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2020年10月30日
【粉もの料理】お好み焼き
お好み焼きは、この名前になるまでさまざまな呼ばれ方をしていました。最初は麩の焼、次に一銭洋食あるいはどんどん焼き、そしてお好み焼きになりました。一銭洋食は、その名の通り、一銭で食べられる洋食のような食べ物という意味ですが、どんどん焼きはどのように名付けられたのでしょうか。これは、薄焼きの小麦粉の生地にねぎや桜エビを散らせて焼く形態で、屋台で売り歩かれていました。このときに客寄せのため太鼓をどんどん叩きながら歩いていたことから、どんどん焼きとなりました。
今は全国一律でお好み焼きという名称ですが、一昔前は各地でさまざまな呼び方をしていました。どんどん焼きは仙台、名古屋は神戸焼き、京都は薄焼きの生地にキャベツや具材をのせたベタ焼き、広島は広島焼きなど、現在でも使われているところは多いようです。
名古屋の神戸焼きのネーミングの由来は、大阪のお好み焼きが生地に具材を混ぜ合わせ、広島は混ぜないで重ねて焼くことから、その中間のつくり方で大阪と広島の中間に神戸があることから、神戸焼きということです。
以前はしょう油のタレを塗ることもあったお好み焼きですが、今ではソースがなければお好み焼きではないといった状況です。
ソース自体の歴史をたどってみると、明治時代にヤマサ醤油がイギリスのウスターソースに着目して、日本でつくり始めたのがソースの元祖です。このソースの澱を活用して、神戸のオリバーソースが、昭和20年代にとんかつソースを発売しました。ウスターソースに比べて、濃厚なトロミが付いるため、お好み焼きに合うとして、お好み焼き店が愛用し始めました。
同じ頃にお好み焼きソースも発売されました。広島のソースメーカーが地元のお好み焼き店と協力して開発したもので、名前はオタフクソースお好み焼き用です。その後オリバーソースもお好み焼きソースを発売しました。
お好み焼きソースだけでなく、ソース全体を見渡すと日本には100社前後のソースメーカーがあります。これらのメーカーが、その地域ごとに特色ある味で、競い合っています。東京のソースは辛口で、関西は香辛料が際立ち、広島は濃厚で酸味が低く、名古屋はウスターソースで、九州は甘くドロッとしたソースです。
なお、栃木県よりも北にソース会社はありません。つまり、関東以北には地場のソースメーカーがないことになります。北日本ではもともと辛いものを好む傾向があります。その点で、しょう油に対し比較的甘いソースは好まれないということが考えられます。
お好み焼きに鮮やかな彩りを添えて、しかも薬味の役割を果たしているのが、青のりと紅ショウガです。
青のりは、実はのりではなく、昆布とのりの中間に位置する海藻で、学名はアオサです。最も高級で高価なものが、アオノリ属の「すじ」です。四国は高知県の四万十川でとれる糸状の青のりで、口当たりがかたいにもかかわらず、口溶けに優れています。さらに色が変色しにくく、風味が豊かです。「はばひろ」はその名の通り、幅広でやや柔らかい口当たりとなります。口溶けは良く、色も変わりにくい特徴があります。アオノリ属で徳島県の吉野川でとれます。
「あおさ」はアオサ属の海藻で、主に瀬戸内海沿岸や三河湾でとれます。幅広で口に溶けにくい特徴があります。価格はもっともリーズナブルで、お好み焼きには、こちらを用いていることが多いです。
お好み焼きを家庭で焼くとき、原材料はどうしますか。小麦粉に調味料を配合したりすると意外に手間がかかります。そこで、スーパーなどで便利なお好み焼きの素を買ってきます。この素は、永谷園が元祖です。当時の社長が広島の屋台で食べたお好み焼きの美味しさに感激し、東京に帰ってすぐにお好み焼きの素の開発に着手しました。昭和42年に販売を開始すると、爆発的な人気を得ました。
なお、このお好み焼きの素の売れ行きは、東日本が7割で、西日本は3割です。本場の西日本では、家庭独自の味を大切にしているからかもしれません。
大阪や広島などお好み焼き文化の中心で、他の地域ではまず見られない特徴的なお好み焼きの食べ方は、コテです。鉄板の上で、コテで切り分けたお好み焼きを、そのままコテですくい取り、直接食べる食べ方です。
もともと大阪でも広島でもコテではなく箸を使っていました。戦後、仕事を再開し、お好み焼き店を構えたくても資金がないため、屋台でスタートしました。この頃は、物がない時代で、使い捨ての割り箸は贅沢品でした。
そんな時代背景から、当時の店主がコテで直接食べる方法を考案しました。このため、コテの大きさも変更されました。焼くときのコテよりも小さめで、切るときや食べるときに便利なサイズになりました。
お好み焼きは、この名前になるまでさまざまな呼ばれ方をしていました。最初は麩の焼、次に一銭洋食あるいはどんどん焼き、そしてお好み焼きになりました。今は全国一律でお好み焼きという名称ですが、どんどん焼きは仙台、名古屋は神戸焼き、京都はベタ焼き、広島は広島焼きなど、現在でも使われているところは多いようです。
お好み焼きソースは、広島のソースメーカーが地元のお好み焼き店と協力して開発したもので、名前はオタフクソースお好み焼き用です。
お好み焼きに鮮やかな彩りを添えて、しかも薬味の役割を果たしているのが、青のりです。
大阪や広島などお好み焼き文化の中心地では、コテで切り分けたお好み焼きを、箸を使わず、そのままコテですくい取り、直接食べます。
2020年10月29日
【文明開化による肉食解禁】ハンバーグ
大陸から伝わった仏教により、長らくの間、肉を食べることが禁止されていました。明治時代に入り文明開化がきっかけで、肉を食べることが解禁されました。
このことによるひとつの変化は、牛鍋です。西洋料理による肉食は西洋料理店、すなわち洋食店で提供され、東京では数多くのお店が軒を連ねていました。
さまざまな西洋料理の肉料理に対し、次第に馴染んでいきました。その中で現在では非常にポピュラーな肉料理が、ハンバーグです。しかし、明治時代に出版された料理本には、同じひき肉料理であっても、ハンバーグの名前はなく、ミートボールやミートローフ、ハンブルグステーキと記載されていました。
ハンバーグに近い料理は、夏目漱石の吾輩は猫であるにも登場しています。西洋料理のメンチボールです。牛肉を丸め平らに伸ばして油で焼く料理です。まさにハンバーグです。メンチボールという名前では、大正時代にかけて出版された料理本でも紹介されていますが、いまだハンバーグとは記載されていません。
昭和に入ってもメンチボールと呼ばれ、丸めて平たくするひき肉料理と紹介されています。ボールという名前は付いているものの、実際はハンバーグのことです。
戦前に軍を除隊後の地方出身の兵士が、結果として日本中にさまざまな洋食を全国に広める役割を果たしました。
ハンバーグも同様で、除隊後の兵士が、各自家庭でハンバーグを再現しています。カレーのつくり方を紹介している昭和12年発行の軍隊調理法には、ひき肉油焼という名前でハンバーグが紹介されています。
これが現在の陸上自衛隊の非常用糧食にもつながっています。非常用糧食とは、野外演習または災害派遣の際に、現地で食べる食事です。軍の料理法が書かれた昭和12年当時は、料理法なので、現地で料理しますが、非常用糧食の場合は缶詰です。つまり、自衛隊には缶詰のハンバーグがあります。
缶詰ハンバーグに缶詰ご飯、缶詰の漬物などが1食分のセットとなり、隊員が1食に摂取する1,000kcalを計算しています。震災の際に被災者へ配られることもあります。
なお、最近では、缶詰に代わってレトルトパウチの軽包装糧食が主流となっています。
玉ねぎはハンバーグに欠かせない野菜ですが、ハンバーグを上手に作るためには、玉ねぎ選びも重要です。
玉ねぎ選びのポイントは、かたくてしっかりしたものです。新玉ねぎは水分が多いので、焼いたときに水っぽくなってしまうため、ハンバーグには向いていません。新玉ねぎでなくとも、水気の多い玉ねぎの場合は、水気を切っておく必要があります。なお、ハンバーガーの場合は、焼いたパテに重ねて生で食べるので、柔らかくて刺激臭の少ない新玉ねぎの方が良く合います。
また、ハンバーグには、添え物の温野菜も必須です。なかでも相性のいいのはジャガイモです。ジャガイモは野菜の中でもグルタミン酸が多いことで知られています。うま味成分の代表格であるグルタミン酸は、肉類に含まれる同じうま味成分のイノシン酸と一緒に摂るとうま味の相乗効果により、飛躍的にうま味が増します。
さらにジャガイモには肉類に少ないビタミンCやカリウム、食物繊維が多く含まれていることも、ハンバーグとの相性の良さを裏付けています。
ハンバーグの形にどのようなイメージをもっていますか。俵形や円盤形、球形はきわめて少数派で、圧倒的に多いのはやはり楕円形です。
料理人によると、ハンバーグに楕円形が多い理由は、パテを手のひらに沿って伸ばしていくと楕円形になること、厚みがないので表面がまんべんなくきれいに焼け中まで火が通ること、楕円形だと鉄板の上に隙間なく並べられ、一度にたくさんのハンバーグが焼けること、ナイフで切って食べやすいこと、見た目がきれいなことです。
