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2017年03月03日

【BLUE GIANT】マンガ 感想&あらすじ ジャズの音に魅入られた少年の軌跡を描いた青春サクセスストーリー

ビッグコミック。2013年10号から連載。既刊10巻
作者:石塚真一
他作品:岳 みんなの山



あらすじ

宮城県仙台市に住む高校3年生の宮元大。高校ではバスケ部に所属してスポーツで汗を流す日々を送る傍ら、大はあるモノに熱中し、広瀬川の土手の上にいた。

中学時代、友人に連れられて初めて訪れた場所、ジャズバー。そこで生のジャズを目の前で体験した大は、激しく心を打たれたことがきっかけになり、サックスを吹きはじめていた。

誰の教えも受けずに独学で勉強し、毎日休むことなく川原の土手の上で、雨が降れば長い坂を登った先にあるトンネルの中で、無心にサックスを吹き続ける日々を送っている大。

ライブでお客から罵声を浴びせられたこともあったが、―――世界一のジャズプレーヤーになる
その夢を現実にするため、ジャズを通じて様々なプレーヤーたちと出会い、家族や周囲の人たちの助けや応援を励みに、大はただ真っ直ぐに突き進んでいく。

登場人物

・宮本 大(みやもと だい)
主人公。開始時は仙台市の高校に通う3年生、後に上京。母は10歳のときに亡くなっており、現在は父、兄、妹の4人家族。中学時代に友人と一緒にジャズバーを訪れ、生のジャズ演奏に魅せられたことでテナーサックスを始め、世界一のジャズプレイヤーを目指すようになりました。人並み外れた肺活量によって太く鋭いパワワルな音を生み出し、大の演奏を聴いた多くの人達が激しく心を揺さぶられ、中には涙まで流す人も現れます。真っ直ぐな性格で、ひたむきな姿勢でジャズと常に向き合っています。

・宮本 雅之(みやもと まさゆき)
大の兄で宮本家の長男。家族思いの優しく懐の大きいお兄さん。高校卒業後に就職し、母のいない宮本家を父と一緒に支えています。大がジャズをやるために自分でお金を貯めていると聞いていたことから、初任給の当日、訪れた音楽ショップで安物ではなく一番高いテナーサックスを迷うことなく購入し、それを大にプレゼントしました。

・宮本 彩花(みやもと あやか)
大の妹で宮本家の末っ子。天真爛漫な女の子。雅之のことを「でっかい兄ちゃん」、大のことを「ちっちゃい兄ちゃん」と呼んでいます。大とはよく喧嘩をする仲でしたが、上京する際は涙を流して悲しんでいました。上京後の大にフルートをプレゼントしてもらい、現在は大もサックスを教わっていた由井 (ゆい)の音楽教室でレッスンを受けています。

・宮本大の父
宮本家の大黒柱。大型食品スーパーの店長を務めています。大が将来何をしたいのかを気にしていましたが、ジャズプレーヤーになりたいという大に対し、悩むそぶりもなく「やれよ。とことん、おもいきりやれよ。」と後押ししてくれました。

・沢辺 雪祈(さわべ ゆきのり)
東京で大が出会ったプロを目指すイケメンジャズピアニスト。大と同い年。高い才能とそれに見合う卓越した技術を持ち、努力も怠りません。大と玉田とのトリオバンド「ジャス」を組むことになります。大たちの演奏に容赦なくダメ出しをして尊大な態度をとることもありますが、ジャズには真剣に向き合っており、自らへの批判も真摯に受け入れる度量の深さもあります。ジャズ界の武道館「ソーブルー」に立つことが子供の頃からの夢。

・玉田 俊二(たまだ しゅんじ)
大の仙台時代からの友人。大学進学のために上京し、1人暮らしをしていたアパートに上京した大が住み着いています。大のサックスに触発されたことでドラムを始めることになります。音楽経験もない素人で当初は雪祈にメンバー入りを反対されていましたが、大学にも行かず毎日練習に励んだことでメキメキ上達し、少しずつでも認めてもらえるようになりました。


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感想・見所

初めて聞いたジャズの音楽に魅入られたことでテナーサックスを始めた少年が、ジャズを通じて様々な人達と出会い、音を共有していくなかで成長し、世界一のジャズプレイヤーを目指して立ち止まることなく突き進む物語。
「JAZZ(ジャズ)」をテーマにした青春音楽漫画。マンガ大賞2016において第3位、第62回小学館漫画賞を一般向け部門で受賞しています。著者は実写映画化もされた『岳』を代表作に持つ石塚真一さん。
『BLUE GIANT』は「ビッグコミック2016年17号」で既に完結していますが、2016年18号から同誌で『BLUE GIANT SUPREME』というタイトルに改め、日本を飛び出した海外編が連載スタートされています。

