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2023年04月17日

【2023年4月追記】飛躍の翼 希望の街の情報屋 後書き

夜分遅くに今晩は。
忘れた頃に現れる遅筆ブロガー、『暇人の独り言』管理人です。





たとえ生存報告の日記であろうとも、月に何度か更新があれば良い方。
今やそんな有様の管理人と本ブログですが、よくよく思い返してみれば、開始当初は1日1記事を目指していた気がします。



あの頃は若かった。










さて、本記事では管理人と同じく忘れた頃に現れる拙作『光の翼』の後書きをお送りします。
今回は、「飛躍の翼 希望の街の情報屋」について。










情報屋のティグラーブからカオス=エメラルドの手掛かりを買いたいものの、懐に余裕がない風刃達。
そんな中、麗奈が金によらずに情報をもらうべく、カオス=エメラルドを賭けた提案をしました。





この話にて、麗奈の悪癖であるギャンブル好きがついに発動されます。
作者的には清楚で理知的な美人が博打狂いなのは意外で面白いのですが、御覧下さった方にとってはどうだったやら?


スベったりしてないと、嬉しいんですけどね。










…はい。
後書きなどと言いつつあっという間にネタが尽きてしまったので、今回はここまでとします。





拙作『光の翼』も、アクセス解析をしてみると何だかんだで時折閲覧していただけているようなので、「小説家になろう」だけでなく、本ブログでも完結するまで掲載するつもりです。


…寿命が尽きるまでに、間に合うだろうか。










ともあれ、また次の話とその後書きで、お目にかかります。










【以下 2023年4月追記】




今晩は。
ブログ的にも拙作『光の翼』的にも大変御無沙汰しておりました、『暇人の独り言』管理人です。





管理人がフリーゲームで戯れていたり某同人サイトに入り浸ったりしている間に月日は流れ、2023年も早々と4月の後半。
今更になって気付いてみれば、ブログは生存報告すら書かないまま1ヶ月以上も動きが止まり、拙作『光の翼』に至っては改稿版の掲載を丸1年と5ヶ月サボっておりました。





待って下さる方がいるかどうかはこっぴどく怪しいけれど、もしいらっしゃったら本当に申し訳ございません。
遅筆で物臭な上、やはり3つの投稿サイトの方を優先してしまうもので、こんな事態になっておりました…
その3つも一番短い所で既に丸3ヶ月以上止まってますけどね





反省の印になるのかどうかは分かりませんが、せめて現段階で改稿が終わっている部分は、明日以降も置いて行きます。
もっとも、該当するのはほんの6話分ですが…










ところで「希望の街の情報屋」についてですが、改稿前は新キャラのティグラーブが情報屋の仕事に真剣そのものである様子を描いておりました。
しかし、文章量を必要最低限に直すにあたって、少々惜しみながらも綺麗さっぱり消しております。





元々は「単なる変質者」ぐらいにしか考えていなかったキャラクターが仕事に誇りを持っていたのは格好良く思えて気に入っていたので、今後の話のどこかで機会があれば改めて取り入れたいものです。





以上、追記でした。
posted by 暇人 at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 光の翼

