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2020年11月09日

【全集中】炭焼き職人も関係するパスタとその歩み

乾燥パスタの誕生


 乾燥パスタが誕生したのは、今からおよそ3,000年前の紀元前1,000年以降のことです。古代オリエントや地中海へと向かう商人は、途中にある広大な砂漠を横断しなければなりませんでした。砂漠を横断する長い旅を続けるために、保存できる食料としてつくられたのが乾燥パスタです。





 板状の手打ちパスタを管状に丸め、これに太陽の光と乾燥した風を当てることで、パスタを乾燥させました。この乾燥パスタが、現在のパスタの本場イタリアに入ってきたのは12世紀頃のことです。





 小麦を大量に生産していたアラブ人が、乾燥パスタを現在の南イタリアのシチリアに持ち込んで、すぐさま南イタリア全体に広まったとされています。このパスタをとても気に入ったイタリア人は、乾燥パスタのみならず、生のパスタも自分の家でつくるようになりました。ところが、平らなパスタのラザニアだけは自宅でつくらずにラザニオと呼ばれた専門のラザニア職人から買っていたという記録が残っています。当時の家庭には、ラザニアを調理するために必要なオーブンがなかったからです。



パスタに関する法律


 パスタの本場イタリアでは、パスタの品質保持に大変な力を注いでいます。なにより、パスタの製造に関して非常に厳しい法律があり、さまざまな条件が決められています。そのひとつが、100%純正のデュラム小麦粉を使うことです。





 現在、世界で生産されている小麦の中で、このデュラム小麦が占める割合はわずか5%に過ぎません。であるにも関わらず、その小麦しか認めないということは、デュラム小麦がパスタのためだけに生産されているということです。デュラム小麦の主要栽培地域は、南イタリアをはじめ、アルゼンチンやアメリカ、カナダ、ルーマニア、ロシア、地中海沿岸の北アフリカの国々で、特に半乾燥気候の地域が適しています。





 また、イタリアでは自然食品としてのパスタにもこだわっています。着色料も法律で限定されており、トマトやホウレン草などの自然な色であることが厳しく定められています。





 卵入りパスタは、セモリナ粉100gに対して、卵5個以上が含まれなければならないという厳しい条件もあります。なお、セモリナ粉は上質なデュラム小麦です。



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※お試しとその行動から得られる納得感





 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。





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産業革命のパスタへの影響


 イギリスを起点に18世紀に起こったヨーロッパの産業革命は、イタリアのパスタにも大きな革命をもたらしました。産業革命といえば、蒸気機関の発明です。この蒸気機関が、パスタにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。





 それまでのパスタづくりは、もっぱら人力に頼った圧力機で製造され、大変な重労働でした。これが蒸気機関の導入により、人力に頼ることなく製造することができるようになり、厳しい労働環境を解消するとともに、パスタづくりの近代化を導くことになりました。さらに1917年には、スクリューを用いた連続式圧力機が発明され、パスタの量産化が可能になりました。産業革命は、パスタの乾燥技術にも、飛躍的な向上をもたらしました。それまでは気象条件に左右される天日乾燥のみでしたが、人工乾燥技術が開発され、天候に関係なく乾燥することができるようになり、生産能力が一気に伸びました。





 このかたわら、イタリア人の食習慣にも大きな変革が起こりました。産業革命以前、庶民はパスタを手づかみで食べていました。これは、フォークが高価な金属食器だったため、庶民では購入できなかったからです。ところが、産業革命はフォークなどの金属食器も大量生産により、庶民でも手が届くようになったことで、手軽で美味しいパスタをフォークで食べるようになりました。



炭焼き職人が発明したパスタ


 コクがあって、女性の好きなパスタのひとつがカルボナーラです。この料理の語源は、カーボン、つまり炭です。





 カルボナーラの誕生に関しては、さまざまな説がありますが、その中でも有力なのが、炭焼き職人が発明したという説です。炭焼き職人は、その仕事柄、長い期間山小屋に籠ります。そうした職人にとって乾燥パスタは、最適な保存食です。乾燥パスタに加えて、職人が山小屋へ持参したものは、やはり日持ちの良い塩漬けの肉と卵です。これらの原材料を合わせてつくったのが、カルボナーラの始まりのようです。





 また、炭焼き職人が、仕事の合間にカルボナーラをつくって食べると体についていた炭の粉が皿に落ちます。それが由来となって、カルボナーラには炭の粉に見立てた粗挽きのブラックペッパーを仕上げに振りかけることになったそうです。



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パスタとスパゲッティ


 イタリアでは、小麦粉を練った生地のことをパスタと呼び、パンやピザの生地なども含まれます。





 パスタの中の一種が、スパゲッティと呼ばれています。スパゲッティはイタリア語で「ひも」という意味の言葉がもとになっています、つまり、「ひも」のような形のパスタがスパゲッティです。





 パスタの名称は、形状によってそれぞれ違っており、長さと直径によって決められています。



まとめ


 乾燥パスタが誕生したのは、今からおよそ3,000年前の紀元前1,000年以降のことです。古代オリエントや地中海へと向かう商人は、途中にある広大な砂漠を横断しなければなりませんでした。砂漠を横断する長い旅を続けるために、保存できる食料としてつくられたのが乾燥パスタです。





 パスタの本場イタリアでは、パスタの品質保持に大変な力を注いでいます。なにより、パスタの製造に関して非常に厳しい法律があり、そのひとつが100%純正のデュラム小麦粉を使うことです。





 産業革命により、パスタの製造に使用するスクリューを用いた連続式圧力機や乾燥技術が発明され、パスタ生産の飛躍的な向上をもたらしました。また、フォークなどの金属食器もこの頃普及しました。





 カルボナーラの誕生に関しては、さまざまな説がありますが、その中でも有力なのが、炭焼き職人が発明したという説です。





 イタリアでは、小麦粉を練った生地のことをパスタと呼びます。パスタの中の一種で、「ひも」状のものがスパゲッティと呼ばれています。





※お試しとその行動から得られる納得感





 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。





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posted by Kaoru at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品

2020年11月08日

【無形資産】食品のブランディングとブランド戦略

ブランディングとブランド戦略


 企業の製品やサービス、企業自体のコンセプトを明確にして、誰がどんな場面で使う製品なのか、どんな企業なのかを消費者にわかりやすく示すことをブランディングといいます。





 ブランディングには、戦略が欠かせません。ブランド戦略とは、ブランディングを行うための戦略のことです。





 ブランド戦略を行うことで得られる利点は、「競合他社との差別化ができる」、「消費者からの信頼感を得ることで、長期的な売り上げが見込める」、「多額な広告宣伝をかけなくても集客できる」、「認知度が上がり、新規顧客の獲得がしやすくなる」、「ブランド自体に価値があるので、自由な価格設定ができる」などです。





 競合他社との差別化としては、「ビールといえば○○○」といったような絶対的なブランド力を獲得できれば、その製品が欲しい消費者を囲い込むことができ、競合他社に付け入る隙を与えません。消費者からの信頼感を得ることにより、消費者はずっとその製品を買い続けてくれることが期待でき、長期的な売り上げにつながります。ブランド力のある製品は、スーパーなどに置いてあるだけで売れ続けていくため、多額な広告宣伝をかけなくても集客ができます。だれもが認知している製品や企業ということで、新規顧客からの信頼も得やすく、営業活動もしやすくなります。しかも、ブランド自体に価値があるため、多少の値上げによる消費者離れは起きにくく、自由な価格設定が可能になります。



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ブランド戦略の立案


 ブランド戦略の立案方法としては、まずターゲット及びポジショニングを決めること、ブランドアイデンティティを明確にすること、ブランドを伝えることです。





 ターゲット及びポジショニングを決めることとは、自社の強みを分析、把握し、ターゲットとする消費者層を明確にすることです。ブランディングにおいては、ターゲットとする層の見極めが成否を分けるといっても過言ではありません。自社の強みを的確に捉えるのはなかなか難しいですが、消費者への価値提供を行う自社の能力のうち、他社には真似することのできない中核的な能力を分析するコア・コンピタンス分析や自社(Company)、競合他社(Competitor)、消費者(Consumer/Customer)のそれぞれをリサーチし、戦略を考える3C分析、SWOT分析(スウォット分析)などを通して抽出します。SWOT分析とは、「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の頭文字から命名されたフレームワークです。SWOT分析を使うことにより、自社の環境要因を考える視点を得ることができます。SWOT分析の手法としては、強み、弱み、機会、脅威の4つを組み合わせて分析することで、自社にとっての強みやその市場機会、事業課題を発見することができます。また、ソーシャルメディア(SNS)の内容を分析することで、今まで気づかなかった強みが見えてくる可能性もあります。





