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2015年10月23日
「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」が開催されます
パナソニック 汐留ミュージアムで「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展が開催されます。
フランスの北西に位置するブルターニュ半島の小さな村、ポン=タヴァンはゴーギャンが訪れるよりも前から芸術家たちをひきつけ、創作活動を支えた魅力的な土地でした。1886年、パリを離れたゴーギャンは初めてこの小村に滞在し、壮大な自然と明るい光、そして現地の人々に連綿と受け継がれる古くからの伝統文化に魅せられ、以降、何度も作品制作のために赴きます。この地でゴーギャンはエミール・ベルナールらと、「印象派」を超える新しい絵画を追求し「総合主義」(※)という現実と人間の想像力を一つの画面のなかに構成するスタイルを見出します。さらに若き画家ポール・セリュジエへのゴーギャンの指導はモーリス・ドニを中心とした「ナビ派」の結成につながりました。
ポン=タヴァンで繰り広げられた芸術の冒険は、20世紀美術の先駆けとして新たな時代を切り開いたと言って過言ではないでしょう。「印象派」から「総合主義」、「ナビ派」、そして「象徴主義」といった大きな転換の流れに立ち会うと共に、ゴーギャンと、ポン=タヴァンで活動した画家たちの個性や才能の輝きに出会うことが本展の見どころです。
本展には、ブルターニュ地方のカンペール美術館とブレスト美術館、そしてデンマークのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館などから出品されるゴーギャンとポン=タヴァンの画家たちの作品73点が展示されます。ゴーギャンにとっての最初の神秘の楽園であるブルターニュ地方を絵画でめぐる旅としても楽しめそう。この秋見逃せない展覧会の一つになりそうです。
関連イベント
■関連イベント※要事前申し込み
<山田 五郎 アートトーク>
人気テレビ番組「ぶらぶら美術博物館」(BS日テレ)などでおなじみの山田 五郎さんが本展の魅力について楽しくお話しくださいます。
【日時】2015年11月6日(金) 14時〜15時
【会場】パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
【定員】300名
【聴講費】無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)
<福田 里香 トークイベント ブルターニュのお菓子>
お菓子研究家の福田 里香さんに、ブルターニュ地方のお菓子についてお話しいただきます。福田さんのお菓子レシピや、ラッピングのご紹介も。(お菓子の試食はありません)
【日時】2015年11月14日(土) 14時〜15時30分
【会場】パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
【定員】150名
【聴講費】無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)
■□■ 『ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展』の開催概要 ■□■
開館期間:2015年10月29日(木)〜12月20日(日)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:11月4日(水)、11月11日(水)
入館料一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円
小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能
主催:パナソニック 汐留ミュージアム、日本テレビ放送網、読売新聞社
公式サイト:http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/15/151029/index.html