光の翼 飛躍の翼5 希望の街の情報屋2

通された黄金の館は、内装も異質だった。
単純ですっきりした空間が現れるものと予見したエントランスは、右手に数多の酒や文書を収納した棚と木製のカウンター、左手にスロットマシンやポーカーテーブルがある。
ティグラーブ曰く酒と博打が好きな性分ゆえ、近場にあったカジノバーが商売を畳む際に掛け合い、問題なく使える備品を買い取ったらしい。
「ミヅキレイナ、ヒノカミコウエン、アマギカケル、ユキハラヒョウカ…で、ソウクウランジンにソウクウフウジン、か。…ふーん…。」
思い思いに腰かけた僕達の名を復唱すると、ティグラーブは何やら二三(にさん)首肯した。
「…揃いも揃って、覚えやすい名前してやがるわね。」
「え〜?そんなに覚えやすいかね〜?」
「ええ。人間界じゃどうか知らねーけど、こっちじゃあんまり聞かねー名前ばっかりだから、スッと入って来やがるわよ。」
「家(うち)みてぇな苗字が2軒も3軒もあったら、気色悪いけどな。」
「自分とこの名前気色悪いとか言うな。」
注文した氷水を嘴から流し込みつつ自虐を垂れる左隣の弟に、野菜ジュースの入ったコップを握ったままで苦言を呈した。
「で…レイナ、だっけ。カオス=エメラルドに願いを言う権利を賭けるってのは、どういうルールで勝負するのかしら?」
「それを申し上げる前に、こちらも伺いたい事がございます。ティグラーブさんなら、カオス=エメラルドに何を願いますか?」
「おいどんなら?…魔界平和、一択ね。」
「へえ。格好の割には、偉くまともな願いだな。」
「…いや、そのクチバシに言われたくねーんだけど。」
「何だとこら!!」
「はい、抑えて抑えて。」
立ち上がって殴り掛かりそうになった風刃の首根っこを掴み、押し止める。
「…魔界の歴史って、はっきり言って浅いんだけどさ。全土で平和って時期はほとんどないに等しくてね。金だの、権力だの、領土だの…色んな理由であっちこっちに揉め事が起こりやがるのよ。」
「…聞いてるだけで気分悪くなっちゃうなぁ…。」
「気分悪いで済むなら、かわいいモンよ。当事者共は自業自得の極みだからどうでもいいけど、流れ弾喰らってくたばってる無関係の奴もいるのよ。…おいどんでも、数を掴み切れねーくらいに。」
微かな口惜しさを滲ませたティグラーブのぼやきで、皆の表情が明白に曇る。
「おまけに今ちょうど、カオス=エメラルドが騒がれてやがるでしょ。これ絡みの争いと来たら、とばっちりも他の比じゃねーわよ。挙句の果てに、災厄の刃(クラディース)も出て来やがったしね。」
「…その災厄の刃(クラディース)ッての、何なんだ?ソミュティーでもちッとばかり聞いたけどよ…。」
「あ、知らなかった?忌み子とか、ディザーって呼ばれてやがるヤローの兵団よ。」
「イミコ…そう言えばシュオルドって人、ボクたちがそいつの仲間かどうかって、気にしてたみたいだったよね。」
「ああ…警護役があれだけ用心してたって事は、相当危ねぇ野郎ってとこか?」
「へえ。良い見立てしやがるじゃない。…その通りよ。」
風刃の慧眼を称えると、ティグラーブは棚から1冊のファイルを取り出した。
「とにかく物凄い魄力してやがるヤローでね。記録によれば随分昔にも魔界の支配を狙って大暴れしたけど、何かの手段で封印されたそうだわ。…その封印とやらが解けちまったから、復活しやがったわけだけどね。」
「魔界の支配って…世界征服とかリアルに考える奴いるのか…?痛ぇ野郎だな…。」
「イタいなんて、呑気な話じゃねーわよ。従わねー相手は無論の事、忠実な部下から見も知らねー赤の他人まで、少しでも気に障ったら一瞬で消し飛ばすって有名なヤローなんだから。」
「何じゃそりゃ〜?独裁者丸出しじゃねえのよ…。」
「聞くだけで面倒臭さしかない奴…。」
「なるほど、丁度良いお話を伺えました。ティグラーブさん、賭けのルールですが…。」
紅炎共々ディザーなる人物の噂に頭を痛めていたところ、それより遥かに差し迫った問題が、身内から生み出された。