 ブランドアイデンティティを明確にする前に、まずブランドアイデンティティとは、ブランドに対して消費者にどんなイメージを抱いて欲しいか、あるいはブランドは消費者にどのような価値を提供したいかといったコンセプトを指します。このコンセプトがブレてしまっては、元も子もありません。ブランドというものは、そのブランドたるアイデンティティがあってこそ存在します。ブランドアイデンティティを明確にすることとは、もちろん自社の強みを生かした内容にする必要があります。市場において、他社にはできない自社ならではの分野を発掘して、唯一無二のブランドアイデンティティを確立します。





 ブランドアイデンティティが決まったら、文書やデザインなどに落とし込み、自社ブランドを広く伝えます。考案したブランドも、大勢の消費者に知ってもらわなければブランディング自体が成功しません。また、消費者を大切にし、意見を取り入れることも大切です。なお、ロゴマークやキャッチコピーは、抽象的なブランドメディアであり、それを元に作られたパンフレットや看板、広告などは可視的なブランドメディアとなります。





 ブランド戦略を成功させるには、自社の強みを活かしたブランドにすることが必須となります。ターゲットとする消費者を明確にし、一度決めたコンセプトはゆるぎないものでなければなりません。獲得した消費者を大切にし、ブランドのコアなファンになってもらえれば長期間の継続した購買が期待できます。ファンを失望させないようするためにも、自社ブランドを伝えるプロモーション活動には、細心の注意を払う必要があります。



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食品に関するブランディングの事例

杉山フルーツ


 静岡県富士市の商店街に果物を販売する杉山フルーツがあります。商店街の中にある個 人商店は、ビジネス上、非常に厳しい環境です。大手スーパーの進出とともに、商店街の店舗数も減り、果物の購入のためだけにわざわざ行くことはありません。このような環境下で、杉山フルーツは他に類を見ないほど好調な業績です。





 店舗へ1日あたり100~150人が来店し、客単価は3,000〜5,000円で、同業者の平均の倍の数字となっています。10,000円以上のメロンが、年間で7,000~8,000個売れています。





 これだけの数字を出しているのは、杉山フルーツが消費者の頭の中にブランドを築き上げているからです。杉山フルーツのブランドコンセプトは、消費者に徹底して最高の果物を届けるということです。日本最大の果物市場に出かけ、最大の強みである目利きで果物を選び、選び抜いた果物は店舗ですべて検品する徹底ぶりです。さらに消費者がこれで満足するかを検証します。これだけ徹底してこだわっているので、そのこだわりはどんどん広まり、杉山フルーツで果物を買えば間違いないというブランドコンセプトが、消費者の頭の中に醸成されるのです。





 消費者からの感謝や感動の電話が鳴り止まないことも想像に難くありません。



伊那食品工業


 伊那食品工業は、かんてんパパと呼ばれる食品ブランドで有名な食品メーカーです。寒天の国内市場のシェアは約80%。世界的に見ても15%のシェアを誇るブランドとして知られています。





 伊那食品工業は創業以来、寒天を研究し続けてきました。社員の1割は、寒天の研究開発に従事しています。寒天を食品としてだけでなく、寒天を用いた医薬品や化粧品の開発にも注力し、寒天カテゴリーのブランドを確立、自社の強みを生かした製品の開発に力を入れ、業界内で自社のポジショニングに成功しました。





 社員の末永い幸せを築くことを貫いてきた伊那食品工業の戦わない経営が、このブランドを築き上げています。伊那食品工業の創業者は、「会社を取り巻くすべての人から、いい会社だねと言ってもらえる会社」、「社員自身が会社に所属することに幸せをかみしめられる会社」を社是に掲げています。





 この社是を実現するための経営方針があります。ひとつは、「無理な成長は追わない」ということです。これは、景気やトレンドに踊らされないことです。好景気や業界が追い風のときは、設備投資や人員の増強などを進めますが、環境が変わり不景気になると、人件費の削減やリストラ、工場の稼働率を維持するための値引き販売などブランドの価値を落とす結果になることが散見されます。もちろん、世の中の動きを捉えることは大切ですが、景気は日々変化するという前提に立ち、自社の目指す姿に対して、何を成すべきかを冷静に判断しています。成長することが重要なことは承知の上、やみくもな成長に固執せず、社員の能力や会社の体制を整えながら、一歩一歩着実に成長することを念頭に置いています。





 経営方針の残りふたつは、「敵をつくらない」、「成長の種まきを怠らない」ということです。競合他社とシェアの奪い合いを繰り広げる企業が多い中、「会社を取り巻くすべての人から、いい会社だねと言ってもらえる会社」を目指す伊那食品工業は、自社の影響で泣くことになる企業が存在することを前提とした成長は、目指さないとしています。そのためにも、他社と競合しないように、この世にない製品や他社で真似のできない製品で、かつ世の中の需要を満たすオンリーワンな製品を開発し続ける必要があります。そこで心血を注いでいるのが、「成長の種まきを怠らない」こと、すなわち研究開発と社員への投資のことです。研究開発については、人材の1割を研究開発に配属し、寒天の原材料となる海藻の研究や生産の技術開発に取り組んでいます。さらに寒天の新しい用途開発のため、社員にさまざまな経験をしてもらうよう心がけています。その取り組みは、他社の工場見学、異業種交流会、原材料の産地の視察などです。





 このように、「会社を取り巻くすべての人から、『いい会社だね』と言ってもらえる会社」、「社員自身が会社に所属することに幸せをかみしめられる会社」という社是に対して、ブレない経営をしていることが、伊那食品工業というブランドが構築されている大きな理由です。



まとめ


 企業の製品やサービス、企業自体のコンセプトを明確にして、誰がどんな場面で使う製品なのか、どんな企業なのかを消費者にわかりやすく示すことをブランディングといいます。ブランディングには、戦略が欠かせません。ブランド戦略とは、ブランディングを行うための戦略のことです。





 ブランド戦略を行うことで得られる利点は、「競合他社との差別化ができる」、「消費者からの信頼感を得ることで、長期的な売り上げが見込める」、「多額な広告宣伝をかけなくても集客できる」、「認知度が上がり、新規顧客の獲得がしやすくなる」、「ブランド自体に価値があるので、自由な価格設定ができる」などです。





 ブランド戦略の立案方法としては、まずターゲット及びポジショニングを決めること、ブランドアイデンティティを明確にすること、ブランドを伝えることです。ターゲット及びポジショニングを決めることとは、自社の強みを分析、把握し、ターゲットとする消費者層を明確にすることです。ブランドアイデンティティとは、ブランドに対して消費者にどんなイメージを抱いて欲しいか、あるいはブランドは消費者にどのような価値を提供したいかといったコンセプトを指します。





 杉山フルーツのブランドコンセプトは、消費者に徹底して最高の果物を届けるということです。最大の強みである目利きで果物を選び、選び抜いた果物は店舗ですべて検品する徹底ぶりです。これだけ徹底してこだわっているので、そのこだわりはどんどん広まり、杉山フルーツで果物を買えば間違いないというブランドコンセプトが、消費者の頭の中に醸成されるのです。





 伊那食品工業の創業者は、「会社を取り巻くすべての人から、いい会社だねと言ってもらえる会社」、「社員自身が会社に所属することに幸せをかみしめられる会社」を社是に掲げています。他社と争わず、無理な成長を求めず、オンリーワンの製品開発で高いシェアを得、社員の末永い幸せを念頭に置いた伊那食品工業の戦わない経営が、同社のブランドを築き上げています。



2020年11月07日

【お墨付き】体に良い食生活と食事バランスガイド


 「体に良い食生活といっても、具体的にどうすればいいのかわからない。」といったことはありませんか。





 健康に良い食生活とは、栄養素のバランスがとれた食事を、腹8分目で1日3食きちんと取り入れることです。規則正しい食生活を続けることで、適正体重の維持や健康の維持、生活リズムが安定、整腸作用、自律神経の乱れの防止、精神安定などの効果が認められます。





 何をどれだけ食べればよいかについて、具体的な目安量がわかるガイドとして厚生労働省と農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」があります。食事バランスガイドとは、1日に、何をどれだけ食べたらよいかを考える際の参考になるように、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したツールです。1日の食事の適量を一目で分かるようにし、食事を主食、主菜、副菜、牛乳及び乳製品、果物の5つに区分しています。具体的な料理メニューも提示されています。





 1日に想定されるエネルギー量が2,200±200kcalの場合、主食はご飯中盛として4杯程度、主菜は肉や魚、卵、大豆製品として3皿程度、副菜は野菜やきのこ、海藻として5皿程度、牛乳及び乳製品は200ml程度、果物はミカン1個やリンゴ半分程度です。