ハンバーグのもうひとつの定番は、半熟の目玉焼きがのっていることです。ハンバーグと目玉焼きの組み合わせをもっとも美味しく味わう食べ方は、まず目玉焼きの黄身にナイフを入れて崩し、ハンバーグにまんべんなく黄身を広げます。そして、黄身の付いたハンバーグを白身と一緒にひと口大に切って食べます。こうすることで、半熟の目玉焼きのコクが広がり、ハンバーグの美味しさがいっそう深まります。
大陸から伝わった仏教により、長らくの間、肉を食べることが禁止されていました。明治時代に入り文明開化がきっかけで、肉を食べることが解禁されました。さまざまな西洋料理の肉料理が、徐々に浸透していきました。その中で現在では非常にポピュラーな肉料理が、ハンバーグです。しかし、明治時代に出版された料理本には、同じひき肉料理であっても、ハンバーグの名前はなく、ミートボールやミートローフ、ハンブルグステーキと記載されていました。昭和に入ってもメンチボールと呼ばれ、丸めて平たくするひき肉料理と紹介されています。ボールという名前は付いているものの、実際はハンバーグのことです。
自衛隊の非常用糧食にもハンバーグは、採用されています。
玉ねぎはハンバーグに欠かせない野菜です。玉ねぎ選びのポイントは、かたくてしっかりしたものです。添え物の温野菜も必須です。なかでも相性のいいのはジャガイモです。
ハンバーグに楕円形が多い理由は、パテを手のひらに沿って伸ばしていくと楕円形になること、厚みがないので表面がまんべんなくきれいに焼け中まで火が通ること、楕円形だと鉄板の上に隙間なく並べられ、一度にたくさんのハンバーグが焼けることなどです。
2020年10月28日
【季節到来】カニの美味しい食べ方
いよいよカニの季節がやってきました。美味しいカニを食べるなら、殻の剥き方や食べ方のコツをつかんで、準備万端で食べたい今日この頃です。
漁業関係者、宿の女将が言う美味しさが一番わかるカニの食べ方は、茹でカニです。身の繊維にうま味成分が絡み、芳醇な味わいがたまりません。芳ばしく香る焼きカニは、熱々のところをうま味成分ごと味わうのが醍醐味です。焼きすぎると瑞々しさが失われるので、身の表面が膨らんできたらすぐに食べましょう。新鮮な活カニの刺身は、氷水にさらすと身が弾けて、まるで藤棚のような美しさです。時間が経つほどうま味が落ちてしまうので、最初に食べましょう。活ガニの刺身にしょう油は、ほんの少しだけで十分です。とろっとした甘さをより引き立ててくれます。刺身はカニみそと絡めることで、繊細な味わいになります。濃厚なみそのコクが加わって、さらに美味際立ちます。カニしゃぶなら、ダシに身をさっとくぐらせるだけで充分です。カニ鍋の場合は、カニのうま味と野菜の甘みがたっぷり染み出たダシを使った締めの雑炊も絶品です。
タラバガニは、肉厚で食べごたえのある身と、プリプリとした食感が特徴です。通販で購入できるカニは、産地で茹でたあと急速冷凍されているものがほとんどです。プリプリの歯ごたえと絶妙の塩加減は、カニを知り尽くしたプロフェッショナルが茹でているからこそです。食べるときに二度茹ですると身の締まりが損なわれてしまうため、解凍してそのまま食べるのが、一番美味しく食べる方法です。熟練の技で茹で上げられたカニの食感と甘みを心ゆくまで味わいたいのであれば、何といってもカニしゃぶです。焼きガニは、炭火を使った七輪や焼き網などを使って焼くのが一般的です。生のタラバガニは、無理に自宅で茹でたり蒸したりするより、そのまま調理できる焼きガニに適しています。 茹でてあるタラバガニは、解凍して、そのまま剥いて食べます。ボリュームがあってうま味の強いタラバガニならではの食べ方で、シンプルだからこそ味が際立ちます。
ズワイガニといえば、シンプルに茹でたものが美味しいです。まずは、茹でたズワイガニを丸のまま冷凍したものを取り寄せてみてはいかがでしょうか。予想以上に、なかなかの大きさです。ズワイガニを解体するにあたり、家庭ではキッチンバサミを使うのが最も安全で簡単です。そのままでも塩味がついていて美味しいですが、味に変化をつけたい場合、甘酢も準備します。解体作業は大変ですが、ここまで済ませておけばカニ専用フォークや箸で簡単に身を外すことができ、食べることに集中できます。
いよいよカニの季節がやってきました。美味しいカニを食べるなら、殻の剥き方や食べ方のコツをつかんで、準備万端で食べたい今日この頃です。カニの美味しい食べ方と基本を紹介します。
漁業関係者、宿の主人、女将が言う美味しさが一番わかるカニの食べ方は、茹でカニです。身の繊維にうま味成分が絡み、芳醇な味わいがたまりません。茹でカニは、余すところなく食べましょう。甲羅は、お皿がわりにも使える優れものです。カニ爪は、太い部分を垂直に切ると形よく剥けます。脚の身は、脚先の細い部分を殻の中に通して押し出すと、身がすっと外れて食べやすいです。食べにくさ故に敬遠されがちな腹は、節目に沿ってハサミで切れ目を入れて、そのままかぶりつきます。
芳ばしく香る焼きカニは、熱々のところをうま味成分ごと味わうのが醍醐味です。焼きすぎると瑞々しさが失われるので、身の表面が膨らんできたらすぐに食べましょう。焼き加減は、殻から身が少し盛り上がったかどうかを見極めることがポイントです。炭火や陶板焼などさまざまな焼き方があります。
新鮮な活カニの刺身は、氷水にさらすと身が弾けて、まるで藤棚のような美しさです。時間が経つほどうま味が落ちてしまうので、最初に食べましょう。活カニの刺身にしょう油は、ほんの少しだけで十分です。とろっとした甘さをより引き立ててくれます。刺身が数本あれば、カニみそと絡めることで、繊細な味わいになります。濃厚なみそのコクが加わって、さらに美味際立ちます。
カニ鍋は、寒い冬に体を温めてくれる嬉しい鍋です。カニしゃぶなら、ダシに身をさっとくぐらせるだけで充分です。ダシは沸かしすぎず、カニの身をダシにくぐらせるときは、入れてから約10秒が限度です。カニ鍋の場合は、殻が赤くなったら食べ時です。カニのうま味と野菜の甘みがたっぷり染み出たダシを使った締めの雑炊も絶品です。
タラバガニは、トゲトゲした大きい甲羅を持ち、エビ目ヤドカリ下目(かもく)タラバガニ科に分類される甲殻類です。一般的なカニの足は10本ですが、タラバガニの場合は太い足が4対の計8本で、一番下の足が小さいなどの特徴がヤドカリと共通することから、ヤドカリ下目として分類されています。これはあくまでも生物学的な分類であり、味はカニを代表する美味しさと言っても過言ではなく、ズワイガニと並ぶ人気のカニです。日本における食用の90%以上はロシアからの輸入で、水揚げ量も少なく珍重されています。肉厚で食べごたえのある身と、プリプリとした食感が特徴です。
通販で購入できるカニは、産地で茹でたあと急速冷凍されているものがほとんどです。プリプリの歯ごたえと絶妙の塩加減は、カニを知り尽くしたプロフェッショナルが茹でているからこそです。食べるときに二度茹ですると身の締まりが損なわれてしまうため、解凍してそのまま食べるのが、一番美味しく食べる方法です。
タラバガニをより美味しく食べられるメニューをいくつか紹介します。
熟練の技で茹で上げられたカニの食感と甘みを心ゆくまで味わいたいのであれば、何といってもカニしゃぶです。なかでもカニしゃぶ用に選定された足を購入した方が、食べごたえもあり、十分に堪能できます。 焼きカニは、炭火を使った七輪や焼き網などを使って焼くのが一般的ですが、家庭でもっと手軽に焼きカニを楽しみたい場合は、ホットプレートがおすすめです。特に生のタラバガニは、無理に自宅で茹でたり蒸したりするより、そのまま調理できる焼きカニに適しています。 茹でてあるタラバガニは、解凍して、そのまま剥いて食べます。ボリュームがあってうま味の強いタラバガニならではの食べ方で、シンプルだからこそ味が際立ちます。
見落としがちなのが、生かボイルかという点です。生のカニは、生きたカニをそのまま冷凍したもので、ボイルは一度茹でてから冷凍したものです。ひと手間加えて食べるなら生、そのまま食べたい場合や自宅で茹でられない場合はボイルを選ぶと良いでしょう。
足は5対の計10本で、小さな甲羅はツルツルしており、ケセンガニ科に属しています。細身ながら、濃厚なカニの味を楽しめるのが魅力です。品質によって、本ズワイガニや紅ズワイガニに分類され、最も品質が良いとされる本ズワイガニの中では、松葉ガニや越前ガニなどが有名です。
ズワイガニといえば、シンプルに茹でたものが美味しいです。まずは、茹でたズワイガニを丸のまま冷凍したものを取り寄せてみてはいかがでしょうか。予想以上に、なかなかの大きさです。用意するものとしては、キッチンペーパー、ビニール袋、キッチンバサミ、あればカニ専用フォークです。同梱されている食べ方に従い、開梱してキッチンペーパーで包み、大きめのビニール袋に入れた上で、冷蔵庫で半日かけてゆっくりと解凍します。完全に解凍される前に、まだ冷凍による固さが少し残っている状態で、作業するのがコツです。