「カオス=エメラルドを集める道中で魔界平和を実現してみせますので…これから私達に無料で情報を提供してくださいませんか?」





丁寧で慎ましやかな物腰からの大胆不敵な発言に、誰もが硬直した如く静まり返った。
それはつまり、無益な争いを起こす者達を一人残らず打ち倒してやるとの、堂々たる宣言に他ならない。
「…とんでもなくでかい台詞抜かすわね。もしできなかったら、どうしやがるの?」
「その場合は、ティグラーブさんにカオス=エメラルドをお譲りします。」
「ちょっと、月さん!?何言い出すんですか!」
「魔界平和にしねエとカオス=エメラルド没収ッて、こッちに不利過ぎンだろ!」
「ですが、お願いする内容が余りに重いですから、この位の不利は背負わなければ…。」
「…確かにな〜…。」
紅炎が苦い面持ちで同意すると、異を唱えていた氷華君や駆君も黙り込んでしまう。
金の代わりとして認めて貰える情報料となれば、やはりカオス=エメラルドしかあるまい。
懐を温めてから情報を買う道も物理的には存在するが、時間の無駄に過ぎて机上の空論だ。悠長に構えていれば、他の者に有力な手掛かりを奪われるのが目に見えている。
「…なかなか面白い事言いやがるけど…いくら魔界に来たばっかりとは言え、話が見えてなさ過ぎよ。」
ジョッキになみなみと注いだビールを一口含んだティグラーブは、厳しい現実を告げる。
「テメーら、つい最近魄力のこと知って、ほんの1週間修行した程度だって言ったわよね?そんな有様じゃ他の小物共はともかく、ディザーのヤローは手に負えねーわよ。」
「やってやるさ。」
腕組みしたティグラーブに即答すると皆の視線を一身に受けたが、些かも動じなかった。
「カオス=エメラルドのために魔界くんだりまで来たんだ。ディザーだか災厄の刃(クラディース)だか知らないけど、邪魔する奴は全員黙らせてやるよ。」
「…ふっ。ランジン、だったっけ?テメーはまた、自信過剰な野郎ね。」
「ナルシストなんでな、この男。」
「やかましい!!」
「…まあ、今の台詞には100%賛成だけどな。」
弟にぶつけるはずだった拳を、ぴたりと止める。
「カオス=エメラルド取れるかどうかで、身の振り方変わって来るんだ。どんなやばい奴がいようが、折れちゃやらねぇよ。」
「…心意気には感心しときましょう。けど…ざっと魄力探った限り、今のテメーらじゃ6人がかりでやっても、ディザーにホコリ1つも付けられそうにねーのよね。」
「じゃあ、もっともっと強くなってやるさ!ディザーとかいう奴もボコボコにできる位にな!」
先程よりも熱意を露わに、拳を握って高らかに告げた。
「そうね。賭けに乗ってやれるとしたら、テメーらにその程度の可能性を感じられるかどうかが全部よ。…って事で…レイナ。おいどんと手合わせなさい。」
テイグラーブは麗奈を指差し、対戦を求めた。
「こうして情報屋なんてやってんのも、永世中立の情報源になればいきなり殺される危険は減るだろうって考えての事でね。それが当たったもんで、大した魄力はしてねーのよ。そんなおいどん相手で負ける程ヘボかったら、いくら今後に期待なんて言われても賭ける気にはなれねーわ。」
「…魅月さんを油断させようって腹か?あんた、そこまで雑魚でもなさそうだけどな。」
「さて、どうかしらね?…まあ何にせよ、話の続きはレイナがおいどんに勝った時にしましょう。」
「承知しました!必ず乗って頂きますよ!」
「う〜ん…何だかおかしなことになっちゃったなぁ…。」
「…まア、仕方ねエ。情報屋を味方にするには、これ位しか手がねエからな…。」
氷華君が頭を抱えれば、駆君は小さな溜息混じりで独り言の様にこぼす。
「そんじゃまず、広いとこに移ろうぜ〜。」
万に一つも街に被害を出さぬよう、ファラームを取り巻く荒野へ移動する。
午後8時40分を回った地表は月明かりに満ち、言葉で表そうとするのも無粋なまでの美しさだった。
posted by 暇人 at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 光の翼

光の翼 飛躍の翼4 希望の街の情報屋1

午後8時に辿り着いたファラームは、大都会だった。
龍を象(かたど)った噴水が特徴的な中心街。食事処や娯楽施設や雑貨屋等の幅広い業種が軒を連ねる商店街。家屋が林立する住民街。そして政(まつりごと)の拠点を擁する城下町と4つの区域に分かれており、只管に広大。
『村』と呼ばれながら狭さとは程遠かったあのソミュティーさえ、矮小な田舎町に映ってしまうまでの繁栄振りを示している。
街の規模に似つかわしい数の住民達は、凡庸な人間と全く変わらぬ容貌の者もいれば角や尻尾等を有する獣の如き者もありと様々だったが、話しかけた際の反応は概して穏やかで、聞き込みの相手には困らない。
目当ての家は、物の10分で発見できた。
「…えっと…マジで、ここかな?」
「…ええ。はっきり書かれてありますから、間違いないでしょう…。」
紅炎や麗奈をはじめ、『魔界一男の色気に溢れるティグラーブ様の情報屋』と書かれた表札を見つめる仲間達の瞳は暗い。
洋館風の住居本体だけでも大概だが、庭園の植物までもを金色に塗装してのける変人に関わらなければならないとあっては、道理な反応であろう。
「…なるほどな。霧雨のヤローに奇怪呼ばわりされるワケだゼ。」
「いくらなんでもあんまりでしょ、これ…。」
駆君や氷華君が大いに気味悪がる中、黄金の呼び鈴を押下した。
「おい!?何しとんじゃ馬鹿兄貴!」
「こっちの台詞だよ。ここまで来て、ボケッと突っ立ってても仕方ないだろ。」
軽快だが味気無い機械音が途切れると、逞しそうな男性の声がした。
―はい、どちら様?
「あの、情報屋のティグラーブさんはいらっしゃいますか?」
―ああ、客?ちょっと待ってやがりなさいね。
横柄かつ珍妙な口調に一層の不安を覚えてから程なくして、玄関の扉は開かれた。