健康に良い食生活


 健康に良い食生活とは、栄養素のバランスがとれた食事を、腹8分目で1日3食きちんと取り入れることです。1日3食食べることは、活動に必要なエネルギーや栄養素を補うだけでなく、生活リズムも整います。





 健康を維持するためには、食事からの摂取エネルギーと1日の活動で使われる消費エネルギーのバランスがポイントです。摂取エネルギーが多く、消費エネルギーが少なければ、余ったエネルギーは、体脂肪として体に蓄積され、肥満につながります。逆に摂取エネルギーが少なく、消費エネルギーが多ければ、体重は減少していきます。もちろん、健康的な体重の減少であれば問題ありませんが、食欲の低下や偏った食事により摂取エネルギーが減ってしまった場合には、栄養素が不十分となるので、健康を維持することが難しくなります。そのため、栄養不足の状態に陥り、寝たきりや要介護のリスクが高まることになります。





 食事は1日3食で、毎日決まった時間帯に食事を摂ります。毎食のエネルギー量は、朝30%、昼40%、夜30%にするのが理想的です。夕食の量が多いことや寝る2時間前の食事は肥満を招きます。食事と食事の間隔が空きすぎると、体が飢餓状態に陥り、1度にたくさん食べてしまいます。朝食を抜いてしまうと、体は代謝を抑えてエネルギーを使わないようにします。1日3食食事をしたとしても、「パンだけ」あるいは「野菜抜き」のような偏食であれば、ビタミンやミネラル、たんぱく質などの不足をきたしてしまいます。3食の食事は、1汁3菜(主食、主菜、副菜2品、汁物)のスタイルにすると、栄養のバランスが良くなります。



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※お試しプランと満足できなければ継続しないという選択





 高級レストランでコース料理をオーダーすると数万円からとなります。その分満足のいくひとときを過ごすことができますが、記念日などに限られてしまいます。家で料理をつくると材料費だけで済みます。料理の腕もあがり、好みの味つけにできますが、食材の購入や片付けなどの手間、栄養バランスの偏りもあります。その点宅配食は、リーズナブルな値段で栄養バランスに優れ、味も良く、一度試してみることもありです。満足できるものであれば、そのまま続けてみてはいかがでしょうか。今ひとつであれば、切り替えることもできます。





 健康を意識した食生活をしたい人ほど、あるいは家族に健康上の不安を抱えた人がいるほど、宅配食を利用しています。





 宅配食を提供先は、十分な実績があり、安心して注文することができます。すでにこちらに宅配食を注文している方も、少なくありません。





 メニューも豊富で、選ぶ楽しみもあります。一方、リーズナブルとは言え、家で料理をつくるときよりも、調理や物流の費用が価格に転嫁されているのは確かです。





 いつも健康的に過ごしているあの方は、もしかしたら既に利用しているかもしれません。





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規則正しい食生活の効果


 規則正しい食生活を続けることで、適正体重の維持や健康の維持、生活リズムが安定、整腸作用、自律神経の乱れの防止、精神安定などの効果が認められます。





 脳は、約24時間周期のサーカディアンリズム(概日リズム)にそって活動しています。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する体内時計を調整する方法は、日光を浴びることと朝食を食べることです。つまり、日光を浴びること、そして朝食を食べることで、正常な1日を始まります。



何をどれだけ食べればよいかを示す食事バランスガイド


 栄養素の働きとしては3つあります。エネルギー源としては糖質やたんぱく質、脂質、体の構成成分としてはたんぱく質や脂質、ミネラル、そして体の調子を整えるビタミンやミネラルです。





 何をどれだけ食べればよいかについて、具体的な目安量がわかるガイドとして厚生労働省と農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」があります。食事バランスガイドとは、1日に、何をどれだけ食べたらよいかを考える際の参考になるように、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したツールです。1日の食事の適量を一目で分かるようにし、食事を主食、主菜、副菜、牛乳及び乳製品、果物の5つに区分しています。具体的な料理メニューも提示されています。



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出所:農林水産省



 1日に想定されるエネルギー量が2200±200kcalの場合、主食はご飯中盛として4杯程度、主菜は肉や魚、卵、大豆製品として3皿程度、副菜は野菜やきのこ、海藻として5皿程度、牛乳及び乳製品は200ml程度、果物はミカン1個やリンゴ半分程度です。





 主食はご飯やパン、めん類です。1日の主食はご飯中盛4杯としても、1食が主食中心の食事ではバランスが悪いだけでなく、血糖値が上昇し、体脂肪として蓄えられ肥満につながるので、毎食同じ量を取り入れるようにします。





 主菜は肉や魚、卵、大豆製品を1日の食事でバランス良く取り入れます。特に魚と大豆製品は、毎日取り入れます。納豆や豆腐などの大豆製品と卵料理は朝食に取り入れ、昼食と夕食には肉料理と魚料理を組み合わせると、毎食のエネルギー量の理想となる朝30%、昼40%、夜30%の割合になります。





 副菜はサラダや煮物、和え物などを1食毎に2つを目安に取り入れます。





 牛乳及び乳製品、果物は、3食以外の間食に取り入れても構いません。



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食生活指針とは


 食生活指針は、平成12年に文部省や厚生省、農林水産省が連携して策定し、平成28年に改定されました。





・食事を楽しみましょう





  毎日の食事で、健康寿命をのばしましょう。





  おいしい食事を、味わいながらゆっくりよく噛んで食べましょう。





  家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう。





・1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを





  朝食で、いきいきした1日を始めましょう。





  夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。





  飲酒はほどほどにしましょう。





・適度な運動とバランスのよい食事で、適正体重の維持を





  普段から体重を量り、食事量に気をつけましょう。





  普段から意識して身体を動かすようにしましょう。





  無理な減量はやめましょう。





  特に若年女性のやせ、高齢者の低栄養にも気をつけましょう。





 ・主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを





  多様な食品を組み合わせましょう。





  調理方法が偏らないようにしましょう。





  手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう。





 ・ごはんなどの穀類をしっかりと





  穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。





  日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。





 ・野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて





  たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。





  牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。





 ・食塩は控えめに、脂肪は質と量を考えて





  食塩の多い食品や料理を控えめにしましょう。食塩摂取量の目標値は、男性で1日8g未満、女性で7g未満とされています。





  動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。





  栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。





・日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を





  「和食」をはじめとした日本の食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。





  地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。





  食材に関する知識や調理技術を身につけましょう。





  地域や家庭で受け継がれてきた料理や作法を伝えていきましょう。





・食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を





  まだ食べられるのに廃棄されている食品ロスを減らしましょう。





  調理や保存を上手にして、食べ残しのない適量を心がけましょう。





  賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。





・「食」に関する理解を深め、食生活を見直してみましょう





  子供のころから、食生活を大切にしましょう。





  家庭や学校、地域で、食品の安全性を含めた「食」に関する知識や理解を深め、望ましい習慣を身につけましょう。





  家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。





  自分たちの健康目標をつくり、よりよい食生活を目指しましょう。



まとめ


 「体に良い食生活といっても、具体的にどうすればいいのかわからない。」といったことはありませんか。





 健康に良い食生活とは、栄養素のバランスがとれた食事を、腹8分目で1日3食きちんと取り入れることです。規則正しい食生活を続けることで、適正体重の維持や健康の維持、生活リズムが安定、整腸作用、自律神経の乱れの防止、精神安定などの効果が認められます。





 何をどれだけ食べればよいかについて、具体的な目安量がわかるガイドとして厚生労働省と農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」があります。食事バランスガイドとは、1日に、何をどれだけ食べたらよいかを考える際の参考になるように、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したツールです。1日の食事の適量を一目で分かるようにし、食事を主食、主菜、副菜、牛乳及び乳製品、果物の5つに区分しています。具体的な料理メニューも提示されています。





 1日に想定されるエネルギー量が2,200±200kcalの場合、主食はご飯中盛として4杯程度、主菜は肉や魚、卵、大豆製品として3皿程度、副菜は野菜やきのこ、海藻として5皿程度、牛乳及び乳製品は200ml程度、果物はミカン1個やリンゴ半分程度です。





 この機会に実践してみてはいかがでしょうか。





※お試しプランと満足できなければ継続しないという選択





 高級レストランでコース料理をオーダーすると数万円からとなります。その分満足のいくひとときを過ごすことができますが、記念日などに限られてしまいます。家で料理をつくると材料費だけで済みます。料理の腕もあがり、好みの味つけにできますが、食材の購入や片付けなどの手間、栄養バランスの偏りもあります。その点宅配食は、リーズナブルな値段で栄養バランスに優れ、味も良く、一度試してみることもありです。満足できるものであれば、そのまま続けてみてはいかがでしょうか。今ひとつであれば、切り替えることもできます。