ズワイガニを解体するにあたり、家庭ではキッチンバサミを使うのが最も安全で簡単です。カニの殻はとても固いですが、殻と殻をつなぐ関節部分は比較的柔らかいので、脚の付け根の関節部分をキッチンバサミで切断して、胴体と脚を分離します。まず脚を処理します。比較的柔らかい関節部分をキッチンバサミで切断して、食べやすい大きさにします。脚は側面の白っぽい部分が比較的柔らかいので、端からキッチンバサミで切り込みを入れます。関節ごとに切り離した後に両側面に切り込みを入れると、脚の殻をきれいに取り外すことができます。なお、カニを解体する際には、とがった部分でケガをしないように軍手やビニール手袋を使うことをおすすめします。あらかじめここまで済ませておくと、食べるときに格段に楽になります。胴体は、甲羅の内側に指を入れて、剥がします。ひらひらした部分は、魚でいうエラの部分で食べられません。キッチンバサミで切り離して、取り除きます。残りの身が付いた部分は柔らかいので、キッチンバサミで縦に切断し、食べやすくします。そのままでも塩味がついていて美味しいですが、味に変化をつけたい場合、甘酢も準備します。解体作業は大変ですが、ここまで済ませておけばカニ専用フォークや箸で簡単に身を外すことができ、食べることに集中できます。
いよいよカニの季節がやってきました。美味しいカニを食べるなら、殻の剥き方や食べ方のコツをつかんで、準備万端で食べたい今日この頃です。
漁業関係者、宿の女将が言う美味しさが一番わかるのカニの食べ方は、茹でカニです。身の繊維にうま味成分が絡み、芳醇な味わいがたまりません。芳ばしく香る焼きカニは、熱々のところをうま味成分ごと味わうのが醍醐味です。焼きすぎると瑞々しさが失われるので、身の表面が膨らんできたらすぐに食べましょう。新鮮な活ガニの刺身は、氷水にさらすと身が弾けて、まるで藤棚のような美しさです。時間が経つほどうま味が落ちてしまうので、最初に食べましょう。活カニの刺身にしょう油は、ほんの少しだけで十分です。とろっとした甘さをより引き立ててくれます。刺身はカニみそと絡めることで、繊細な味わいになります。濃厚なみそのコクが加わって、さらに美味際立ちます。カニしゃぶなら、ダシに身をさっとくぐらせるだけで充分です。カニ鍋の場合は、カニのうま味と野菜の甘みがたっぷり染み出たダシを使った締めの雑炊も絶品です。
タラバガニは、肉厚で食べごたえのある身と、プリプリとした食感が特徴です。通販で購入できるカニは、産地で茹でたあと急速冷凍されているものがほとんどです。プリプリの歯ごたえと絶妙の塩加減は、カニを知り尽くしたプロフェッショナルが茹でているからこそです。食べるときに二度茹ですると身の締まりが損なわれてしまうため、解凍してそのまま食べるのが、一番美味しく食べる方法です。熟練の技で茹で上げられたカニの食感と甘みを心ゆくまで味わいたいのであれば、何といってもカニしゃぶです。焼きカニは、炭火を使った七輪や焼き網などを使って焼くのが一般的です。生のタラバガニは、無理に自宅で茹でたり蒸したりするより、そのまま調理できる焼きカニに適しています。 茹でてあるタラバガニは、解凍して、そのまま剥いて食べます。ボリュームがあってうま味の強いタラバガニならではの食べ方で、シンプルだからこそ味が際立ちます。
ズワイガニといえば、シンプルに茹でたものが美味しいです。まずは、茹でたズワイガニを丸のまま冷凍したものを取り寄せてみてはいかがでしょうか。予想以上に、なかなかの大きさです。ズワイガニを解体するにあたり、家庭ではキッチンバサミを使うのが最も安全で簡単です。そのままでも塩味がついていて美味しいですが、味に変化をつけたい場合、甘酢も準備します。解体作業は大変ですが、ここまで済ませておけばカニ専用フォークや箸で簡単に身を外すことができ、食べることに集中できます。
2020年10月27日
【洋食から和食へ】とんかつ
明治時代初期に西洋からさまざまな洋食がもたらされました。その中のいくつかは、今や和食として定着しています。代表的なものが、洋食ではカットレットと呼ばれたカツレツ、クロケットと呼ばれたコロッケです。
カツレツと名前が変わる前のカットレットの調理方法は、カツレツとはかなり異なっていました。肉は75gほどの小ぶりなサイズです。これを1p程の薄さに叩いて伸ばします。それからパン粉を付け、少量のバターなどで焼きます。今でもヨーロッパ各地で食べられているスタイルです。
使用する肉も異なっています。今でこそかつといえばとんかつを指すほど、豚肉が一般的ですが、カットレットには主に牛肉や豚肉、鶏肉、魚などさまざまな食材が使われていました。
特に当時は牛肉への関心が高く、カットレットといえば牛肉でした。しかし、牛鍋がすぐに庶民の味になったのに対し、カットレットは一部の人に限られていました。
カットレットはいつしか日本語となり、カツレツとなりました。それとともに和風の洋食へと変わっていきました。いつ誰がどのように変えたのでしょうか。
2つの説があり、明治28年創業の東京銀座の煉瓦亭が出したという説です。仔牛のカットレットを出していましたが、油の切れが悪く胃がもたれるということから、天ぷらをヒントにカツレツを考案したようです。もうひとつは、東京御徒町のぽんち軒が考案した豚肉のカツレツです。登場した当時の名前はポークカツレツです。きっかけは、豚肉を使ってビーフステーキのような厚みのあるカツレツが食べたいというお客の要望だったそうです。これも天ぷらのように油で揚げることが特徴です。
しかし、時代はまだカツレツといえば牛肉を使ったビーフカツが一般的で、とんかつはほとんどありませんでした。
同じとんかつでも、時間を経るにしたがい、さまざまなバリエーションができ、地域によっても差があります。
とんかつ発祥の地といえば、東京です。特にとんかつのメッカといえば東京台東区の上野から御徒町の間です。昭和初期には数々の専門店が軒を並べていました。
味のバリエーションは、地域によって多彩であり、名古屋であれば、地元の八丁みそを使ったみそカツです。仙台の仙台みそを使ったみそカツも有名です。
福井にはソースカツ丼、岡山にはドミグラスソースをかけたドミグラスソースカツ丼があります。関西ではビーフカツがいまだに残っています。
カツ丼といえば、割り下で煮たとんかつを鶏卵でとじて、これをご飯にのせる料理です。誕生した当初は、現在食べられているこのスタイルではありませんでした。
カツ丼の元祖はいくつかあります。最も有名なのが、ソースカツ丼です。大正時代に東京の早稲田高等学院の学生が、食堂で考案し、評判を呼ぶことで周囲に広がっていきました。石川県の金沢では、レストラン自由軒でビーフカツを使ったカツ丼がメニューとなっていました。こちらには刻んだキャベツやきゅうりがのっていました。さらに埼玉県の洋食店では、しょう油ダレに漬け込んだカツ丼を提供していました。
しかし、これらはいずれも現在のカツ丼ではありません。いまのスタイルとなったのは、戦後のことです。栄養価の高い鶏卵ととんかつの組み合わせに割り下の甘い味付けが、味と満腹感を求める人たちの人気を集めました。
とんかつにソースをかけて食べたり、とんかつをカツ丼にして食べますが、とんかつ自体は同じだと思われがちです。これらのとんかつのつくり方は微妙に異なります。
そのままとんかつにソースをかけて食べる場合、衣の歯ざわりを大切にするために、粗めの生パン粉を使用します。さらに揚げるときに完全に火を通します。一方、カツ丼のとんかつは、後から割り下で煮ることを重視し、衣がはがれないように、衣づくりを工夫しています。その工夫は、溶き卵に小麦粉を加えること、細かい乾燥パン粉を使用すること、衣を冷蔵庫で寝かせることです。揚げ方も、煮込むことを考慮し、完全に火を通しません。
美味しいものを提供するために、このような心配りがなされています。
明治時代初期に西洋からさまざまな洋食がもたらされました。その中のいくつかは、今や和食として定着しています。代表的なものが、洋食ではカットレットと呼ばれたカツレツです。カットレットはいつしか日本語となり、カツレツとなりました。それとともに和風の洋食へと変わっていきました。
いつ誰がどのように変えたのかというと、2つの説があります。明治28年創業の東京銀座の煉瓦亭が出したという説です。仔牛のカットレットを出していましたが、油の切れが悪く胃がもたれるということから、天ぷらをヒントにカツレツを考案したようです。もうひとつは、東京御徒町のぽんち軒が考案した豚肉のカツレツです。登場した当時の名前はポークカツレツです。きっかけは、豚肉を使ってビーフステーキのような厚みのあるカツレツが食べたいというお客の要望だったそうです。これも天ぷらのように油で揚げることが特徴です。このカツレツがとんかつの始まりです。
2020年10月26日
【脱出】食べ物で憂鬱な気分から抜け出す方法
憂鬱な気分になる一番の原因は、過度なストレスです。己を責め続け、ストレスを溜めこむ前に、食べ物でその憂鬱な気分を解消してはいかがでしょうか。