「はい、どうもー。おいどんが魔界一の情報屋、ティグラーブ=ラクタード様よ。」





追い求めた名を口にしながら顔を見せたのは、正に変質者だった。





否、橙色のアフロヘアーと星型のサングラスはまだ、『奇抜』の範囲内で済む。





だが赤いボクサーパンツ一丁という、筋肉質な上半身を惜しげもなく晒す格好で屋外に現れたのには、恐れ入るしかない。





金メッキの邸宅が何の変哲もない建物に思えてしまう程、常軌を逸していた。





「…何よ、テメーら。呼び出しといて、ボーッとしてやがるんじゃねーわよ。」
如何なる覚悟も完膚なきまでに粉砕する男が、不機嫌にこぼす。
「…あんたが呼び付けた変態だ。きちんと相手しろよ。」
「賛成〜。」
「誰がヘンタイよ、このアホ共!」
「…えっと…本当に、お前が情報屋…?」
「そう名乗ってやったでしょうが!言っとくけど、偽者とかじゃねーわよ!」
「ああ、そう…じゃ、カオス=エメラルドのある場所訊きたいんだけど、知ってるかな…。」
何かの間違いであってくれとの苦しい願望も断たれ、気持ち悪さを堪えながら問うと。
「あら、丁度良かったんじゃねーかしら?まだ他の客に買われてねーとっておきのネタが、3つあるわよ。」
「わっ、ラッキー!いくらで売ってくれるの?」
「1つ10万円で。」
懐から召喚された桃色の財布が、氷華君の足元に墜落した。
「あらま、キツイ値段だな〜…。」
「かもね。けど、これでも今一番の特ダネとしちゃ叩き売りもいいところだから、もっと負けてやるってのは無理よ。」
「…皆、金はどの位あったかな?」
全員の所持金を合算したところ、約45万円あった。
これなら30万円の情報料を支払っても、無一文にはならない。
「金が足りてるなら、後はテメーら次第ね。どうしやがるの?」
だが、軽々しく踏み出せる買い物ではなかった。
旅人は何かと物入りの身。後先考えずに金を使っていては、たちまち素寒貧(すかんぴん)になってしまう。
「…ティグラーブ。情報料って、どうしても金じゃないと駄目か?違う物で料金代わり、って訳には…。」
「ああ、考えてやらねーでもねーわよ?今あるネタの1つも、捜し人の目撃情報くれてやる代わりって事で、知り合いから聞いたモンだしね。」
素気(すげ)無く一蹴されるのを覚悟で切り出した交渉に、ティグラーブは存外寛容だった。
「でも、何をよこしやがるかが問題ね。金以外となると、ちょっとやそっとの物でOKって訳にはいかねーわ。」
「…その御言葉は、『少々の物』でなければ間違いなく応じてくださる、と受け取ってよろしいでしょうか?」
「へ?…あ、ええ。そいつは勿論…。」
腹を据えた様子で目を光らせる麗奈に、この場の全員が至極嫌な予感を抱く。





「では、ティグラーブさん。私達と勝負を致しませんか?―カオス=エメラルドに願いを言う権利を賭けて。」





案の定懸念は的中し、僕と紅炎は思わずむせてしまった。
「何言い出してんだ、この不良嬢様は!!」
「お前、ギャンブルで勝った例(ためし)ないだろうが!!」
学力と素行の両面で優等生と称して差し支えない麗奈の、数少ない重大な欠点がこれだった。幸運の女神と疎遠にも拘わらず、どうしようもなく賭博好きなのだ。
借金してまでのめり込みはしないが、資金が残っている限り引き際を見極めず挑み続けてしまうので、始末が悪い。
カオス=エメラルドを情報料代わりに差し出す手は自分も真っ先に考えたものの、麗奈の口から発案されると、行く末が不安になる。
「…テメー、本気で言ってやがるの?カオス=エメラルドに願いを言う権利なんて差し出したら、何兆円レベルの情報せしめたってそっちの大損よ?まして、ほんの30万円分の情報相手で…。」
「御心配には及びません。賭け金代わりの情報は、もっとたくさん頂きますから。」
挑むように微笑む麗奈に対し、ティグラーブはオレンジ色のアフロヘアーを掻く。
「何だか、長い話になりそうね…けど面白そうだし、もうちょっと聞いてみてーわ。テメーら、上がっていきやがりなさい。」
満更でもない反応を示すティグラーブに先導され、僕達は眩いばかりの家へと踏み入った。
posted by 暇人 at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 光の翼
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