フランスの北西に位置するブルターニュ半島の小さな村、ポン=タヴァンはゴーギャンが訪れるよりも前から芸術家たちをひきつけ、創作活動を支えた魅力的な土地でした。1886年、パリを離れたゴーギャンは初めてこの小村に滞在し、壮大な自然と明るい光、そして現地の人々に連綿と受け継がれる古くからの伝統文化に魅せられ、以降、何度も作品制作のために赴きます。この地でゴーギャンはエミール・ベルナールらと、「印象派」を超える新しい絵画を追求し「総合主義」(※)という現実と人間の想像力を一つの画面のなかに構成するスタイルを見出します。さらに若き画家ポール・セリュジエへのゴーギャンの指導はモーリス・ドニを中心とした「ナビ派」の結成につながりました。
ポン=タヴァンで繰り広げられた芸術の冒険は、20世紀美術の先駆けとして新たな時代を切り開いたと言って過言ではないでしょう。「印象派」から「総合主義」、「ナビ派」、そして「象徴主義」といった大きな転換の流れに立ち会うと共に、ゴーギャンと、ポン=タヴァンで活動した画家たちの個性や才能の輝きに出会うことが本展の見どころです。
本展には、ブルターニュ地方のカンペール美術館とブレスト美術館、そしてデンマークのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館などから出品されるゴーギャンとポン=タヴァンの画家たちの作品73点が展示されます。ゴーギャンにとっての最初の神秘の楽園であるブルターニュ地方を絵画でめぐる旅としても楽しめそう。この秋見逃せない展覧会の一つになりそうです。
関連イベント
■関連イベント※要事前申し込み
<山田 五郎 アートトーク>
人気テレビ番組「ぶらぶら美術博物館」(BS日テレ)などでおなじみの山田 五郎さんが本展の魅力について楽しくお話しくださいます。
【日時】2015年11月6日(金) 14時〜15時
【会場】パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
【定員】300名
【聴講費】無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)
<福田 里香 トークイベント ブルターニュのお菓子>
お菓子研究家の福田 里香さんに、ブルターニュ地方のお菓子についてお話しいただきます。福田さんのお菓子レシピや、ラッピングのご紹介も。(お菓子の試食はありません)
【日時】2015年11月14日(土) 14時〜15時30分
【会場】パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
【定員】150名
【聴講費】無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)
■□■ 『ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展』の開催概要 ■□■
開館期間:2015年10月29日(木)〜12月20日(日)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:11月4日(水)、11月11日(水)
入館料一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円
小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能
主催:パナソニック 汐留ミュージアム、日本テレビ放送網、読売新聞社
公式サイト:http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/15/151029/index.html
2015年10月17日
「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展に行って来ました。
風景画といえば19世紀のフランスのコローやモネ、イギリスのターナーの人気が高いですが、本展は16世紀後半から18世紀にかけてのフランドル、オランダ、イタリアの風景画が展示されています。
ウィーン美術史美術館のサビーネ・ハーグ総館長は「風景画の発展に重要な画家の作品を集めた」といいます。