憂鬱な気分から抜け出す秘訣のひとつは、好きな食べ物を食べることです。食事を楽しむことで、ストレスから己を解放させます。気分は、食べ物からの影響を大きく受けています。イライラや不安の要因のひとつは、気分を安定させる働きのあるホルモンのセロトニンが、脳内で不足している可能性があります。
セロトニンは、アミノ酸のトリプトファンから合成されます。トリプトファンは、大豆製品やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、バナナに多く含まれています。ただし、トリプトファンは、あらゆる食材に含まれているため、それほど意識をする必要はありません。
感情や記憶を司る大脳辺縁系にセロトニンが伝達されると、不安や恐怖感が抑えられ、精神が落ち着いたり、痛みが和らいだりといった心身にさまざまなよい効果をもたらします。過度なストレスは、大脳辺縁系に影響を及ぼします。これにより、憂鬱な気持ちになってしまったりすることがあります。脳内のセロトニン神経が活性化して、セロトニンの分泌が増えると、大脳辺縁系の活動が安定して、適度にリラックスした状態になります。
誰でも仕事中などでイライラや不安な気持ちに襲われ、集中したくてもできないときがあります。憂鬱な気分になる一番の原因は、過度なストレスです。特に悲しいことや大きな失敗をしたときなど誰でも憂鬱になります。己を責め続け、ストレスを溜めこむ前に、食べ物でその憂鬱な気分を解消してはいかがでしょうか。憂鬱な気分の解消の手助けをしてくれる食べ物で、体の内からイライラや不安を改善させましょう。
憂鬱な気分から抜け出す秘訣のひとつは、好きな食べ物を食べることです。食事を楽しむことで、ストレスから己を解放させます。気分は、食べ物からの影響を大きく受けています。イライラや不安の要因のひとつは、気分を安定させる働きのあるホルモンのセロトニンが、脳内で不足しているためかもしれません。
脳の中には無数の神経細胞がありますが、この神経細胞間で情報伝達が行われることで、脳は適切に体に指示を送ることができます。この神経間で情報を受け渡すときに必要なのが、神経伝達物質です。神経伝達物質は、数多く発見されていますが、一般的に有名な物質は抑制系のGABA、興奮系のドーパミン、そして調整系のセロトニンです。GABAと呼ばれているγ-アミノ酪酸は、アミノ酸のうちグルタミンを使用して合成されます。同じように、ドーパミンもフェニルアラニンというアミノ酸からつくられます。そして、脳内の神経伝達物質のうち、多彩な働きを持ち興奮と抑制の調整役をしているのが、幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンです。
セロトニンは、体のリズムを整えることや睡眠への関与、体温の調整、痛みの認知、食欲の制御、消化吸収に至るまで、さまざまな体の機能に関わっています。このように多彩な役割を持っているセロトニンは、95%が消化管でつくられ、消化管に約90%、血液中に約5%、脳に約5%あるといわれています。しかし、消化管で多くのセロトニンがつくられるも、実際には消化管でつくられたセロトニンが脳に直接入ることはありません。脳に栄養が運ばれるためには、血液脳関門を通過しなくてはならず、血液脳関門を通過できるのは、アミノ酸のような低分子の物質だけなので、アミノ酸のトリプトファンから合成されたセロトニンは、ここを通過できません。脳内のセロトニンは、脳内でつくられる必要があります。そのため、トリプトファンが含まれる食事をとることも効果的です。トリプトファンは、大豆製品やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。バナナにも多く含まれ、さらにセロトニンを合成するために必要な糖質やビタミンB6も含まれています。ただし、トリプトファンは、あらゆる食材に含まれているため、それほど意識をする必要はありません。
消化管で作られるセロトニンは、脳の働きに対して効果がないと思われるかもしれません。 消化管のセロトニンは、腸クロム親和性細胞という細胞でつくられ、分泌されています。この消化管内セロトニン濃度の情報が、消化管と脳をつないでいる神経系に伝わって、脳の働きに影響を与えています。
消化管のセロトニンは、主に消化管の働きに作用し、消化管の内容物を肛門まで運ぶぜんどう運動を促します。血液中のセロトニンは、血管を収縮させて、止血する作用があります。脳のセロトニンは、歩行や姿勢、眼球運動を司る神経がある脳幹内から分泌され、呼吸や消化などの自律機能に関与します。
感情や記憶を司る大脳辺縁系にセロトニンが伝達されると、不安や恐怖感が抑えられ、精神が落ち着いたり、痛みが和らいだりといった心身にさまざまなよい効果をもたらします。過度なストレスは、大脳辺縁系に影響を及ぼします。これにより、憂鬱な気持ちになってしまったりすることがあります。脳内のセロトニン神経が活性化して、セロトニンの分泌が増えると、大脳辺縁系の活動が安定して、適度にリラックスした状態になります。睡眠中は、セロトニンの分泌が抑制されますが、朝が近づくにつれて徐々に分泌されます。太陽の光が網膜に入ると、セロトニン神経が刺激され、セロトニンの分泌が活性化します。すると、血圧や呼吸、心拍が活動的になり、目が覚めて意識がはっきりします。セロトニンは運動神経を刺激するため、立位を保つ筋肉の緊張が高まります。これにより、首筋や背骨の周囲、下肢の筋肉、まぶたや顔の筋肉などが刺激され、姿勢がよくなって表情にもハリが生まれます。痛みは、大脳皮質で感知しています。セロトニンは大脳皮質に痛みを伝達する痛覚伝導路を抑制する働きがあるので、脳内でセロトニンが分泌されている間は痛みが緩和されます。
一方、セロトニンが不足すると、憂鬱でネガティブな思考に陥る、姿勢が悪くなるなど心と身体にさまざまな影響が見られます。セロトニンが不足すると大脳皮質が過剰に働き、ストレス反応が大きくなるため、通常であれば対処できるストレスに対しても、悲観的に捉え、精神が不安定になります。このような状態が長く続くと、うつ病やパニック障害、自律神経失調症などを引き起こす可能性があります。セロトニンが不足して脳の前頭前野の働きが低下すると、無気力、無関心などの疲労症状を感じやすくなります。また、立位を保つ筋肉が弱って姿勢が悪くなります。セロトニンの不足により、睡眠ホルモンのメラトニンが十分に分泌されなくなり、メラトニンが不足することで、寝付きが悪くなる、体内時計が乱れるなどの不眠症状が現れます。
なお、GABAも一時的な精神的ストレスを緩和する効果が、報告されています。
セロトニンの分泌を促すには、運動やスキンシップ、太陽光を浴びるといった行動が重要です。食事の際の咀嚼も運動のひとつです。よく噛んで食べることでもセロトニンが分泌されます。ウォーキングは、疲れすぎない毎日30分程度が理想です。家族やペットなどと触れ合うことで、安心や幸福を感じるオキシトシンという神経伝達物質が分泌され、オキシトシンは、セロトニンの分泌を誘発する働きがあることから、セロトニンが増加します。1日のうち30分程、太陽光を浴びることでも、セロトニンは増えます。
憂鬱な気分になる一番の原因は、過度なストレスです。己を責め続け、ストレスを溜めこむ前に、食べ物でその憂鬱な気分を解消してはいかがでしょうか。
憂鬱な気分から抜け出す秘訣のひとつは、好きな食べ物を食べることです。食事を楽しむことで、ストレスから己を解放させます。気分は、食べ物からの影響を大きく受けています。イライラや不安の要因のひとつは、気分を安定させる働きのあるホルモンのセロトニンが、脳内で不足している可能性があります。
セロトニンは、アミノ酸のトリプトファンから合成されます。トリプトファンは、大豆製品やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、バナナに多く含まれています。ただし、トリプトファンは、あらゆる食材に含まれているため、それほど意識をする必要はありません。
感情や記憶を司る大脳辺縁系にセロトニンが伝達されると、不安や恐怖感が抑えられ、精神が落ち着いたり、痛みが和らいだりといった心身にさまざまなよい効果をもたらします。過度なストレスは、大脳辺縁系に影響を及ぼします。これにより、憂鬱な気持ちになってしまったりすることがあります。脳内のセロトニン神経が活性化して、セロトニンの分泌が増えると、大脳辺縁系の活動が安定して、適度にリラックスした状態になります。
一方、セロトニンが不足すると、憂鬱でネガティブな思考に陥る、姿勢が悪くなるなど心と身体にさまざまな影響が見られます。 日頃からセロトニンの分泌を促すには、運動やスキンシップ、太陽光を浴びるといった行動が重要です。
2020年10月25日
【最低限の生命活動】主に食生活で基礎代謝を高める方法
基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要最低限なエネルギーです。活動せずにじっとしていても消費される1日あたりのエネルギー量で、成人男性は約1,500kcal、成人女性は約1,200kcalです。基礎代謝が高い体は、太りにくい体といえます。肥満を防ぎ、健康を維持するためには、基礎代謝を高めることが有効です。
