2018年01月05日
【ネタバレあり】「オメガラビリンスZ」を語る
深夜遅くに今晩は。
その気になれば遅筆ぶりでネタキャラとして名を馳せられるのではないかと9割方冗談で考えている、「暇人の独り言」管理人です。
今回の「オメガラビリンスZ」を語る記事、2017年11月から用意を始めていたはずが、気が付けば2018年1月になってしまっていました。
何てこったい…
さて、散々時間をかけまくりましたが、今回の記事ではその「オメガラビリンスZ」について語ってみようと思います。
これまでの記事は同作のチャレンジダンジョンについて触れて来ましたが、今回は作品全体のことについて、1作目との比較も混ぜつつ喋ります。
本ブログ初の超・長丁場の記事となりましたが、よろしければお付き合い願います。
…その前に、いつもの注意書きをば。
…この注意書きを見て本当に引き返す方がいらっしゃるかどうかも分かりませんが、一応ネタバレ記事を作る者の責任ということで。
では、記事を続けます。
「オメガラビリンスZ」は、「オメガラビリンス」の続編にあたります。
タイトルに違わずキャラクターの胸をZカップまで大きくできたり、ダンジョン内に店や温泉や巾着が登場したり、1作目にもあったチャレンジダンジョンがよりパワーアップしていたりと、公式ページでのセールスポイントには事欠かない1本でした。
…公式ページの「SYSTEM」の文章は悪ノリし放題ですが、おそらく深く考えたら負けです。
本作のストーリーは、1作目で愛那達が破壊した「美の聖杯」を、新キャラクター・茜崎莉央(あかねざき りお)が復活させようとしたことに端を発します。
自分の胸を小さくしたいと願っていた莉央は願いを叶えてくれる「美の聖杯」を復活させようと奔走したものの、その結果出来上がったのは、災いをもたらす「欲望の聖杯」でした。
その「欲望の聖杯」によって引き起こされた事件に収拾をつけるべく、愛那と仲間達は再び聖杯に関わる冒険に挑むことになります。
冒頭部分では莉央が中心となってチュートリアル的な解説を挟みながら話が進みますが、聖杯を探し始めた矢先に仲間が行方不明になり、その仲間を捜索するためにダンジョンに入ったことで妖精に出会うという始まり方は1作目と変わっていません。
他にも、1作目で改心した理事長が再び悪者扱いになっていたり、愛那達の窮地を救うために妖精が消滅の危険を厭わずωパワーを使うなど、大まかに見れば1作目と同じと言っていい流れはいくつか見受けられました。
序盤のチュートリアルと理事長の件に関しては、シリーズのお約束を守ったと好意的に見るべきか、手を抜いて使い回したと思うべきかは迷うところです。
前者は世界観とゲームシステムの説明となっていて、1作目からではなく本作から入ったプレイヤー向けの配慮と受け取れる余地があるため軽々しく手を抜いたとも言い難く、後者についても理事長のミステリアスな雰囲気が『悪役っぽく見えるキャラクター』として適任だったために白羽の矢を立てられた可能性が考えられるので、これらはやむを得なかったと思うこともできるでしょう。
しかし、新キャラクターの妖精・チチが愛那達を守るために一旦消滅する展開については、その後の復活があまりに簡単に行われたため、つまらなく感じました。
チチは本作の黒幕・欲望の魔女によって劣勢に追いやられた愛那達を救うべく、「美のニューリング」を使って欲望の魔女を追い払い、同時に自分も姿を消したわけですが、その次のイベントシーンでニューリングを使って消滅した妖精は復活できないかもしれないとの会話がなされたそばから、あっさり復活したのです。
仲間を復活させるためならどんなことでも、とプレイヤーが腹を括る必要すらないままに助かってしまうので、拍子抜けせざるを得ませんでした。
1作目で妖精・パイが消滅した際もかなり簡単に解決してはいましたが、そちらでは最終決戦の後に愛那達の祈りに応えて復活していたため、多少は見応えがありました。
「放っておいても復活できていた」という旨の蛇足な台詞もあったけど
本作でも何か一手間をかけて焦らしておけば、チチが復活したときの感動や安心感の大きさが違っていたことでしょう。
他にも、欲望の魔女が不敵な口を利く割には度々簡単に追い詰められていてどうにも威厳がないなど、丁寧に作り込めば熱くなれたシーンがさらりとまとめられていたのが惜しいところでした。
ストーリーについてまとめると、1作目・本作ともにシリアスになり切れていないという印象です。
もっともそれが必ずしも悪いことばかりというわけではなく、重苦しい気分にならないで気楽にゆるく物語を楽しめるという利点にもなってはいます。
ただしその反面、感情移入して熱くなるのには難があり、ストーリーに対しては物足りなさを覚えることも否定できません。
…まあ、ローグライクRPGに一番求められるのはダンジョン攻略の面白さなので、ストーリー面は看過できないレベルの矛盾さえなければ、それで良いのかもしれませんが。
1作目では5人だったプレイアブルキャラクターは、本作では9人に増えています。
内訳は人間7人と妖精2匹。
ノンプレイアブルキャラクターを含めると、メインキャラクターは12人になっていました。
内訳は人間9人と妖精2匹と変な魔獣1匹。
以前作成した記事「『オメガラビリンス』を語る」では管理人が特に気に入った愛那・なこ・美玲の3人について喋りましたが、今回は9人の人間キャラについて言及してみます。
・朱宮愛那(あけみや あいな)
1作目から引き続き主役を務めたキャラクターで、明るく前向きで責任感も強く、気付けば仲間達の中心になっている人物です。
本作では、学園の創立記念日にしか開かないはずの聖洞がその当日でもないのに開いたことを知り、1作目の事件で絆を深めた仲間達と共に再びダンジョンへと踏み入ります。
正義感の強さは本作でも相変わらずで、後述のうららと親しい仲にありながら彼女を突き放した莉央に憤りを露わにしたり、そんな莉央をも仲間と称して見捨てずに歩み寄ったり、モンスターから庇ったりと、主人公の肩書に恥じない活躍を見せてくれました。
幼い頃から両親がいないことは1作目でも語られていましたが、本作にてその両親が行方不明などではなく、既に亡くなっているというきつい事実が明言されました。
しかもそれを明かしたのが本人ではなく、長く深い付き合いの親友ながら詳しくは聞いていないというなこであった点からも、かなり傷付いていることが見て取れます。
当然と言えば当然ですが…
それでも、優しく温かくいつも味方になってくれるという祖母から大切に育てられたお陰か、捻くれたりすることもなく明るく真っ直ぐな人物になっています。
もしも愛那が祖母に育てられていなかったら、彼女は行動力と人望に恵まれた人間にはなっていなかったかもしれず、1作目や本作での事件を解決することもできなかったかもしれません。
そう考えると、名前も素顔も明かされないものの、愛那の祖母がとても偉大な存在に思えます。
ちなみに愛那は1作目で、祖母や写真で見た母親は胸が大きかったから成長すれば自分も大きくなると思っていた、という旨の発言をしていました。
当人の体型を見ると、その言葉は何とも哀しく響きます…
1作目での冒険の末に努力で自分を輝かせるという心意気を持つようになったものの、大きな胸への執着は健在で、本作でもなこや莉央の胸を羨むシーンが度々ありました。
変わらない安心感がそこにある。
欲望の魔女を倒して学園に戻って来た際、莉央との会話の中でつるぺた呼ばわりされて激怒し、愛那が彼女に決闘を申し込んだところで、本作の物語は平和的に幕を下ろしました。
めでたしめでたし。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、目の前のモンスターに物理ダメージを与えつつ5ターンの間自分の物理攻撃力と物理防御力をアップさせる「ハートブレイク」、自分とパートナーのHPを少し回復するとともに5ターンの間物理攻撃力をアップさせる「ハートフルレイン」、部屋内のモンスターに防御力を無視したダメージを与える「オメガインパクト」、前方3マス内のモンスターに大ダメージを与える「串打ち3年」の4種類。
スキルの種類そのものは1作目と全く同じなのですが、そちらでは「ハートブレイク」と「ハートフルレイン」を使用した際の物理攻撃力や物理防御力アップの効果が15ターン続いたのに対し、本作では5ターンへと大幅に減らされてしまっています。
そのせいで、これら2種類のスキルの魅力は1作目以上に小さいです。
特に後者については、回復量が50ポイントと少ないため物理攻撃力アップの恩恵を考えても使い道が乏しいという大きな弱点が1作目の時点で存在していたところに、回復量は増えないままで物攻アップの効果は短くされるという、さらなる追い打ちを喰らった形となっています。
ひどい。
一方で「オメガインパクト」と「串打ち3年」は性能が1作目そのままなので、強めの攻撃を叩き込みたいときに重宝します。
最もお世話になるであろうスキルは前者で、同じ部屋にいるモンスター全てに耐性を無視して100ポイントのダメージを与えられるので、アイテムの持ち込みができないチャレンジダンジョンのモンスターフロアやモンスタールームでは特に助けられることでしょう。
最上位種のモンスターのように、HPが多い相手に対してはいまひとつであることも否めませんが、そうした場合も反撃を受けない遠距離から一方的に攻撃してやれるという点では十分に魅力的なスキルです。
とにかく攻めることに長けているので、攻撃こそ最大の防御と考えるプレイヤーに最適なキャラクターです。
考えるより先に身体が動く愛那に共感できるという方は、迷わず彼女をリーダーに選びましょう。
・美桃なこ(みとう なこ)
愛那の親友にして、天然で楽観的な人物です。
1作目同様にパーティ内でムードメーカーの役割を果たしているほか、ダンジョン探索をピクニック気分で行っていたことが発覚しました。
愛那も「意外と大物かもね」とコメントしている通り、厄介者のモンスター共が蠢くダンジョンでここまで能天気にしていられることには、ある種の風格を感じます。
1作目と本作の両方で、小学生時代に可愛らしさを妬まれて陰口を叩かれていたものの愛那に救われたことで親友になった、という来歴が語られました。
しかし、時には互いの立場が逆転することもあり、これまた1作目と本作の両方で、落ち込んだ愛那をなこが元気付ける描写があります。
その愛那が落ち込んだ理由というのが、1作目では仲間達が捕らわれたことであり、本作ではうららから自身の胸をぺったんこと(悪気なく)評されたことだったわけですが、いずれのケースでもなこは上手く愛那を立ち直らせてみせました。
このことに関して本作では紗衣理が「愛那先輩がなこ先輩をフォローしてると思ってたけど逆なのかもしれない」と感じているシーンがありましたが、言い得て妙だったと思います。
余談ながら、なこは密かに弟持ちのお姉ちゃんという、刺さる人には刺さる属性をしています。
しかし、本作ではその弟に触れる台詞はろくにありませんでした。
強いて言えば愛那のパートナーキャラクターにしたとき、アイコンをタッチすることで聞ける台詞から、弟の存在を窺い知れるのみ。
女性キャラクターが主軸のゲームである以上、男性キャラクターに対する至極正しい扱いだったのですが、ブラコンなお姉ちゃんキャラが好きな管理人にとっては何とも言えず、寂しいものでした。
劇中の言動からは、女性らしい美しさよりも少女らしい可愛さを感じることの多いなこですが、本作では温泉に入ったときに見られるイラストや、「悶絶☆覚醒」のシチュエーションの1つ「襲っちゃうよ」など、1作目に比べると色っぽさを感じる機会がいくつかありました。
特に後者ではベビードールを身にまとって、「この恰好、セクシーかな〜?」、「なこの身体みせつけちゃうよ〜?」といった誘うような台詞を語り掛けて来るので、普段とは違って艶めかしいなこを楽しめます。
是非弟を襲ってあげてください
ダンジョンで使えるアクションスキルは、自分とパートナーのHPを50%回復しつつ悪性の状態異常も治す「ばんそうこう」、満腹度を10%回復する「みるくパン」、使用したフロアにおいて自分とパートナーのHPの自然回復量を増やす「おまじない」、満腹度を10%回復し30ターンの間浮遊状態になる「うきうきパン」の4種類。
なこは1作目から引き続き登場した5人のキャラクターの中でも、かなりアクションスキルが弱体化させられています。
1作目にあった、満腹度を20%回復する上にフロアを移動するまで満腹度が減らなくなる「ふわふわパン」と、満腹度を100%回復する「まんぷくパン」が削除されているためです。
このせいで、アイテムなしでも飢え死にを回避しやすいという大きな強みが奪われた形となっています。
後釜として搭載された「みるくパン」と「うきうきパン」はお世辞にも強力とは言えない効果であり、料理の腕前がプロ並みというキャラクター設定にも似合っていません。
確かに1作目のなこは、満腹度を維持することにかけてはずば抜けたスキルの持ち主だったものの、それで絶対に飢え死にしないというわけではないし、HPや状態異常や満腹度の回復に特化したせいで複数のモンスターを相手取るのに不向きというデメリットもしっかり抱えたキャラクターでした。
「ふわふわパン」や「まんぷくパン」をいじらず続投させても、他のキャラクターに比べて極端にダンジョンの攻略が簡単になったりはしなかったと思うのですが、公式では調整の必要があると判断されたようです…
言わずもがなこの変更は、プレイヤーにとってはかなりの痛手となりました。
ただ幸いにして、「ばんそうこう」と「おまじない」の性能は1作目のままです。
そのため、アイテムを使わずにHPを回復するのが得意という強みは死守しています。
殊に「ばんそうこう」に救われるケースは、1作目より熾烈な戦いが多い本作においては枚挙にいとまがありません。
ゆえにこちらが改悪されずに済んだのは、プレイヤーにとってはまさに御の字というものでした。
HP回復の効果を持つスキル自体は、「ばんそうこう」以外にも僅かに存在してはいます。
が、それらは回復量が少なかったり、残りHPやレベルといった条件が整わないと使えないなど、いずれも実用性がいまひとつ。
唯一、「うらら眠たい…」は「ばんそうこう」と互角の回復量を叩き出していますが、こちらは状態異常を治すことができないという点で見劣りしています。
HPや状態異常を自力で治してこそ回復役だと考えると、本作において回復役と呼ぶに足るキャラクターは実質的になこだけとも言えるでしょう。
容姿・性格共にゆるいなこですが、そのゆるさに似合わず「ばんそうこう」を利用した持久戦が得意なキャラクターです。
HPさえ維持できればどんな状況も乗り切れるという自信があれば彼女を操作して、ダンジョンを気楽に攻略してしまいましょう。
蒼社紗衣理(そうじゃ さえり)
1作目から登場しているキャラクターで、愛那によく懐いているしっかり者の後輩です。
本当はなこと同じくらい胸が大きいものの、愛那のコンプレックスを刺激しないようにサラシを巻き付けて小さく見せているという、実に先輩想いな後輩。
1作目では唯一の最下級生だったため、妖精のパイ以外の相手には常に丁寧な言葉遣いをしていましたが、本作には新キャラクターとして同学年のうららが登場しており、彼女に対しては当然一貫してタメ口で話しています。
かなりどうでもいいことではありますが、その際の口調は割とボーイッシュ。
1作目で語られたことですが、紗衣理はロシア人の祖父を持つロシアと日本のクォーターで、ロシアにいた頃は体格の小ささや片言でしか話せないことで、日本に来てからは漢字が書けないことで笑い者にされたという苦い経験を持っていました。
以来、昔から好きでなかった人付き合いを一層不得手としてきたようですが、野外で読書をしていたときにダイエットのためのランニング中だった愛那と出会うと、気さくに話しかけて来る人柄や目標に対してブレのない姿に影響を受け、愛那のようになりたいと思うようになりました。
そして自分を変えたいという気持ちから、目が隠れるほど長く伸ばしていた髪を短くすると、愛那から「すばしっこくて忍者っぽいから」という半ば意味不明な理由でマフラーを贈られます。
紗衣理自身は急に髪を短くした自分が風邪を引かないようにとの配慮なのだろうと解釈していますが、その大切なマフラーを傷つけたくない思いから、忍者を意識するようになったようです。
そのためか1作目・本作とも、「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」のシチュエーションには忍者絡みの物が目立っています。
若さに似合わず冷静で賢明な紗衣理ですが、愛那を慕う気持ちはとても強く、それだけに彼女がうららに何かとかまう本作では、うららに嫉妬したり寂しさを感じるといった年齢相応の未熟さも見せました。
