2017年02月25日
漫画『波よ聞いてくれ』1巻の感想とあらすじ
『波よ聞いてくれ』1巻の感想。
波よ聞いてくれ
著者:沙村 広明
掲載:月刊アフタヌーン
1巻発売日:2015年5月22日
親の死に目以外ならどんな悲劇からも5日で立ち直る自信がある鼓田(こだ)ミナレは、北海道札幌在住、スープカレー屋勤務の25歳。福岡出身の彼氏に振られたことで酒を煽り、飲み屋で40分前に出会ったばかりの麻藤兼嗣(49)という男性に失恋の愚痴をぶちまけていた。
翌日、けろりと立ち直ったミナレは勤務先のスープカレー屋「VOYAGER」で働いていると、店で流してるラジオ番組から聞き覚えのある・・・というよりミナレ自信の声が聞こえ、流れていたのは飲み屋での赤裸々失恋トーク。慌ててラジオ局へ乗り込むと、そこにいたのは昨晩自分がカラでいた麻藤。放送を止めようとするミナレだったが、麻藤にいいように言いくるめられ、なぜか穴埋めとしてアドリブトークを披露する羽目になってしまった。この一連の騒動がきっかけとなり、ミナレはラジオパーソナリティとして勧誘されることになる。
鼓田ミナレは後に述懐することに――「これ 私 はめられたんじゃないでしょうか!?」、と・・・。
飲み屋でのぶっちゃけ失恋トークがきっかけでラジオの世界に足を踏み入れた女性が、クセの強い面々と関わりながら、ラジオに恋にせわしなく変化する日常の中で奮闘する姿を描いた物語。
ジャンルはなんだろ・・・ギャグコメディ(?)と恋を結合したラジオ漫画。著者は代表作に『無限の住人』を持つ沙村広明さん。シリアスストーリーとグロくエロくバイオレンスな印象が強い著者さんなだけに、これまでと趣向の違う本作がどういう展開になるのか興味深いですね。
当初はあまり気にしてなかった作品なんですが、マンガ大賞2016にノミネートされて以降ちょくちょく話題にのぼっていたので読んでみました。
本作はラジオと恋を題材にした漫画作品ということから、著者曰く「今度こそ間違いなく、人の死なない漫画」というコンセプトらしいです。確かにコミカルなやりとりで人が死にそうな雰囲気はなさそうなので、グロが苦手な方でも安心かもしれませんね。これまでの作品よりも読者の幅は広がりそうです。
舞台は北海道札幌。冒頭いきなり酒で悪酔いしてる主人公・鼓田(こだ)ミナレが絡み酒してる場面から物語は始まります。飲み屋で数十分前に知り合ったばかりのオッサン・麻藤兼嗣に福岡男にフラれたことを愚痴るミナレ。実は麻藤さんはラジオ局のディレクターで、この時の恋バナを録音されてラジオの波に流されてしまいました。
仕事してるときにラジオからいきなり自分の声で自分の失恋話が聞こえてくるんだから「・・・?」と固まるのも当然。そして、とりあえず流してるラジオ局に殴り込みです。
本当は止めにいったはずのミナレさんですが、一切悪びれもしない麻藤さんの口車に乗せられ、なぜかラジオの生放送でトークする事態に。本人は思考が追いついてないようですが、突然の事態にも関わらず「CUE!」と共に素人でありながら見事な話術を披露。そして最後に一言―――「光雄!お前は地の果てまでも追いつめて殺す!!」。めちゃ笑った。
ミナレの才能を見抜き、一から話し手を育ててみたかった麻藤さんに誘われ、ラジオパーソナリティの道へ。深夜とも早朝とも言えそうな時間帯に番組を持ったことでミナレのラジオ人生が始まりました。
主人公ミナレの喋りと残念美人っぷりが面白いですね。物凄く美人で黙ってればデキる女にも見えるミナレですが、調子に乗ったり早とちりして失敗することもしばしば。話が進むにつれ更なる残念な面が浮き彫りになっていきます。
ただ、見ていて気持ちいのいいキャラでもあります。前に進み続ける女とでも言えましょうか、彼女ならどこででも生きていけそうな気さえします。
残念美人で猪突猛進以外の特徴をあげるとすれば間違いなく「喋り」。台本なしでも間を空けることなくすらすら言葉を紡ぐことができ、しかも噛むことなく喋り切れるトーク力。声は音域が高く聞く人を安心させるような声質ではありませんが、不思議と不快感はないとのこと。1人でボケとツッコミをこなせ、言葉のチョイスも秀逸で、彼女のトークには読者を引き込む力がありますね。文字が多くても読み飛ばそうとは思えません。
憧れますね。自分もミナレのような見事なトーク力があればと常に思ってます。よく喋るけど決して1人相撲にはならず、周囲を巻き込んで盛り上げてくれる存在、私もそんな人になりたい。まあ、ミナレ自身は狙ってやってるわけではないんでしょうけどね。
全体的にハイテンション・ハイテンポで気づいたら1巻読み切ってました。これは最高に面白いですね。シリアスは多少あってもクセの強いキャラクターによって悲壮感を感じることはなく、当然グロもありません。テンポとノリの良いギャグによって作品の雰囲気は明るく、とても読みやすい作品。
ドタバタコメディが笑えるだけではなく、先が気になるストーリー構成も見事で、今後ミナレがラジオの世界で何を成していくのか、彼女自身の恋や友情などの人間関係と日常も気になりますね。
主人公が気持ちの良いキャラで、ストーリーのテンポも良いので、スカっとしたい人には特におすすめできそうです。
【eBookJapan】 波よ聞いてくれ