数多あるジャンルの中でも年齢・性別あらゆる垣根を越えて高い人気を得ている「音楽」漫画。その種類は多岐に及ぶことから、一概に音楽漫画として一括りにはまとめ辛いところもありますね。クラシックを題材にしている『四月は君の嘘』や『ピアノの森』、日本の伝統音楽を題材とした『ましろのおと』や『この音とまれ!』、他にも軽音楽・合唱・ブラスバンドなど、次々と各雑誌で新しい音楽漫画が生まれています。
今回紹介させていただく『BLUE GIANT』は「ジャズ」。同じテーマを扱った作品を挙げるなら『坂道のアポロン』ぐらいしか思い浮かびません。私が知らないだけでしょうけど意外とこのテーマで描かれている漫画というのは少ないですね。

馴染みのない人でも楽しめるジャズ漫画

「ジャズ」と言われても、昔からある音楽ジャンルのひとつとして名前を知っていても、現代ではメディア露出が少ないため馴染みは薄く、少なくとも私はピアノ経験ありますけど「ジャズって何?」と聞かれても説明がちょっと困難。ジャズ関連で思い浮かぶ人物もシンガーの「綾戸智恵」さんくらいでしたから。しかし、本作は私のようなジャズ初心者であっても関係なく楽しめ、読めば登場人物たちの生き様に心を熱くさせられる人も少なくないと思います。
まず、タイトル『BLUE GIANT』の意味は、質量と温度が極めて高いことから、赤を通り越して青色の光を放つ巨星「青色巨星」のこと。大のサックスの師匠であった由井がその星に見立て、世界一輝くジャズプレイヤーのことをブルージャイアントと呼んでいます。

ストーリーは単純に言ってしまえば大のジャズプレイヤーとしての成長物語ですが、実はかなり早い段階で大が将来世界的なジャズプレイヤーになることは想像できます。エピソードの合間や巻末で、作中に登場したキャラクターが数年後の成長した姿で登場し、大のことについて聞かれているインタビューシーンが毎巻挿し込まれています。昔の交流を懐かしみ、現在の彼を語る様子から、大がどんな状況にあるのかが推測できますね。
つまり、これは大が世界的なジャズプレイヤーに至るまでに辿っていった道、成長過程を見るサクセスストーリーです。将来の成功が恐らく確定しているにも関わらず、1つ1つの描写が丁寧に描かれているため、冷めるどころか帯びた熱が一層温度を増していき、必要ないだろうに応援したくなっている自分がいました。

リアルな問題を絡めて描かれる「夢」を追う男たちの姿

今の時代は、声を大にして夢を語ること、本気になって必死で何かに取り組むこと、なぜかそれらを嘲笑する傾向にあると思います。私自身も夢はあっても気恥ずかしくて誰かに真剣に語ったことはありません。
しかし、自分の持つ夢や目標を堂々と声高に叫び、そこに向かってひたむきに取り組む大たちの姿を見てると、心に何かが突き刺さると同時に清清しい気分にもなれ、何よりそんな彼らを素直に「カッコイイな」と思ってしまいますね。暑いから、雨が降ってるから、お金がないから、時間がないから、そんな自分を甘やかす言い訳で怠けることはせず、どんな日も、どんな状況でも大はサックスを吹き続けています。
もちろん順風満帆にトントンと事が運ぶわけもなく、度々大たちの前には大小様々な壁が立ち塞がります。それが結構リアルなのはこの作品の魅力でもあると思います。当初はセッションしてるにも関わらず我流で好き勝手に吹いてたことから、聞いていたお客に罵声を浴びることもありました。ただ、めげないのが大という男。楽器を知り、音を知り、技術を学びんで努力を続けたことで、周囲との調和をとりながらも自分の個性を殺さない演奏が少しずつできるように成長していきます。
あと金銭面の問題ですが、このあたりの描写は実にシビアで現実的に描かれています。当然駆け出しの彼らが音楽で手にするお金なんて微々たるもので、日々バイトに明け暮れる毎日。大変なのはプレイヤーだけではなく、CDを売る人たち、ライブを運営してる人たちも同様。でも、そんな状況の中でも夢を捨てずに努力してるからこそ、こちらも応援もしたくなります。

圧倒される「音」の表現

そしてなんといっても音の表現、ライブの表現が見事。音楽を扱っている漫画で最も困難とされるのは耳では聞けない「音」の表現。作品ごとに様々な工夫を凝らして読者になんとかして音を伝えようとしていますね。
この作品はそこがよく表現されていると思います。演奏者とお客の表情などのリアクション、コマ割り、細やかな描写、工夫を凝らした演出、それ等によって音の大きさや激しさ、それに曲調がうまく表現されていました。
漫画であることには変わりないのに、絵ではなく音に引き込まれるかのような錯覚に陥ることもありますね。その迫力に圧倒され、時には大袈裟かもしれませんけど感動して涙が出そうになることもあります。

最後に

ジャズという音楽の素晴らしさだけではなく、何かに本気で挑むことのかっこ良さも見せてくれた作品でした。とにかく心を打たれるシーンやセリフが多く、涙腺に訴えかけてくる感動、冷めていた心をたぎらせてくれる熱さがあり、音楽描写だけではなく、濃い人間ドラマも魅力的な内容。
年代も性別も関係なく楽しむことができる作品だと思いますので、よければ読んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。



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posted by ハネ吉 at 19:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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