「江戸姉様結髪100選」
結髪=けっぱつ、と読みます(ゆいがみ、と読む場合もあります)
私の一番好きな江戸姉様で、あまたある日本髪の結髪を100種類作ってみようという企画です
003「吹き輪(ふきわ)」
大奥や大名の姫君などが結った吹き輪
いわゆるお姫様スタイルですが、
歌舞伎などで見られる、銀な大きな花櫛やかんざしを挿したお姫様の吹き輪ではありません
こんにち伝わっている吹き輪は、芝居などの影響が強いのですが、
実際に結われていた吹き輪は、そんなに大げさな飾りは付けません
せいぜい、花笄やべっ甲の櫛かんざしだったといわれています
そんな本来の控えめな吹き輪スタイルをご紹介します
***
<私の考える江戸姉様らしさとは>
・究極の簡略美
あねさまは、手も足もない、時として目鼻もない。
ぎりぎりのところまで姿を省略し、その姿故に美しさを感じるものが姉様です。
・日本髪の美しさを見せるもの
日本髪の美しさは、外国には類を見ない複雑かつ華麗なもので、
その時代の流行によって生まれたさまざまな髪型を模したものです。
髪型の美しさを強調したものが姉様です。
主に、後ろ向きに置かれるのもそのためです。
・身分、年齢、職業などを忠実に表している
江戸姉様の特徴は、その時代を生きたあらゆる女性の姿・風俗を如実に写し取っているところです。
町娘か芸者か分からないような姉様は、江戸姉様ではないというのが心情です。
・髪はもっぱら白紙を用いる
江戸姉様の頭はもっぱら白い半紙を用いています。
昔は黒い紙がなかったので、白い半紙でそのまま作りました。
黒くしようとか、白いままではおかしいと考えないところがすごい。
今は、黒い紙はいくらでも手に入りますが、昔の面影そのままに、あえて白半紙を使っています。
(※注 例外的に髪を黒くする場合もあります)
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