しかし、愛那が自分の成長をしっかりと見てくれているのだからうららに嫉妬する必要などないと気付くのが早かったことから、やはり切れ者ぶりはパーティ中でも随一と映ります。
一方で、「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」を拒む愛那をおだてて嫌々ながらもやるように仕向けたり、道を尋ねただけの真理華を拒絶した「前髪が長くて胸に本を抱えた女子生徒」のことを彼女から問われても他人事のように受け流しつつ陰では自分のことだろうと認めているなど、強かな顔ものぞかせました。
油断ならない後輩。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、周囲8マスのモンスターにダメージを与えつつ自分の物理攻撃力を5ターンの間アップさせる「獅子奮迅」、部屋内のモンスターを20ターンの間目つぶし状態にすると同時に20ターンの間モンスターの投擲攻撃をかわす状態になれる「鏡花水月」、前方1マスのモンスターにダメージを与えつつ自分を5ターンの間倍速状態にする「疾風迅雷」、部屋内のモンスターをフロアのどこかにワープさせる「風神召喚」の4種類。
スキル構成は1作目と同様ですが、そちらでは15ターン続いた「獅子奮迅」の物理攻撃力アップの効果が、本作では5ターンに減らされています。
しかし一方で、1作目ではモンスターを目つぶし状態にするだけだった「鏡花水月」に、本作では20ターンの間投擲攻撃を無効化する効果が追加されました。
弱体化のみだった愛那やなこに比べれば、トータルでは強化されていると言っても間違いではないでしょう。
いいなー…
モンスターフロアやモンスタールームに出くわした時も、「鏡花水月」でモンスター共を目つぶし状態にして、その隙に「疾風迅雷」で倍速状態になった上で「獅子奮迅」を繰り返し使用してやれば、闇に乗じて鮮やかに標的を葬る、まさに紗衣理の目指す忍者のような活躍を演出できます。
窮地に陥った場合は緊急措置として、「風神召喚」で部屋内のモンスターを一時追い払うことも可能です。
…しかしこれ、忍者っぽさを出すには紗衣理が風をまとってどこかへワープする、とかの方が良かったような。
1種類のスキルで部屋中のモンスターを一掃するということはできませんが、複数のスキルを組み合わせて使えば1対多数の状況下でも有利に戦える余地があります。
紗衣理と共に冷静に頭を働かせて、手堅くモンスターを倒していきましょう。
・翠川真理華(ひかわ まりか)
1作目から登場している2年生で、生徒会長の美玲を過剰なほどに敬っているコバンザメ副会長です。
登場人物のうち、本作で新登場した莉央以外では最も男勝りな口調で、武人のような硬く古めかしい喋り方をします。
1作目では、会長と私だけでも十分だの、これ以上会長の足を引っ張れないだのと、口を開けば美玲への心酔ぶりが目立つ台詞ばかりのキャラクターでした。
対して本作では、やたらに美玲の名を出す癖は見受けられなかったほか、1作目で顔見知りになった愛那やなこや紗衣理に対して多少親しげに振る舞っているため、受ける印象はなかなかに変わります。
特に愛那に対しては、敵意を向けて来ていた莉央を迷いなく救いにかかるほどの真っ直ぐさを評価すると同時に、自分も見習うべきかもしれないと直接本人に話すなど、1作目よりも丸くなった感じがしました。
財閥の家に生まれた上に多方面で才覚に恵まれていて大体のことは特に努力しなくてもこなせるという、一見憎たらしいくらいの勝ち組人生をしているように思えますが、それだけに努力というものをろくにしていなかったため、努力に努力を重ねる美玲には勉強・運動・人望とあらゆる面で何一つ勝てなかったというエピソードが1作目で語られています。
しかし、純粋な自分の力で挑んでいるのだから頑張る必要などないと言い放ったところ、パイに「何もしない真理華が負けるのは当然」とたしなめられたことで考えを改め、努力して美玲に勝つこと、その前段階として美玲に認められることを新たな目標として掲げるようになりました。
その目標が実現する日も遠くはなさそうで、本作では美玲から「生徒会でも冒険でも自分の背中を任せられるのは真理華だけ」と評された上に、卒業の近付く彼女から面と向かって次期生徒会長の座を託され、自分を超えてくれると信じていると鼓舞される一幕がありました。
真理華もこれに奮い立っているので、美玲が卒業した後は九分九厘、彼女が生徒会長になることでしょう。
後輩である紗衣理やうららには手を焼く場面もありましたが、それすらも克服できれば本当に美玲以上の傑物になれるかもしれないと想像すると、真理華が生徒会長になった学園を見るというのも楽しみな気がします。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、部屋内のモンスターにダメージを与えると同時に部屋内のワナを全て消し去る「絶対領域の祝祭」、前後左右2マスのモンスターに魔法ダメージを与えて5ターンの間影縫い状態にする「囚われの影像」、部屋内のモンスターを何らかの状態異常にする「邪悪の化身」、10ターンの間回避率が上昇し倍速状態になる「質量を持った残像」の4種類。
1作目との大きな違いは、毒と空腹によるものを除いて3ターンの間ダメージを受けなくなる「無疵の障壁」が削除されたことです。これは効果が及ぶ時間こそ3ターンと短いですが、「ムテキ薬」なしで無敵状態になれるため、最凶のモンスター「死神」を相手取る際にも頼れる優れた技でした。
無残にも本作では削除されてしまい、「質量を持った残像」に変更されて見劣りすることに…
まあ、回避率上昇はともかくとして、倍速状態はそれなりに強力なので、救いは残った方でしょう。
他の3つのスキルの性能は、1作目のままです。
部屋全体にダメージを与えられる上に部屋内のワナも消せる「絶対領域の祝祭」と、モンスターを何らかの悪性状態異常にできる「邪悪の化身」がよく役立ってくれます。
特に後者は、繰り返し使用することで1体のモンスターに複数の状態異常を重ね掛けしてやれるので、モンスターにパラメータで負けている時には必須です。
「囚われの影像」も、逃げ回るモンスターを足止めしたい場合や、逆に自分の周囲8マスに近寄られたくない場合には便利。
…プレイアブルキャラクターの中でも和の雰囲気が強い容姿の真理華ですが、「質量を持った残像」を除く3つのスキルの性質は魔女じみていて、洋の雰囲気があります。
公式ページの立ち絵で杖を構えているなこより、刀を持った真理華の方が魔女っぽい技が使えるとは…
「邪悪の化身」によってありとあらゆる状態異常をかけ、モンスターに様々な不利を背負わせることのできる稀有なキャラクターです。
たまにはモンスターに状態異常の辛さを味わわせたいと思ったら、真理華に出番を与えてみましょう。
・白金美玲(しろがね みれい)
プレイアブルキャラクター中唯一の最上級生で、学園の生徒会長を務めるキャラクターです。
1作目では努力を惜しまない頑張り屋としての顔が目立った彼女ですが、本作では学園一の問題児・莉央が登場したことから、風紀指導に精を出すという生徒会長らしい場面が散見されました。
その立場もあって莉央を快く思っていなかったものの、素直でない言葉と共に制服のボタンのほつれを直してもらった件から彼女の不器用な優しさを理解し、見直すようになります。
それでも莉央の素行不良は決して黙認しない点から、公私混同などとは程遠い、厳格な生徒会長であることがよく見て取れました。
ちなみに1作目で語られたところによれば、美玲が髪をポニーテールにしているのは、小さい頃に1人で出かけた時に転んで泣いていた自分を助けてくれた生徒会長に近付きたい想いからの模倣だということでした。
その話がなされたタイミングが、パイが昔に聖洞で見た人間も美玲と同じように生徒会長の腕章をしていてなんとなく行き遅れ夢美に似ている気がするとの話が出た直後だっただけに、もしかして…と疑わせるものがあります。
1作目でも本作でも、その真偽は断言されていませんが…
本作では件の生徒会長のように子供を優しく導けるようになりたいという動機とともに、卒業後は大学に進学して教師を目指す気でいることを明かしました。
余談ながらその目標ゆえか、「悶絶☆覚醒」のシチュエーションにも教師のコスプレ(?)をした「美玲先生」があります。
今回も平素の凛とした立ち居振る舞いと、覚醒時の乱れぶりのギャップがツボ。
尊大なチチを斬り捨てようとする真理華をなだめたり、胸に顔をうずめて来たりお菓子をたくさん持ち歩いていたことから「大阪のおばちゃん」呼ばわりしたうららを許すなど、かわいいと感じた相手に対しては甘くなるところがあるようです。
ただし、チチのペットである魔獣・ベローナのポンコツぶりについては言葉を選びつつも率直に認めており、かわいい相手なら全てを許容するというほどには甘くありませんでした。
これなら将来教師になっても安心。
…かな?
ダンジョンで使えるアクションスキルは、周囲8マスに魔法ダメージを与えつつ5ターンの間自分とパートナーの魔法攻撃力をアップさせる「ペンタクルスター」、10ターンの間部屋にいるモンスターの物理防御力と魔法防御力をダウンさせる「コフィンクラッシュ」、5ターンの間自分と仲間の物理防御力と魔法防御力をアップさせる「ソリッドシールド」、部屋内のモンスターに防御力無視のダメージを与える「ネオグリモワール」の4種類。
スキルの種類は4つとも1作目と同じですが、そちらでは15ターンに及んだ「ペンタクルスター」の魔法攻撃力アップや「ソリッドシールド」の物理・魔法防御力アップの効果が5ターンに減っており、愛那やなこと同様になかなかの弱体化を喰らった格好になっています。
ただし、「ソリッドシールド」で自分やパートナーのステータスを上昇させると同時に「コフィンクラッシュ」でモンスターのステータスを下げることで戦況を好転させられることは変わっていないため、丸っ切り使えなくされたという訳ではありません。
美玲のスキルの中でも一番頼りがいがあるのはやはり、部屋全体に防御力無視の攻撃ができる「ネオグリモワール」です。
大まかな性質は愛那の「オメガインパクト」や莉央の「ギガインパクト」と似ていますが、これら2種とは異なり、レベルを上げれば威力を上昇させることができます。
そのため、「紅蓮の塔」や「魔女からの挑戦状」で最上位種のモンスター共が群れをなしているときでも、このスキルを使えば倒しやすくなるでしょう。
美玲が魔術書を読み解いて体得したという設定のスキルなのですが、そこに持って来てレベルアップで威力が上がるところに、彼女の努力家ぶりがよく表現されています。
本当に向上心が高い。
自分のパラメータは強化し、モンスターのパラメータは弱体化させ、そしてもちろん攻撃も可能と、戦いに役立つスキルが勢揃いしているキャラクターです。
手強いモンスターに襲われる逆境を、美玲と共に努力で乗り越えてみるのも面白いことでしょう。
・茜崎莉央
本作で初めて登場したキャラクターで、制服を勝手に改造していたりアクセサリーを付けていたりと、校則違反をしまくっている学園一の問題児です。
ストーリー上では上述の通り、自身の望みに反して災いをもたらす「欲望の聖杯」や欲望の魔女を生み出してしまい、本作の事件の元凶となりました。
まさに問題児
そのビジュアル通り柄が悪いものの、クラスメイトである愛那からは当初から凛々しくて素敵と称されていました。
一方で莉央は、以前から愛那の正義感を疎ましく思っていた上に、願いを叶えてくれる聖杯を壊された恨みも加わって、最初はひどく毛嫌いする様子を見せます。
他にも、苛立ちを募らせた余りに数少ない友人であるうららすら突き放したり、ほとんど当たり散らすような調子で愛那に決闘を仕掛けたりと、仲間に加わる以前はどうにも感心できない言動が多かったキャラクターです。
ところが、けじめを付けるためにと再起して愛那達の仲間になってからは、口調こそ乱暴ながら周囲に気遣いを見せるなど、物腰は確実に柔らかくなっています。
特に愛那が両親を喪っていることを聞くと、自分の家庭環境を引き合いに出して愛那を励ましにかかったシーンは、仲間入りする以前とはまるで別人のようです。
本編開始前には自分が怪我をすることにも構わずうららを犬から庇っていたりと、根底にはきちんと優しさを持っていることが窺えます。
ちなみに劇中で幾度も不器用と称される通り人付き合いはお世辞にも器用でないものの、手先は器用で裁縫が得意な様子。
似合わん…
自分の大きな胸を小さくしたいという、愛那とは真逆の悩みを抱えており、胸に関する2人の会話を聞いていると、ないものねだりという言葉が真っ先に浮かんで来ます。
家庭環境についても愛那とは真逆で、両親は健在ながら父親は金と仕事の事しか頭にない人間で、母親は世間体ばかりを気にしており子供に対して全てにおいて一番を取ることしか許さない人物という、莉央曰く「優しい人も温かい人もいない」場所で育っています。
そりゃ捻くれるわけだ
それだけに、両親を喪っている愛那に向けて言った「自分を本当に大切にしてくれる人が一人でもいることが本当の幸せなんだと思う」という台詞には、それなりの説得力がありました。
ただ、胸を小さくしたがっていた動機については、自分の大きな胸を馬鹿にされている気がする、という思い込みから来たものでしかありませんでした。
そのため、親がいないことをいじられて泣いていたときも胸の大きな祖母に抱かれると安心したというそれなりに重い背景から胸を大きくしたいと願っていた愛那と比べると、どうしても軽く感じられてしまいます。
なこの発言から自分の大きな胸が周囲に憧れられていたのだと知ると、戸惑いつつも胸を小さくすることにこだわらなくなる兆候を見せたことも、その印象に拍車をかけました。
予想通り欲望の魔女を倒した後、莉央は「自分の欠点や弱さを受け入れて生きる」という考えを抱き、「美の聖杯」を復活させて胸を小さくしようとするそぶりを見せなくなりました。
細かい経過こそ違えど、大雑把に見れば1作目で愛那が辿った流れを莉央も経験したと言ったところです。
…まあ、胸を小さくしたがっていた動機を幾度も重い背景と絡めるのが難しかったであろうことも、騒動を解決した際に導き出す結論が重複することも、愛那という前例が既にいる以上宿命と言わざるを得ないので、この点はうるさく文句を付けるのは酷というものですが。
欲望の魔女を倒して学園に戻った際、軽はずみで愛那を「つるぺた」呼ばわりしたことで彼女の逆鱗に触れてしまい、今度は自身が決闘を挑まれる…というシーンで出番を終えました。
最後まで問題児
莉央を自由にダンジョンへ叩き込めるようになるのはストーリーが中盤を過ぎてからとなかなかに遅いですが、公式ページでもう1人の主人公と記載されているだけあって、タイトル画面やタイトルロゴに愛那と並んで描かれていたり、愛那と一緒にダンジョンに入ると「マイク」を使用する際にデュエットを選択できたり、合体技「究極・ω・ストライク」が使用できたりと、特別扱いされていました。
ポッと出のくせに。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、前方1マスのモンスターに大ダメージを与えて2マス後方に追いやる「グレートナックル」、周囲8マスのモンスターに5ポイントのダメージを与えて1マス後方に追いやり死の宣告状態にする「ギルティスラッシュ」、部屋内のモンスターに守備力無視のダメージを与える代わりに5ターンの間つるぺた状態になる「ギガインパクト」、10ターンの間浮遊状態になると同時に回避率を上昇させる「明鏡止水」の4種類。
一見、愛那同様に攻撃向きのスキル構成に思えますが、その実態はクセのある技ばかりのキャラクターです。
中でも最も曲者なスキルは、「ギガインパクト」でしょう。
部屋内のモンスターに守備力無視で150ポイントのダメージを与えられるものの、使用後5ターンの間はつるぺた状態になり、パラメータが低下する上にスキルも使えなくなってしまいます。
その性質柄、愛那の「オメガインパクト」や、美玲の「ネオグリモワール」のように連続で使うこともできません。
しかも、レベルを上げても威力は増加しないので、愛那の「オメガインパクト」と同様に最上位種のモンスター相手では決定打にならないという弱点があります。
さらに言えばこちらの場合は5ターンの間つるぺた状態になることでパラメータが下がるため、その5ターンの内に倒される危険が増します。
おそらく本作で一番使いどころを選ぶスキルと言っても過言ではないでしょう。
次いで難儀なスキルは、「ギルティスラッシュ」。
周囲8マスのモンスターに5ポイントのダメージを与えて1マス後方に追いやりつつ死の宣告状態にできる技ですが、死の宣告状態になってから実際に倒れるまでには20ターンほどかかってしまいます。
