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2020年10月27日

【洋食から和食へ】とんかつ

とんかつのルーツ


 明治時代初期に西洋からさまざまな洋食がもたらされました。その中のいくつかは、今や和食として定着しています。代表的なものが、洋食ではカットレットと呼ばれたカツレツ、クロケットと呼ばれたコロッケです。





 カツレツと名前が変わる前のカットレットの調理方法は、カツレツとはかなり異なっていました。肉は75gほどの小ぶりなサイズです。これを1p程の薄さに叩いて伸ばします。それからパン粉を付け、少量のバターなどで焼きます。今でもヨーロッパ各地で食べられているスタイルです。





 使用する肉も異なっています。今でこそかつといえばとんかつを指すほど、豚肉が一般的ですが、カットレットには主に牛肉や豚肉、鶏肉、魚などさまざまな食材が使われていました。





 特に当時は牛肉への関心が高く、カットレットといえば牛肉でした。しかし、牛鍋がすぐに庶民の味になったのに対し、カットレットは一部の人に限られていました。



とんかつの誕生


 カットレットはいつしか日本語となり、カツレツとなりました。それとともに和風の洋食へと変わっていきました。いつ誰がどのように変えたのでしょうか。





 2つの説があり、明治28年創業の東京銀座の煉瓦亭が出したという説です。仔牛のカットレットを出していましたが、油の切れが悪く胃がもたれるということから、天ぷらをヒントにカツレツを考案したようです。もうひとつは、東京御徒町のぽんち軒が考案した豚肉のカツレツです。登場した当時の名前はポークカツレツです。きっかけは、豚肉を使ってビーフステーキのような厚みのあるカツレツが食べたいというお客の要望だったそうです。これも天ぷらのように油で揚げることが特徴です。





 しかし、時代はまだカツレツといえば牛肉を使ったビーフカツが一般的で、とんかつはほとんどありませんでした。



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各地にさまざまな味があるとんかつ


 同じとんかつでも、時間を経るにしたがい、さまざまなバリエーションができ、地域によっても差があります。





 とんかつ発祥の地といえば、東京です。特にとんかつのメッカといえば東京台東区の上野から御徒町の間です。昭和初期には数々の専門店が軒を並べていました。





 味のバリエーションは、地域によって多彩であり、名古屋であれば、地元の八丁みそを使ったみそカツです。仙台の仙台みそを使ったみそカツも有名です。





 福井にはソースカツ丼、岡山にはドミグラスソースをかけたドミグラスソースカツ丼があります。関西ではビーフカツがいまだに残っています。



カツ丼の始まり


 カツ丼といえば、割り下で煮たとんかつを鶏卵でとじて、これをご飯にのせる料理です。誕生した当初は、現在食べられているこのスタイルではありませんでした。





 カツ丼の元祖はいくつかあります。最も有名なのが、ソースカツ丼です。大正時代に東京の早稲田高等学院の学生が、食堂で考案し、評判を呼ぶことで周囲に広がっていきました。石川県の金沢では、レストラン自由軒でビーフカツを使ったカツ丼がメニューとなっていました。こちらには刻んだキャベツやきゅうりがのっていました。さらに埼玉県の洋食店では、しょう油ダレに漬け込んだカツ丼を提供していました。





 しかし、これらはいずれも現在のカツ丼ではありません。いまのスタイルとなったのは、戦後のことです。栄養価の高い鶏卵ととんかつの組み合わせに割り下の甘い味付けが、味と満腹感を求める人たちの人気を集めました。



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とんかつの皿盛と丼の違い


 とんかつにソースをかけて食べたり、とんかつをカツ丼にして食べますが、とんかつ自体は同じだと思われがちです。これらのとんかつのつくり方は微妙に異なります。





 そのままとんかつにソースをかけて食べる場合、衣の歯ざわりを大切にするために、粗めの生パン粉を使用します。さらに揚げるときに完全に火を通します。一方、カツ丼のとんかつは、後から割り下で煮ることを重視し、衣がはがれないように、衣づくりを工夫しています。その工夫は、溶き卵に小麦粉を加えること、細かい乾燥パン粉を使用すること、衣を冷蔵庫で寝かせることです。揚げ方も、煮込むことを考慮し、完全に火を通しません。





 美味しいものを提供するために、このような心配りがなされています。



まとめ


 明治時代初期に西洋からさまざまな洋食がもたらされました。その中のいくつかは、今や和食として定着しています。代表的なものが、洋食ではカットレットと呼ばれたカツレツです。カットレットはいつしか日本語となり、カツレツとなりました。それとともに和風の洋食へと変わっていきました。





 いつ誰がどのように変えたのかというと、2つの説があります。明治28年創業の東京銀座の煉瓦亭が出したという説です。仔牛のカットレットを出していましたが、油の切れが悪く胃がもたれるということから、天ぷらをヒントにカツレツを考案したようです。もうひとつは、東京御徒町のぽんち軒が考案した豚肉のカツレツです。登場した当時の名前はポークカツレツです。きっかけは、豚肉を使ってビーフステーキのような厚みのあるカツレツが食べたいというお客の要望だったそうです。これも天ぷらのように油で揚げることが特徴です。このカツレツがとんかつの始まりです。



posted by Kaoru at 04:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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