このウィーン美術史美術館は、600年ものあいだウィーンに君臨し続けたオーストリア・ハプスブルク家の至宝である数十万点にも及ぶ膨大なコレクションがもとになっていて、ドイツ、オランダ、フランドルなどの北方絵画の傑作にイタリア・ルネサンスを中心とした至宝の作品が一堂に会しているのだそうです。ハプスブルク家のコレクション形成に関わったヴィルヘルム大公のブリュッセルにある絵画のカタログのような部屋が描かれた《レオポルド・ヴィルヘルム大公のギャラリー》の中に描かれている絵なども展示されています。
展示は、第1章「風景画の誕生」と第2章「風景画の展開」と大きく2つの構成です。第1章は、第1節「聖書および神話を主題とした作品中に現れる風景」、第2節「1年12カ月の月暦画中に現れる風景」、第3節「牧歌を主題とした作品中に現れる風景」という流れです。簡単に書きますと、聖書と神話の中の風景→12カ月カレンダーの中の風景→牧歌の中の風景の絵、の流れで展示されています。
西洋では15世紀以前は神話や宗教が主題の中心で、15世紀以降は人物や物語絵の背景に小さく風景が描かれ始めた。16世紀のアントワープで活躍したホーホストラーテンの画家「聖母子と聖カタリナと聖バルバラ」は、幼子イエスを抱えた聖母マリアの背景にわずかな景色がみえる。あるいは、16世紀半ばにヒエロニムス・ボスの模倣者によって描かれた「楽園図」は、噴水や奇岩、アダムとイブが主役で、背後のブルーでうっすらとした風景はまだ添え物のようだ。
風景画が独立して制作されるようになったのは17世紀のオランダから。プロテスタントでは宗教画が好まれなかったことや、新興のブルジョア階級が現実世界に美を求めたことから一気に脚光を浴びました。描かれた現実は、生活が豊かになった人たちが家を飾る絵画としてもてはやされました。
一方で、イタリアでは開花が遅かった。ルネサンスの人間中心の人文主義思想は、風景が前面に出ることをさまたげました。18世紀前半に人気を集めたカナレットの出現で、ようやく確固たる地位が築かれることとなりました。
「ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸」などの展示作品は、ゴンドラが水上を行き交い、遠くにはサンマルコ広場の鐘楼が見えます。
今回目立つのは、第2節の12カ月を表した月暦画です。一枚の絵画が連続することで時間が表現されていますが、宗教上の祈祷・祝日による日時の意識が、日常生活に向けられた人々の意識と、月々の農耕・農事に結びつけられて行ったのだそうです。風景画の先駆者と見なされるピーテル・ブリューゲル(父)の流れをくむファン・ファルケンボルフ一族のやや引いて俯瞰したような視線の月暦画と、イタリアのジョヴァンニ・ベリー二の流れをくむレアンドロ・バッサーノのその場に居るような遠くの一点に消失するような遠近法で描かれた月暦画を、対比的に見ることができます。
人間の行動もさることながら風景を観てもその季節の特徴が出ており、非常に面白い作品群でした。
個人的には第2章第2節「都市景観としての風景画」が一番好きです。
宗教画や理想郷の風景画にみられる幻想性が消えていき、目の前にたしかにあったのであろう、現実がそこに描かれています。
ルーカス・ファン・ファルケンボルフ《夏の風景(7月または8月)》1585年
アダム・ペイナーケル《ティヴォリ付近の風景》1648年
幼児ヨハネと天使のいる聖家族 ヤン・ブリューゲル(子) 天使がかわいい!夕焼けの空と森幻想的で美しい光景です。
風景画といえば19世紀のフランスのコローやモネ、イギリスのターナーの人気が高いですが、本展は16世紀後半から18世紀にかけてのフランドル、オランダ、イタリアの風景画が展示されています。
ウィーン美術史美術館のサビーネ・ハーグ総館長は「風景画の発展に重要な画家の作品を集めた」といいます。
このウィーン美術史美術館は、600年ものあいだウィーンに君臨し続けたオーストリア・ハプスブルク家の至宝である数十万点にも及ぶ膨大なコレクションがもとになっていて、ドイツ、オランダ、フランドルなどの北方絵画の傑作にイタリア・ルネサンスを中心とした至宝の作品が一堂に会しているのだそうです。ハプスブルク家のコレクション形成に関わったヴィルヘルム大公のブリュッセルにある絵画のカタログのような部屋が描かれた《レオポルド・ヴィルヘルム大公のギャラリー》の中に描かれている絵なども展示されています。