そのため、正攻法ではきつい相手に喰らわせて持久戦で打ち勝つという戦法は、成功させ辛いです。
ただ、泥棒系や召喚士系といった、プレイヤーから逃げるように動くモンスターに対しては便利なので、全く活躍の場がない技にはならないで済むことでしょう。
悲しいかな、ほぼ論外なのは「明鏡止水」。
10ターンの間回避率が上がるのと同時に浮遊状態になれる技ですが、回避率というやつは所詮不確定な代物に過ぎないので、全面的に信頼できる技ではありません。
せめて浮遊状態になれることで、水場に囲まれたアイテムを回収できる利点はありますが、これも「マグネットの本」を使うか、入手に大変手間取りはしますが「羽毛のブラ」と「羽毛のパンツ」を装備してセット効果「ウキウキ気分!」を発生させている場合、何ら魅力とはなりません。
愛那の「ハートフルレイン」並みに使い道がないと言わざるを得ない技でした。
これら3つとは逆に、莉央のスキルで唯一シンプルで使いやすいのが、「グレートナックル」です。
特筆すべきことは命中した相手を2マス後方に追いやるくらいですが、単純に大ダメージを叩き出せるので、他の3つのスキルより輝ける機会は多いでしょう。
莉央の攻撃的なキャラクター性に似合っていて、なおかつ役に立つという、本作においては珍しい技でした。
捻くれ者ゆえか、ダンジョン内でもクセのある技が目立つキャラクターです。
そのクセとも上手に折り合うことができれば、痛快なプレイが楽しめるでしょう。
・瑠璃川うらら(るりかわ うらら)
本作で初登場した、莉央の友人です。
金髪碧眼という西洋人じみた風貌の少女で外見は可愛い部類に入りますが、性格はいたぶられることを喜ぶという、分かりやすいド変態。
物理的に攻撃されることのみならず、放置されることにすら喜悦を覚える重症ぶりでした。
小柄な体格の上に言動も幼稚な面が目立つため、実年齢より遥かに幼く見えます。
実際に劇中で、愛那から「子供だから大人の対応をしてあげた方が」と評されるほどです。
しかし、莉央が「欲望の聖杯」に飲み込まれるかという事態になった際は、故意ではなかったにせよ自分のせいで誰かに危険が及んだなら自分が始末を付けなければならないと重く受け止めていたほか、莉央から八つ当たりされても彼女の心情を推し量って冷静に振る舞うなど、芯はしっかりとしていました。
胸の大きさは愛那すら下回っており、ダンジョンでZカップに至るまでには幾度もバストアップの演出を眺めることになります。
余談ながら、ホームキャラクターを愛那にしてしばらく放置していると、「私の周りは胸の大きい子が多いよね…で、でも、うららちゃんには勝ったよ!」という台詞が流れることがあります。
底辺の争い…
一方でうららは愛那をぺったんこ・なかまと無邪気に称しており、彼女と違って自分の洗濯板小さな胸に対して特に劣等感や不満はないようです。
…胸の大きな莉央や真理華や美玲に好んでくっつく習性はありますが。
ダンジョンでは回避率と攻撃力が高めな一方で、レベルアップやバストアップによるHPの伸びが悪く、モンスターの攻撃で受けるダメージも大きめという、実にクセのある性能をしています。
使えるアクションスキルも、部屋内のモンスターを眠らせて自分とパートナーのHPを少し回復する「うらら眠たい…」、周囲8マスのモンスターにダメージを与えつつ5ターンの間自分が透明状態になる「うららはいません」、部屋内のモンスターのレベルを1つ下げる「うらら泣きそう」、10ターンの間モンスターの攻撃によるダメージを回復に変換できる「えくしゅたしー!!」という、クセのあるもの揃い。
しかし、同じく新参者である莉央と比べると、うららのスキルには使いやすいものが多いです。
まず、「うらら眠たい…」は部屋内のモンスターを眠らせる上に自分とパートナーのHPを回復できる技です。
本作における数少ない回復技であり、ゲーム内の説明文では「少し回復する」としか書かれていないものの、実際に使用した際は明らかに50%ほど回復しており、なこの「ばんそうこう」と同格の回復量を誇っています。
モンスターの行動を阻止しつつ自分の態勢を立て直すことに、最適のスキルです。
「うららはいません」は、周囲8マスにダメージを与える技で、命中した際に与えられるダメージが3桁に及ぶことも珍しくありません。
使用後5ターンの間は透明になるためアイテムを拾うことと使うことはできませんが、モンスターに気付かれないまま攻め立てることができるので、その点でもお得です。
でもダメージを受けると透明状態は解除されるので要注意。
「うらら泣きそう」は、部屋内のモンスターのレベルを1つ下げてしまう、ローグライクRPGとしてはかなりぶっ飛んだ性能の技です。
たとえ最上位種のモンスター共がひしめくモンスターフロアやモンスタールームに出くわそうと、このスキルを2回喰らわせてやれば、一転して最下位種との勝負に変えてしまえる訳です。
そうすれば、もはやこちらが倒されることの方が難しくなります。
最上位種のモンスターの攻撃を喰らえば一撃で倒される可能性もあるうららにとっては、難関のチャレンジダンジョンにおける必須スキルと言えるでしょう。
このように、うららのスキルは一見どれも使いにくく思えるものの、実際は頼れるものが多い構成になっています。
ただし唯一、「えくしゅたしー!!」だけは使いにくいです。
モンスターからの攻撃で受けたダメージの分だけHPを回復できるという変態ぶりを見せつけるための技なのですが、うららの回避率が高いせいで10ターンの間攻撃を喰らわずに済んでしまい、回復が成立しないことがざらにあります。
しかも、HPが少ない時にしか使用できないという制限があり、攻撃を受けたときのダメージが大きいうららは、そもそもこの技を発動する暇もなく倒されてしまうことさえあるのです。
もちろん成功すればしめたものですが、運任せもいいところの回復技なので、このスキルを前提とした生存戦略を考えていては泣きを見ることになるでしょう。
いたぶられるのが好きというキャラクター設定に最も似合ったスキルが、最も実用性が乏しく頼りないという悲しさがそこに…
攻めが強い代わりに守りが脆いという、分かりやすくハイリスク・ハイリターンな上級者向けのキャラクターです。
うららでダンジョンをクリアするには、他の6人の人間キャラクターを使用する場合よりさらに丁寧な作戦が求められるでしょう。
・オバハン天乃夢美(あまの ゆみ)
年増の分際で厚かましくも自らを「お姉ちゃん」と称する学園のババアOGです。
1作目と同様に購買の職員として登場しましたが、本作では自身がωパワーの秘密を研究する魔女であることを告白したり、知識を活かして愛那達に協力したりと本筋に絡む機会が多く、謎めいた雰囲気を漂わせるばかりでろくにストーリーに関わらなかった1作目と比べると、それなりに影が濃くなりました。
チャレンジダンジョンでも彼女が関わるものが2種類用意されていることからするに、スタッフに気に入られているのかも?
ユーザーに気に入られているかどうかは不明
学生時代はポニーテールをした生徒会長だったことが1作目で語られていますが、今と違って若かったその当時の夢美が美玲を助けた生徒会長であったかどうかは、本作でも断言されませんでした。
美玲から思い出話を聞いたことがないはずなのに件の生徒会長の髪形がポニーテールだったことを言い当てたり、華やかだった時代を惜しむように懐かしいと呟いたりするくらいなので、年寄り夢美その人であるものとは思われますが…
今回の老いぼれ夢美はダンジョン内でも店を出しているため、泥棒常習犯の管理人にとっては最も邪魔な存在であると同時に、最も積極的にぶちのめしたモンスターでもありました。
1ターンに2回行動・一撃で3桁ダメージ・悪性状態異常無効化という、劇中最凶のモンスター「死神」と似通った凶悪なステータスをしているので、倒すには入念なアイテムの準備が求められますが、見事に成功した時には気分が晴れやかになります。
ちなみにその戦闘力に関しては、本人曰く「本気を出したら学園がなくなるかもしれない」くらいには強いらしいです。
確かに番犬「ベロニカ」を力ずくで服従させられるだけの実力があるようなので完全なジョークではなさそうですが、チャレンジダンジョン「魔女からの挑戦状」で戦った時のステータスが本気のものだったとしたら、そこまでではないような気もします。
どこからどこまでが本気か分からない物言いをする見苦しい若作り女なので、その自己申告も誇張混じりかもしれませんが。
・久遠輪廻(くおん りんね)
生徒たちからこっそり「美魔女」と呼ばれている、年齢不詳な学園の理事長です。
風変わりな名前が揃い踏みする本作の中でも屈指の、スゴい名前の御方。
1作目では自分の美と若さのために聖杯を利用して長年にわたり学園の生徒達のωパワーを奪っていた悪人であったものの、愛那達に倒されたことで改心し、以後は生徒達の事を第一に考える優しい理事長となっています。
本作では不運にも欲望の魔女に憑りつかれてしまい、当人の意思に反して生徒達を危険に晒す悪行を働かせられましたが、再び愛那達に倒されたことで欲望の魔女から解放されて正気に返り、めでたく優しい理事長として戻って来ました。
万が一「欲望の聖杯」やニューリングの騒動に誰かが巻き込まれた場合に備えてそれらの研究を行いレポートを作成していたことや、その思惑が外れて生徒達を危険に晒してしまったことに傷つく様子を見せたことから、すっかり生徒を大事にする心意気を自身に定着させていることが見て取れます。
その生徒の中に元凶がいたことは忘れよう
…が、そんな優しい理事長が今回のお詫びとして用意したのが本作屈指のストレスフルなチャレンジダンジョン「理事長のヒミツ特訓」であるという設定を見ると、何だか複雑な気分になります。
確かに強くなれそうではあるけれど…
本作で初めて姿を現すシーンでは既に欲望の魔女に憑りつかれていた訳ですが、誰が見ても何かに憑りつかれたようだと一発で分かる調子でした。
あまりの分かりやすさゆえに劇中でも触れない訳にはいかなかったと見えて、美玲や愛那が直接対決を迎える前からそのことを指摘しています。
しかし結局、実際に対決する時期は欲望の魔女との決戦直前であり、正気に返るのは終盤も終盤というタイミングでした。
そのため、改心した優しい理事長としての顔が見られるイベントは「18-6 理事長の謝罪」と「20-9 悪霊退散パワーストーン」くらいのものです。
少ない。
本物の悪役だった1作目と比べると顔を出すシーン自体が少なくなっており、そちらで印象の薄かった若者気取り夢美が本作でそれなりに影が濃くなったこととはまったく対照的でした。
せっかく良い人になったのに不遇…これも報いというものか?
かなりの余談ながら、「理事長のヒミツ特訓」の15Fで相対する「久遠理事長」は、1作目や本作のストーリーダンジョンでの戦闘時とは異なり、温かい目つきで見るという無駄行動を見せることがあります。
自分の欲望のために生徒を利用していた頃を考えると、本当に改心しているのだと窺える描写です。
でも特訓はめっちゃ理不尽
発売前から予見できた通り、本作でも嫌らしいモンスターが数多く現れました。
そのうちの何種類かは「紅蓮の塔」について語った際に挙げているので、今回はそちらで話題にしなかった奴らについて喋ってみます。
・「チュッパ」系
攻撃と同時にバストサイズを下げるモンスターです。
つまりこいつの攻撃を喰らうとパラメータを下げられることになる訳ですが、何よりも手間暇かけて上げたバストサイズとパラメータをたった1撃の攻撃で台無しにされるのが非常に腹立たしいです。
しかも最下位種「チュッパ」は1撃で1段階しかバストサイズを下げて来ませんが、その上位種「チュチュッパ」は1撃で2段階、最上位種「チュッパチュッパ」に至っては1撃で3段階も下げて来やがります。
モンスターを倒してもωパワーが入手できないチャレンジダンジョン「Z胸♡スポット」では、こいつの攻撃を喰らうとバストサイズとパラメータが下がったままになってしまうので、なお一層嫌な相手となります。
特殊効果「バストダウン防止」のある装備品を付けていれば、通常攻撃しかしてこないモンスターと同じなので、対処は簡単な部類でしょう。
ただし…
・Zカップの状態でスキルの使用回数を回復させたい
・でも「クリームパン」はない
・「ハイパーω斬り」も使いたくない
という時には、わざとこいつの攻撃を喰らってバストサイズを下げられる以外に手頃な方法がなく、その際は普段とは打って変わってありがたいモンスターへと変貌してしまいます。
最上位種「チュッパチュッパ」は「モンスター図鑑」にて、「女の子やそのときの胸の大きさによってはバストを吸収して喜ばれることがあり女の子の気持ちは難しいと悩んでいる」と解説されていますが、それも頷ける話です…
・「メガーネ」系
レベルに応じた魔法を使ってくるモンスターです。
最下位種「メガーネ」は炎での攻撃をするのみですが、中位種「メガーネワイズ」はこちらを混乱させるようになり、最上位種「メガーネインテリ」に至ってはこちらを眠らせる上に「ω斬りの本」の効果をぶつけてきます。
特に「メガーネインテリ」は、プレイヤーの守備力無視で100ポイントのダメージを与えて来るので、装備やレベルに関係なく危険な相手です。
しかし、「混乱防止」や「睡眠防止」の特殊効果が付いた装備品を装備しておけば、倒しやすくなるでしょう。
前述の「チュッパ」系と同様、対処は決して難しくない部類です。
・「ジャーブ」系
攻撃と共にプレイヤーが持っている巾着を弾き飛ばすモンスターです。
飛ばされた巾着は壁にぶつかると破れてしまうので、巾着を利用して30個を超えるアイテムを持ち運ぶプレイヤーにとっては地味ながら嫌な相手です。
巾着を弾かれることは防げないので、弾き飛ばされても壁にぶつからないように立ち位置を考えるか、やられる前に倒すくらいしか対処法もありません。
ついでに言えば地味に攻撃力が高いので、その点でも油断は禁物です。
・「拒絶の騎士」
1ターンに2回行動するボスモンスターで、常にプレイヤーから逃げ回るように動いては遠距離から弾丸をぶっ放して来るという、何とも癇に障る野郎です。
ようやく接近できたかと思えば、蹴りや「拒絶の暴風」で再びこちらを遠ざけるという憎たらしさ。
ストーリー上では大した相手ではないですが、「理事長のヒミツ特訓」でやり合う際はこちらの最大HPが少ない状態なので、一定量のダメージを与えて来るこいつの弾丸攻撃は危険な技となっています。
弾丸攻撃を避けつつ壁を背にする形で迫るか、「とびつきの杖」で一気に隣接して直接攻撃を重ね、根気よくHPを削ってやりましょう。
・「欲望の魔女」
理事長に憑りついて悪さをさせていた黒幕にして、本作のラストボスです。
名前が名前なので一応女性の形をしてはいますが、見た目は肥満体のオバハンといったところであり、容姿の面では美人揃いの愛那達には及ぶべくもありません。
不敵で尊大な口を叩いてはいるのですが、思い切り侮ったチチに一度追い払われたり、自分の力が愛那達に通じずに焦ったりと、強敵っぽさがまるで足りていない小物ぶりを晒しました。
ネット上で本作の知名度がもっと上がったら、ネタキャラ扱いされそうな予感。
パワーを溜めた後の回転攻撃は少々危険ですが、そのパワーを溜めている最中に攻撃をしまくれば、回転攻撃を使わせることなく弱体化させることが可能です。
戦闘面でも隙だらけ…
正体を現してからより、それ以前の方がまだマシに見えたという、何とも残念なラストボスでした。
ある意味では哀れかもしれない…
本ブログ初の超・長丁場な記事も、そろそろ終盤となります。
ここからは本作全体を概観して、1作目より良くなった点と、1作目と比べたとき気になった点について語っていきます。
まずは、良くなった点から。
・キャラクターのイラストがより洗練された
キャラクターのイラストは1作目の時点で既に愛らしい仕上がりだったところ、本作では色鮮やかになってより美麗になっており、見ごたえがあります。
「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」、そして温泉に入った時のイラストでもその綺麗さは発揮されており、女性キャラクター達を売りにした作品としては実に適切な力の入れようでした。
・Zカップと「ハイパーω斬り」の登場
1作目ではバストの最大値はKカップでしたが、本作ではKカップをさらに超えてZカップに到達できるようになりました。
Zカップになったキャラクターの見た目は、もはやそそるというより何とも言えない迫力と威圧感があって、とにかくインパクトがすごいです。
これに伴い、本作ではキャラクターがZカップになっているときだけ使用できる「ハイパーω斬り」も登場しました。
前方3列10マスの敵に大ダメージを与えると同時に、ワナも壊すことができる大技です。