基礎代謝を上げるためには、体が温まる食べ物を摂ること、腸内環境を整える食べ物を摂ること、水分をこまめに摂ること、筋トレ、入浴です。
健康的な生活を送るために基礎代謝の維持向上は欠かせません。残念ながら基礎代謝は加齢とともに低下しますが、体を温める食べ物や腸内環境を整える食べ物を普段の食生活に取り入れ、適度な運動と規則正しい生活を心がけることで、基礎代謝の維持向上が期待できます。
基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要最低限なエネルギーです。活動せずにじっとしていても消費される1日あたりのエネルギー量で、成人男性は約1,500kcal、成人女性は約1,200kcalです。一般的に基礎代謝は、男性の方が高く、女性の方が低くなります。男性のピークは15〜17歳の1,610kcal、女性のピークは12〜14歳の1,410kcalです。その後加齢とともに徐々に基礎代謝は下がっていきます。
基礎代謝は筋肉量や体質などの影響を受けます。運動をして筋肉量を増やしたり、適切な食生活を実践したりすることで、基礎代謝を上げることができます。
基礎代謝が高いということは、1日に消費するエネルギーが多いということです。特に運動をしなくても多くのエネルギーを消費するので、基礎代謝が高い体は、太りにくい体といえます。肥満を防ぎ、健康を維持するためには、基礎代謝を高めることが有効です。
基礎代謝は、長い期間に渡り、適度な運動や体にいい食生活を続けることが必要です。基礎代謝を高めることで、1日のエネルギー消費量が増えるため、太りにくく痩せやすい体になります。肥満を防ぐことで、生活習慣病予防にもつながります。
基礎代謝を上げるために、食生活をはじめとした方法を紹介します。
・体が温まる食べ物を摂る
体温が1度上昇すると、代謝量は10%以上上昇するといわれています。体が温まる食べ物を食べることで、体を温め、内臓の働きが活発になり、基礎代謝の向上が期待できます。体を温める食べ物には、唐辛子やにんにく、玉ねぎ、ショウガ、にんじんやかぼちゃなどの根菜類です。さらに基礎代謝を高める筋肉を維持向上させるために、肉や魚、大豆製品などから、たんぱく質を摂取することも必要です。
唐辛子の辛み成分であるカプサイシンは、アドレナリン分泌を促して、代謝を促進します。にんにくに含まれる有効成分のひとつであるアホエンは、血液がサラサラになり、血流を改善させることで、代謝の向上が期待できます。玉ねぎに含まれる辛味や香り成分の硫化アリルは、血液が固まるのを抑制する働きや血中コレステロールを分解する働きと共に、血液をサラサラにする作用があるため、代謝のいい体づくりに役立ちます。ショウガに含まれるショウガオールも、血行を促して代謝をアップさせてくれます。
・腸内環境を整える食べ物を摂る
腸内環境が整うと、基礎代謝が上がりやすくなります。逆に腸内環境が乱れると、基礎代謝の低下や免疫機能の低下など体に悪影響を及ぼします。腸内環境を整えるには、納豆やみそ、キムチ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品とにんじん、ブロッコリー、ホウレン草、果物などの食物繊維が豊富に含まれる食品を食べることです。
・水分をこまめに摂る
積極的に水分を補給することで、血行が良くなり、基礎代謝の向上が期待できます。お湯などの温かい飲物で体を温めると、内臓の働きが活発になります。厚生労働省によると、体重60kgの成人男性が1日に必要な水分量は2.5Lです。
・筋トレ
主に筋肉、肝臓、脳でエネルギーを消費しています。筋肉量は、運動によって増やすことができるので、基礎代謝が上げるには筋トレがおすすめです。短期間で筋肉を増やすことはできませんので、できる範囲で毎日継続していきましょう。筋肉は下半身に70%前後存在するので、1日30分歩くこととスクワットを10回毎日継続してみてはいかがでしょうか。
・入浴
基礎代謝を上げるには、体温を上げたり、自律神経を整えたりすることが効果的です。入浴は体温を高める効果があります。また、リラックスして副交感神経が優位になり、自律神経を整えることにもつながります。
大切なことは無理せず、継続することです。基礎代謝はすぐに高くなるものではありません。
基礎代謝を下げる要因を知ることで、基礎代謝の低下を防ぐことができます。
・筋肉量の減少
基礎代謝は、残念ながら年齢を重ねるごとに低下していきますが、運動不足による筋肉量の減少も大きな要因です。
・不規則な生活
不規則な生活は、自律神経の乱れにつながり、基礎代謝が低下してしまいます。また、生活習慣病などの病気のリスクも高めてしまいます。
基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要最低限なエネルギーです。活動せずにじっとしていても消費される1日あたりのエネルギー量で、成人男性は約1,500kcal、成人女性は約1,200kcalです。基礎代謝が高い体は、太りにくい体といえます。肥満を防ぎ、健康を維持するためには、基礎代謝を高めることが有効です。
基礎代謝を上げるためには、体が温まる食べ物を摂ること、腸内環境を整える食べ物を摂ること、水分をこまめに摂ること、筋トレ、入浴です。
健康的な生活を送るために基礎代謝の維持向上は欠かせません。残念ながら基礎代謝は加齢とともに低下しますが、体を温める食べ物や腸内環境を整える食べ物を普段の食生活に取り入れ、適度な運動と規則正しい生活を心がけることで、基礎代謝の維持向上が期待できます。
2020年10月24日
【苦悩】食品メーカーにおける価値創造
食品メーカーにおいて、最先端技術と比較し、相対的にローテクノロジーであったとしても、技術開発が製品開発の重要な要素となっていることについては変わりなく、技術が企業間の競争で優位に働いていることは、間違いありません。
ただし、一般的な食品の場合、新たな技術や高度な技術が用いられたとしても、その新技術自体が技術ブランド化することはなく、セールスポイントと して訴求できることも少ない状況です。それは、食品が持 つ、自然の素材、手づくりといった人工的でないところに 消費者が価値を見いだす傾向によるものであり、工場でつくられる食品であっても、消費者が漠然と抱くこのイメージに合致する主観的な価値が、製品力の向上につながってきたという歴史的な特徴があります。
一方で、特定保健用食品や機能性表示食品などの機能性食品の制度化が進み、食品に機能性という新たな価値を見いだすようにもなってきています。
食品は差別化が困難であり、多くの場合、同じ製品間の差が小さく、企業間競争は主に価格競争が主戦場となってしまいます。消費者が、価格以外で食品という製品を選ぶ基準があるとすれば、美味しさや自然の素材、手づくりといった主観的なイメージによっても たらされる安心安全の価値であり、主観的な価値となります。安心安全という価値も相手に対する信頼感から醸成されます。これは、企業間取引においても同じであり、食品メーカーと流通業者、原材料メー カーと食品メーカーとの間の取引においても、安定した品質の製品が長期的に取引できるといった信頼感を抱くかどうかが取引 が成立するか否かの重要なポイントとなります。
また、健康志向が求められている昨今の食品市場において、健康を意識した食品に潜在的なニーズがあることは確かです。カロリーオフのカレールウや低カロリー飲料、機能性食品などが次々と開発され、市販されています。しかし、カロリーオフのカレールウでは、過度に加工されたイメージや油脂があまり含まれない食品が持つコクがないといったような好ましくないイメージが、消費者の主観的な認識として存在しているため、カロリー オフを技術的に実現したという技術を消費者に伝えることは望ましくない という判断がなされています。これは、カロリーオフの加工技術という価値よりも、消費者がより主観的な価値を食品に求めていることの表れからです。
低カロリー飲料においても、具体的にどのような甘味料を用いて低カロリーを実現したかといった技術情報を提供した場合の方が、知らされない場合よりも美味しくないと感じる消費者の割合が高まります。 やはり、技術的なことよりも、消費者は主観的な価値を食品に求めています。
食品の場合は、技術情報の消費者への提供は、あまり意味を持たないだけではなく、場合によってはマイナスの作用、つまり価値を下げる作用があるということが言えるかもしれません。
一方で、消費者は機能性食品への関心も高く、市場規模は年々拡大し、その機能を求めて購入しています。
機能性食品は、景品表示法や薬機法などの法規制によって、効果効用の表示が厳しく制限されています。 こうした状況下で、食品 メーカーがどのように機能性食品の価値を消費者に訴求し、製品の差別化に結びつけているのでしょうか。