展示は、第1章「風景画の誕生」と第2章「風景画の展開」と大きく2つの構成です。第1章は、第1節「聖書および神話を主題とした作品中に現れる風景」、第2節「1年12カ月の月暦画中に現れる風景」、第3節「牧歌を主題とした作品中に現れる風景」という流れです。簡単に書きますと、聖書と神話の中の風景→12カ月カレンダーの中の風景→牧歌の中の風景の絵、の流れで展示されています。
西洋では15世紀以前は神話や宗教が主題の中心で、15世紀以降は人物や物語絵の背景に小さく風景が描かれ始めた。16世紀のアントワープで活躍したホーホストラーテンの画家「聖母子と聖カタリナと聖バルバラ」は、幼子イエスを抱えた聖母マリアの背景にわずかな景色がみえる。あるいは、16世紀半ばにヒエロニムス・ボスの模倣者によって描かれた「楽園図」は、噴水や奇岩、アダムとイブが主役で、背後のブルーでうっすらとした風景はまだ添え物のようだ。
風景画が独立して制作されるようになったのは17世紀のオランダから。プロテスタントでは宗教画が好まれなかったことや、新興のブルジョア階級が現実世界に美を求めたことから一気に脚光を浴びました。描かれた現実は、生活が豊かになった人たちが家を飾る絵画としてもてはやされました。
一方で、イタリアでは開花が遅かった。ルネサンスの人間中心の人文主義思想は、風景が前面に出ることをさまたげました。18世紀前半に人気を集めたカナレットの出現で、ようやく確固たる地位が築かれることとなりました。
「ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸」などの展示作品は、ゴンドラが水上を行き交い、遠くにはサンマルコ広場の鐘楼が見えます。
今回目立つのは、第2節の12カ月を表した月暦画です。一枚の絵画が連続することで時間が表現されていますが、宗教上の祈祷・祝日による日時の意識が、日常生活に向けられた人々の意識と、月々の農耕・農事に結びつけられて行ったのだそうです。風景画の先駆者と見なされるピーテル・ブリューゲル(父)の流れをくむファン・ファルケンボルフ一族のやや引いて俯瞰したような視線の月暦画と、イタリアのジョヴァンニ・ベリー二の流れをくむレアンドロ・バッサーノのその場に居るような遠くの一点に消失するような遠近法で描かれた月暦画を、対比的に見ることができます。
人間の行動もさることながら風景を観てもその季節の特徴が出ており、非常に面白い作品群でした。
個人的には第2章第2節「都市景観としての風景画」が一番好きです。
宗教画や理想郷の風景画にみられる幻想性が消えていき、目の前にたしかにあったのであろう、現実がそこに描かれています。
ルーカス・ファン・ファルケンボルフ《夏の風景(7月または8月)》1585年
アダム・ペイナーケル《ティヴォリ付近の風景》1648年
幼児ヨハネと天使のいる聖家族 ヤン・ブリューゲル(子) 天使がかわいい!夕焼けの空と森幻想的で美しい光景です。
アールト・ファン・デル・ネールの《月明かりの下の船のある川の風景》1665‐70年頃 ヴァンヴィティリ ローマのサンピエトロ広場 1703-24年 |
ヴェネツィアのサンマルコ広場 18世紀後半 | イアサント・ド・ラ・ペーニュの《パリのメジスリー河岸からのポン・ヌフの眺め》1743年 夕焼けの空が美しい。 |
今回はイタリア、パリなど行った場所も多く、絵の中に自分がいてヨーロッパに行ったような気分になれた1日でした。 「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展 開催期間:2015年9月9日(水)〜12月7日(月) *10/5(月)のみ休館 開館時間:10:00−19:00(入館は18:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで) 会場:Bunkamura ザ・ミュージアム http://www.bunkamura.co.jp/museum/ 「唐画もん」展 千葉市美術館千葉市美術館で開催中の開館20周年記念「唐画もん−武禅にろう苑、若冲も」展に行って来ました。