アイテムもとばっちりを受けて消滅してしまう上に、使用後はバストサイズがキャラクターの初期状態まで戻ってパラメータも下がってしまうので使いどころは慎重に考える必要がありますが、上手く使いこなせば難関のチャレンジダンジョンも突破できる心強い武器なので、プレイヤーにはありがたい新技でした。
…Zカップになったキャラクターが好きだというプレイヤーは、必然的にこの技の使用を封じられることになりますが、それはそれで1つの縛りプレイとして面白いかもしれません。
・巾着や店が登場
複数のアイテムを入れて1個のアイテムとして持ち運べる巾着と、ダンジョン内でアイテムを買える店は、どちらもローグライクRPGではよく見られる要素です。
バストサイズなどの余りにも独自性の強いものを除けば、1作目の時点でほとんど王道のローグライクRPGと言える作品に仕上がっていたところ、この巾着と店の登場でさらに正統派のものに近付きました。
それだけに、まっとうなローグライクRPGを求めるプレイヤーほど、本作をより面白く感じるのではないかと思います。
・温泉も登場
1作目では、ダンジョンにもごくまれに沸いていることがパイの台詞から窺い知れるのみだった温泉ですが、本作では実際に利用できるものとして登場しました。
素肌をさらして湯船に浸かるキャラクター達の可憐な姿を堪能できる楽しみももちろん大きいですが、何より嬉しいのはHPと悪性状態異常が完全回復・全ての装備品の呪い解除・そのフロアでの初回利用時には何らかの特殊効果が付与と、まさに良いことずくめな効能です。
運良く巡り会えた時には、利用しない手はありません。
…ただし、その特殊効果を打ち消してしまう「湯冷めのワナ」もばっちり登場しているので、油断は厳禁です。
・未鑑定のアイテムを扱いやすくなった
1作目では未鑑定のアイテムは種類に関係なく、鑑定をしない限り名称を確定できませんでしたが、本作では本や薬のみ、使用するだけで名前が明らかになる仕様に変更されました。
さらに、1作目では未鑑定のアイテムは全て1ωPでしか売れなかったものの、本作では未鑑定のままでも定価通りのωPが入手できるようになっており、鑑定してから売るという無駄なコストと手間がなくなりました。
また1作目と異なり、未鑑定のアイテムにもレア度が表示されるようになったため、何のアイテムかをある程度予想することもできるようになっています。
薬を例に取れば、レア度1なら「ドク薬」や「ただの水」などのくだらないものと見ていい、レア度3なら「スーパーポーション」や「ムテキ薬」といった豪華なものの可能性が期待できる、といった具合です。
鑑定にはωパワーを消費するので、1作目では未鑑定のアイテムをωパワーの続く限り鑑定するか、一度使って正体に目星を付けて済ませるかということに、多くのプレイヤーが悩まされたことでしょう。
しかし本作ではこの仕様変更のおかげで、レア度の低い未鑑定のアイテムは放置するという選択もできるので、限りあるωパワーを節約しやすくなっています。
プレイヤーが冷遇されている面がいくらかあった本作においては珍しく、これはプレイヤーに親切な改変でした。
・パートナーキャラクターと会話できる
ダンジョンにパートナーを連れて行った場合、画面に表示されるパートナーアイコンをタッチすると、リーダーキャラクターに向けた台詞が聞けるようになりました。
愛那となこ、愛那と紗衣理といった特に親密なキャラクター同士を組ませて仲睦まじさを見るのももちろん楽しいですが、なこと真理華、紗衣理と莉央など、ストーリー本編で絡みの乏しかった者同士を組ませてみるのもまた一興です。
惜しむらくは、どの組み合わせも表示される台詞の種類がさほど多くないことか。
リーダーまたはパートナーキャラクターのHPの残量に応じて台詞が変化したりすれば、より楽しめたことでしょう。
何にせよ、キャラクター達に愛着のあるプレイヤーほど楽しめる新要素と言えます。
…と、このあたりが良かった点です。
そしてここからは、気になった点について。
・莉央の優遇ぶりが目に付く
莉央は本作で初登場したキャラクターながら、前述の通りタイトル画面やタイトルロゴに愛那と並んで描かれていたり、愛那と一緒にダンジョンに挑むと合体技やデュエットが行えたりと、優遇ぶりが目に付きます。
もう1人の主人公と設定したことを考えれば莉央に多少の特別扱いがなければ様にならなかったのも確かですが、それはストーリー上で愛那共々目立っている時点で十分に果たしていたと言えるでしょう。
それにとどまらず、愛那にとって前々からとても近しかったなこや紗衣理を押しのけてまで、莉央が上記のような厚遇を受けたのは釈然としないところです。
特になこに関しては、愛那との付き合いが「人生の半分は一緒にいる」ほど長い設定なのに、これまでろくに関わりのなかった莉央にまる1日も経たずに愛那の親友の地位を奪われたように見え、不憫に思えます。
ストーリー上でのことにしてもスキルのことにしても、どうもなこの扱いは悪いような気がする…
ただ、特定のキャラクター同士で組んだ場合には特別な利点があるというルールは素直に面白いものだったので、愛那となこ、莉央とうららなど、劇中で関係の深い組み合わせ全てに合体技やデュエットを用意しておけば、愛那と莉央の組み合わせも何ら気にすることなく受け入れられたことでしょう。
・「悶絶☆覚醒」と「悶舌☆覚醒」が苦痛
1作目の「悶絶☆覚醒」ではキャラクターの身体ならどこを触ることも可能で、また、どこを触っても覚醒を強制終了されることはありませんでした。
ところが本作では、覚醒のシチュエーションごとに触れられる部位が決まっていて自由度に欠けており、しかもキャラクターの機嫌が悪くなる場所ばかりを触れていると覚醒が強制的に打ち切られてしまうルールになっています。
そのくせ、キャラクターが喜ぶ場所と不機嫌になる場所を見分ける方法はないため、運任せのミニゲームとなったのです。
さらに「悶舌☆覚醒」では、常にベローナが画面に表示される上に非表示にできない仕様になっており、キャラクターのあられもない格好を楽しみたいプレイヤーにとって、視界の邪魔以外の何物でもありませんでした。
そのせいで、美麗になったキャラクター達を堪能できるせっかくの機会に水を差された気分になります。
「悶絶☆覚醒」も「悶舌☆覚醒」も、演出をスキップすれば得られる経験値が乏しくなるため、仕方なく何度も何度もプレイすることに…
その作業感は1作目にもあったことですが、本作の場合は運任せの作業という形になっているので、楽しさより苦痛が上回ってしまいます。
1作目と同じシステムの「悶絶☆覚醒」を、本作のグラフィックで遊べたなら文句なしに嬉しかったのですが…
この変更は、目立って残念な点の1つでした。
・プレイヤーが冷遇されている
本作では方々で、プレイヤーに対する冷遇が目立ちました。
いくつか例を挙げると、下記の通りです。
・1作目にあった、3マス前まで攻撃できる武器「ωソード改」が廃止
・「雷の本」や「雷神の本」が部屋全体を攻撃できなくなっている
・パラメータを上昇させるスキルの効果時間が短くなっている
・モンスターはプレイヤーの良性状態異常を無効化できるが、プレイヤーはモンスターにかかった良性状態異常を打ち消せない
1作目に比べて本作の難易度が上がっているのは間違いありませんが、それはプレイヤーがやたらと不利な状況に置かれることによるものなので、歯ごたえがある難しさというより、ストレスが溜まる難しさになっています。
この点で、1作目の経験者の方は覚悟を決めて本作に挑むことが求められるでしょう。
・キャラクターの個性とダンジョン内での性能がちぐはぐ
本作では、キャラクターの個性とダンジョン内での性能が噛み合っていない部分が散見されました。
分かりやすいところだと、「料理がプロ並みに上手」というなこがスキルで大した食事を作れないようになっていたり、「ドM」なはずのうららがモンスターを弱体化させるスキルと攻撃を受けてHPを回復するスキルを併せ持っている上に高い回避率を有することなどが、該当するでしょう。
これについては、プレイの上で特段支障にならないことではありますが、それぞれ独自の魅力を放っているキャラクター達なので、その個性とスキルが上手く調和していないことにはもったいなさを覚えます。
何故こんな齟齬が生じたのかは、きっと永遠の謎になるのだろう…
管理人の感覚で気になった点は、主にこんなところでした。
色々言いはしたものの、結局のところ1作目を楽しめたプレイヤーなら、本作も大ハズレにはならないと思って良いと考えます。
本作の登場により「オメガラビリンス」はシリーズ化したと言える訳ですが、果たしてさらなる続編こと3作目は実現するのでしょうか?
…当然、その答えは公式が決めることなので、ここでは「分からない」としか言いようがありません。
さりとて、それで締めてしまっては語りの場として最悪なレベルで面白くないので、代わりと言っては変ですが、本記事では「実現の難しさ」と「もしも実現したら期待したいこと」の2点を独り言にして、終わりとさせていただきます。
・タイトルの難しさ
まずは、さらなる続編を制作する場合の、タイトルの難しさについて。
このシリーズは「オメガラビリンス」というタイトルになっています。
直訳すれば、「最後の迷宮」といったところでしょうか。
そんな題名の上に、続編を予感させる情報がなかったことから最初で最後かと思われましたが、予想に反して今回「オメガラビリンスZ」と銘打った続編がめでたく登場しました。
「最後の迷宮」に続きがあるとはこれ如何に
こうなると、もしも3作目が出るとしたら、まずはタイトルから悩む必要があると思われます。
2作目である本作を2ではなくZと名付けたのに、3作目で3と付けるのも変な話だし、Zの続きだからと言ってZ2などとするのもややこしいし…
あるいは、エイプリルフールで打ち出した「オメガラビリンスZZ」の嘘を真にしてしまうのか?
ともあれ、公式のネーミングセンスがきつく問われることになるでしょう。
・ストーリーを続ける難しさ
次に、ストーリーを続ける難しさについて。
本シリーズのストーリーは「オメガラビリンス」・「オメガラビリンスZ」ともに、愛那達の通う学園の聖洞と、そこにある聖杯を引き金として展開されてきました。
それだけ聖洞と聖杯は本シリーズにとって重要な要素と言えるわけですが、もしも今後3作目が制作されることになった場合、またもやそれら絡みの事件が描かれる可能性が予想されます。
しかし、1作目の事件は11月8日に起きたという設定であり、本作の事件はその後の3学期初日に起きたという設定になっています。
このことから、1作目と本作の間の空白期間は精々2ヶ月と考えられるわけです。
短い。
この上でまたもや学園に騒動を起こした場合、流石に「事件起こり過ぎだろ」という話になってしまいます。さらに、唯一の最上級生である美玲が卒業する前にもう少し活躍させようとしたら、時系列は同3学期の3月まででなくてはならず、本作とさらなる続編の間の空白期間も長くて2ヶ月が関の山となります。
2ヶ月周期で事件が起こる学園って…
一方で、本作から3か月以上経過した時期の学園をさらなる続編の舞台にした場合、これまでの2作品に登場したキャラクターの中では、美玲だけが登場する余地を失くすことになります。
あえてその時期に設定することで、美玲が卒業した後の学園を愛那達が守っていけるかという問題を提示するのも一見面白そうではありますが、シリーズ2作がいずれも円満解決するストーリーであったことを考えれば、さらなる続編を制作した場合も同様にハッピーエンドを描かざるを得ないでしょう。
つまり、美玲抜きでも愛那達は事件を解決できるという展開を用意するしかないことになります。
その場合、進級した愛那達の成長を示すことはできますが、他方では美玲の存在意義を否定することになりかねません。
美玲をOGとして登場させて活躍させることも不可能ではありませんが、それをやった場合、今度は愛那達が次を担う世代として頼りなくなってしまうというジレンマをはらんでいます。
思い切って真新しさを出すとすれば、学園の外に冒険の舞台を移すことになるでしょう。
この場合、学園における聖洞や聖杯にあたるものが学外にも存在していて、それらが世間に悪影響をもたらす…といったことにでもすれば、学園での事件でその厄介さが身に沁みている愛那達が積極的に手を打ちに行く、という流れを作れそうです。
また、舞台を学外にすれば、時期に関係なく美玲を登場させやすくなるメリットも挙げられます。
ただしこうすると、美玲の代わりに前時代の遺物夢美や久遠理事長を登場させにくくなります。
何より、シリーズで2度にわたって重要な要素となった聖洞や聖杯の重みを薄れさせてしまうデメリットも大きいです。
加えて、理事長を悪役らしく見える役回りにする流れもいい加減に飽きが来るし、本作で封印した欲望の魔女を再度復活させるのもいまひとつ面白くなりそうにないので、新たな悪役を生み出す必要も出て来るでしょう。
初登場でありながら魅力的な悪役が求められることになります。
このように、ざっと思い付くだけでもさらなる続編のストーリーを作るのが苦しくなる障害は結構ありますが、プロのライターならそれさえも超えてくれるのでしょうか?
…シリーズのファンである管理人はもちろん、超えてくれることを願っています。
そしてここからは、もしも3作目が実現した際には期待したいことを書いてみます。
・魔女の存在意義が明かされること
1作目にて理事長が、そして本作では賞味期限切れ夢美が魔女であることが明かされた「オメガラビリンス」シリーズですが、現代日本が舞台と思しき同シリーズに何故魔女が存在しているのかは、不明のままです。
とりあえずお婆ちゃん夢美に限れば、ωパワーの秘密を研究しているということは明らかになったものの、如何なる目的でそのような研究を行っているのかは、今回も謎のままに終わりました。
さらに、チャレンジダンジョン「魔女からの挑戦状」のストーリーは、彼女が学園の地下で修行を積んで魔女になったと推察される文面であり、世間には他にも同様に修行を積んで魔女になった者がいるのでは…とも思わせます。
1作目や本作ではまるで重んじられなかった魔女の存在意義ですが、ここはもう少し掘り下げれば、よりストーリーを広げられるポイントにできると感じます。
さらなる続編が決まった際は、魔女の謎を解き明かす機会を用意してもらいたいものです。
・モンスターを味方に加えられるようになること
ローグライクRPGには、モンスターを仲間にできる作品が間々見受けられます。
敵対すると厄介で嫌なモンスターも、仲間にできれば頼もしい存在です。
それだけに本シリーズでも採用されてほしいシステムでしたが、残念ながら1作目・本作ともに、未登場に終わりました。
さらなる続編が登場した際は是非、モンスターを味方に付けられるシステムが欲しいところです。
せっかく女性キャラクターを売りにしている作品だし、モンスター達にそれぞれ好みのキャラや胸のサイズがあって、その好みのキャラで倒すと仲間にできるとか、好みの胸のサイズのキャラで連れ歩くとモンスターがやる気になってパラメータが上昇する、といった要素を付けるのも面白くなる気がします。
・バストサイズが各キャラクターの通常時のまま変わらず、スキルも使えないチャレンジダンジョンが登場すること
要するに、本シリーズの魅力的なキャラクター達を動かして、本当に本気のローグライクRPGを攻略してみたい、ということです。
バストサイズを上げることでパラメータが強化されたり、スキルで苦境をひっくり返せるという本作独自のシステムは、魅力的で楽しいものには間違いありません。
が、他のローグライクRPG作品と比べたとき、これらのシステムのために本シリーズが易しめのゲームとなっていることも確かです。
スキルについては1作目・本作ともにプレイヤーが使わないと決めれば済む話ですが、バストサイズは1作目・本作ともに「つるぺた」の特殊効果を持つ装備品を付ける以外、上がることを防ぐ手立てがありません。
そして、それはそれで鑑定ができなくなり、つるぺたでない時に比べてパラメータが低下するというハンデを負うことになるので、やはり公式の方でバストサイズの変化とスキルの使用を封じるダンジョンを作ってもらいたいところです。
バストサイズの変化に伴ってパラメータが変動することもなく、スキルによって劇的に形勢逆転できることもない硬派なダンジョンを、装備品とアイテムのみで戦い抜くのも燃えると思います。
1作目や本作で、バストサイズやスキルを活用した攻略法が染みついているほど辛いダンジョンになりそうですが、好きなキャラクターでクリアするという熱意を持って、挑んでみたいところです。
…管理人が「オメガラビリンスZ」について語ってみたかった点は、こんなところです。
ここまで読んでくださった方、本ブログ初の超・長丁場を見届けてくださり、ありがとうございました!