機能を直接的に訴求できない製品属性である機能性食品においては、効果そのものを訴求するのではなく、製品形態や容器包材などの工夫、あるいは国の制度を活用したお墨付きを得るという方法を用いて、消費者の感性に効果の程を訴えかけることによって、機能性食品の機能を認知させるという過程をたどるということになります。国の制度を 活用したお墨付きという価値は、厳格な制度への対応に必要な時間や費用と許認可を得ることによる価値との間に相容れない関係があるため、食品メーカーはそこから産み出される価値の高い制度ほど使い勝手が悪く、反対に使い勝手がよい制度ほど、そこ産み出される価値が低いというジレンマに直面することになります。
特定保健用食品として有名な機能性茶飲料は、同一の製品形態の製品群が集まると社会的に認知されるようになります。サントリーの黒烏龍茶や花王のヘルシア緑茶などは、国のお墨付きを有し、それによって 効果の程を消費者の主観に訴えかけていたと考えられます。しかし、時間経過とともに新規参入が相次ぎ、類似の製品群が形成されると、国のお墨付きという価値は、次第に効果が薄れていきます。つまり、厳格な制度の適応を受け、安心感や信頼感といった価値のアドバンテージは失われ、むしろ厳格な制度に対応するための時間や費用などの問題点の方が浮き彫りになってきます。
実際のところ、機能性茶飲料の価値は次第に薄れ始めており、メーカー各社は、特定保健用食品以外の方法で、機能性茶飲料の製品バリエー ションを広げています。トクホマークはつけられないものの機能性表示が可能な新制度、 機能性表示食品として新製品を発売したりしています。機能性茶飲料ではないものの、ネーミングに「濃い」などを付け加えることで、事実ですがより多くの成分が含まれるといった効果感を消費者に想起させていることもあります。
ハウス食品のウコンの力は、ウコンエキスを配合した機能性飲料であり ながら、一般食品カテゴリーとして販売されており、効果の直接的な訴求は困難です。ウコンの力は、ウコン飲料独特のにおいを取り除きながらも、機能性飲料らしい 苦みを有しており、味や色は医薬部外品の栄養ドリンク剤 を想起させます。ある調査によると、消費者はウコンの力に対して機能性を意識して購入している、機能性を実際に効果として感じ取っている、 機能そのものではなく製品パッケージや味などが効果の程に影響しているといった結果が出ています。これは、ウコンの機能性だけでなく、味や製品パッケージにも価値を見出していることの証左となります。つまり、製品の価値が、機能性食品のコンセプトである機能性そのものだけであれば、味や パッケージは製品の評価には影響しません。むしろ、味に関し ては、飲みやすさや美味しさを追求した製品の方が好まれるはずです。このことから、機能性食品は、機能的価値だけを追求するだけでは不十分であることを示しています。 一方で、食品の価値が美味しさという主観的な価値 だけでなく、機能性食品にスポットライトが当たることで、従来よりも機能性の価値の重要性が増してきていることも事実です。
食品はそもそもの価値が主観的で、加工技術の複雑さや困難性は低 いとしても、味やパッケージ、機能性といった切り口から新たな価値を継続的に創造し、食品というモノの次元に留まらず、家族の団らんや楽しさといった機会の提供も含め、消費者の主観に訴求することが大切なのかもしれません。
食品メーカーにおいて、最先端技術と比較し、相対的にローテクノロジーであったとしても、技術開発が製品開発の重要な要素となっていることについては変わりなく、技術が企業間の競争で優位に働いていることは、間違いありません。
消費者が、価格以外で食品という製品を選ぶ基準があるとすれば、美味しさや自然の素材、手づくりといった主観的なイメージによっても たらされる安心安全の価値であり、主観的な価値となります。
健康志向が求められている昨今の食品市場において、健康を意識した食品に潜在的なニーズがあることは確かです。しかし、食品の場合は、技術情報の消費者への提供は、消費者の主観に訴求できず、あまり意味を持たないばかりか、場合によってはマイナスの作用があります。
食品はそもそもの価値が主観的で、加工技術の複雑さや困難性は低 いとしても、味やパッケージ、機能性といった切り口から新たな価値を継続的に創造し、食品というモノの次元に留まらず、家族の団らんや楽しさといった機会の提供も含め、消費者の主観に訴求することが大切なのかもしれません。
2020年10月23日
【世界中から支持される】即席めんの市場とその価値
即席めんは、その簡便性や効率の良さから、世界中の幅広い世代から支持され、2019年の全世界での年間即席めん消費量は 1064.2 億食です。日本即席食品工業協会の統計によると2018年度の即席めんは、出荷額ベースで5,933億5,300万円(前期比1.1%増)、数量ベースで57億2,349万食(0.6%増)となっています。
即席めんの中で、カップめんは忙しい単身世帯の簡便性という要望を満たしてくれます。家族などと共に食事をする楽しさは、袋めんが提供してくれます。
単に空腹を満たすだけでなく、即席めんが提供してくれる優れた価値を味わってみてはいかがでしょうか。
即席めんは、その簡便性や効率の良さから、世界中の幅広い世代から支持されています。現代社会に欠かせないともいえるこの即席めんをカップめんと袋めんとに分けて比較すると、カップめんの売り上げは増加傾向にあるのに対して、袋めんは右肩下がりとなっています。カップめんは、洗い物や調理時間を短縮できる一方、袋めんはカップめんに比べ、洗い物や調理の手間がかかってしまうということが、両者の売り上げに差が生じる原因であると考えられます。
また、忙しい現代人にとって、うってつけの食品のひとつが、カップめんであると捉えられている現実が売り上げからも見てとれます。
現在世界中で食べられているインスタント食品を代表するのが、即席めんであることに異論をはさむ余地はありません。即席めんは、1958 年に当時日清食品の創業者である安藤百福によって発明され、それから60 年以上経った現在では、日本のみならず、世界中の人々に親しまれる食品となっています。2019年の全世界での年間即席めん消費量は、 1064.2 億食です。
1 位が中国/香港、2 位がインドネシア、3 位がインド、4位が日本と続き、その後はベトナム、インド、アメリカ、韓国となります。中国/香港は、市場規模の大きさを反映して、世界最大の即席めん市場となっていますが、現在は一時ほどの勢いはなくなっています。中国/香港の即席めん市場は、 1992〜 2010年までの間は年20%以上の成長を遂げたものの、現在は中国/香港の消費者の健康志向や高級志向が高まり、生き残りをかけた即席めんメーカー間の競争も激しくなってきているのが現状です。競争激化を背景に、中国/香港国内の即席めんメーカーは 2000年からの 10年間でおおよそ800社からおおよそ 8 0 社に減少し、大手メーカーによる寡占化が進行しました。このように日本で生まれた製品にも関わらず、今では近隣のアジア諸国を中心とし て、世界中で親しまれるようになりました。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。
1966年に即席めんの市場を開拓するため、日清食品は欧米市場視察に出かけました。チキンラーメンの試食を依頼するも、アメリカにはどんぶりも箸もないため、現地のバイヤーは困惑しました。そこで日清食品は、紙コップとフォークを用いて、バイヤーに提供し、これが容器入り即席めんの開発の契機となりました。カップヌードルの誕生にあたって、日清は主に 3 つの工夫を凝らしました。 ひとつは、具材を凍結させ、真空条件下で水分を一気に気化させて乾燥するフリーズドライ製法を取り入れました。湯で戻した際に具材の食感や風味、色、形状を損なうことなく長期保存することができる理想的な乾燥技術です。しかし、当時の日本ではフリーズドライの技術水準が低かったため、日清食品は新たに会社を立ち上げ、冷凍技術の内製化を図り、この課題を乗り越えました。ふたつめは、めんをカップの中間に保持する構造です。この構造で、めんがカップの強度を保持し、めんの上に具をのせることができる上、めんの下までお湯が行きわたり、均一にめんをもどすことができる ようになりました。最後は、コップ型の容器です。片手で持てる大きさで、手から滑り落ちない容器は、包装容器や調理器具、食器といった 3 つの機能を併せもつ画期的な容器となりました。そして、1971年に世界初のカップめん、カップヌードルが誕生しました。 カップヌードルの認知度を飛躍的に高めたのは、あさま山荘事件のテレビ中継で放映された機動隊員がカップヌードルを食べる姿でした。この放送により、カップヌードルは爆発的に売れ出し、生産が追いつかなくなるほどになりました。
日本即席食品工業協会の統計によると2018年度の即席めんは、出荷額ベースで5,933億5,300万円(前期比1.1%増)、数量ベースで57億2,349万食(0.6%増)となっています。うち袋めんは、出荷額ベースで1,299億5,600万円(0.9%増)、数量ベースで17億6,220万食(0.8%増)。カップめんは、出荷額ベースで4,633億9,600万円(1.2%増)、数量ベースで39億6,129万食(0.5%増)です。
