三ノ輪。「土手の伊勢屋」。
三ノ輪は時間をかければ池袋から都電やバスでも行ける。日比谷線で上野の先。北千住の手前。
三ノ輪駅からは土手通りをスカイツリーの方向に歩く。土手通りというのは言葉のイメージよりも大通り。
開業1889年。明治22年。
どんな世の中だったかというと、大日本国憲法が発布され、公衆用市外通話が東京-熱海間で開始された。
開店10分前に行くと先客は8名。開店時には自分までがちょうど入れた。
歴史をしのばせる店内。落ち着く。
天丼はイロハに分かれている。イはキス、イカのかき揚げ、海老二本、獅子唐。ロは穴子、イカのかき揚げ、海老一本、野菜二種。ハは穴子、小海老のかき揚げ、海老一本、旬の魚、野菜三種。考えどころ。
個人的にはキスでもいいのだが、穴子がおすすめのようなので食べてみようと思う。ロ以上。量的にはロで十分にも思えるが、ハだとかき揚げがイカから小海老にグレードアップする。結局ハにする。
瓶ビール。中。700円。瓶ビールは種類があった。サッポロのラガーにする。ちなみにサッポロのラガーが発売されたのは1877年。
穴子の骨がついた。甘じょっぱい味がついていておいしい。ビールを飲みながら天丼を待つ。いい時間。
「天丼(ハ)」。3,000円。
穴子、小海老のかき揚げ、海老一本、旬の魚、野菜三種。
背面。
穴子。
朝に〆るという穴子はなるほど。鮮度がいい。ほどよい味付けで、たまにある巨大すぎて持て余すようなものではない。
本日の魚はカサゴだった。キスより肉厚な白身の魚。おいしい。
天ぷらの量がかなり多いが、くどくなく、苦痛に思うような事もなく完食できる。
天ぷらは、クラシックなものだとふんわりやわらかの流儀もあるが、そういう方向でもない。揚げたてでふたをしているわけでもないのでサクサクのまま。意外に現代主流のもの。歴史と共に世の中に合わせて変えてきたのだろう。
店の雰囲気がいい。土手の伊勢屋の天丼を食べたという満足感がある。
食べログで3.63。個人的には3.55。意外に変わったものではないが、長く続けてきた店については素直に敬意を表する。ごちそうさまでした。
価格:756円 |
価格:2,870円 |
タグ:天丼 天ぷら
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