墨江武禅(1734〜1806)は、初期の頃は月岡雪鼎(つきおか・せってい)風の肉筆美人画を得意としますが、山水画を描くようになります。大坂の土佐堀川の近くで暮らし、一説には船頭をしていたともいわれているそうで、中国の港湾都市をモチーフにした「明州図」など、舟が浮かぶ穏やかな海辺を描いた作品があり、水辺の風景が好きだったようです。 当時、人気があったという一種の盆栽、鉢に石や植物を配した占景盤を描いた作品なども目を引きました。 また金工作品も遺しているので器用な人だったのですね。 雪舟風の「水墨山水図」や「蓬莱山図」と続きます。ちなみにこの蓬莱山のモチーフ、いわゆる長寿の吉祥主題だったことから需要が多く、武禅もたくさん作品を残しているそうです。「蓬莱山図」は、山から滝が流れ落ち、蓬莱山を象徴する鶴や亀を配し、いかにも中国風。3幅並んでいました。 武禅は、光の陰影表現にも関心を持っていました。「山水図」の楼閣の中より明かりが滲み出しています。光線画のはしりかも。手前に楼閣、中程に水辺、そして背後に山と構成は厳格、また筆も緻密ではありますが、このぼんやりと灯る明かりは穏やか。心も落ち着きます。武禅の山水画に情緒的な味わいがあるのも、繊細な光の感覚があるからなのかもしれません。 「花鳥図」も興味深い。花鳥とあるだけに鳥が描かれていますが、フラミンゴや七面鳥。日本には生息しません。しかも輪郭線を用いず、色の陰影で動物を描いています。まるで西洋画です。 一方、林閬苑は生没年不詳で1766〜80年頃に活躍していたようで、南画家の福原五岳に就いたといいます。中国の明・清時代の絵画や日本の古画を熱心に研究し、華麗な花鳥図のほか、中国の宮廷世界を主題にした風俗画を数多く残したそうです。 展示の中でとりわけ印象的なのが閬苑の「芭蕉九官鳥図」です。中国原産の芭蕉の大きな緑の葉と岩の上に止まる九官鳥を描写。地面では福寿草が咲き、芭蕉の花の赤が鮮やかで際立つ。大胆な構図とセンスのいい色彩は、モダンで現代絵画のようだ。こんな絵師がまだいたのかと、驚かされました。 鉢植えの蘭を題材にした「寒蘭図」も目を引きます。蘭の白い花としなやかに伸びた葉が繊細なタッチで描出。鉢植えの蘭図は、17世紀の朝鮮絵画に作例があることから、そうした絵を参考に描かれたと推測されているそうです。 2人はほぼ同時代に活動。現地に行ったわけではないでしょうが、中国に由来する画題を好んだことから「唐画師(からえし)」と呼ばれたそうです。 最後に多種多様の動植物を題材にした「動植綵絵」で知られる江戸時代中期の絵師、伊藤若冲(1716〜1800年)。 京都の商家に生まれ、30歳を過ぎてから本格的に絵を学び、狩野派の絵師に師事。しかし、自らの画法を築けなかったことから、画塾を辞め独学で腕を磨き、中国画を所蔵する寺に足しげく通い模写に明け暮れ、その数は1000枚にも及んだといわれているから、かなりの「唐画もん」ですね。 松本奉時と耳鳥斎の作品もあります。奉時は表具師。蛙が好きだったそうです。「蝦蟇図」などの絵を残しています。また「象鯨図」も興味深い。一目見て若冲の「象鯨図屏風」を思い出しました。というのも軸画という形式は異なりますが、モチーフが例の象と鯨に極めて良く似ています。若冲作との関連が指摘されているそうです。 なお本展と同時開催中の「田中一村と東山魁夷」展も見応えがありました。二人は意外にも東京美術学校日本画科の同期生。(ただし一村はすぐに退学してします。)一村は30代から50代にかけ、美術館からもほど近い千葉寺町に20年ほど過ごしました。また言うまでもなく魁夷は戦後、市川に自邸を構えた千葉ゆかりの画家でもあります。 一村24点、魁夷15点ほど。さらに魁夷に関連して、同じく同期生の加藤栄三や橋本明治の作品もあわせて展示しています。 一村ではかつて同館の回顧展でも鮮烈な印象を与えた「アダンの海辺」が素晴らしかった。 見どころの多い展覧会でした。 「唐画もん―武禅に閬苑、若冲も」 会期:2015年10月18日(日)まで *会期中展示替えあり(前期:〜9月27日、後期:9月29日〜10月18日) 会場:千葉市美術館 ウェブサイト:http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0908/0908.html 2015年10月16日故宮「清明上河図展」が閉幕「清明上河図」や「五牛図」などを含む283点の「石渠宝笈」に収録された宝物が9月8日 から11月8日まで故宮博物院の武英殿と延禧宮で同時公開されていましたが、展示替えのため清明上河図の公開は終了しました。