1971 年にカップヌードルが発売されてから、袋めんは急激に売り上げを落としています。袋めんとカップめんの売上高における地位の交代は、 1980年代に起こり、これは女性の社会進出や家庭での食事の様相が変化したことなどに起因しているようです。子供のおやつとしてだけではなく、単身家族が増加したことが、さらに拍車をかけたようです。
単独世帯の割合は、高齢化や未婚者は増えることに伴い、増加傾向にあります。2035年には 4 割近くにものぼるという試算もあります。単身世帯の増加のみならず、現代のライフスタイルの変化によって、家族などと共に食事をする機会が従来に比べて少なくなってきている一方、ひとりで食事をする機会は増加傾向にあります。ひとりで食事をすることは、社会から自分を切り離し、自分のためだけに時間を使うことができるという意味では、大変有意義な時間という一面もあり、現代社会で生きる上で必要な食事の在り方かもしれません。
このような背景の中で 、カップめんは簡便性という点で忙しい現代人にうってつけの食品であり、 売り上げが伸びるのも必然です。単独世帯が今後も増加していくとなれば、カップめんが、家庭の食生活により浸透していく可能性も十分に考えられ、今後は標準的な食事形態のひとつとして、日本人の食卓に定着する可能性もあります。
しかし、ひとりで食事をすることには、長所はありながら、食事の楽しさという観 点で は、家族などと共に食事をすることよりも劣っています。家族などと共に食事をする機会を提供できるのは、むしろ袋めんです。スーパーでも5食パックなどで、販売されています。
カップめんは、忙しい単身世帯の簡便性という要望を満たしつつも、家族などと共に食事をする楽しさは、袋めんが提供してくれます。最近では、ラーメン店の味に引けを取らない生めんも、バラエティが充実し袋めんと同様に家族などと共に食事をする楽しさがあります。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。
即席めんは、その簡便性や効率の良さから、世界中の幅広い世代から支持され、2019年の全世界での年間即席めん消費量は 1064.2 億食です。日本即席食品工業協会の統計によると2018年度の即席めんは、出荷額ベースで5,933億5,300万円(前期比1.1%増)、数量ベースで57億2,349万食(0.6%増)となっています。
即席めんの中で、カップめんは忙しい単身世帯の簡便性という要望を満たしてくれます。家族などと共に食事をする楽しさは、袋めんが提供してくれます。
単に空腹を満たすだけでなく、即席めんが提供してくれる優れた価値を味わってみてはいかがでしょうか。また、有名店の味を再現したさまざまな製品も市販されています。
2020年10月22日
【謎】油脂の美味しさ
油脂が美味しいということは、実感していますが、油脂を美味しく感じる仕組みは、まだよくわかっていません。
動物実験によると中脳から大脳皮質につながる神経の束で、快感を生み出していると考えられるようになりました。したがって、油脂もここを刺激すると考えられています。油脂を与えると、幸福感をもたらすβ-エンドルフィンの濃度が脳や血液中で上昇することからも、美味しさが脳の快感とつながっているのは、間違いありません。
料理にほんの少量の油脂を加えるとぐっと味がよくなります。少量の油脂をうまく使いこなすことで、料理の腕が格段に上がったと羨望の眼差しで見られるかもしれません。
油脂が美味しいということは、実感していますが、油脂を美味しく感じる仕組みは、まだよくわかっていません。実際のところ、食品メーカーが製品のリニューアルなどで油脂を減らすと、コクがなくなったといった指摘が来ることがよくあります。ただ、なぜ油脂がおいしいのかは、謎に包まれています。
油脂が本当に美味しいのかは、動物による実験で明らかにされています。マウスのエサに関する実験で、通常のエサとなる飼料に追加で砂糖を加えたときと油脂を加えたときでは、油脂を加えた方が食べる量が増えています。つまり、油脂のおいしさには勝てないということです。
純粋で新鮮な油脂には味もにおいもなく、あるのはトロっとした舌触りだけです。にもかかわらず、料理に入れると美味しくなります。味覚という言葉は、味やにおいを指すので、油脂は味覚を刺激しているのではないということになります。また、スープのように液状のものに油脂を入れても美味しいので、油脂のおいしさはなめらかな食感だけでは説明できません。
まず、舌が油脂を化学的に認識しているか、あるいは油脂が舌に受容されているかを調べた研究があります。犬にエサを与えてベルを鳴らすと、やがてベルの音だけで唾液が出る反射が起こるパブロフの犬の実験があります。これは口や脳から唾液腺へ神経がつながっていて、反射が起こることを示した実験です。この実験を応用して、食道をカットしたラットに油脂を与え、膵臓から小腸に向かって消化酵素が分泌されるかどうかを調べ、消化酵素が分泌されれば、口から脳、脳から膵臓へ神経の伝達があったことになります。砂糖で試してみると、やはり消化酵素が分泌されました。油脂で行うと同様に消化酵素や胆汁、膵液が分泌されました。つまり、舌に油脂を化学的に受容する仕組みがあることになります。次に口で化学的に受容された油脂の情報が脳に伝わるかどうかを調べました。味の情報が脳に伝わる神経経路には、大きく分けて、舌の前側3分の1くらいをカバーする鼓索神経と舌の奥の方をカバーする舌咽神経の2系統があります。鼓索神経を切断し、電極を付けて興奮を見ると、鼓索神経はどんな油脂を与えても応答しませんでした。一方、舌咽神経は油脂を垂らすと信号が出ました。油脂は舌の真中から奥の方で受容され、信号を脳に伝えています。
さらに油脂が脳を興奮させるかどうかの動物実験です。方法は、白箱と黒箱が連結されている装置で、ラットがどちらの箱に何秒いるかを調べます。1日目に白箱に油脂を入れ、翌日には黒箱に水、翌日はまた白箱に油脂と同じことを3回繰り返すと、ラットは、白箱は油脂、黒箱は水と学習します。4日目に何もない白箱と黒箱で観察すると白箱の油脂に固執して、滞在時間が長くなります。この実験では、油脂の種類を問わず、白箱の滞在時間が長くなっています。このことから、脳が興奮している可能性が考えられます。
カナダの研究者たちがラットの頭に電極を入れて、脳の働きを調べていたとき、中脳から大脳皮質につながる神経の束に電極を入れると、ラットが自分の頭を刺激して止めなくなることがわかり、この部分が快感を生み出していると考えられるようになりました。美味しいものもここを刺激すると考えられています。この部分に関係し、快感、おいしさを感じたときに出るホルモンのドーパミンの受容体を薬品でブロックすると油脂に固執しなくなることがわかりました。油脂を与えると、同じく幸福感をもたらすβ-エンドルフィンの濃度が脳や血液中で上昇することからも、美味しさが脳の快感とつながっているのは、間違いありません。
油脂のエネルギーとおいしさの関係については、消化されないノンカロリーオイルとコーン油などの消化されるオイルをマウスに与えると、時間が経つうちに、ノンカロリーオイルに見向きもしなくなります。別の実験で、マウスがノンカロリーオイルを食べた後に、胃の中にエネルギーとして消化されるコーン油を加えました。そうするとマウスは今食べたノンカロリーオイルにエネルギーがあったように錯覚します。それを繰り返すと、ノンカロリーオイルに固執するようになります。外側からエネルギーを補うと、口から食べた物に固執します。胃の中にコーン油の替わりに砂糖を入れても、同様に口の中のノンカロリーオイルに固執します。つまり、口の中は油脂でなくてはならず、その化学的受容が認識された信号が保たれていますが、胃の中はエネルギーさえあればいいということになります。
このような結果から、油脂をはじめとした食べ物の美味しさは、口と胃の両方が決めていて、口から摂る分にはごく少量でも十分な刺激となり、一方胃にはエネルギーが必要とわかりました。人は、口に油脂が入ったことは認識しつつも、そのエネルギーの有無はわからないので、少量で十分おいしく感じる可能性が高いと考えられます。
料理にほんの少量の油脂を加えるとぐっと味がよくなります。少量の油脂をうまく使いこなすことで、料理の腕が格段に上がったと周りからも思われるかもしれません。
油脂が美味しいということは、実感していますが、油脂を美味しく感じる仕組みは、まだよくわかっていません。
動物実験によると中脳から大脳皮質につながる神経の束で、快感を生み出していると考えられるようになりました。したがって、油脂もここを刺激すると考えられています。油脂を与えると、幸福感をもたらすβ-エンドルフィンの濃度が脳や血液中で上昇することからも、美味しさが脳の快感とつながっているのは、間違いありません。
料理にほんの少量の油脂を加えるとぐっと味がよくなります。少量の油脂をうまく使いこなすことで、料理の腕が格段に上がったと羨望の眼差しで見られるかもしれません。