 健康を意識した食生活をしたい人ほど、あるいは家族に健康上の不安を抱えた人がいるほど、宅配食を利用しています。





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2020年11月06日

【微生物の殺菌やウイルスの不活性化に効果あり】オゾン


 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。





 オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。





 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。



強力な酸化力をもつオゾン


 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。その酸化力は、塩素の6倍ともいわれ、オゾンの強力な酸化力を生かして、酸化剤や殺虫剤、漂白剤としても用いられます。抗菌剤や防カビ剤、抗ウイルス剤は、特定の範囲の細菌やカビ、ウイルスにしか効果を持たないため、用途に応じて多数の薬剤を使い分ける必要がありますが、オゾンは強い酸化力で相手を選ばずに攻撃し、ほとんどすべての細菌やカビ、ウイルスに対し効果を発揮します。





 オゾンは、同様に悪臭となる成分を強力な酸化力で分解することで、消臭効果を発揮します。そのため、タバコやペット臭、カビ、トイレ、車、キッチン、腐敗臭など生活上の気になるにおいを解消します。





 人がオゾンを吸い込むことにより、鼻や喉、気管、肺などへオゾンが接触し、その表面が酸化され、臭気や刺激、咳、頭痛、眠気、胸部圧迫感などの症状が現れ、5〜10ppmの濃度での吸引が続くと肺水腫を招き、さらには生命の危険に及ぶこともあります。オゾンによる被害を防止するために、日本の産業衛生学会許容濃度委員会は、作業環境におけるオゾンの許容濃度を0.1ppmとしています。オゾンは独特の生臭いにおいがあり、実際にこのにおいを感じるのは0.02ppm程度からです。人が高濃度のオゾンにさらされると悪影響がありますが、適切な使用であれば、塩素系薬剤よりも安全性の高い物質といえます。なお、今現在、オゾンが発ガン性を示すことは、報告されていません。





 オゾンを発生させるために必要となるのは、オゾン発生器と水です。薬剤は対象となる微生物に応じて、準備が必要となります。そのため薬剤に比べ、全体のランニングコストはオゾン殺菌の方が、安く済みます。



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※気になるときはまず行動





 気になるときは、まず行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。満足できなければ、納得して次回は別のものを試すことができます。





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薬剤耐性菌を生じないオゾンの作用メカニズム


 細菌などの微生物は、人と比べて増殖速度が桁違いに速いことから、その分だけ突然変異の起こる頻度も多くなります。それまで特定の薬剤で死滅していた微生物が、その薬剤への耐性を獲得することで生存が可能となり、突然変異で生じた薬剤耐性微生物は、またたく間に広まり、感染症の蔓延を引き起こします。それを予防するには、作用の異なる複数の薬剤を使用するといった対応が必要となります。





 薬剤は、特定の部位に狙いを定め、ピンポイントで微生物を死滅させます。その特定部位が突然変異で変化することで、薬剤が効果を示さず、薬剤耐性が生じる可能性があります。一方、オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。



食品産業での使用用途


 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。カット野菜の洗浄だけでなく、オゾンを農業用土壌に散布する試みも実施されています。残留もなく、病害虫への効果が認められれば、農薬を散布するよりも安全な農業が可能になります。残留農薬の心配がなくなることで、消費者へのメリットにもなります。さらにオゾンは、農薬を分解する効果もあります。このようにオゾンは、食品工場や農業での活用が今後ますます広がっていくと期待されています。なお、オゾンは食品添加物です。





 オゾンには残留性がないとは言え、殺菌などの目的で使用する濃度のオゾンは、意図しないところに発生させることを防止する必要があります。オゾンを気体として用いるよりも、水に溶解した状態のオゾン水として用いる方が扱いやすいという利点があります。



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まとめ


 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。





 オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。





 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。





※気になるときはまず行動





 気になるときは、まず行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。満足できなければ、納得して次回は別のものを試すことができます。





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2020年11月05日

【環境負荷低減】有機食品/オーガニック食品

有機食品/オーガニック食品とは


 有機食品(オーガニック食品)とは、環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産された食品です。





 農薬や化学肥料に頼らず、環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産される有機農産物と有機畜産物、それらを原材料にした有機加工食品のことをまとめて有機食品といいます。





 農産物であれば、堆肥で土づくりをするところから始まり、畜産物は、環境への負荷を減らして生産された飼料で育てます。加工食品は、化学的に合成した食品添加物を避けるなど、その生産や加工には大変な労力がかかりますが、消費者の食の意識の高まりにより、ニーズは年々増しています。





 このような有機食品を育む有機農業は、自然資源の循環によって支えられています。このような循環型の農業は、人にも環境にもやさしいといえます。



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有機/オーガニックの表示ルール


 消費者がスーパーなどで買い物をするとき、混乱を避けるため、有機(オーガニック)の表示ルールが定められました。





 かつては有機食品(オーガニック食品)についての統一された基準が決められていなかったため、さまざまな方法で生産されたものが、有機食品(オーガニック食品)として流通していました。このため、消費者が製品を選ぶときに何を基準に選べばよいかわからず、困っていました。





 そこで、平成11年に改正されたJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)に基づき、有機農産物とそれを原材料とした加工食品のJAS規格が定められました。農林水産大臣が登録した登録認定機関から認定された、有機農産物の生産農家や有機加工食品の製造業者が、このルールを守って生産した有機食品にのみ、有機JASマークを付けることができます。また、有機JASマークがなければ、これらの食品に有機(オーガニック)と表示し、販売することができません。





※お試しとその行動から得られる納得感





 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。





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JASマークの意味と制度


 JASマークは、食品などの品質やつくり方を保証するマークです。色や香りなど品質に関することや熟成などつくり方に関すること、生産情報の公表に関することなど、品目ごとに農林水産大臣が定める日本農林規格(JAS規格)があります。その基準を満たしている製品のみ、JASマークを付けることができます。食品以外にも、木質建材、生糸、有機飼料などにも付けることができます。





 有機JASマーク以外にも、一般JASマークや特定JASマーク、生産情報公表JASマーク、定温管理流通JASマークがあります。一般JASマーク(品質に関するJASマーク)は、主に成分や香り、色などの品質基準を満たした食品などに付けられます。規格制定品目としては、炭酸飲料やドレッシング、しょう油など計51品目です。生産情報公表JASマーク(生産方法に関するJASマーク)は、餌や動物用医薬品の投与などの情報が公表されている牛肉や豚肉、生産者が使用した農薬や肥料などの情報が公表されている農産物などに付けられます。規格制定品目としは、生産情報公表牛肉や生産情報公表豚肉、生産情報公表農産物、生産情報公表養殖魚などです。特定JASマーク(生産方法に関するJASマーク)は、特別な方法で製造された食品や同種の標準的な製品に比べ品質などに特色がある食品に付けられます。規格制定品目としては、熟成ハム類や熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、地鶏肉、手延べ干しめんなどです。定温管理流通JASマーク(流通方法に関するJASマーク)は、食味などの品質低下や微生物の繁殖を抑えるため、流通行程の温度を一定に保って流通させるという、流通方法に特色がある食品に付けられます。規格制定品目としては、米飯を用いた弁当類などの定温管理流通加工食品です。





 JASマークの制度の仕組みとしては、国が登録した登録認定機関が厳しくチェックします。農産物や加工食品などにJASマークを表示するには、これらの食品の生産者や加工業者は、農林水産大臣が登録した登録認定機関から認定を受けなければなりません。まず認定を受けるために、生産者や加工業者は、登録認定機関に認定の申請をします。申請を受けた登録認定機関の検査員は、生産者の圃場や工場などに行き、国が定めたルールをきちんと守っているかどうか、詳細な検査を行った後、その検査結果をもって登録認定機関が認定します。





 登録認定機関は認定後も、認定事業者が基準に適合しているか、表示が適正に行われているか、定期的に調査しています。



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有機JASマークが付けられる製品


 有機JASマークが付けられる製品としては、有機農産物や有機畜産物、有機加工食品、有機飼料の4つがあり、それぞれにJAS規格があります。有機農産物のJAS規格は、堆肥などで土づくりを行い、多年生の植物から収穫される農産物にあってはその最初の収穫前3年以上、それ以外の農産物にあっては種まきや植え付けの前2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用しないこと、水耕栽培やロックウール栽培ではなく土壌を用いた農業生産を行うこと、環境への負荷をできる限り低減した方法で生産すること、遺伝子組換え技術を使用しないことなどです。有機畜産物のJAS規格は、環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を与えること、動物用医薬品の使用を避けること、動物の生理的、行動学的要求に配慮して育てた家畜、家きんから生産することなどです。





 有機加工食品のJAS規格は、物理的または生物の機能を利用した加工方法を用いること、化学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避けること、原材料は水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物や有機畜産物、有機加工食品であることなどです。



