まれる酵素はタンパク質を分解するので、お肉を消化するのを助けています。味のアクセントだけでなく理にかなっているのです。下ごしらえとしてお肉をパイナップルやキウイに漬けておくとやわらかくなるというのもこの原理ですね。
それで冒頭の疑問に戻ります。酢豚のパイナップル酵素は胃酸にも負けないのか。いや、そもそも高温加熱調理した時点で酵素は死活してしまうのだから、酢豚のパイナップルはそもそも無意味なんじゃないのか。
この疑問を自分の身体で実験した人がいました。
(こちら⇒『食べ物の持つ酵素と消化の矛盾を考える』)
UP主の健康状態 | もたれやすい体質 |
---|---|
飲食時間 | 深夜0時 |
食事内容 | 鯖の塩焼き、麻婆豆腐、肉じゃが、ライス、野菜ジュース、ヨーグルト |
就寝時間 | 深夜3時 |
比較 | パイナップルを食べるときと食べないとき。パイナップルを食べる量。生パイナップルと加熱したもの。 |
結果、生のパイナップルを大量に食べると、パイナップルの酵素が消化を助けてくれるという答えが出たそうです。この「大量」がどのくらいの量かというと、小ぶりなものを丸ごと一個で、大体どんぶり山盛り一杯くらい。また、知り合いの消化器内科の先生に疑問をぶつけたところ、「食べ物の酵素は胃に入って少しづつ壊されるけど、無意味ではないし、消化をサポートするぐらいの効果はあるでしょう。」という回答が返ってきたそうです。効果はあるにしても毎日パイナップル丸ごと一個はキツイですよね。いろんな意味で。
胃ですべてが消化されるわけではない
「食べ物の酵素は胃に入って少しづつ壊される」のはどんな状態なのか。酵素がサバイブできる余地はあるのか。新たな疑問です。
胃の中に食物が保持されている状態でじわじわと殺菌消毒が行われますが、胃酸がいくら強力でも大量の食物や水分で効果は薄まっています。沢山食べればその分沢山胃酸は出ますが、酸性度が薄まるのは避けられず、胃酸そのものの酸性度より低くなっています。
腐敗した食べ物やウイルスの混入した食べ物でお腹を壊したり病気になったりするのはこのためで、少量であれば殺菌されてしまうところが、薄まった胃液の中であまりにも細菌類が多すぎ、殺菌しきれずに体内入り込んだ結果病気になるのです。
参考:Stone Washer's Journal 『「胃と胃酸」:胃液と消化酵素、胃が溶けない理由とは?−消化器官のしくみ(4)』
なるほど。雑菌やウイルスも殺菌しきれないなら、善玉菌も殺菌しきれないですよね。善玉菌や酵素を取り込む量が多ければ多いほどサバイブしてくれる数も増えるってことですね。
でも、そういうことなら、酵素ではなくて乳酸菌や酵母を摂る方がいいんじゃないかと思えてきました。。。酵母や乳酸菌の力で分解されたものが酵素なわけで。胃が殺菌しきれないなら酵母や乳酸菌も生き残ってくれる可能性は大きいわけで。。。
うーん。。。
勉強は続く。。。
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3784578
この記事へのトラックバック