↑無料で試し読みできます
波よ聞いてくれ
著者:沙村 広明
掲載:月刊アフタヌーン
1巻発売日:2015年5月22日
親の死に目以外ならどんな悲劇からも5日で立ち直る自信がある鼓田(こだ)ミナレは、北海道札幌在住、スープカレー屋勤務の25歳。福岡出身の彼氏に振られたことで酒を煽り、飲み屋で40分前に出会ったばかりの麻藤兼嗣(49)という男性に失恋の愚痴をぶちまけていた。
翌日、けろりと立ち直ったミナレは勤務先のスープカレー屋「VOYAGER」で働いていると、店で流してるラジオ番組から聞き覚えのある・・・というよりミナレ自信の声が聞こえ、流れていたのは飲み屋での赤裸々失恋トーク。慌ててラジオ局へ乗り込むと、そこにいたのは昨晩自分がカラでいた麻藤。放送を止めようとするミナレだったが、麻藤にいいように言いくるめられ、なぜか穴埋めとしてアドリブトークを披露する羽目になってしまった。この一連の騒動がきっかけとなり、ミナレはラジオパーソナリティとして勧誘されることになる。
鼓田ミナレは後に述懐することに――「これ 私 はめられたんじゃないでしょうか!?」、と・・・。
飲み屋でのぶっちゃけ失恋トークがきっかけでラジオの世界に足を踏み入れた女性が、クセの強い面々と関わりながら、ラジオに恋にせわしなく変化する日常の中で奮闘する姿を描いた物語。
ジャンルはなんだろ・・・ギャグコメディ(?)と恋を結合したラジオ漫画。著者は代表作に『無限の住人』を持つ沙村広明さん。シリアスストーリーとグロくエロくバイオレンスな印象が強い著者さんなだけに、これまでと趣向の違う本作がどういう展開になるのか興味深いですね。
当初はあまり気にしてなかった作品なんですが、マンガ大賞2016にノミネートされて以降ちょくちょく話題にのぼっていたので読んでみました。
本作はラジオと恋を題材にした漫画作品ということから、著者曰く「今度こそ間違いなく、人の死なない漫画」というコンセプトらしいです。確かにコミカルなやりとりで人が死にそうな雰囲気はなさそうなので、グロが苦手な方でも安心かもしれませんね。これまでの作品よりも読者の幅は広がりそうです。
舞台は北海道札幌。冒頭いきなり酒で悪酔いしてる主人公・鼓田(こだ)ミナレが絡み酒してる場面から物語は始まります。飲み屋で数十分前に知り合ったばかりのオッサン・麻藤兼嗣に福岡男にフラれたことを愚痴るミナレ。実は麻藤さんはラジオ局のディレクターで、この時の恋バナを録音されてラジオの波に流されてしまいました。
仕事してるときにラジオからいきなり自分の声で自分の失恋話が聞こえてくるんだから「・・・?」と固まるのも当然。そして、とりあえず流してるラジオ局に殴り込みです。
本当は止めにいったはずのミナレさんですが、一切悪びれもしない麻藤さんの口車に乗せられ、なぜかラジオの生放送でトークする事態に。本人は思考が追いついてないようですが、突然の事態にも関わらず「CUE!」と共に素人でありながら見事な話術を披露。そして最後に一言―――「光雄!お前は地の果てまでも追いつめて殺す!!」。めちゃ笑った。
ミナレの才能を見抜き、一から話し手を育ててみたかった麻藤さんに誘われ、ラジオパーソナリティの道へ。深夜とも早朝とも言えそうな時間帯に番組を持ったことでミナレのラジオ人生が始まりました。
主人公ミナレの喋りと残念美人っぷりが面白いですね。物凄く美人で黙ってればデキる女にも見えるミナレですが、調子に乗ったり早とちりして失敗することもしばしば。話が進むにつれ更なる残念な面が浮き彫りになっていきます。
ただ、見ていて気持ちいのいいキャラでもあります。前に進み続ける女とでも言えましょうか、彼女ならどこででも生きていけそうな気さえします。
残念美人で猪突猛進以外の特徴をあげるとすれば間違いなく「喋り」。台本なしでも間を空けることなくすらすら言葉を紡ぐことができ、しかも噛むことなく喋り切れるトーク力。声は音域が高く聞く人を安心させるような声質ではありませんが、不思議と不快感はないとのこと。1人でボケとツッコミをこなせ、言葉のチョイスも秀逸で、彼女のトークには読者を引き込む力がありますね。文字が多くても読み飛ばそうとは思えません。
憧れますね。自分もミナレのような見事なトーク力があればと常に思ってます。よく喋るけど決して1人相撲にはならず、周囲を巻き込んで盛り上げてくれる存在、私もそんな人になりたい。まあ、ミナレ自身は狙ってやってるわけではないんでしょうけどね。
全体的にハイテンション・ハイテンポで気づいたら1巻読み切ってました。これは最高に面白いですね。シリアスは多少あってもクセの強いキャラクターによって悲壮感を感じることはなく、当然グロもありません。テンポとノリの良いギャグによって作品の雰囲気は明るく、とても読みやすい作品。
ドタバタコメディが笑えるだけではなく、先が気になるストーリー構成も見事で、今後ミナレがラジオの世界で何を成していくのか、彼女自身の恋や友情などの人間関係と日常も気になりますね。
主人公が気持ちの良いキャラで、ストーリーのテンポも良いので、スカっとしたい人には特におすすめできそうです。
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