まとめ


 有機食品(オーガニック食品)とは、環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産された食品です。





 農薬や化学肥料に頼らず、環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産される有機農産物と有機畜産物、それらを原材料にした有機加工食品のことをまとめて有機食品といいます。





 消費者がスーパーなどで買い物をするとき、混乱を避けるため、有機(オーガニック)の表示ルールが定められました。 農林水産大臣が登録した登録認定機関から認定された、有機農産物の生産農家や有機加工食品の製造業者が、このルールを守って生産した有機食品にのみ、有機JASマークを付けることができます。また、有機JASマークがなければ、これらの食品に有機(オーガニック)と表示し、販売することができません。





※お試しとその行動から得られる納得感





 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。





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posted by Kaoru at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品

2020年11月04日

【電磁波】遠赤外線の食品への応用

遠赤外線とは


 太陽から地球には多くの光が届いています。虹の七色からも分かるように、可視域の光には波長の長い赤から、短い紫までが含まれています。このほかにも目には見えませんが、赤より波長の長い赤外線、紫より短い波長の紫外線も同時に届いています。





 表面の温度が約6,000℃にもなる太陽は、地球に赤外線や可視光線、紫外線の形でエネルギーを運んでいます。





 紫外線は、日焼けなどをもたらしますが、赤外線は物質をあたためる作用があります。遠赤外線は赤外線の中でもさらに波長の長い領域を指し、波長3〜1,000μmまでとなります。加熱などで広く使用されているのは、3〜30μmの波長域です。遠赤外線は、金属以外のものによく吸収されるため、多くのものを効率的に加熱する働きがあります。





 太陽光に含まれる赤外線は、3μmより波長の短い近赤外線が主体で、遠赤外線はそれ程多くはありません。そこで遠赤外線を加熱などに使用する場合は、遠赤外ヒータを用いて人工的に遠赤外線を多く放出させます。近赤外線を使用するには近赤外ランプを、紫外線を使用するには紫外線ランプを、可視光線を使用するには、電灯や蛍光灯、LEDを用います。





 空間を隔てていても、エネルギーや信号が伝わることをさまざまな場面で、日常的に利用しています。ラジオやテレビの電波、スマートフォン、電子レンジは日常の生活になくてはならないものとなり、空や海の旅行にはレーダーが不可欠です。健康診断でもX線検査を受けています。これらはすべて電磁波ですが、可視光線、赤外線、紫外線もその仲間であり、そのすべてが光の速さで空間を伝わります。





 このように電磁波にはさまざまな種類があり、その特性もさまざまですが、その相違は、波長域が違うことに依存しています。波長域が異なることにより、電磁波としての性質が異なり、電波、赤外線、可視光線などに分かれます。



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遠赤外線の特性


 遠赤外線は金属に当たると反射されますが、それ以外のプラスチックスや塗料、繊維、木材、ゴム、食べ物、セラミックス、水などでは、非常によく吸収されます。すなわち、遠赤外遠赤外線をよく放射する物質は、遠赤外線をよく吸収する物質です。





 金属を除くほとんどの物質は、遠赤外線をよく吸収します。遠赤外線をよく吸収する物質は、水や樹脂、ゴム、塗料、木材、繊維、紙、食品、ガラス、セラミックスです。このうちセラミックスは、一般的に耐熱性があるので、セラミックスを加熱して表面温度を高くすれば、そこから遠赤外線が多く放射されます。従って、遠赤外線ヒータには、通常人工的に成分を調製したセラミックスが使われています。域の電磁波エネルギーは熱エネルギーに変り、物質をあたためることになります。





 物質は、その種類に応じてそれぞれ決まった構造、すなわち原子のつながり方を持っています。このような原子の全体あるいは部分には、特に起きやすい振動のタイプがいくつかあり、それらはその物質の構造で決まっています。これをその物質の固有振動と言います。各固有振動はそれぞれ決まった振動数で振動を行います。





 ほとんどの物質の固有振動数は、波長に換算すると3〜30μmに相当します。これはちょうど遠赤外放射の波長です。このため多くの物質に遠赤外線が当たると、その物質を構成している原子のつながりの振動が促されます。この時、遠赤外線の電磁波エネルギーは、物質に吸収され、物質の振動エネルギーに変わることになります。





 遠赤外線が当たった多くの物質で生じる振動は、微小な固有振動に由来するもので、これは熱振動に相当します。熱振動が活発になるということで、同時に物質の温度も上昇します。従って遠赤外放射が吸収されれば、すぐその部分の温度上昇をもたらします。





 遠赤外線の電磁波エネルギーを加熱や乾燥に用いると、その特有の優れた熱伝達特性から、さまざまなメリットが期待できます。





 熱に弱い物質の乾燥などの場合、熱風方式と比べて大幅な時間短縮が期待できます。これにより生産性の向上が図れ、設備の連続化が可能となり、工程の自動化、省力化に寄与します。またエネルギー使用量も低減されます。





 熱風加熱と異なり、加熱したい物質の表面温度が高くなり過ぎないうちに、必要なエネルギーを投入できるので、物体深部温度上昇が速く、より均一な仕上がりが可能になります。





 熱風装置では、熱風の入口と出口で、また風の流れの制御が難しいことから、温度差が生じることが避けられませんが、遠赤外加熱装置ではヒータの適切な配置により、加熱装置全体にわたって均一な加熱処理が可能です。均一な加熱という優れた特性によって、遠赤外線による加熱は、食品の風味の劣化を防ぎやすく、歩留まり向上のほか、味や香りの保持が追求できます。





人が遠赤外線を受けて暖かいと感じるのは、先ず衣服の温度が上がり、身体からの放熱が減ることがあ げられます。衣類に覆われていない肌の部分では、遠赤外線が皮膚表面から深さ0.2mm程度までの間で吸収され、人体の皮膚層を構成する各種分子の熱振動が活発になります。体には血流があり、体熱の移動、平均化が生じますが、照射部分の流入エネルギー増加と体からの放熱減少により、全体としてあたたかさがもたらされます。



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遠赤外線の食品産業での応用


 遠赤外線のエネルギーは、金属以外のほとんどの物質において、表面から数百ミクロンまでの間でほとんど吸収されるので、それ以上浸透しません。物質の表面層でエネルギーのほとんどが吸収される遠赤外線は、表面から内部への熱流が高いレベルで供給され、しかもそのレベルが加熱を続けている間、ほとんど低下することがありません。このため遠赤外加熱では、物体深部の昇温が熱風加熱などに比べ、格段に速くなります。ちなみに熱風加熱などの熱源との接触による加熱では、加熱が進むと物体の表面温度が上がり、熱源との温度差がなくなってくるので、熱流はどんどん低下してしまいます。つまり、表面温度はすぐに上がりますが、内部温度の上昇は非常に遅く、その温度差は大きくなります。遠赤外線加熱は正反対で、より均一な加熱ができます。





 食品産業でも、遠赤外線加熱の優れた効果を活用しています。一例としては、海苔や穀類、茶、野菜、果物、加工食品の乾燥、魚介類の干物、パンやクッキー、米菓の焼成、焼き芋、焼き栗、ちくわや蒲鉾などの焼上げ、茶の焙煎や火入れ、コーヒー豆やナッツ、ゴマなどの焙煎、調理食品の保温、冷凍食品等の解凍などです。





 食品は、調理法や調理時の熱の加え方により、全体の食感や味、香りも変わります。これは、熱の伝わり方が、調理方法や火加減などで、食材にとってちょうど良い場合もあれば、望ましくない場合もあるからです。遠赤外線では熱源と食品が直接触れることがないため、表面の過熱が避けられ、食品深部の昇温に必要なだけのエネルギーを、比較的短時間のうちに表面から与えることができます。このため均一加熱性に優れ、食品への投入エネルギーの制御が、他の加熱方法より容易です。食品にとって最も望ましいと考えられる温度に対して、それを出来る限り実現するよう遠赤外線エネルギー投入の条件を追求していくことが、可能となります。このような最適条件追求の結果、食品の味や香り、品質の向上が図られ、食品が美味しくなります。




遠赤外線と電子レンジとの違い


 電子レンジは、周波数50あるいは60Hzの家庭の電源から、2,450MHz、すなわち24億5000万Hzという非常に高い周波数のマイクロ波を庫内に発生させています。電子レンジの中のマイクロ波が水分子に当たると、水分子自体が激しく振動を起こし、熱エネルギーとなって水の温度が上昇し、これを介して食品の温度が上昇します。電子レンジでは、食品の表面から数cmくらいまでエネルギーが伝わりますので、他の多くの加熱法に比べ、内部まで素早くあたためることができます。しかし、水分の加熱を利用しているため、食品を焼くことはできません。また、水分の少ないものには向かず、含有水分が均一でないものでは加熱ムラが避けられません。