人民日報『より転載・・・・ 「故宮の4つの新エリア開放後初めての休日となった11日、約7万6千人の「初物好き」が故宮に押し寄せた。もちろん、このうち圧倒的多数は、「清明上河図」がお目当てだ。この国宝展は、12日に閉幕する。会場係員は、「来場者は最長で約13時間並ぶことになるだろう」と予測している。北京晨報が報じた。 故宮博物院の担当者によると、11日には制限数(8万人)に近い延べ約7万6千人が故宮に見学に訪れた。来場者のうち2万7千人は、オンライン前売りで入場券を手に入れた。素晴らしい快晴の天気と皇太后の在所「甄嬛故居」の吸引力は大きいものの、閉幕間近の「清明上河図」が最大の目的という人も少なくない。 午前9時、「清明上河図」を見納めに来た人々によって、くねくねと続く長い列ができ始めた。列の最後尾は牛門にまで延び、会場の武英殿からはすでに数百メートル離れてしまった。会場係員によると、今最後尾に並んでいる人は、会場に入るまでに13時間程並ばなければならず、夜になるのは間違いないという。故宮開放管理処の担当者は、「10月10日から連日、スタッフは真夜中の1時半ごろまで働いている。夜11時ごろになると、故宮博物院の単霁翔院長は、他の係員と共に、列に並んでいる来場者にお茶を振る舞い、『列に並び続けていれば、必ず国宝を観賞できます』と彼らを安心させていた」と話した。」 武英殿は、明早期創設され明朝を滅ばした李自成が即位した場所。明代は大臣の接見場所として使われ、清代になると皇帝直属の典籍編纂所兼印刷所となった場所です。 このような歴史のある空間で、宋元時代の絵画を見るのはまるで夢のような体験でした。 さらに、 「10日に開院90周年を迎えた北京の人気観光スポット・故宮博物院は同日、宝藴楼、慈寧宮エリア、午門−燕翅楼エリア、東華門エリアの新たなエリア4カ所を一般公開したほか、展示場8カ所も設置された。今後、大ヒットドラマ「宮廷の諍い女(原題:後宮・甄嬛伝)」の主人公である甄嬛が暮らしていた寿康宮や慈寧宮花園を見学できるほか、慈寧宮に設置された雕塑館に展示されている北斉時代の石仏像や唐開元二年の陶俑、清代の銀鎏金六世班禅像などの貴重な文化財を無料で見学できる。中国新聞網が報じた。今回初公開となる外西路のエリアにある寿康宮は、清朝の乾隆帝が母后・鈕祜祿氏のために建てた奉養所。開放される寿康宮は、乾隆帝が母親の誕生日を祝った当時の状況を復元したもので、各道具の配置も昔と完全に一致している。」 こちらもまたぜひ行きたいです! 2015年10月12日東京国立博物館でアジアの旅発見! つながるアジア─文化交流の視点で楽しむ東洋館が12日まで開催中です。
「博物館でアジアの旅」期間中、東洋館では、3つの特集を中心に、交流をテーマにした展示を行います。「形・文様」「技」「文字」「人」 をキーワードにそれぞれの作品をひも解き、背景にあるアジア各国・地域間の共通性と広がりをパネルで解説します。世界に誇る東洋美術コレクションを持つトーハクだからこそできる、アジアを展望する企画をお楽しみください。」 今日はまず5階の朝鮮時代の美術のコーナーから。 瀟湘八景図屏風 8曲1隻 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 広島・大願寺蔵 〜2015年10月12日 大願寺の僧が朝鮮にわたり持ち帰ってきたもの。 中国の工芸のコーナーの螺鈿の作品。 その後4階の中国書画精華―日本における受容と発展― へ。 今回は東山御物展のような充実のラインナップです。 李白吟行図 1幅 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀 山水図 2幅 伝夏珪筆 中国 元時代・13世紀 山水図 1幅 李在筆 中国 明時代・15世紀 雪舟の師です。今回一番のお気に入り。 足利将軍家の蔵品目録である『御物御絵目録』室町時代・15世紀 古裂帖 中国 元〜明時代・13〜17世紀 中国・宋〜明時代に織られた美しい金襴や緞子は、数百年後まで、茶人たちの間で珍重されたそうです。 検索
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