本ブログで「オメガラビリンスZ」について喋る機会はこれで(きっと)最後だと思いますが、本記事のようにゲーム等について語る機会は、まだいくらでもあることでしょう。
そういう訳で、こうした記事を投稿した際はまたよろしくお願い致します。
それでは、また。
その気になれば遅筆ぶりでネタキャラとして名を馳せられるのではないかと9割方冗談で考えている、「暇人の独り言」管理人です。
今回の「オメガラビリンスZ」を語る記事、2017年11月から用意を始めていたはずが、気が付けば2018年1月になってしまっていました。
何てこったい…
さて、散々時間をかけまくりましたが、今回の記事ではその「オメガラビリンスZ」について語ってみようと思います。
これまでの記事は同作のチャレンジダンジョンについて触れて来ましたが、今回は作品全体のことについて、1作目との比較も混ぜつつ喋ります。
本ブログ初の超・長丁場の記事となりましたが、よろしければお付き合い願います。
…その前に、いつもの注意書きをば。
注意
本記事は「オメガラビリンスZ」や、その前作にあたる「オメガラビリンス」のネタバレを含みます。
ゲームを自力で楽しみたい方は、本記事を閲覧せずにお引き取りください。
ネタバレされても構わないという方のみ、続きをご覧ください。
ゲームを自力で楽しみたい方は、本記事を閲覧せずにお引き取りください。
ネタバレされても構わないという方のみ、続きをご覧ください。
…この注意書きを見て本当に引き返す方がいらっしゃるかどうかも分かりませんが、一応ネタバレ記事を作る者の責任ということで。
では、記事を続けます。
作品の概要
「オメガラビリンスZ」は、「オメガラビリンス」の続編にあたります。
タイトルに違わずキャラクターの胸をZカップまで大きくできたり、ダンジョン内に店や温泉や巾着が登場したり、1作目にもあったチャレンジダンジョンがよりパワーアップしていたりと、公式ページでのセールスポイントには事欠かない1本でした。
…公式ページの「SYSTEM」の文章は悪ノリし放題ですが、おそらく深く考えたら負けです。
ストーリーについて
本作のストーリーは、1作目で愛那達が破壊した「美の聖杯」を、新キャラクター・茜崎莉央(あかねざき りお)が復活させようとしたことに端を発します。
自分の胸を小さくしたいと願っていた莉央は願いを叶えてくれる「美の聖杯」を復活させようと奔走したものの、その結果出来上がったのは、災いをもたらす「欲望の聖杯」でした。
その「欲望の聖杯」によって引き起こされた事件に収拾をつけるべく、愛那と仲間達は再び聖杯に関わる冒険に挑むことになります。
冒頭部分では莉央が中心となってチュートリアル的な解説を挟みながら話が進みますが、聖杯を探し始めた矢先に仲間が行方不明になり、その仲間を捜索するためにダンジョンに入ったことで妖精に出会うという始まり方は1作目と変わっていません。
他にも、1作目で改心した理事長が再び悪者扱いになっていたり、愛那達の窮地を救うために妖精が消滅の危険を厭わずωパワーを使うなど、大まかに見れば1作目と同じと言っていい流れはいくつか見受けられました。
序盤のチュートリアルと理事長の件に関しては、シリーズのお約束を守ったと好意的に見るべきか、手を抜いて使い回したと思うべきかは迷うところです。
前者は世界観とゲームシステムの説明となっていて、1作目からではなく本作から入ったプレイヤー向けの配慮と受け取れる余地があるため軽々しく手を抜いたとも言い難く、後者についても理事長のミステリアスな雰囲気が『悪役っぽく見えるキャラクター』として適任だったために白羽の矢を立てられた可能性が考えられるので、これらはやむを得なかったと思うこともできるでしょう。
しかし、新キャラクターの妖精・チチが愛那達を守るために一旦消滅する展開については、その後の復活があまりに簡単に行われたため、つまらなく感じました。
チチは本作の黒幕・欲望の魔女によって劣勢に追いやられた愛那達を救うべく、「美のニューリング」を使って欲望の魔女を追い払い、同時に自分も姿を消したわけですが、その次のイベントシーンでニューリングを使って消滅した妖精は復活できないかもしれないとの会話がなされたそばから、あっさり復活したのです。
仲間を復活させるためならどんなことでも、とプレイヤーが腹を括る必要すらないままに助かってしまうので、拍子抜けせざるを得ませんでした。
1作目で妖精・パイが消滅した際もかなり簡単に解決してはいましたが、そちらでは最終決戦の後に愛那達の祈りに応えて復活していたため、多少は見応えがありました。
本作でも何か一手間をかけて焦らしておけば、チチが復活したときの感動や安心感の大きさが違っていたことでしょう。
他にも、欲望の魔女が不敵な口を利く割には度々簡単に追い詰められていてどうにも威厳がないなど、丁寧に作り込めば熱くなれたシーンがさらりとまとめられていたのが惜しいところでした。
ストーリーについてまとめると、1作目・本作ともにシリアスになり切れていないという印象です。
もっともそれが必ずしも悪いことばかりというわけではなく、重苦しい気分にならないで気楽にゆるく物語を楽しめるという利点にもなってはいます。
ただしその反面、感情移入して熱くなるのには難があり、ストーリーに対しては物足りなさを覚えることも否定できません。
…まあ、ローグライクRPGに一番求められるのはダンジョン攻略の面白さなので、ストーリー面は看過できないレベルの矛盾さえなければ、それで良いのかもしれませんが。
キャラクターについて
1作目では5人だったプレイアブルキャラクターは、本作では9人に増えています。
内訳は人間7人と妖精2匹。
ノンプレイアブルキャラクターを含めると、メインキャラクターは12人になっていました。
内訳は人間9人と妖精2匹と変な魔獣1匹。
以前作成した記事「『オメガラビリンス』を語る」では管理人が特に気に入った愛那・なこ・美玲の3人について喋りましたが、今回は9人の人間キャラについて言及してみます。
・朱宮愛那(あけみや あいな)
1作目から引き続き主役を務めたキャラクターで、明るく前向きで責任感も強く、気付けば仲間達の中心になっている人物です。
本作では、学園の創立記念日にしか開かないはずの聖洞がその当日でもないのに開いたことを知り、1作目の事件で絆を深めた仲間達と共に再びダンジョンへと踏み入ります。
正義感の強さは本作でも相変わらずで、後述のうららと親しい仲にありながら彼女を突き放した莉央に憤りを露わにしたり、そんな莉央をも仲間と称して見捨てずに歩み寄ったり、モンスターから庇ったりと、主人公の肩書に恥じない活躍を見せてくれました。
幼い頃から両親がいないことは1作目でも語られていましたが、本作にてその両親が行方不明などではなく、既に亡くなっているというきつい事実が明言されました。
しかもそれを明かしたのが本人ではなく、長く深い付き合いの親友ながら詳しくは聞いていないというなこであった点からも、かなり傷付いていることが見て取れます。
当然と言えば当然ですが…
それでも、優しく温かくいつも味方になってくれるという祖母から大切に育てられたお陰か、捻くれたりすることもなく明るく真っ直ぐな人物になっています。
もしも愛那が祖母に育てられていなかったら、彼女は行動力と人望に恵まれた人間にはなっていなかったかもしれず、1作目や本作での事件を解決することもできなかったかもしれません。
そう考えると、名前も素顔も明かされないものの、愛那の祖母がとても偉大な存在に思えます。
ちなみに愛那は1作目で、祖母や写真で見た母親は胸が大きかったから成長すれば自分も大きくなると思っていた、という旨の発言をしていました。
当人の体型を見ると、その言葉は何とも哀しく響きます…
1作目での冒険の末に努力で自分を輝かせるという心意気を持つようになったものの、大きな胸への執着は健在で、本作でもなこや莉央の胸を羨むシーンが度々ありました。
変わらない安心感がそこにある。
欲望の魔女を倒して学園に戻って来た際、莉央との会話の中でつるぺた呼ばわりされて激怒し、愛那が彼女に決闘を申し込んだところで、本作の物語は平和的に幕を下ろしました。
めでたしめでたし。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、目の前のモンスターに物理ダメージを与えつつ5ターンの間自分の物理攻撃力と物理防御力をアップさせる「ハートブレイク」、自分とパートナーのHPを少し回復するとともに5ターンの間物理攻撃力をアップさせる「ハートフルレイン」、部屋内のモンスターに防御力を無視したダメージを与える「オメガインパクト」、前方3マス内のモンスターに大ダメージを与える「串打ち3年」の4種類。
スキルの種類そのものは1作目と全く同じなのですが、そちらでは「ハートブレイク」と「ハートフルレイン」を使用した際の物理攻撃力や物理防御力アップの効果が15ターン続いたのに対し、本作では5ターンへと大幅に減らされてしまっています。
そのせいで、これら2種類のスキルの魅力は1作目以上に小さいです。
特に後者については、回復量が50ポイントと少ないため物理攻撃力アップの恩恵を考えても使い道が乏しいという大きな弱点が1作目の時点で存在していたところに、回復量は増えないままで物攻アップの効果は短くされるという、さらなる追い打ちを喰らった形となっています。
ひどい。
一方で「オメガインパクト」と「串打ち3年」は性能が1作目そのままなので、強めの攻撃を叩き込みたいときに重宝します。
最もお世話になるであろうスキルは前者で、同じ部屋にいるモンスター全てに耐性を無視して100ポイントのダメージを与えられるので、アイテムの持ち込みができないチャレンジダンジョンのモンスターフロアやモンスタールームでは特に助けられることでしょう。
最上位種のモンスターのように、HPが多い相手に対してはいまひとつであることも否めませんが、そうした場合も反撃を受けない遠距離から一方的に攻撃してやれるという点では十分に魅力的なスキルです。
とにかく攻めることに長けているので、攻撃こそ最大の防御と考えるプレイヤーに最適なキャラクターです。
考えるより先に身体が動く愛那に共感できるという方は、迷わず彼女をリーダーに選びましょう。
・美桃なこ(みとう なこ)
愛那の親友にして、天然で楽観的な人物です。
1作目同様にパーティ内でムードメーカーの役割を果たしているほか、ダンジョン探索をピクニック気分で行っていたことが発覚しました。
愛那も「意外と大物かもね」とコメントしている通り、厄介者のモンスター共が蠢くダンジョンでここまで能天気にしていられることには、ある種の風格を感じます。
1作目と本作の両方で、小学生時代に可愛らしさを妬まれて陰口を叩かれていたものの愛那に救われたことで親友になった、という来歴が語られました。
しかし、時には互いの立場が逆転することもあり、これまた1作目と本作の両方で、落ち込んだ愛那をなこが元気付ける描写があります。
その愛那が落ち込んだ理由というのが、1作目では仲間達が捕らわれたことであり、本作ではうららから自身の胸をぺったんこと(悪気なく)評されたことだったわけですが、いずれのケースでもなこは上手く愛那を立ち直らせてみせました。
このことに関して本作では紗衣理が「愛那先輩がなこ先輩をフォローしてると思ってたけど逆なのかもしれない」と感じているシーンがありましたが、言い得て妙だったと思います。
余談ながら、なこは密かに弟持ちのお姉ちゃんという、刺さる人には刺さる属性をしています。
しかし、本作ではその弟に触れる台詞はろくにありませんでした。
強いて言えば愛那のパートナーキャラクターにしたとき、アイコンをタッチすることで聞ける台詞から、弟の存在を窺い知れるのみ。
女性キャラクターが主軸のゲームである以上、男性キャラクターに対する至極正しい扱いだったのですが、ブラコンなお姉ちゃんキャラが好きな管理人にとっては何とも言えず、寂しいものでした。
劇中の言動からは、女性らしい美しさよりも少女らしい可愛さを感じることの多いなこですが、本作では温泉に入ったときに見られるイラストや、「悶絶☆覚醒」のシチュエーションの1つ「襲っちゃうよ」など、1作目に比べると色っぽさを感じる機会がいくつかありました。
特に後者ではベビードールを身にまとって、「この恰好、セクシーかな〜?」、「なこの身体みせつけちゃうよ〜?」といった誘うような台詞を語り掛けて来るので、普段とは違って艶めかしいなこを楽しめます。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、自分とパートナーのHPを50%回復しつつ悪性の状態異常も治す「ばんそうこう」、満腹度を10%回復する「みるくパン」、使用したフロアにおいて自分とパートナーのHPの自然回復量を増やす「おまじない」、満腹度を10%回復し30ターンの間浮遊状態になる「うきうきパン」の4種類。
なこは1作目から引き続き登場した5人のキャラクターの中でも、かなりアクションスキルが弱体化させられています。
1作目にあった、満腹度を20%回復する上にフロアを移動するまで満腹度が減らなくなる「ふわふわパン」と、満腹度を100%回復する「まんぷくパン」が削除されているためです。
このせいで、アイテムなしでも飢え死にを回避しやすいという大きな強みが奪われた形となっています。
後釜として搭載された「みるくパン」と「うきうきパン」はお世辞にも強力とは言えない効果であり、料理の腕前がプロ並みというキャラクター設定にも似合っていません。
確かに1作目のなこは、満腹度を維持することにかけてはずば抜けたスキルの持ち主だったものの、それで絶対に飢え死にしないというわけではないし、HPや状態異常や満腹度の回復に特化したせいで複数のモンスターを相手取るのに不向きというデメリットもしっかり抱えたキャラクターでした。
「ふわふわパン」や「まんぷくパン」をいじらず続投させても、他のキャラクターに比べて極端にダンジョンの攻略が簡単になったりはしなかったと思うのですが、公式では調整の必要があると判断されたようです…
言わずもがなこの変更は、プレイヤーにとってはかなりの痛手となりました。
ただ幸いにして、「ばんそうこう」と「おまじない」の性能は1作目のままです。
そのため、アイテムを使わずにHPを回復するのが得意という強みは死守しています。
殊に「ばんそうこう」に救われるケースは、1作目より熾烈な戦いが多い本作においては枚挙にいとまがありません。
ゆえにこちらが改悪されずに済んだのは、プレイヤーにとってはまさに御の字というものでした。
HP回復の効果を持つスキル自体は、「ばんそうこう」以外にも僅かに存在してはいます。
が、それらは回復量が少なかったり、残りHPやレベルといった条件が整わないと使えないなど、いずれも実用性がいまひとつ。
唯一、「うらら眠たい…」は「ばんそうこう」と互角の回復量を叩き出していますが、こちらは状態異常を治すことができないという点で見劣りしています。
HPや状態異常を自力で治してこそ回復役だと考えると、本作において回復役と呼ぶに足るキャラクターは実質的になこだけとも言えるでしょう。
容姿・性格共にゆるいなこですが、そのゆるさに似合わず「ばんそうこう」を利用した持久戦が得意なキャラクターです。
HPさえ維持できればどんな状況も乗り切れるという自信があれば彼女を操作して、ダンジョンを気楽に攻略してしまいましょう。
蒼社紗衣理(そうじゃ さえり)
1作目から登場しているキャラクターで、愛那によく懐いているしっかり者の後輩です。
本当はなこと同じくらい胸が大きいものの、愛那のコンプレックスを刺激しないようにサラシを巻き付けて小さく見せているという、実に先輩想いな後輩。
1作目では唯一の最下級生だったため、妖精のパイ以外の相手には常に丁寧な言葉遣いをしていましたが、本作には新キャラクターとして同学年のうららが登場しており、彼女に対しては当然一貫してタメ口で話しています。
かなりどうでもいいことではありますが、その際の口調は割とボーイッシュ。
1作目で語られたことですが、紗衣理はロシア人の祖父を持つロシアと日本のクォーターで、ロシアにいた頃は体格の小ささや片言でしか話せないことで、日本に来てからは漢字が書けないことで笑い者にされたという苦い経験を持っていました。
以来、昔から好きでなかった人付き合いを一層不得手としてきたようですが、野外で読書をしていたときにダイエットのためのランニング中だった愛那と出会うと、気さくに話しかけて来る人柄や目標に対してブレのない姿に影響を受け、愛那のようになりたいと思うようになりました。