 遠赤外線による加熱は、電子レンジのような振動ではなく、各構成原子がその平衡位置を中心として、微小かつ激しい振動が引き起こされ、温度が上がります。遠赤外線加熱は、どのような場合にでも使える汎用的な加熱手段であり、微妙な温度制御が得意な上、均一加熱性も高く、熱風加熱に比べれば、内部加熱能力にも優れています。一般にエネルギー利用効率が高いこともよく知られています。



まとめ


 赤外線は物質をあたためる作用があります。遠赤外線は赤外線の中でもさらに波長の長い領域を指し、波長3〜1,000μmまでとなります。加熱などで広く使用されているのは、3〜30μmの波長域です。





 金属を除くほとんどの物質は、遠赤外線をよく吸収します。遠赤外線をよく吸収する物質は、水や樹脂、ゴム、塗料、木材、繊維、紙、食品、ガラス、セラミックスです。このうちセラミックスは、一般的に耐熱性があるので、セラミックスを加熱して表面温度を高くすれば、そこから遠赤外線が多く放射されます。





 ほとんどの物質の固有振動数は、波長に換算すると3〜30μmに相当します。これはちょうど遠赤外放射の波長です。このため多くの物質に遠赤外線が当たると、その物質を構成している原子のつながりの振動が促されます。この時、遠赤外線の電磁波エネルギーは、物質に吸収され、物質の振動エネルギーに変わり、熱振動が活発になるので、同時に物質の温度も上昇します。従って遠赤外放射が吸収されれば、すぐその部分の温度上昇をもたらします。





 遠赤外線のエネルギーは、金属以外のほとんどの物質において、表面から数百ミクロンまでの間でほとんど吸収されるので、それ以上浸透しません。物質の表面層でエネルギーのほとんどが吸収される遠赤外線は、表面から内部への熱流が高いレベルで供給され、しかもそのレベルが加熱を続けている間、ほとんど低下することがありません。このため遠赤外加熱では、物体深部の昇温が熱風加熱などに比べ、格段に速くなるため、食品産業でも、遠赤外線加熱を活用しています。



2020年11月03日

【成長と成績向上】食事と生活習慣の子供への影響


 どのような食事が、子供の成長に良い影響を与えるのでしょうか。また、子供の成績を向上させるための食生活をはじめとした生活習慣は、どのようなことでしょうか。





 さまざまな研究や調査結果から、子供の成長に好ましい成分と生活習慣が、明らかにされています。





 今から実践してみてはいかがでしょうか。



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子供の成長に影響する食事


 食事は、子供の成長に大きな影響を及ぼします。体の成長に比べて、脳の成長スピードは早く、6歳までに脳の9割が成長するとも言われています。





 ところで、脳はどのような成分で構成されているのでしょうか。全体の6割は脂質で、残りの4割はたんぱく質から構成されています。頭の働きを良くしたり、脳の発育に役立ったりするといった効果のあるDHAやEPAは、主に青魚に含まれる良質な脂質です。肉や魚、大豆製品などのたんぱく質も、子供の成長にとって大切な成分です。





 こうした脳のエネルギー源となっているのは、糖質です。人は、炭水化物などから糖質を取り入れ、消化管で消化吸収されると血液中にぶどう糖として、取り込まれます。ぶどう糖は血液によって脳に届けられ、脳の活動を支えています。頭を使ったときに糖分を摂取することが良いのは、消費されたぶどう糖を脳に補給する必要があるからです。朝食をしっかり食べるということは、日中に脳の活動で大量に使われるぶどう糖を摂取するという意味で、とても大切なことです。このように、脳の成長を支え、日々の活動をサポートするのに食事の管理は欠かせません。





 子供に栄養バランスの優れた食事をとらせることは基本ですが、特に脳の発育に役立つ栄養成分があります。





・DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)





 サバやイワシ、サンマ、アジなどの青魚に含まれる脂質で、脳の神経細胞に使われる栄養素です。記憶力や集中力など脳の働きを高めることが、報告されています。オメガ3系脂肪酸であるDHAとEPAを合わせた1日あたりの目安摂取量は1g程度です。サバであれば1切れ(100g)、イワシやサンマ、アジであれば1尾(100〜150g)となります。



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 アーモンドやピーナッツをはじめとしたナッツ類も、オメガ3系およびオメガ6系の不飽和脂肪酸を豊富に含み、考える力を高める効果が期待されます。





・たんぱく質





 肉や魚などの動物性たんぱく質と、大豆などに多く含まれる植物性たんぱく質があります。脳をはじめ筋肉や内臓、血液、骨、皮膚、髪といった全身の細胞を作る重要な栄養素です。体に取り込まれる際にアミノ酸まで分解され、再び体の部位ごとに適したたんぱく質に合成されます。たんぱく質をきちんと摂取することで、子供の脳や体の成長をサポートできます。





・カルシウム





 牛乳や小魚に多いミネラルで、神経伝達に関与していることが分かっています。カルシウムは、脳の活動を促し、記憶力を高めるのに使われます。また、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は、脳の働きに関わるグルタチオンと呼ばれる成分を増やすことが明らかとなっており、脳内の酸化の防止をはじめとした効果が確認されています。



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・レシチン





 脳の働きをサポートするリン脂質で、細胞膜の主成分です。神経伝達物質のアセチルコリンの原材料でもあります。最近の研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳は、アセチルコリンが減少していることが明らかになっており、学習能力や記憶力向上に効果があると言われています。





 卵は栄養バランスに優れ、動物性たんぱく質やビタミン類、そしてレシチンも豊富に含まれています。大豆製品にも植物性たんぱく質と共にレシチンが豊富に含まれています。




子供の成績を向上させるための食事をはじめとした生活習慣




 食事は、脳にさまざまな効果を及ぼします。しかし、1口食べて効果が出るというものではまりませんので、毎日の栄養バランスが重要になります。最近は、朝食を食べない人が増えているようです。小中学生を対象に行った文部科学省の調査によると、きちんと朝食を食べている子供の方が、食べない子供と比べて成績がよく、イライラも少ないという結果が出ています。また、脳に刺激を与え、活性化を促すためにも、よく噛んで食べることも効果があります。





 栄養不足や疲労は、免疫機能が低下する原因になります。風邪を引いてしまえば、勉強がはかどらない上に、試験であれば実力を発揮することもできません。そのため規則正しい生活と充分な休養は、不可欠です。





 規則正しい生活を送るには、朝型の生活が理想です。朝型にするには、朝ごはんをきちんと食べることです。人は太陽の光を浴び、朝ごはんをとることで、体が活発に活動できるようになります。逆に朝ごはんを食べないと、脳や体が活発に働くことができません。すなわち、ぼーっとして、体がだるいという状態になります。朝は食欲がないという人も、とにかく、毎日同じ時間に、少しでも朝ごはんをとるようにしてください。朝ごはんを同じ時間にとり続けることで、リズムができ、朝ごはんを食べる前から、胃や腸の動きが活発になることが分かっています。つまり、食べる前に体が食べる準備するようになるので、自然に朝ごはんを食べられるようになります。





 昼も夜も決められた時間に食事をとることで、適度な休憩にもなり、勉強の効率アップにつながります。人の集中力は長く続かないので、三度の食事をきちんととることで、規則正しい生活のリズムが生まれます。この習慣は、生活習慣の予防など今後の健康維持にも役立ってくれます。



まとめ


 大前提は、バランスに優れた食事を心がけることです。





 食事で子供の脳の働きをサポートするには、脳に良い食べ物を積極的に選ぶことが大切です。子供の思考力や記憶力、集中力を高めるのに欠かせない良質な脂質やたんぱく質が含まれる食材を上手にメニューに取り入れましょう。特に青魚や卵、大豆製品、牛乳といった食品は欠かせません。毎日の食事で摂取する習慣をつけましょう。





 最近は、朝食を食べない人が増えているようです。文部科学省の調査によると、きちんと朝食を食べている子供の方が、食べない子供と比べて成績がよく、イライラも少ないという結果が出ています。規則正しい生活を送るためには、朝型の生活が理想です。朝型にするには、朝ごはんをきちんと食べることです。人は太陽の光を浴び、朝ごはんをとることで、体が活発に活動できるようになります。また、脳に刺激を与え、活性化を促すためにも、よく噛んで食べることも効果があります。




2020年11月02日

【陰陽五行】漢方における病因と基礎理論

漢方の病因


 漢方の病因について、もっとも古い体系は「素問」です。この体系を整理したのは中国宋代の陳無擇(ちんむたく)です。病因をその種類によって、外因、内因、不内外因に分類しました。これを3因説と言い、現代の中医学や日本漢方における病因論の基本となっています。





