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2017年02月24日

【この音とまれ!】マンガ 感想&あらすじ 筝の音に想いを乗せて部活に打ち込む高校生たちの青春ドラマ

ジャンプスクエア。2012年9月号より連載中。既刊13巻
作者:アミュー



あらすじ

時瀬高校筝曲部は3年生が卒業したことで、元々少なかった部員はついに倉田武蔵ひとりを残すのみになってしまった。

部の存続のため新入部員勧誘に励む武蔵だったが、入部希望者は一向に現れず、しかも廃部危機と合わせて大事な部室も不良たちに占領されているという最悪の状況だった。

そんな時、地元では不良として名の知れた新入生の久遠愛が部室に現れ、居座っていた不良たちを追い出すと、「俺、そーきょく部 入っから」と入部希望を出してきた。不良である彼を信用できなかった武蔵は入部希望を突き返すが、愛の箏への真剣な思いを汲み取って筝曲部へ受け入れる。

さらに、琴の名門の娘・鳳月さとわ、愛の友達3人組、武蔵の同級生も加わったことで、筝曲部の状況は一変することになる。
様々なトラブルに直面しながらも日々の練習や交流の中で絆を深めていく仲間たちは、琴の魅力に目覚めたことで熱意を持って取り組むようになり、ライバル校と競い合いながら高校全国1位という目標に向け突き進んでいく。


主要登場人物

・久遠 愛(くどお ちか)
主人公。時瀬高校1年生。愛称「チカ」。親に見捨てられたことが原因で地元でも有名な不良になってしまいましたが、箏職人の祖父・久遠源と一緒に暮らすうちに落ち着きを取り戻していきました。源の死をきっかけに、祖父が大切にしていたものを知りたいという理由から筝曲部へ入部。不良っぽい見た目とは裏腹にとても素直な性格で、子供のように無邪気に笑うこともあります。当初は素人同然の腕前でしたが、筝を学ぶことには積極的なため上達は早く、まれに聴く者の心を惹きつける音を奏でることもあります。現在は叔母・衣咲宅に居候。素人甘いものとおにぎりが好物。

・鳳月 さとわ(ほうづき さとわ)
ヒロイン。時瀬高校1年生。箏の名門である鳳月会家元の娘。容姿端麗の黒髪美人。箏に対する熱意は強く、腕前は天才的。元々母親とは良好な関係でしたが、夫の死後様々な要因で精神的に弱っていたことから母娘関係に亀裂が生じ、大会でのある出来事が原因で破門、以来絶縁状態になってしまいました。入部理由は将来プロデビューするにあたって「弱小校を全国に導いた」という箔をつけるため。傲岸不遜で指導も厳しい尖った性格をしていますが、筝曲部で過ごす内に雰囲気は柔らかくなり、当初の目的に関しても心境の変化が生じるようになります。

・倉田 武蔵(くらた たけぞう)
もう1人の主人公。時瀬高校2年生。筝曲部部長。真面目な性格をした努力家ですが、臆病で本番やプレッシャーに弱い面もあります。ですが、チカやさとわたち新入部員たちとの交流で精神的な弱さを克服しつつあります。誰にでも優しく包容力もあり、部員たちをよく見ていることから心の機微にも聡く、悩んでいる人を見つけると自然に寄り添い温かい言葉を与えてくれます。その反面、自分自身のことについては1人で抱え込みがち。先輩から受け継いだ部と代々伝わる曲を守るという強い意志を持っています。

・足立 実康(あだち さねやす)
チカの友人。時瀬高校1年生。愛称「サネ」。光太と通孝と一緒にチカのいる筝曲部へ入部しました。中学時代、不良にナイフで絡まれた際チカに助けられ、以来友情を感じるようになり、その時の借りもいつか返したいと思っています。当初は部の存続のために数合わせとして入部しましたが、箏の魅力に触れていく内に真面目に取り組むようになります。

・水原 光太(みずはら こうた)
チカの友人。時瀬高校1年生。愛称「コータ」。サネ等と一緒に当初は数合わせとして筝曲部へ入部し、チカに中学時代の借りを返すため演奏にも取り組むようになります。明るく人懐っこい性格。リズム取りが苦手で他の部員たちから遅れ出しますが、猛練習と周囲の助けによって克服。バストサイズを正確に当てる特殊能力の持ち主。

・堺 通孝(さかい みちたか)
チカの友人。時瀬高校1年生。愛称「みっつ」。小太り体型。サネやコータと一緒に当初は数合わせとして筝曲部へ入部し、チカに中学時代の借りを返すため演奏にも取り組むようになります。見た目から受ける印象通り食べることが好き。

・来栖 妃呂(くるす ひろ)
武蔵と同級生の女子高生。過去の出来事から人間関係そのものを信じておらず、暇つぶしと称して仲良さげの人達に近づいて関係を壊していました。箏曲部にも部内の関係を壊すため入部したが、何を画策しても絆を壊すことはできませんでした。本当はチカたちのような関係を羨んでおり、さとわの言葉と、壊そうとした自分すらも部員たちが受け入れてくれたことで改心しました。副部長として武蔵をサポートしていくうちに恋心を抱くようになります。

・滝浪 涼香(たきなみ すずか)
箏曲部顧問を務める男性教師。当初は名ばかりの顧問として全くやる気を見せず、全国大会出場という目標も「勘弁しろよ」と応援すらしようとしていませんでした。実は両親ともに世界的に有名な音楽家で、自身も天才的な作曲の才能を持っています。未熟ながらも本気で打ち込む部員達を見て徐々に感化され、顧問として、音楽の先輩として協力するようになります。