2020年10月21日
【悪用厳禁】脳内麻薬エンドルフィン
エンドルフィンは、脳内で働く神経伝達物質の一種です。ストレスからの解放や鎮痛効果、免疫機能の向上、気分の高揚、幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれます。脳内で働く神経伝達物質エンドルフィンは、モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、副作用を伴わず、気分の高揚や幸福感が得られるという作用があります。
このエンドルフィンを自由自在に産生する方法はありませんが、分泌しやすい生活としては、「適度な運動をする」、「音楽などを聴いて感動する」、「我慢せず、たまには好きなものを食べる」、「湯船にゆっくりつかる」、「家族やペットと積極的にふれ合う」ことです。バランスの取れた食事も、エンドルフィンを産生するために不可欠です。
エンドルフィンの分泌しやすい生活をおくることで、幸福感に包まれながら日々を過ごしてみませんか。
エンドルフィンは、脳内で働く神経伝達物質の一種です。鎮痛効果やストレスからの解放、免疫機能の向上、気分の高揚、幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれます。脳内で働く神経伝達物質エンドルフィンは、モルヒネと同じような作用があります。エンドルフィンには、アルファ、ベータ、ガンマの3つがあり、β-エンドルフィンはその中でも苦痛を取り除くときに最も多く分泌されます。エンドルフィンは、子牛や豚の脳から発見され、体内で分泌されるモルヒネを意味しています。モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、副作用はなく、気分の高揚や幸福感が得られるという作用があります。
マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにエンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚えるランナーズハイと呼ばれる現象がよく知られています。またエンドルフィンは、おいしいものを食べたときなどにも分泌されることが分かっています。
誰しも何らかのストレスを抱えながら生活しています。ストレスが過度な状況に陥ると精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。過度なストレスから逃避し、幸福感に包まれることができる物質のひとつが、麻薬です。
麻薬の代表的なものとして、植物のケシ(ソムニフェルム種)に由来するアヘンがあります。アヘンを精製したものがモルヒネです。植物由来のアヘンが、どのように人に作用して幸福感をもたらすのでしょうか。人の体の中には、アヘンが結合する受容体が存在しています。アヘンが結合する受容体は、神経伝達物質のひとつであり、脳内麻薬として知られるエンドルフィンが結合する受容体です。
人の脳内にはたくさんの神経が存在し、脳と筋肉も複数の神経でつながっています。神経とほかの神経の間には20-40nmの隙間があり、シナプスと呼ばれます。シナプスに分泌され、情報を伝達する物質が神経伝達物質です。神経伝達物質は、分子量の小さいアセチルコリンやノルエピネフリンのようにはやく作用するものと、分子量が大きくゆっくり作用するエンドルフィンや副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモンなどがあります。
体の内ではストレスや運動といったさまざまな状態に対応するために、神経伝達物質による神経の調節機構と、ホルモンによる調節機構があります。神経伝達物質とホルモンは、同一の神経分泌細胞から放出されます。一部のホルモンは、神経細胞が分泌する神経伝達物質です。神経伝達物質は、となりあう神経に信号を伝達し、ホルモンは体液中に分泌されて、遠くはなれたターゲットとなる部位に効果を発揮します。
神経伝達物質のエンドルフィンは、人の脳内に存在し、苦痛を取り除く作用や多幸感をもたらす物質です。エンドルフィンの分泌には、ストレスや快楽、精神的感動などが多いに関与しています。
ストレスの際に分泌される副腎皮質刺激ホルモンやメラニン産生を促進するメラノサイト刺激ホルモン、エンドルフィンは、共通の前駆体から酵素の作用で、産生されます。これらのホルモンは、ストレスなどの刺激が加えられると同時に分泌されます。状況によって、それぞれのホルモンの分泌量は異なります。
例えば、負傷しながらも目前に命の危機が差し迫っている場合、エンドルフィンがたくさん分泌されることで、痛みは感じなくなり、危機から脱する術を講じることができます。また、命の危機は、大きな恐怖になります。この恐怖を緩和するためにアヘンと受容体を同じくするエンドルフィンが、幸福感をもたらし恐怖を消し去ってくれます。
アトピー性皮膚炎や化粧品かぶれなど皮膚にストレスがかかると、副腎皮質刺激ホルモンやメラニン産生を促進するメラノサイト刺激ホルモン、エンドルフィンなどが血液中だけでなく、皮膚でも増加することも知られています。これらは、皮膚を保護すると同時に皮膚の過大な反応を抑える作用があるようです。過大な反応があると当然肌荒れを起こしてしまいます。ストレスとニキビの関係はよく知られており、サブスタンスPという物質がニキビの発生に関係していることが明らかとなりましたが、エンドルフィンはサブスタンスPの産生を抑える作用があることがわかりました。つまり、エンドルフィンにはニキビ防止効果が認められます。
ランナーズハイも、よく知られた現象です。運動した後の爽快感や幸福感にはエンドルフィンが大きく関与しています。その分泌量は、3〜5倍に上昇することがわかりました。音楽を聴いて、感動したときにもその分泌は増加します。適度な運動や音楽は、エンドルフィンの分泌を促します。
エンドルフィンの量に異常をきたすと、自閉症やうつ病になる可能性も指摘されています。抗うつ剤が有効でない人に試験的にエンドルフィンが投与され、有効であったという報告もあります。
また、ストレスは、シミやしわ、たるみ、にきび、毛穴の開き、肌のトラブルを促進します。ストレスから守るために、人はエンドルフィンを分泌しています。さらにストレスを解消し、気分が高揚することで、免疫機能も向上します。つまり、ストレスを低下させる行為が、エンドルフィンの分泌を増加させるのかもしれません。
なお、セイヨウニンジンボクという植物の抽出物は、植物エンドルフィンを含んでいます。開発したメーカーによると、この植物エンドルフィンは、皮膚細胞の受容体に結合して、β-エンドルフィンに似た作用を示し、人での試験結果では、肌の弾力増加やしわの深さの減少が見られたようです。
どのようにしたら、エンドルフィンを産生することができるのでしょうか。もちろん、負傷して痛みに耐えることや命の危機に直面して恐怖におののく状況に身を置く必要はありません。
気分が高揚し、幸福感に包まれ、ストレス解消にも効果あり、免疫機能を向上させてくれるエンドルフィンを自由自在に産生する方法はありませんが、以下のような分泌しやすい生活をすることはできます。
・適度な運動をする
・音楽などを聴いて感動する
・我慢せず、たまには好きなものを食べる
・湯船にゆっくりつかる
・家族やペットと積極的にふれ合う
なお、バランスの取れた食事も、エンドルフィンを産生するために不可欠です。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。
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エンドルフィンは、脳内で働く神経伝達物質の一種です。ストレスからの解放や鎮痛効果、免疫機能の向上、気分の高揚、幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれます。脳内で働く神経伝達物質エンドルフィンは、モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、副作用を伴わず、気分の高揚や幸福感が得られるという作用があります。
このエンドルフィンを自由自在に産生する方法はありませんが、分泌しやすい生活としては、「適度な運動をする」、「音楽などを聴いて感動する」、「我慢せず、たまには好きなものを食べる」、「湯船にゆっくりつかる」、「家族やペットと積極的にふれ合う」ことです。バランスの取れた食事も、エンドルフィンを産生するために不可欠です。
エンドルフィンの分泌しやすい生活をおくることで、幸福感に包まれながら日々を過ごしてみませんか。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。
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