 外因とは、風、寒、暑、湿、燥、熱の6つの気候変化のことで、これらの気候変化に生体が対応できないときに発病すると考えています。





 内因とは、怒、喜、思、憂、驚、悲、恐の7つの感情変化のことで、激しい感情変化に身体が対応できないときは、体内から発病すると考えています。





 不内外因とは、外因にも内因にも分類しがたいもので、飲食の不摂生、労働過多、外傷などを指します。





 明代後半になると、これら以外に今で言う伝染性熱性病を示す概念が現れました。外因によって引き起こされる病にこれらの感染症を加えたものを外感病と言い、内因によって引き起こされる病は内傷病と言います。他の病因としては、両親から受け継いだ遺伝的要因も含めた先天的生命力や生まれた後に食べ物や運動、養生によって身につけた生命力の衰えなどが病因と考えられる場合もあります。



漢方の「証」


 西洋医学の病名療法や対症療法に対して、漢方治療の要点は、日本漢方においては随証療法であり、中医学においては弁証論治と呼ばれているもので、いずれもいかに証を正しく把握するかにあります。





 歴史的に多くの議論がなされてきた証の概念をひとことで表現することは困難ですが、おおよそ人の体は、いわばブラックボックスのようなものであり、何か病変があったからと言って、いちいち解剖することはできません。しかし、何らかの病変が起これば、必ずその原因に対して、平衡を保とうとする力が体内に生じます。この生命力を漢方では正気(せいき)と言います。すなわち、漢方では病気を原因と正気の抗争と捉え、抗争があれば必ず身体に種々の自覚症状となって現れると考えるのです。これらの症状とその変化の軽重から体内の抗争の状態を推理し、抽象化して掌握することを「証をつかむ」または「弁証する」と言います。つまり、証とは抽象化された病体内の抗争の本質であり、これをつかむことが漢方診断のカギとなります。



漢方基礎理論


 漢方の基礎理論としては、陰陽論と五行説があります。





 陰陽は、その発生の起源から陰陽論として発展したのは、孫臏(そんぴん)の著した孫臏兵法からです。





 陰陽思想は、古代中国思想の要であり、広範囲にわたる意味を持ちます。陰陽の基本は万物の質と能を意味しますが、同時に万物の持つ正反両面の相対性も示しています。万物はすべて陰陽2種の側面を持っています。天を陽とすれば地は陰となります。昼を陽とすれば夜は陰となります。太陽を陽とすれば月は陰となります。火を陽とすれば水は陰となります。動を陽とすれば静は陰となります。これらは互いに相対的に存在している陰陽ですが、同一物中にも陰陽は存在します。人体については、上部は陽で下部は陰となり、左半身は陽で右半身は陰となります。また、万物の本体は陰であり、機能は陽となります。心臓の場合、心臓そのものは陰であり、拍動は陽となります。





 このようにすべての陰陽は相対的なものです。このような観点に立てば中医学の基礎である八綱(陰陽、虚実、表裏、寒熱)は、すべて陰陽を置き換えたものに過ぎません。





 人体の陰陽としては、構成成分の骨や血液、津液(水)、臓腑などは陰とし、生理機能を陽とします。陰陽にはそれぞれ不足もしくは過剰な状態があり、病症と深い関わりがあります。





 五行説の五材は、自然界にある素材としての木、火、土、金、水です。次に万物を構成する要素としての木、火、土、金、水が考えられました。さらにこれらの五つの要素が相互に影響し合うという考えのもと、五行という名称が登場しました。また、あらゆる物はこの五行に分類され、その性質や相互関係に五行の影響が及ぶとされました。これらを総称して五行説と呼びます。





 五行には以下のような意味付けがあります。木は草木が芽を出し、万物が生じる時期であり、季節は春を象徴しています。五臓では肝臓にあたります。火は火が燃えている様を示し、その性質は熱であり、万物が長じる時期で、季節は夏を象徴しています。五臓では心臓にあたります。土は万物を育てる母なる大地を意味しており、四季のすべてに関わりを持っています。五臓では脾臓にあたります。金は金属の示す堅固さや鋭さ、輝きを意味し、金属は人がつくり出したものであるので、秋の豊穣や収穫を象徴しています。五臓では肺にあたります。水は湧き出て流れる水を意味し、これは地の中にあって生命の水となり、やがて万物を生み出す源となります。季節は冬を象徴し、五臓では腎臓にあたります。



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まとめ


 漢方の病因については、その種類によって、外因、内因、不内外因に分類されます。外因とは、風、寒、暑、湿、燥、熱の6つの気候変化のことで、これらの気候変化に生体が対応できないときに発病すると考えています。内因とは、怒、喜、思、憂、驚、悲、恐の7つの感情変化のことで、激しい感情変化に身体が対応できないときは、体内から発病すると考えています。不内外因とは、外因にも内因にも分類しがたいもので、飲食の不摂生、労働過多、外傷などを指します。





 漢方治療の要点は、いかに証を正しく把握するかにあります。何らかの病変が起これば、必ずその原因に対して、平衡を保とうとする力が体内に生じます。この生命力を漢方では正気(せいき)と言い、漢方では病気を原因と正気の抗争と捉え、抗争があれば必ず身体に種々の自覚症状となって現れると考えます。これらの症状とその変化の軽重から体内の抗争の状態を推理し、抽象化して掌握することを「証をつかむ」と言います。





 漢方の基礎理論としては、陰陽論と五行説があります。陰陽の基本は万物の質と能を意味し、同時に万物の持つ正反両面の相対性も示しています。五行説は万物を構成する要素としての木、火、土、金、水です。これらの五つの要素は、相互に影響し合うと考えられています。




2020年11月01日

【生体の活力に着目】漢方と薬膳

多くの側面を持つ漢方と薬膳


 漢方というと一般には、漢方薬および漢方薬を用いた治療法と考えられていますが、広くは鍼灸や按摩、気功法、薬膳などもその範囲に含まれます。漢方薬による療法は薬を煎じた液体を飲むことから湯液療法と呼ばれています。





 漢方という名前の由来は、明治時代以降のことで、それ以前は医学といえばすべて漢方でした。明治時代になって、西洋医学が本格的に日本へもたらされ、それまでの医学と区別する意味で、漢方と呼ばれるようになりました。この医学体系が完成したのが、中国の漢の時代であったため、この名前が付けられました。





 湯液療法とは、古くは煎じ薬を用いる治療法のすべてを指していました。しかし、今では漢方薬から抽出されたものも含めて考えられています。漢代以降いくつかの流派が生まれましたが、日本漢方では、現在3つの流派が残っています。ひとつは、後漢の時代に張仲景によって著された傷寒論を基本とするグループで、これを古方派と言います。もうひとつは、金元時代に生まれた医学を中心とするグループでこれを後世派と言います。古方派の方が古いですが、日本に伝播した順序は逆となります。最後のひとつは、この両者の考えを折衷した折衷派です。なお、現在はこれらのほかに中医学が加わっています。





 鍼灸療法は、中国の戦国時代には既に存在していた非常に古い治療法です。特に灸療法は、孟子の中にも見受けられます。具体的には、体表にあるツボを鍼または灸で刺激することで気を動かし、その気が経路を伝播して、内臓およびその他の器官を調和させるという方法です。その基本となる考え方を臓腑経絡説といい、陰陽五行説と深い関連を持っています。





 按摩療法は、鍼や灸を使うことなく、ツボや経絡を手で揉んだり押したりすることによって、気を動かし、体を調和させる方法です。一見、西洋のマッサージ療法と似ていますが、ツボや経絡を重視することが特徴です。





 気功療法は、最近になって使われるようになりましたが、その起源は古く、導引法などと呼ばれていました。呼吸法を中心にゆったりとした運動法を加え、体内の気をめぐらすことを目的としています。





 薬膳療法も気功と並んで新しい用語です。1980年代に中国は四川省成都に開店した同仁堂薬舗が初めて用いました。この考え方自体の起源は古く、周の時代までさかのぼります。基本は食事療法で、それに漢方薬を加えたものを薬膳と呼んでいます。薬膳には3つの段階があります。食養は、食事療法によって病気を予防することです。食療は、食べ物の中の薬的な側面を生かし、食べ物で治療することです。薬膳は、食療にさらに純然たる漢方薬を加味したものを指します。そして、この3段階によっても病気が治らないとき、湯液療法を用います。したがって、当然漢方薬を服用する際には、食事療法との併用が極めて大切となります。