そして自分を変えたいという気持ちから、目が隠れるほど長く伸ばしていた髪を短くすると、愛那から「すばしっこくて忍者っぽいから」という半ば意味不明な理由でマフラーを贈られます。
紗衣理自身は急に髪を短くした自分が風邪を引かないようにとの配慮なのだろうと解釈していますが、その大切なマフラーを傷つけたくない思いから、忍者を意識するようになったようです。
そのためか1作目・本作とも、「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」のシチュエーションには忍者絡みの物が目立っています。
若さに似合わず冷静で賢明な紗衣理ですが、愛那を慕う気持ちはとても強く、それだけに彼女がうららに何かとかまう本作では、うららに嫉妬したり寂しさを感じるといった年齢相応の未熟さも見せました。
しかし、愛那が自分の成長をしっかりと見てくれているのだからうららに嫉妬する必要などないと気付くのが早かったことから、やはり切れ者ぶりはパーティ中でも随一と映ります。
一方で、「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」を拒む愛那をおだてて嫌々ながらもやるように仕向けたり、道を尋ねただけの真理華を拒絶した「前髪が長くて胸に本を抱えた女子生徒」のことを彼女から問われても他人事のように受け流しつつ陰では自分のことだろうと認めているなど、強かな顔ものぞかせました。
油断ならない後輩。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、周囲8マスのモンスターにダメージを与えつつ自分の物理攻撃力を5ターンの間アップさせる「獅子奮迅」、部屋内のモンスターを20ターンの間目つぶし状態にすると同時に20ターンの間モンスターの投擲攻撃をかわす状態になれる「鏡花水月」、前方1マスのモンスターにダメージを与えつつ自分を5ターンの間倍速状態にする「疾風迅雷」、部屋内のモンスターをフロアのどこかにワープさせる「風神召喚」の4種類。
スキル構成は1作目と同様ですが、そちらでは15ターン続いた「獅子奮迅」の物理攻撃力アップの効果が、本作では5ターンに減らされています。
しかし一方で、1作目ではモンスターを目つぶし状態にするだけだった「鏡花水月」に、本作では20ターンの間投擲攻撃を無効化する効果が追加されました。
弱体化のみだった愛那やなこに比べれば、トータルでは強化されていると言っても間違いではないでしょう。
いいなー…
モンスターフロアやモンスタールームに出くわした時も、「鏡花水月」でモンスター共を目つぶし状態にして、その隙に「疾風迅雷」で倍速状態になった上で「獅子奮迅」を繰り返し使用してやれば、闇に乗じて鮮やかに標的を葬る、まさに紗衣理の目指す忍者のような活躍を演出できます。
窮地に陥った場合は緊急措置として、「風神召喚」で部屋内のモンスターを一時追い払うことも可能です。
…しかしこれ、忍者っぽさを出すには紗衣理が風をまとってどこかへワープする、とかの方が良かったような。
1種類のスキルで部屋中のモンスターを一掃するということはできませんが、複数のスキルを組み合わせて使えば1対多数の状況下でも有利に戦える余地があります。
紗衣理と共に冷静に頭を働かせて、手堅くモンスターを倒していきましょう。
・翠川真理華(ひかわ まりか)
1作目から登場している2年生で、生徒会長の美玲を過剰なほどに敬っている
登場人物のうち、本作で新登場した莉央以外では最も男勝りな口調で、武人のような硬く古めかしい喋り方をします。
1作目では、会長と私だけでも十分だの、これ以上会長の足を引っ張れないだのと、口を開けば美玲への心酔ぶりが目立つ台詞ばかりのキャラクターでした。
対して本作では、やたらに美玲の名を出す癖は見受けられなかったほか、1作目で顔見知りになった愛那やなこや紗衣理に対して多少親しげに振る舞っているため、受ける印象はなかなかに変わります。
特に愛那に対しては、敵意を向けて来ていた莉央を迷いなく救いにかかるほどの真っ直ぐさを評価すると同時に、自分も見習うべきかもしれないと直接本人に話すなど、1作目よりも丸くなった感じがしました。
財閥の家に生まれた上に多方面で才覚に恵まれていて大体のことは特に努力しなくてもこなせるという、一見憎たらしいくらいの勝ち組人生をしているように思えますが、それだけに努力というものをろくにしていなかったため、努力に努力を重ねる美玲には勉強・運動・人望とあらゆる面で何一つ勝てなかったというエピソードが1作目で語られています。
しかし、純粋な自分の力で挑んでいるのだから頑張る必要などないと言い放ったところ、パイに「何もしない真理華が負けるのは当然」とたしなめられたことで考えを改め、努力して美玲に勝つこと、その前段階として美玲に認められることを新たな目標として掲げるようになりました。
その目標が実現する日も遠くはなさそうで、本作では美玲から「生徒会でも冒険でも自分の背中を任せられるのは真理華だけ」と評された上に、卒業の近付く彼女から面と向かって次期生徒会長の座を託され、自分を超えてくれると信じていると鼓舞される一幕がありました。
真理華もこれに奮い立っているので、美玲が卒業した後は九分九厘、彼女が生徒会長になることでしょう。
後輩である紗衣理やうららには手を焼く場面もありましたが、それすらも克服できれば本当に美玲以上の傑物になれるかもしれないと想像すると、真理華が生徒会長になった学園を見るというのも楽しみな気がします。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、部屋内のモンスターにダメージを与えると同時に部屋内のワナを全て消し去る「絶対領域の祝祭」、前後左右2マスのモンスターに魔法ダメージを与えて5ターンの間影縫い状態にする「囚われの影像」、部屋内のモンスターを何らかの状態異常にする「邪悪の化身」、10ターンの間回避率が上昇し倍速状態になる「質量を持った残像」の4種類。
1作目との大きな違いは、毒と空腹によるものを除いて3ターンの間ダメージを受けなくなる「無疵の障壁」が削除されたことです。これは効果が及ぶ時間こそ3ターンと短いですが、「ムテキ薬」なしで無敵状態になれるため、最凶のモンスター「死神」を相手取る際にも頼れる優れた技でした。
無残にも本作では削除されてしまい、「質量を持った残像」に変更されて見劣りすることに…
まあ、回避率上昇はともかくとして、倍速状態はそれなりに強力なので、救いは残った方でしょう。
他の3つのスキルの性能は、1作目のままです。
部屋全体にダメージを与えられる上に部屋内のワナも消せる「絶対領域の祝祭」と、モンスターを何らかの悪性状態異常にできる「邪悪の化身」がよく役立ってくれます。
特に後者は、繰り返し使用することで1体のモンスターに複数の状態異常を重ね掛けしてやれるので、モンスターにパラメータで負けている時には必須です。
「囚われの影像」も、逃げ回るモンスターを足止めしたい場合や、逆に自分の周囲8マスに近寄られたくない場合には便利。
…プレイアブルキャラクターの中でも和の雰囲気が強い容姿の真理華ですが、「質量を持った残像」を除く3つのスキルの性質は魔女じみていて、洋の雰囲気があります。
公式ページの立ち絵で杖を構えているなこより、刀を持った真理華の方が魔女っぽい技が使えるとは…
「邪悪の化身」によってありとあらゆる状態異常をかけ、モンスターに様々な不利を背負わせることのできる稀有なキャラクターです。
たまにはモンスターに状態異常の辛さを味わわせたいと思ったら、真理華に出番を与えてみましょう。
・白金美玲(しろがね みれい)
プレイアブルキャラクター中唯一の最上級生で、学園の生徒会長を務めるキャラクターです。
1作目では努力を惜しまない頑張り屋としての顔が目立った彼女ですが、本作では学園一の問題児・莉央が登場したことから、風紀指導に精を出すという生徒会長らしい場面が散見されました。
その立場もあって莉央を快く思っていなかったものの、素直でない言葉と共に制服のボタンのほつれを直してもらった件から彼女の不器用な優しさを理解し、見直すようになります。
それでも莉央の素行不良は決して黙認しない点から、公私混同などとは程遠い、厳格な生徒会長であることがよく見て取れました。
ちなみに1作目で語られたところによれば、美玲が髪をポニーテールにしているのは、小さい頃に1人で出かけた時に転んで泣いていた自分を助けてくれた生徒会長に近付きたい想いからの模倣だということでした。
その話がなされたタイミングが、パイが昔に聖洞で見た人間も美玲と同じように生徒会長の腕章をしていてなんとなく
1作目でも本作でも、その真偽は断言されていませんが…
本作では件の生徒会長のように子供を優しく導けるようになりたいという動機とともに、卒業後は大学に進学して教師を目指す気でいることを明かしました。
余談ながらその目標ゆえか、「悶絶☆覚醒」のシチュエーションにも教師のコスプレ(?)をした「美玲先生」があります。
今回も平素の凛とした立ち居振る舞いと、覚醒時の乱れぶりのギャップがツボ。
尊大なチチを斬り捨てようとする真理華をなだめたり、胸に顔をうずめて来たりお菓子をたくさん持ち歩いていたことから「大阪のおばちゃん」呼ばわりしたうららを許すなど、かわいいと感じた相手に対しては甘くなるところがあるようです。
ただし、チチのペットである魔獣・ベローナのポンコツぶりについては言葉を選びつつも率直に認めており、かわいい相手なら全てを許容するというほどには甘くありませんでした。
これなら将来教師になっても安心。
…かな?
ダンジョンで使えるアクションスキルは、周囲8マスに魔法ダメージを与えつつ5ターンの間自分とパートナーの魔法攻撃力をアップさせる「ペンタクルスター」、10ターンの間部屋にいるモンスターの物理防御力と魔法防御力をダウンさせる「コフィンクラッシュ」、5ターンの間自分と仲間の物理防御力と魔法防御力をアップさせる「ソリッドシールド」、部屋内のモンスターに防御力無視のダメージを与える「ネオグリモワール」の4種類。
スキルの種類は4つとも1作目と同じですが、そちらでは15ターンに及んだ「ペンタクルスター」の魔法攻撃力アップや「ソリッドシールド」の物理・魔法防御力アップの効果が5ターンに減っており、愛那やなこと同様になかなかの弱体化を喰らった格好になっています。
ただし、「ソリッドシールド」で自分やパートナーのステータスを上昇させると同時に「コフィンクラッシュ」でモンスターのステータスを下げることで戦況を好転させられることは変わっていないため、丸っ切り使えなくされたという訳ではありません。
美玲のスキルの中でも一番頼りがいがあるのはやはり、部屋全体に防御力無視の攻撃ができる「ネオグリモワール」です。
大まかな性質は愛那の「オメガインパクト」や莉央の「ギガインパクト」と似ていますが、これら2種とは異なり、レベルを上げれば威力を上昇させることができます。
そのため、「紅蓮の塔」や「魔女からの挑戦状」で最上位種のモンスター共が群れをなしているときでも、このスキルを使えば倒しやすくなるでしょう。
美玲が魔術書を読み解いて体得したという設定のスキルなのですが、そこに持って来てレベルアップで威力が上がるところに、彼女の努力家ぶりがよく表現されています。
本当に向上心が高い。
自分のパラメータは強化し、モンスターのパラメータは弱体化させ、そしてもちろん攻撃も可能と、戦いに役立つスキルが勢揃いしているキャラクターです。
手強いモンスターに襲われる逆境を、美玲と共に努力で乗り越えてみるのも面白いことでしょう。
・茜崎莉央
本作で初めて登場したキャラクターで、制服を勝手に改造していたりアクセサリーを付けていたりと、校則違反をしまくっている学園一の問題児です。
ストーリー上では上述の通り、自身の望みに反して災いをもたらす「欲望の聖杯」や欲望の魔女を生み出してしまい、本作の事件の元凶となりました。
そのビジュアル通り柄が悪いものの、クラスメイトである愛那からは当初から凛々しくて素敵と称されていました。
一方で莉央は、以前から愛那の正義感を疎ましく思っていた上に、願いを叶えてくれる聖杯を壊された恨みも加わって、最初はひどく毛嫌いする様子を見せます。
他にも、苛立ちを募らせた余りに
ところが、けじめを付けるためにと再起して愛那達の仲間になってからは、口調こそ乱暴ながら周囲に気遣いを見せるなど、物腰は確実に柔らかくなっています。
特に愛那が両親を喪っていることを聞くと、自分の家庭環境を引き合いに出して愛那を励ましにかかったシーンは、仲間入りする以前とはまるで別人のようです。
本編開始前には自分が怪我をすることにも構わずうららを犬から庇っていたりと、根底にはきちんと優しさを持っていることが窺えます。
ちなみに劇中で幾度も不器用と称される通り人付き合いはお世辞にも器用でないものの、手先は器用で裁縫が得意な様子。
似合わん…
自分の大きな胸を小さくしたいという、愛那とは真逆の悩みを抱えており、胸に関する2人の会話を聞いていると、ないものねだりという言葉が真っ先に浮かんで来ます。
家庭環境についても愛那とは真逆で、両親は健在ながら父親は金と仕事の事しか頭にない人間で、母親は世間体ばかりを気にしており子供に対して全てにおいて一番を取ることしか許さない人物という、莉央曰く「優しい人も温かい人もいない」場所で育っています。
それだけに、両親を喪っている愛那に向けて言った「自分を本当に大切にしてくれる人が一人でもいることが本当の幸せなんだと思う」という台詞には、それなりの説得力がありました。
ただ、胸を小さくしたがっていた動機については、自分の大きな胸を馬鹿にされている気がする、という思い込みから来たものでしかありませんでした。
そのため、親がいないことをいじられて泣いていたときも胸の大きな祖母に抱かれると安心したというそれなりに重い背景から胸を大きくしたいと願っていた愛那と比べると、どうしても軽く感じられてしまいます。
なこの発言から自分の大きな胸が周囲に憧れられていたのだと知ると、戸惑いつつも胸を小さくすることにこだわらなくなる兆候を見せたことも、その印象に拍車をかけました。
予想通り欲望の魔女を倒した後、莉央は「自分の欠点や弱さを受け入れて生きる」という考えを抱き、「美の聖杯」を復活させて胸を小さくしようとするそぶりを見せなくなりました。
細かい経過こそ違えど、大雑把に見れば1作目で愛那が辿った流れを莉央も経験したと言ったところです。
…まあ、胸を小さくしたがっていた動機を幾度も重い背景と絡めるのが難しかったであろうことも、騒動を解決した際に導き出す結論が重複することも、愛那という前例が既にいる以上宿命と言わざるを得ないので、この点はうるさく文句を付けるのは酷というものですが。
欲望の魔女を倒して学園に戻った際、軽はずみで愛那を「つるぺた」呼ばわりしたことで彼女の逆鱗に触れてしまい、今度は自身が決闘を挑まれる…というシーンで出番を終えました。
莉央を自由にダンジョンへ叩き込めるようになるのはストーリーが中盤を過ぎてからとなかなかに遅いですが、公式ページでもう1人の主人公と記載されているだけあって、タイトル画面やタイトルロゴに愛那と並んで描かれていたり、愛那と一緒にダンジョンに入ると「マイク」を使用する際にデュエットを選択できたり、合体技「究極・ω・ストライク」が使用できたりと、特別扱いされていました。
ポッと出のくせに。
ダンジョンで使えるアクションスキルは、前方1マスのモンスターに大ダメージを与えて2マス後方に追いやる「グレートナックル」、周囲8マスのモンスターに5ポイントのダメージを与えて1マス後方に追いやり死の宣告状態にする「ギルティスラッシュ」、部屋内のモンスターに守備力無視のダメージを与える代わりに5ターンの間つるぺた状態になる「ギガインパクト」、10ターンの間浮遊状態になると同時に回避率を上昇させる「明鏡止水」の4種類。
一見、愛那同様に攻撃向きのスキル構成に思えますが、その実態はクセのある技ばかりのキャラクターです。
中でも最も曲者なスキルは、「ギガインパクト」でしょう。
部屋内のモンスターに守備力無視で150ポイントのダメージを与えられるものの、使用後5ターンの間はつるぺた状態になり、パラメータが低下する上にスキルも使えなくなってしまいます。
その性質柄、愛那の「オメガインパクト」や、美玲の「ネオグリモワール」のように連続で使うこともできません。
