2016年12月05日
【明日のナージャ】アニメ 感想&あらすじ 母に会うため旅をする少女の成長を描いた物語
明日のナージャ
2003年2月から放送
監督:東堂いづみ
原作:東堂いづみ
脚本:金春智子、成田良美、他
わたしの声:中原麻衣
ナージャの声:小清水亜美
フランシス/キースの声:斎賀みつき
あらすじ・概要
20世紀初頭のヨーロッパ。イギリスのロンドン近郊に建つアップルフィールド孤児院で育った12歳の少女ナージャ。13歳の誕生日も近づく頃、ナージャのもとにある荷物が届けられた。トランクを開くと、中にはドレスと日記帳が入っており、死んだと思っていた母親が生きているかもしれないことを知らされる。
喜んでいたのも束の間、ナージャの身に着けているブローチを狙う2人組の男が現れ、孤児院が火事になってしまった。危ういところを謎の青年に助けられたナージャは、孤児院の皆に迷惑をかけないため、そして母に会うため、旅芸人一座「ダンデライオン」の踊り子として各国を巡る旅に出る。
主要登場人物
・ナージャ・アップルフィールド
主人公兼ヒロイン。12歳の少女。作中で13歳の誕生日を迎えます。金髪碧眼、赤と白のエプロンドレス、母の形見だと思っていた胸につけているブローチが特徴。天真爛漫かつ前向きな性格をしており、純粋な心根と逆境にも挫けない根性の持ち主。ダンデライオン一座では踊り子として活躍しています。
・フランシス・ハーコート
貴族ハーコート侯爵家の跡継ぎ。ナージャが憧れている人物。ノブレス・オブリージュを果たすべく、亡き母が行っていた慈善活動を引き継ぎ、人々の助けになる活動を送っています。穏やかで優しい美少年であることから女性人気が高く、「白バラの貴公子」とも呼ばれています。
・キース・ハーコート
フランシスと瓜二つの顔をしている仮面をつけた怪盗。犯行現場に黒バラが描かれたカードを残すことから「怪盗黒バラ」と呼ばれています。ナージャの前に度々現れ、危機を救うこともしばしば。ナージャには貴族の世界になど入らず、外の世界でのびのび生きて欲しいという思いを持っています。
・ローズマリー
アップルフィールド孤児院で育った13歳の少女。金髪碧眼など、ナージャと同じ特徴を持つ。プリンセスに憧れを抱いています。見た目の可愛らしさに反して、自分のためなら誰かを陥れることも厭わない性格。ナージャの出自を知ったことで黒い欲望を抱き、自身をナージャと偽り彼女の母親と対面します。
・ダンデライオン一座
ナージャが所属し各国を巡ることになる旅一座。団員は、団長のゲオルグ、歌姫のシルヴィー、日本人のサムライ少年であるケンノスケ、2匹のライオンとショーをする幼い少女リタ、ピエロのアーベル、バイオリニストのトーマス。
・ロッソとビアンコ
ナージャを付け狙う2人組の探偵。兄貴分のロッソは小太りの体形をしている男、ビアンコは背の高いひょろっとした体形をしている男です。ある貴族から依頼を受け、ナージャの持つブローチを奪い取ろうと、一座が行く先々の国に現れます。見た目も性格も真逆な凸凹コンビ。
感想
母親の生存を知った孤児院で暮らしす少女が旅芸人一座の一員となり、襲い来る困難に会いながらも挫けることなく、出会う人たちにも助けられながら、母に会いたいという強い想いを胸に様々な国を巡る物語。
世界名作劇場にあるような内容をした全50話からなる少女向けアニメです。『時をかける少女』の映画監督・細田守さんが、OPEDの絵コント、5話、12話、26話の演出として携わってもいた作品。
視聴したのはもう5年以上も前になりますが、少女向けだからと多少侮いながらも試しに観たら意外と面白く、結局最後まで観てしまった作品。
楽しみながらも私が思っていたことは、「これ、少女向けなのか?」でしたね。私は名前ぐらいしか知りませんけど比較的認知度の高い『おじゃ魔女ドレミ』の後に放送され、終了後は今でも続いている『プリキュア』シリーズが始まりましたね。変身系、魔法少女系に挟まれ、本来はファンタジー系の作品が多い放送枠だったようです。