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感想・見所

部員がたったの1人しかいなかった高校の箏曲部に、箏職人の祖父を持つ不良や箏の名門の娘をはじめ、内に様々な葛藤を抱えた面々が集まり、トラブルに直面しながらも日々箏に励み成長するなかで、全国1位という高い目標を掲げ部員一丸となって邁進する姿を描いた物語。
「箏」に打ち込む高校生たちの部活青春ドラマ。2017年3月8日には「久遠」「天泣」「龍星群」など、劇中で演奏された曲を収録した『この音とまれ!』の楽曲CDが発売されるようです。

近年、メジャーからマイナーまで様々な文科系部活、伝統文化を題材に扱っている熱い青春漫画が次々に登場し、高い人気を集めるようになりましたね。漫画を通して様々な角度から、異なる視点から、多くの日本文化を見て知ることができるのは興味を持つ良い機会にもなり、そのなかで送られている青春の輝きがまた素晴らしい。ときには眩し過ぎて目を逸らしたくなる場合もありますけど・・・。
競技かるたの『ちはやふる』、書道の『とめはねっ! 鈴里高校書道部』、さらに盆栽を扱った『雨天の盆栽』という作品まで登場し、同じ伝統音楽では三味線を題材にした『ましろのおと』辺りが有名ですね。本作は箏に青春を燃やす高校生の姿を描いた作品ということで、先にタイトルを挙げた中でも『ちはやふる』が好きな人なら特に楽しめるのではないかと思います。

伝統文化とはいえ、一般の人にとってはあまり馴染みない「箏」というマイナージャンルを題材にした珍しい作品。マイナーとはいえ中身は正統派青春ストーリーの様相を見せ、全国1位を目指すスポ根的な熱い展開、恋に友情に悩む少女マンガらしさも伺え、登場人物1人1人の内面やバックボーンも巧みな表現で丁寧に描いています。

本作は久遠愛と倉田武蔵という2人の主人公を起用。不良として荒んだ生活を送っていたが、箏職人である祖父との暮らしで落ち着きと安らぎを得られた新入生の愛。中学3年のときに起きた事件と祖父の死を経験したことで、「祖父が大切にしていたものが何なのか知りたい」という理由から入部します。
武蔵はチカたちが入部するまではたった1人の部員として、周囲から「なでしこちゃん」なんて揶揄されながらも部を守ろうとしていました。
ストーリーは主にこの2人と、筝の名門・鳳月会の娘として天才的な演奏技術を持つが、家庭環境に問題を抱えているヒロインのさとわを中心に展開されます。メインは3人であることに違いありませんが、比較的多くの視点を介しているのも特徴。他部員のサネや来栖さんだけではなく、ライバル校の面々や親族関係者など、メインからサブまで多くのキャラにスポットを当てているため感情移入しやすく、視点が変わると見え方や印象も同様に変わるので面白い。

登場人物の内面・心理描写が巧み。ほとんどのキャラが内に多かれ少なかれ悩みや葛藤を抱えています。しかも、ほぼ例外なく不器用という特性も付き、思春期の少年少女からいい年した大人たちまで、悩みもがいてる場面は少なくありません。
しかし、これこそが青春モノの醍醐味でもありますからね。本音でぶつかり合うこと、相手のことを理解しようと努力すること、周囲の助けも受けながら、それぞれのキャラが絆を結び、感じ、深めていきます。
特に部として絆を深めて心をひとつに全国を目指す姿は羨ましいとも感じました。私は中学・高校・大学の部活やサークルは個人競技だったので、チカたちのように団体で力を合わせて勝利を目指すことに憧れがあります。クセの強い子たちばかり、しかも大多数が素人からスタート、一見纏まりようがないメンバーが皆同じ方向を向いて突き進む姿は眩しいですね。

もちろん筝での演奏表現も素晴らしく、読めば筝に興味を持つかもしれません。作者のアミューさんがもともとこの方面に明るい方で、母と姉が筝の奏者、ご本人も経験者ということから、劇中のオリジナル曲も実際に作曲したそうです。
漫画からだけでは耳で音を聞くことは当然叶いませんが、奏者と聴衆の表情や背景、コマ割によって巧みに表現され、その曲と共に感情も流れ込んでくるかのような気さえします。漫画では聞けないと書きましたが、本作は実際に耳で聞きながら読むことができます。楽曲CDも発売されるようですし、youtubeに「流星群」や「久遠」の楽曲がアップされていますので、それを聞きながらその場面を読めばまた違った印象を受けるかもしれません。

少年マンガ的な面白さ、少女マンガ的な面白さの2面を併せ持った作品でした。全国1位を目指す熱い展開、甘酸っぱさを感じさせてくれる展開、シリアスとコメディ部分など、バランス良く描かれているので終始飽きることなく読むことができます。ストーリー、絵、キャラクターどれをとっても爽やかで美しく、読後感も素晴らしい良作。
もちろん、筝に対してあまり知識を持っていなくても全く関係なく楽しむことができます。むしろ、演奏場面やくどくないわかり易い解説を見ると興味が湧いてきますね。
男性も女性も関係なく楽しめ、筝や音楽に興味のある方、学園青春モノが好きな方には特におすすめできる作品。よければ読んでみてください。



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posted by ハネ吉 at 19:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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