しかも、レベルを上げても威力は増加しないので、愛那の「オメガインパクト」と同様に最上位種のモンスター相手では決定打にならないという弱点があります。
さらに言えばこちらの場合は5ターンの間つるぺた状態になることでパラメータが下がるため、その5ターンの内に倒される危険が増します。
おそらく本作で一番使いどころを選ぶスキルと言っても過言ではないでしょう。
次いで難儀なスキルは、「ギルティスラッシュ」。
周囲8マスのモンスターに5ポイントのダメージを与えて1マス後方に追いやりつつ死の宣告状態にできる技ですが、死の宣告状態になってから実際に倒れるまでには20ターンほどかかってしまいます。
そのため、正攻法ではきつい相手に喰らわせて持久戦で打ち勝つという戦法は、成功させ辛いです。
ただ、泥棒系や召喚士系といった、プレイヤーから逃げるように動くモンスターに対しては便利なので、全く活躍の場がない技にはならないで済むことでしょう。
悲しいかな、ほぼ論外なのは「明鏡止水」。
10ターンの間回避率が上がるのと同時に浮遊状態になれる技ですが、回避率というやつは所詮不確定な代物に過ぎないので、全面的に信頼できる技ではありません。
せめて浮遊状態になれることで、水場に囲まれたアイテムを回収できる利点はありますが、これも「マグネットの本」を使うか、入手に大変手間取りはしますが「羽毛のブラ」と「羽毛のパンツ」を装備してセット効果「ウキウキ気分!」を発生させている場合、何ら魅力とはなりません。
愛那の「ハートフルレイン」並みに使い道がないと言わざるを得ない技でした。
これら3つとは逆に、莉央のスキルで唯一シンプルで使いやすいのが、「グレートナックル」です。
特筆すべきことは命中した相手を2マス後方に追いやるくらいですが、単純に大ダメージを叩き出せるので、他の3つのスキルより輝ける機会は多いでしょう。
莉央の攻撃的なキャラクター性に似合っていて、なおかつ役に立つという、本作においては珍しい技でした。
捻くれ者ゆえか、ダンジョン内でもクセのある技が目立つキャラクターです。
そのクセとも上手に折り合うことができれば、痛快なプレイが楽しめるでしょう。
・瑠璃川うらら(るりかわ うらら)
本作で初登場した、莉央の友人です。
金髪碧眼という西洋人じみた風貌の少女で外見は可愛い部類に入りますが、性格はいたぶられることを喜ぶという、分かりやすいド変態。
物理的に攻撃されることのみならず、放置されることにすら喜悦を覚える重症ぶりでした。
小柄な体格の上に言動も幼稚な面が目立つため、実年齢より遥かに幼く見えます。
実際に劇中で、愛那から「子供だから大人の対応をしてあげた方が」と評されるほどです。
しかし、莉央が「欲望の聖杯」に飲み込まれるかという事態になった際は、故意ではなかったにせよ自分のせいで誰かに危険が及んだなら自分が始末を付けなければならないと重く受け止めていたほか、莉央から八つ当たりされても彼女の心情を推し量って冷静に振る舞うなど、芯はしっかりとしていました。
胸の大きさは愛那すら下回っており、ダンジョンでZカップに至るまでには幾度もバストアップの演出を眺めることになります。
余談ながら、ホームキャラクターを愛那にしてしばらく放置していると、「私の周りは胸の大きい子が多いよね…で、でも、うららちゃんには勝ったよ!」という台詞が流れることがあります。
底辺の争い…
一方でうららは愛那をぺったんこ・なかまと無邪気に称しており、彼女と違って自分の
…胸の大きな莉央や真理華や美玲に好んでくっつく習性はありますが。
ダンジョンでは回避率と攻撃力が高めな一方で、レベルアップやバストアップによるHPの伸びが悪く、モンスターの攻撃で受けるダメージも大きめという、実にクセのある性能をしています。
使えるアクションスキルも、部屋内のモンスターを眠らせて自分とパートナーのHPを少し回復する「うらら眠たい…」、周囲8マスのモンスターにダメージを与えつつ5ターンの間自分が透明状態になる「うららはいません」、部屋内のモンスターのレベルを1つ下げる「うらら泣きそう」、10ターンの間モンスターの攻撃によるダメージを回復に変換できる「えくしゅたしー!!」という、クセのあるもの揃い。
しかし、同じく新参者である莉央と比べると、うららのスキルには使いやすいものが多いです。
まず、「うらら眠たい…」は部屋内のモンスターを眠らせる上に自分とパートナーのHPを回復できる技です。
本作における数少ない回復技であり、ゲーム内の説明文では「少し回復する」としか書かれていないものの、実際に使用した際は明らかに50%ほど回復しており、なこの「ばんそうこう」と同格の回復量を誇っています。
モンスターの行動を阻止しつつ自分の態勢を立て直すことに、最適のスキルです。
「うららはいません」は、周囲8マスにダメージを与える技で、命中した際に与えられるダメージが3桁に及ぶことも珍しくありません。
使用後5ターンの間は透明になるためアイテムを拾うことと使うことはできませんが、モンスターに気付かれないまま攻め立てることができるので、その点でもお得です。
でもダメージを受けると透明状態は解除されるので要注意。
「うらら泣きそう」は、部屋内のモンスターのレベルを1つ下げてしまう、ローグライクRPGとしてはかなりぶっ飛んだ性能の技です。
たとえ最上位種のモンスター共がひしめくモンスターフロアやモンスタールームに出くわそうと、このスキルを2回喰らわせてやれば、一転して最下位種との勝負に変えてしまえる訳です。
そうすれば、もはやこちらが倒されることの方が難しくなります。
最上位種のモンスターの攻撃を喰らえば一撃で倒される可能性もあるうららにとっては、難関のチャレンジダンジョンにおける必須スキルと言えるでしょう。
このように、うららのスキルは一見どれも使いにくく思えるものの、実際は頼れるものが多い構成になっています。
ただし唯一、「えくしゅたしー!!」だけは使いにくいです。
モンスターからの攻撃で受けたダメージの分だけHPを回復できるという
しかも、HPが少ない時にしか使用できないという制限があり、攻撃を受けたときのダメージが大きいうららは、そもそもこの技を発動する暇もなく倒されてしまうことさえあるのです。
もちろん成功すればしめたものですが、運任せもいいところの回復技なので、このスキルを前提とした生存戦略を考えていては泣きを見ることになるでしょう。
いたぶられるのが好きというキャラクター設定に最も似合ったスキルが、最も実用性が乏しく頼りないという悲しさがそこに…
攻めが強い代わりに守りが脆いという、分かりやすくハイリスク・ハイリターンな上級者向けのキャラクターです。
うららでダンジョンをクリアするには、他の6人の人間キャラクターを使用する場合よりさらに丁寧な作戦が求められるでしょう。
・
1作目と同様に購買の職員として登場しましたが、本作では自身がωパワーの秘密を研究する魔女であることを告白したり、知識を活かして愛那達に協力したりと本筋に絡む機会が多く、謎めいた雰囲気を漂わせるばかりでろくにストーリーに関わらなかった1作目と比べると、それなりに影が濃くなりました。
チャレンジダンジョンでも彼女が関わるものが2種類用意されていることからするに、スタッフに気に入られているのかも?
学生時代はポニーテールをした生徒会長だったことが1作目で語られていますが、
美玲から思い出話を聞いたことがないはずなのに件の生徒会長の髪形がポニーテールだったことを言い当てたり、
今回の
1ターンに2回行動・一撃で3桁ダメージ・悪性状態異常無効化という、劇中最凶のモンスター「死神」と似通った凶悪なステータスをしているので、倒すには入念なアイテムの準備が求められますが、見事に成功した時には気分が晴れやかになります。
ちなみにその戦闘力に関しては、本人曰く「本気を出したら学園がなくなるかもしれない」くらいには強いらしいです。
確かに番犬「ベロニカ」を力ずくで服従させられるだけの実力があるようなので完全なジョークではなさそうですが、チャレンジダンジョン「魔女からの挑戦状」で戦った時のステータスが本気のものだったとしたら、そこまでではないような気もします。
どこからどこまでが本気か分からない物言いをする
・久遠輪廻(くおん りんね)
生徒たちからこっそり「美魔女」と呼ばれている、年齢不詳な学園の理事長です。
風変わりな名前が揃い踏みする本作の中でも屈指の、スゴい名前の御方。
1作目では自分の美と若さのために聖杯を利用して長年にわたり学園の生徒達のωパワーを奪っていた悪人であったものの、愛那達に倒されたことで改心し、以後は生徒達の事を第一に考える優しい理事長となっています。
本作では不運にも欲望の魔女に憑りつかれてしまい、当人の意思に反して生徒達を危険に晒す悪行を働かせられましたが、再び愛那達に倒されたことで欲望の魔女から解放されて正気に返り、めでたく優しい理事長として戻って来ました。
万が一「欲望の聖杯」やニューリングの騒動に誰かが巻き込まれた場合に備えてそれらの研究を行いレポートを作成していたことや、その思惑が外れて生徒達を危険に晒してしまったことに傷つく様子を見せたことから、すっかり生徒を大事にする心意気を自身に定着させていることが見て取れます。
…が、そんな優しい理事長が今回のお詫びとして用意したのが本作屈指のストレスフルなチャレンジダンジョン「理事長のヒミツ特訓」であるという設定を見ると、何だか複雑な気分になります。
確かに強くなれそうではあるけれど…
本作で初めて姿を現すシーンでは既に欲望の魔女に憑りつかれていた訳ですが、誰が見ても何かに憑りつかれたようだと一発で分かる調子でした。
あまりの分かりやすさゆえに劇中でも触れない訳にはいかなかったと見えて、美玲や愛那が直接対決を迎える前からそのことを指摘しています。
しかし結局、実際に対決する時期は欲望の魔女との決戦直前であり、正気に返るのは終盤も終盤というタイミングでした。
そのため、改心した優しい理事長としての顔が見られるイベントは「18-6 理事長の謝罪」と「20-9 悪霊退散パワーストーン」くらいのものです。
少ない。
本物の悪役だった1作目と比べると顔を出すシーン自体が少なくなっており、そちらで印象の薄かった
せっかく良い人になったのに不遇…これも報いというものか?
かなりの余談ながら、「理事長のヒミツ特訓」の15Fで相対する「久遠理事長」は、1作目や本作のストーリーダンジョンでの戦闘時とは異なり、温かい目つきで見るという無駄行動を見せることがあります。
自分の欲望のために生徒を利用していた頃を考えると、本当に改心しているのだと窺える描写です。
モンスターについて
発売前から予見できた通り、本作でも嫌らしいモンスターが数多く現れました。
そのうちの何種類かは「紅蓮の塔」について語った際に挙げているので、今回はそちらで話題にしなかった奴らについて喋ってみます。
・「チュッパ」系
攻撃と同時にバストサイズを下げるモンスターです。
つまりこいつの攻撃を喰らうとパラメータを下げられることになる訳ですが、何よりも手間暇かけて上げたバストサイズとパラメータをたった1撃の攻撃で台無しにされるのが非常に腹立たしいです。
しかも最下位種「チュッパ」は1撃で1段階しかバストサイズを下げて来ませんが、その上位種「チュチュッパ」は1撃で2段階、最上位種「チュッパチュッパ」に至っては1撃で3段階も下げて来やがります。
モンスターを倒してもωパワーが入手できないチャレンジダンジョン「Z胸♡スポット」では、こいつの攻撃を喰らうとバストサイズとパラメータが下がったままになってしまうので、なお一層嫌な相手となります。
特殊効果「バストダウン防止」のある装備品を付けていれば、通常攻撃しかしてこないモンスターと同じなので、対処は簡単な部類でしょう。
ただし…
・Zカップの状態でスキルの使用回数を回復させたい
・でも「クリームパン」はない
・「ハイパーω斬り」も使いたくない
という時には、わざとこいつの攻撃を喰らってバストサイズを下げられる以外に手頃な方法がなく、その際は普段とは打って変わってありがたいモンスターへと変貌してしまいます。
最上位種「チュッパチュッパ」は「モンスター図鑑」にて、「女の子やそのときの胸の大きさによってはバストを吸収して喜ばれることがあり女の子の気持ちは難しいと悩んでいる」と解説されていますが、それも頷ける話です…
・「メガーネ」系
レベルに応じた魔法を使ってくるモンスターです。
最下位種「メガーネ」は炎での攻撃をするのみですが、中位種「メガーネワイズ」はこちらを混乱させるようになり、最上位種「メガーネインテリ」に至ってはこちらを眠らせる上に「ω斬りの本」の効果をぶつけてきます。
特に「メガーネインテリ」は、プレイヤーの守備力無視で100ポイントのダメージを与えて来るので、装備やレベルに関係なく危険な相手です。
しかし、「混乱防止」や「睡眠防止」の特殊効果が付いた装備品を装備しておけば、倒しやすくなるでしょう。
前述の「チュッパ」系と同様、対処は決して難しくない部類です。
・「ジャーブ」系
攻撃と共にプレイヤーが持っている巾着を弾き飛ばすモンスターです。
飛ばされた巾着は壁にぶつかると破れてしまうので、巾着を利用して30個を超えるアイテムを持ち運ぶプレイヤーにとっては地味ながら嫌な相手です。
巾着を弾かれることは防げないので、弾き飛ばされても壁にぶつからないように立ち位置を考えるか、やられる前に倒すくらいしか対処法もありません。
ついでに言えば地味に攻撃力が高いので、その点でも油断は禁物です。
・「拒絶の騎士」
1ターンに2回行動するボスモンスターで、常にプレイヤーから逃げ回るように動いては遠距離から弾丸をぶっ放して来るという、何とも癇に障る野郎です。
ようやく接近できたかと思えば、蹴りや「拒絶の暴風」で再びこちらを遠ざけるという憎たらしさ。
ストーリー上では大した相手ではないですが、「理事長のヒミツ特訓」でやり合う際はこちらの最大HPが少ない状態なので、一定量のダメージを与えて来るこいつの弾丸攻撃は危険な技となっています。
弾丸攻撃を避けつつ壁を背にする形で迫るか、「とびつきの杖」で一気に隣接して直接攻撃を重ね、根気よくHPを削ってやりましょう。
・「欲望の魔女」
理事長に憑りついて悪さをさせていた黒幕にして、本作のラストボスです。
名前が名前なので一応女性の形をしてはいますが、見た目は肥満体のオバハンといったところであり、容姿の面では美人揃いの愛那達には及ぶべくもありません。
不敵で尊大な口を叩いてはいるのですが、思い切り侮ったチチに一度追い払われたり、自分の力が愛那達に通じずに焦ったりと、強敵っぽさがまるで足りていない小物ぶりを晒しました。
ネット上で本作の知名度がもっと上がったら、ネタキャラ扱いされそうな予感。
パワーを溜めた後の回転攻撃は少々危険ですが、そのパワーを溜めている最中に攻撃をしまくれば、回転攻撃を使わせることなく弱体化させることが可能です。
戦闘面でも隙だらけ…
正体を現してからより、それ以前の方がまだマシに見えたという、何とも残念なラストボスでした。
ある意味では哀れかもしれない…
良かった点と気になった点について
本ブログ初の超・長丁場な記事も、そろそろ終盤となります。
ここからは本作全体を概観して、1作目より良くなった点と、1作目と比べたとき気になった点について語っていきます。
まずは、良くなった点から。
・キャラクターのイラストがより洗練された
キャラクターのイラストは1作目の時点で既に愛らしい仕上がりだったところ、本作では色鮮やかになってより美麗になっており、見ごたえがあります。
「悶絶☆覚醒」や「悶舌☆覚醒」、そして温泉に入った時のイラストでもその綺麗さは発揮されており、女性キャラクター達を売りにした作品としては実に適切な力の入れようでした。
・Zカップと「ハイパーω斬り」の登場
1作目ではバストの最大値はKカップでしたが、本作ではKカップをさらに超えてZカップに到達できるようになりました。
Zカップになったキャラクターの見た目は、もはやそそるというより何とも言えない迫力と威圧感があって、とにかくインパクトがすごいです。
これに伴い、本作ではキャラクターがZカップになっているときだけ使用できる「ハイパーω斬り」も登場しました。
前方3列10マスの敵に大ダメージを与えると同時に、ワナも壊すことができる大技です。
アイテムもとばっちりを受けて消滅してしまう上に、使用後はバストサイズがキャラクターの初期状態まで戻ってパラメータも下がってしまうので使いどころは慎重に考える必要がありますが、上手く使いこなせば難関のチャレンジダンジョンも突破できる心強い武器なので、プレイヤーにはありがたい新技でした。