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西洋医学との違い


 西洋医学も19世紀までは、主薬にほとんど薬草を用いていたので、見た目にはあまり漢方と変わるものではありませんでした。





 ところが、19世紀後半になって科学が発達し、その影響を受けるようになると、細胞や細菌の概念が確立し、医学体系そのものに大きな変化が生じました。





 西洋医学の長所は、細菌感染に対する予防衛生の概念を広めたことと抗生物質の発見により、細菌性の疾患を減少させたことです。ここに至って、西洋医学と漢方との相違が決定的になってきました。西洋医学と漢方は、ともに原因療法を標ぼうしていますが、両者のもっとも大きい相違点は、西洋医学が病気の原因である細菌に目標を絞り、それを死滅させることに主眼を置くのに対し、漢方では病原菌よりも生体の活力を増し、いかに健康体としての調和をとるかに力点を置いているところです。



民間薬との違い


 民間薬もその起源をたどれば、多くは漢方薬の仲間です。両者の違いは、漢方薬ではひとつの生薬は一定の法則のもとに他の薬と組み合わされ、厳密な運用法のもとに用いられますが、民間薬では、ドクダミにしろ、ゲンノショウコにしろ、ひとつの生薬が単独で、しかも経験的に用いられ、他の薬と組み合わされることはほとんどありません。





 したがって、民間薬を使う民間療法は、漢方でいう運用法などの概念によって用いられるのではなく、下痢や頭痛といったひとつの症候によって、大ざっぱに運用されています。



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まとめ


 漢方というと一般には、漢方薬および漢方薬を用いた治療法と考えられていますが、広くは鍼灸や按摩、気功法、薬膳などもその範囲に含まれます。漢方薬による療法は薬を煎じた液体を飲むことから湯液療法と呼ばれています。





 薬膳療法の考え方自体の起源は古く、周の時代までさかのぼります。基本は食事療法で、それに漢方薬を加えたものを薬膳と呼んでいます。薬膳には3つの段階があります。食養は、食事療法によって病気を予防することです。食療は、食べ物の中の薬的な側面を生かし、食べ物で治療することです。薬膳は、食療にさらに純然たる漢方薬を加味したものを指します。そして、この3段階によっても病気が治らないとき、湯液療法を用います。したがって、当然漢方薬を服用する際には、食事療法との併用が極めて大切となります。





 西洋医学と漢方のもっとも大きい相違点は、西洋医学が病気の原因である細菌に目標を絞り、それを死滅させることに主眼を置くのに対し、漢方では病原菌よりも生体の活力を増し、いかに健康体としての調和をとるかに力点を置いているところです。





 民間薬と漢方薬の違いは、漢方薬ではひとつの生薬は一定の法則のもとに他の薬と組み合わされ、厳密な運用法のもとに用いられていることです。



タグ:漢方,薬膳,

2020年10月31日

【意外にグルメ】酒の肴の歴史

酒造りの始まりと酒の肴


 弥生時代になって稲作が大陸から朝鮮を経由して北九州に伝わりました。それとともに米を原材料としたお酒が造られるようになりました。この頃のお酒は、どぶろくのようなものでした。





 飛鳥時代になると製法が進歩し、もろみをろ過した濁り酒となりました。日本酒造りが確立したのは、奈良から平安時代にかけてです。庶民が飲むのは濁り酒でしたが、貴族が特別なときに味わったのが澄み酒という濁り酒の上澄みを漉したものや木炭を入れて漉した黒酒を飲んでいました。





 酒の肴として万葉集に記されているのは、獣肉や魚を刻んで酢につけたなますや魚の肝を塩漬けにした塩辛の一種、干しアワビ、イカ、タコ、山菜などです。



塩辛


 日本の塩辛の歴史は、平安時代の「ししびしほ」から始まります。室町時代には「なしもの」と呼ばれ、塩辛の名前となったのは江戸時代初期のことと伝えられています。





 現在の塩辛の原材料はイカの肝が一般的で、その他にカツオの内臓を使った酒盗、サケの背腸を使ったメフン、なまこの腸を使ったコノワタ、アユの腸を使ったウルカなどがあります。有名なところでは、高知の酒盗、福井のウニ、富山のイカの墨造り、新潟のタイの子の塩辛、大分の切込みウルカなどです。ちなみに酒盗の名前は、酒を盗んでも飲みたくなるといったことから名付けられました。



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居酒屋の始まり


 サラリーマンが仕事帰りに一杯飲みたくなるのが居酒屋です。このような居酒屋はいつ頃登場したのでしょうか。





 江戸時代には、京都で食事が中心の大衆的な飲食店登場し始めます。この中で、酒も飲ませる店も出てきました。店の中で酒を飲ませることを「居酒させる」と言いました。その中から、酒の肴を専門とするお店である居酒屋が現れましたが、この時代はまだこの名前は使われていません。





 江戸では、酒屋の店先で酒を飲ませ、簡単な肴を出すようになりました。今でいうところの立ち飲みです。これが江戸の居酒屋のルーツのようです。それが、居酒屋と呼ばれるようになったのは、江戸時代後期です。このようなお店は、入り口に縄のれんを掛けていることが多かったことから、縄暖簾の名前でも呼ばれていました。





 当時の人気メニューは豆腐です。冷奴や湯豆腐以外に青唐辛子やのり、陳皮などをかけて食べていました。





 枝豆もありました。この時代は、江戸のみならず京都や大阪でも食べ物を売り歩く商売が盛んでした。その中で、茹でた枝豆を専門に売る商売もありました。その売り方には、関東と関西で違いがあります。関東では、枝豆をその名の通り枝付きのままで売っていました。そのため枝豆と呼ばれます。一方、関西では枝を取り去って売っていたことから、鞘豆と呼ばれていました。



焼き鳥


 江戸時代は、さまざまな鳥を原材料として、焼き鳥を提供していました。しかし、現在のようにほとんどが鶏という状況ではありません。全てが狩りなどで獲った野鳥です。焼き鳥はおもてなし料理や酒の肴、弁当などに幅広く使用されました。





 ただし、現在のように串に刺したまま出すことなかったようです。当時は、串に刺したまま出すことは、無作法と考えられていました。そのため、出す前に串は外していたと考えられています。





 現在でこそ、焼き鳥といえば庶民の酒の肴の代表ともいえる料理ですが、昭和初期までは高級料理でした。





 焼き鳥にかけるものとしては、真っ先に思いつくのが七味唐辛子です。七味は唐辛子に加えて、黒ゴマや陳皮など7種類の香辛料が調合されているので、複雑な風味を楽しむことができます。そうしたことから、タレとの相性がよく、また脂っこさを抑える働きもあります。というわけで、皮やこってりしたつくねなどにぴったりです。一味は唐辛子のみなので、シンプルな辛さが特徴です。辛さを求める人向けで、タレの甘さが気になる人にもこの薬味が最適です。山椒はその独特なすっきりとした風味が、脂っこさを抑えたり、生臭さを消す効果があります。レバーなどに向いています。





 焼き鳥の調理によく使われるのは炭です。なかでも、もっとも有名で良質とされているのが、備長炭です。その製法は、一説によると弘法大師が唐から持ち帰り、高野山に金剛峯寺を開く際に、紀州の各地に伝えたといわれています。炭の原木として、ウバメガシという木が最高級ですが、奇しくも紀州の山々にはこの木が多く、これを利用して質の高い炭がつくられました。製法は他の地域にも伝えられましたが、原木供給が紀州ほど豊かではなかったことから、紀州産の備長炭が炭の質、生産量とともに日本一を誇っています。なお、現在の備長炭の主要産地は、和歌山の紀州備長炭はもちろんのこと、宮崎の日向備長炭、高知の土佐備長炭で、これらが備長炭の3大銘柄となっています。



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まとめ


 弥生時代になって稲作が大陸から朝鮮を経由して北九州に伝わりました。それとともに米を原材料としたお酒が造られるようになりました。この頃のお酒は、どぶろくのようなものでした。飛鳥時代になると製法が進歩し、もろみをろ過した濁り酒となりました。日本酒造りが確立したのは、奈良から平安時代にかけてです。酒の肴として万葉集に記されているのは、獣肉や魚を刻んで酢につけたなますや魚の肝を塩漬けにした塩辛の一種、干しアワビ、イカ、タコ、山菜などです。





 日本の塩辛の歴史は、平安時代の「ししびしほ」から始まります。室町時代には「なしもの」と呼ばれ、塩辛の名前となったのは江戸時代初期のことと伝えられています。





 江戸では、酒屋の店先で酒を飲ませ、簡単な肴を出すようになりました。今でいうところの立ち飲みです。これが江戸の居酒屋のルーツのようです。それが、居酒屋と呼ばれるようになったのは、江戸時代後期です。当時の人気メニューは豆腐です。





 江戸時代は、さまざまな鳥を原材料として、焼き鳥を提供していました。しかし、現在のようにほとんどが鶏という状況ではありません。全てが狩りなどで獲った野鳥です。現在でこそ、焼き鳥といえば庶民の酒の肴の代表ともいえる料理ですが、昭和初期までは高級料理でした。


posted by Kaoru at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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