それらの作品に反して、『明日のナージャ』は幼い子では理解し辛そうなほどのリアルな時代考証、ドロドロな人間関係を描いているため、狙う年齢層にズレがあるように感じていました。
気になったので少し調べてみると、案の定狙った層にはあまりウケなかったことで視聴率はそれほど伸びず、日本でのグッズ販売なども成功とは言えない結果。明らかにあの時間帯にアニメを見る子供向けではないため普通に納得。
ただし、狙う層にズレがあるというでだけで駄作というわけではないと思います。現に海外での評価は高く、成功したと言っても差し支えない人気が出てますね。
物語は、母に会うため旅をする少女が、困難に会いながらも様々な人と出会い成長していくという、いたってシンプルでわかりやすい内容です。その内容・展開共に、少し世界名作劇場らしさある仕上がりになっていましたね。
序盤中盤は愉快な一座の皆とフランスやイタリアなど様々な国を旅する中で、出会った多くの人たちと絆を育み、騒動を起しながら踊り子としても人としても成長していく姿を描いています。ナージャの可憐な姿と純粋な心に堕ちていく男たちも多数出てきましたね。同時に、軸となる母親やナージャの出自などの伏線も貼られていきます。
すぐ近くに母親がいるのに、手の届くところに娘がいるのにすれ違ってばかりいる2人。序盤や中盤でお互いを認識して巡り会うなんていう展開はないことぐらい分かってはいるんですけど、このもどかしさによって気が逸まりましたね。予想していた内容・展開と大きなズレがあるわけでもないのに、にくい演出に踊らされてしまった私です。
後半になるとシリアスな展開も増え、貼られていた伏線を回収しながら様々なことが明らかになっていきます。見ていて辛くなる描写もしばしばあり、浮き沈み激しい展開はなかなか見応えありました。
母とのことだけでなく、ナージャの恋模様も同時に描いています。恋の進展はナージャ本人がどうのというより、彼女に想いを寄せる男性陣の中でいろいろ動きがあったように感じますね。
あと、後半ではないんですが、細田守さんが演出として担当した5話、12話、26話は何度も見返してしまう抜きん出た面白さがありました。
魅力と言えば当然ナージャというキャラクター。明るくて前向き、その姿から周りも元気にし、多くの人たちを惹きつける魅力を持つ天使のような女の子。どんな困難にも挫けることなく立ち向かっていく様は、正に主人公の姿でした。なんですが、次々と男を堕としていくことから、もしかしたら魔性の女なのかもしれません。しかも、まだ12歳というのだから末恐ろしい少女です。最終回を終えた後も、間違いなく被害者を増やしていくことでしょう。
忘れてはいけないもう1人のキーパーソン、孤児院時代は親友だったローズマリー。とても13歳が考え実効するとは思えない行動をとるため、彼女のやることには驚かされ続けましたね。手段を選ばないやり方で自分の夢を追い求めたことで、少女向けアニメ史上最凶のヒールが誕生してしまったんじゃないでしょうか。ただ、やり方はどうあれ、彼女の自分の道は自分で切り開くという気概は素直にすごいと思いました。視聴してから何年もたつのに全く忘れられないキャラですね。
全50話にもかかわらず、終始飽きることなく観ることができました。ストーリー、キャラクター、演出、どれもよく出来ている作品だと思います。まあでも、やはりどう考えても小さいお子さん向きではないところは痛かったですね。
今は亡き本田美奈子さんが歌うOP『ナージャ!!』も素晴らしいので、ぜひ聞いて欲しいです。力強く、それでいて美しい歌声、今もなお強く耳に残っています。
批判もあった作品ですが、私は結構気に入ってます。続編あったら観たいですね。
「明日のナージャ」DVD-BOX | ||||
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