…Zカップになったキャラクターが好きだというプレイヤーは、必然的にこの技の使用を封じられることになりますが、それはそれで1つの縛りプレイとして面白いかもしれません。
・巾着や店が登場
複数のアイテムを入れて1個のアイテムとして持ち運べる巾着と、ダンジョン内でアイテムを買える店は、どちらもローグライクRPGではよく見られる要素です。
バストサイズなどの余りにも独自性の強いものを除けば、1作目の時点でほとんど王道のローグライクRPGと言える作品に仕上がっていたところ、この巾着と店の登場でさらに正統派のものに近付きました。
それだけに、まっとうなローグライクRPGを求めるプレイヤーほど、本作をより面白く感じるのではないかと思います。
・温泉も登場
1作目では、ダンジョンにもごくまれに沸いていることがパイの台詞から窺い知れるのみだった温泉ですが、本作では実際に利用できるものとして登場しました。
素肌をさらして湯船に浸かるキャラクター達の可憐な姿を堪能できる楽しみももちろん大きいですが、何より嬉しいのはHPと悪性状態異常が完全回復・全ての装備品の呪い解除・そのフロアでの初回利用時には何らかの特殊効果が付与と、まさに良いことずくめな効能です。
運良く巡り会えた時には、利用しない手はありません。
…ただし、その特殊効果を打ち消してしまう「湯冷めのワナ」もばっちり登場しているので、油断は厳禁です。
・未鑑定のアイテムを扱いやすくなった
1作目では未鑑定のアイテムは種類に関係なく、鑑定をしない限り名称を確定できませんでしたが、本作では本や薬のみ、使用するだけで名前が明らかになる仕様に変更されました。
さらに、1作目では未鑑定のアイテムは全て1ωPでしか売れなかったものの、本作では未鑑定のままでも定価通りのωPが入手できるようになっており、鑑定してから売るという無駄なコストと手間がなくなりました。
また1作目と異なり、未鑑定のアイテムにもレア度が表示されるようになったため、何のアイテムかをある程度予想することもできるようになっています。
薬を例に取れば、レア度1なら「ドク薬」や「ただの水」などのくだらないものと見ていい、レア度3なら「スーパーポーション」や「ムテキ薬」といった豪華なものの可能性が期待できる、といった具合です。
鑑定にはωパワーを消費するので、1作目では未鑑定のアイテムをωパワーの続く限り鑑定するか、一度使って正体に目星を付けて済ませるかということに、多くのプレイヤーが悩まされたことでしょう。
しかし本作ではこの仕様変更のおかげで、レア度の低い未鑑定のアイテムは放置するという選択もできるので、限りあるωパワーを節約しやすくなっています。
プレイヤーが冷遇されている面がいくらかあった本作においては珍しく、これはプレイヤーに親切な改変でした。
・パートナーキャラクターと会話できる
ダンジョンにパートナーを連れて行った場合、画面に表示されるパートナーアイコンをタッチすると、リーダーキャラクターに向けた台詞が聞けるようになりました。
愛那となこ、愛那と紗衣理といった特に親密なキャラクター同士を組ませて仲睦まじさを見るのももちろん楽しいですが、なこと真理華、紗衣理と莉央など、ストーリー本編で絡みの乏しかった者同士を組ませてみるのもまた一興です。
惜しむらくは、どの組み合わせも表示される台詞の種類がさほど多くないことか。
リーダーまたはパートナーキャラクターのHPの残量に応じて台詞が変化したりすれば、より楽しめたことでしょう。
何にせよ、キャラクター達に愛着のあるプレイヤーほど楽しめる新要素と言えます。
…と、このあたりが良かった点です。
そしてここからは、気になった点について。
・莉央の優遇ぶりが目に付く
莉央は本作で初登場したキャラクターながら、前述の通りタイトル画面やタイトルロゴに愛那と並んで描かれていたり、愛那と一緒にダンジョンに挑むと合体技やデュエットが行えたりと、優遇ぶりが目に付きます。
もう1人の主人公と設定したことを考えれば莉央に多少の特別扱いがなければ様にならなかったのも確かですが、それはストーリー上で愛那共々目立っている時点で十分に果たしていたと言えるでしょう。
それにとどまらず、愛那にとって前々からとても近しかったなこや紗衣理を押しのけてまで、莉央が上記のような厚遇を受けたのは釈然としないところです。
特になこに関しては、愛那との付き合いが「人生の半分は一緒にいる」ほど長い設定なのに、これまでろくに関わりのなかった莉央にまる1日も経たずに愛那の親友の地位を奪われたように見え、不憫に思えます。
ストーリー上でのことにしてもスキルのことにしても、どうもなこの扱いは悪いような気がする…
ただ、特定のキャラクター同士で組んだ場合には特別な利点があるというルールは素直に面白いものだったので、愛那となこ、莉央とうららなど、劇中で関係の深い組み合わせ全てに合体技やデュエットを用意しておけば、愛那と莉央の組み合わせも何ら気にすることなく受け入れられたことでしょう。
・「悶絶☆覚醒」と「悶舌☆覚醒」が苦痛
1作目の「悶絶☆覚醒」ではキャラクターの身体ならどこを触ることも可能で、また、どこを触っても覚醒を強制終了されることはありませんでした。
ところが本作では、覚醒のシチュエーションごとに触れられる部位が決まっていて自由度に欠けており、しかもキャラクターの機嫌が悪くなる場所ばかりを触れていると覚醒が強制的に打ち切られてしまうルールになっています。
そのくせ、キャラクターが喜ぶ場所と不機嫌になる場所を見分ける方法はないため、運任せのミニゲームとなったのです。
さらに「悶舌☆覚醒」では、常にベローナが画面に表示される上に非表示にできない仕様になっており、キャラクターの
そのせいで、美麗になったキャラクター達を堪能できるせっかくの機会に水を差された気分になります。
「悶絶☆覚醒」も「悶舌☆覚醒」も、演出をスキップすれば得られる経験値が乏しくなるため、仕方なく何度も何度もプレイすることに…
その作業感は1作目にもあったことですが、本作の場合は運任せの作業という形になっているので、楽しさより苦痛が上回ってしまいます。
1作目と同じシステムの「悶絶☆覚醒」を、本作のグラフィックで遊べたなら文句なしに嬉しかったのですが…
この変更は、目立って残念な点の1つでした。
・プレイヤーが冷遇されている
本作では方々で、プレイヤーに対する冷遇が目立ちました。
いくつか例を挙げると、下記の通りです。
・1作目にあった、3マス前まで攻撃できる武器「ωソード改」が廃止
・「雷の本」や「雷神の本」が部屋全体を攻撃できなくなっている
・パラメータを上昇させるスキルの効果時間が短くなっている
・モンスターはプレイヤーの良性状態異常を無効化できるが、プレイヤーはモンスターにかかった良性状態異常を打ち消せない
1作目に比べて本作の難易度が上がっているのは間違いありませんが、それはプレイヤーがやたらと不利な状況に置かれることによるものなので、歯ごたえがある難しさというより、ストレスが溜まる難しさになっています。
この点で、1作目の経験者の方は覚悟を決めて本作に挑むことが求められるでしょう。
・キャラクターの個性とダンジョン内での性能がちぐはぐ
本作では、キャラクターの個性とダンジョン内での性能が噛み合っていない部分が散見されました。
分かりやすいところだと、「料理がプロ並みに上手」というなこがスキルで大した食事を作れないようになっていたり、「ドM」なはずのうららがモンスターを弱体化させるスキルと攻撃を受けてHPを回復するスキルを併せ持っている上に高い回避率を有することなどが、該当するでしょう。
これについては、プレイの上で特段支障にならないことではありますが、それぞれ独自の魅力を放っているキャラクター達なので、その個性とスキルが上手く調和していないことにはもったいなさを覚えます。
何故こんな齟齬が生じたのかは、きっと永遠の謎になるのだろう…
管理人の感覚で気になった点は、主にこんなところでした。
色々言いはしたものの、結局のところ1作目を楽しめたプレイヤーなら、本作も大ハズレにはならないと思って良いと考えます。
さらなる続編は実現するのか
本作の登場により「オメガラビリンス」はシリーズ化したと言える訳ですが、果たしてさらなる続編こと3作目は実現するのでしょうか?
…当然、その答えは公式が決めることなので、ここでは「分からない」としか言いようがありません。
さりとて、それで締めてしまっては語りの場として最悪なレベルで面白くないので、代わりと言っては変ですが、本記事では「実現の難しさ」と「もしも実現したら期待したいこと」の2点を独り言にして、終わりとさせていただきます。
・タイトルの難しさ
まずは、さらなる続編を制作する場合の、タイトルの難しさについて。
このシリーズは「オメガラビリンス」というタイトルになっています。
直訳すれば、「最後の迷宮」といったところでしょうか。
そんな題名の上に、続編を予感させる情報がなかったことから最初で最後かと思われましたが、予想に反して今回「オメガラビリンスZ」と銘打った続編がめでたく登場しました。
こうなると、もしも3作目が出るとしたら、まずはタイトルから悩む必要があると思われます。
2作目である本作を2ではなくZと名付けたのに、3作目で3と付けるのも変な話だし、Zの続きだからと言ってZ2などとするのもややこしいし…
あるいは、エイプリルフールで打ち出した「オメガラビリンスZZ」の嘘を真にしてしまうのか?
ともあれ、公式のネーミングセンスがきつく問われることになるでしょう。
・ストーリーを続ける難しさ
次に、ストーリーを続ける難しさについて。
本シリーズのストーリーは「オメガラビリンス」・「オメガラビリンスZ」ともに、愛那達の通う学園の聖洞と、そこにある聖杯を引き金として展開されてきました。
それだけ聖洞と聖杯は本シリーズにとって重要な要素と言えるわけですが、もしも今後3作目が制作されることになった場合、またもやそれら絡みの事件が描かれる可能性が予想されます。
しかし、1作目の事件は11月8日に起きたという設定であり、本作の事件はその後の3学期初日に起きたという設定になっています。
このことから、1作目と本作の間の空白期間は精々2ヶ月と考えられるわけです。
短い。
この上でまたもや学園に騒動を起こした場合、流石に「事件起こり過ぎだろ」という話になってしまいます。さらに、唯一の最上級生である美玲が卒業する前にもう少し活躍させようとしたら、時系列は同3学期の3月まででなくてはならず、本作とさらなる続編の間の空白期間も長くて2ヶ月が関の山となります。
2ヶ月周期で事件が起こる学園って…
一方で、本作から3か月以上経過した時期の学園をさらなる続編の舞台にした場合、これまでの2作品に登場したキャラクターの中では、美玲だけが登場する余地を失くすことになります。
あえてその時期に設定することで、美玲が卒業した後の学園を愛那達が守っていけるかという問題を提示するのも一見面白そうではありますが、シリーズ2作がいずれも円満解決するストーリーであったことを考えれば、さらなる続編を制作した場合も同様にハッピーエンドを描かざるを得ないでしょう。
つまり、美玲抜きでも愛那達は事件を解決できるという展開を用意するしかないことになります。
その場合、進級した愛那達の成長を示すことはできますが、他方では美玲の存在意義を否定することになりかねません。
美玲をOGとして登場させて活躍させることも不可能ではありませんが、それをやった場合、今度は愛那達が次を担う世代として頼りなくなってしまうというジレンマをはらんでいます。
思い切って真新しさを出すとすれば、学園の外に冒険の舞台を移すことになるでしょう。
この場合、学園における聖洞や聖杯にあたるものが学外にも存在していて、それらが世間に悪影響をもたらす…といったことにでもすれば、学園での事件でその厄介さが身に沁みている愛那達が積極的に手を打ちに行く、という流れを作れそうです。
また、舞台を学外にすれば、時期に関係なく美玲を登場させやすくなるメリットも挙げられます。
ただしこうすると、美玲の代わりに
何より、シリーズで2度にわたって重要な要素となった聖洞や聖杯の重みを薄れさせてしまうデメリットも大きいです。
加えて、理事長を悪役らしく見える役回りにする流れもいい加減に飽きが来るし、本作で封印した欲望の魔女を再度復活させるのもいまひとつ面白くなりそうにないので、新たな悪役を生み出す必要も出て来るでしょう。
初登場でありながら魅力的な悪役が求められることになります。
このように、ざっと思い付くだけでもさらなる続編のストーリーを作るのが苦しくなる障害は結構ありますが、プロのライターならそれさえも超えてくれるのでしょうか?
…シリーズのファンである管理人はもちろん、超えてくれることを願っています。
さらなる続編に期待したいこと
そしてここからは、もしも3作目が実現した際には期待したいことを書いてみます。
・魔女の存在意義が明かされること
1作目にて理事長が、そして本作では
とりあえず
さらに、チャレンジダンジョン「魔女からの挑戦状」のストーリーは、彼女が学園の地下で修行を積んで魔女になったと推察される文面であり、世間には他にも同様に修行を積んで魔女になった者がいるのでは…とも思わせます。
1作目や本作ではまるで重んじられなかった魔女の存在意義ですが、ここはもう少し掘り下げれば、よりストーリーを広げられるポイントにできると感じます。
さらなる続編が決まった際は、魔女の謎を解き明かす機会を用意してもらいたいものです。
・モンスターを味方に加えられるようになること
ローグライクRPGには、モンスターを仲間にできる作品が間々見受けられます。
敵対すると厄介で嫌なモンスターも、仲間にできれば頼もしい存在です。
それだけに本シリーズでも採用されてほしいシステムでしたが、残念ながら1作目・本作ともに、未登場に終わりました。
さらなる続編が登場した際は是非、モンスターを味方に付けられるシステムが欲しいところです。
せっかく女性キャラクターを売りにしている作品だし、モンスター達にそれぞれ好みのキャラや胸のサイズがあって、その好みのキャラで倒すと仲間にできるとか、好みの胸のサイズのキャラで連れ歩くとモンスターがやる気になってパラメータが上昇する、といった要素を付けるのも面白くなる気がします。
・バストサイズが各キャラクターの通常時のまま変わらず、スキルも使えないチャレンジダンジョンが登場すること
要するに、本シリーズの魅力的なキャラクター達を動かして、本当に本気のローグライクRPGを攻略してみたい、ということです。
バストサイズを上げることでパラメータが強化されたり、スキルで苦境をひっくり返せるという本作独自のシステムは、魅力的で楽しいものには間違いありません。
が、他のローグライクRPG作品と比べたとき、これらのシステムのために本シリーズが易しめのゲームとなっていることも確かです。
スキルについては1作目・本作ともにプレイヤーが使わないと決めれば済む話ですが、バストサイズは1作目・本作ともに「つるぺた」の特殊効果を持つ装備品を付ける以外、上がることを防ぐ手立てがありません。
そして、それはそれで鑑定ができなくなり、つるぺたでない時に比べてパラメータが低下するというハンデを負うことになるので、やはり公式の方でバストサイズの変化とスキルの使用を封じるダンジョンを作ってもらいたいところです。
バストサイズの変化に伴ってパラメータが変動することもなく、スキルによって劇的に形勢逆転できることもない硬派なダンジョンを、装備品とアイテムのみで戦い抜くのも燃えると思います。
1作目や本作で、バストサイズやスキルを活用した攻略法が染みついているほど辛いダンジョンになりそうですが、好きなキャラクターでクリアするという熱意を持って、挑んでみたいところです。
終わりに
…管理人が「オメガラビリンスZ」について語ってみたかった点は、こんなところです。
ここまで読んでくださった方、本ブログ初の超・長丁場を見届けてくださり、ありがとうございました!
本ブログで「オメガラビリンスZ」について喋る機会はこれで(きっと)最後だと思いますが、本記事のようにゲーム等について語る機会は、まだいくらでもあることでしょう。
そういう訳で、こうした記事を投稿した際はまたよろしくお願い致します。
それでは、また。
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