2016年12月06日
漫画『妖怪の飼育員さん』1巻の感想とあらすじ
『妖怪の飼育員さん』1巻の感想。
妖怪の飼育員さん
著者:藤栄 道彦
掲載:BUNCH COMICS
1巻発売日:2015年12月9日
社会人1年目の女性・鳥月日和(とりつき ひより)。職場は生き物を飼育して一般に公開するありふれた動物園・・・ではなく、彼女の勤務先は河童や牛鬼などの様々な妖怪を飼育している「妖怪園」。
新米飼育員として西東京妖怪公園に勤めることになった日和。妖怪医師である陸奥吾郎(むつ ごろう)の指導を受けながら飼育仕事に従事するも、困った習性を持つ妖怪たちに振り回されてばかりの毎日。
訪れたお客さんに妖怪たちのことをもっと知ってもらいたい。そして、妖怪たちと心を通わせられるように、妖怪園を舞台に新米飼育員日和の奮闘が始まるのだった。
妖怪を見世物としているテーマパークに務めている女性が、悪戦苦闘しながらも先輩の指導のもと飼育員として奮闘し、交流していくなかで妖怪たちとも心を通わせていく物語。
著者は、偉人たちが次々来店するフランス料理店での人間ドラマを描いた『最後のレストラン』の藤栄道彦先生です。私は同作品のファンということからこの作品にも興味が湧き、表紙とコンセプトにも引かれたので読んでみました。
妖怪園での日常を描いたコメディ漫画。今流行の人外交流モノですね。様々な妖怪の生態を知る楽しさはもちろんのこと、帯に書いてあった通り妖怪を通して人間を見ることもできる作品です。
妖怪を扱っている漫画は多くありますが、動物園のように飼育され、展示するという設定は新鮮。この作品での妖怪たちはホラー作品のように不確かな恐怖の対象としてではなく、もっと人と身近に、社会に溶け込み認知されている存在として描かれています。
登場する妖怪は誰もが知るメジャーな妖怪から、あまり知られていないマイナーな妖怪まで様々。すねこすり、さとり、河童、つるべ落としなどが暮らしています。
賢い妖怪たちの場合彼らが黙って展示されるのかな、という疑問を持ちましたが、小豆洗いや雪女、烏天狗などの人間と同等かそれ以上の知能を有している妖怪とは、個々に契約を結んで園に住んでもらっているようです。あと、普段はOLとして働いている、人間が妖怪化した二口女なんかも出てきます。仕舞いには、日本の妖怪だけかと思って読んでいたら、どこぞのレスラーのようなケンタウロスまで登場してきました。
妖怪たちそれぞれの特徴は、いろいろな媒体で紹介されてきた従来の特徴をしっかり踏まえていながらも、新しい切り口から魅力を引き出し、他の作品ではお目にかかることができないような新たな妖怪像を生み出していると思います。
私は雪女好きですね。よく言われている男を魅了する美しい容姿をしており、好んで食すのは冷たい食べ物ばかり。それだけでなく、「冷える」というワードが使われていれば大抵の物事で気分を良くするようです。
心を読むとされている「さとり」の活用法には笑ってしまいました。思っていることを読まれ、それを言葉にされるという迷惑このうえない存在と思っていたんですが、自分の口では言いづらいことを代弁してもらうという有効な活用法があったとは盲点。
あと、単純に豆狸とすねこすりがかわいい。ふれ合いたい、抱きしめたい、持ち帰りたいです。
しばしば妖怪を使った人間や社会に対しての風刺が入っており、そこまで深く掘り下げていなくても、妖怪を通して人間を見ると妙な説得力を感じます。人間の浅ましさ、浅はかさがよく分かります。
展示されている妖怪たちの方が息苦しく感じるように思えるんですけど、彼らの生活や生き方を見てると、なぜか人間社会の方がよっぽど息苦しい檻の中にあるような気もしてしまいました。
今までありそうでなかった作品、面白かったです。動物園に見立てた妖怪園、こんな施設あったら楽しいでしょうね。基本的には1話完結の構成、話も絵もすっきりした作りになっているので読みやすいです。
妖怪のことばかり書いていましたが、人間の主人公日和も良いキャラしてます。可愛く、失敗もしますけど仕事には真面目、妖怪たちのことが好きで、日和自身も妖怪たちに好かれる子。少しSッ気があるところも良い味です。
風刺を挟んではいますけど重くはなく、基本はコメディですので気楽に読めました。いろいろな妖怪を見れるというだけでも十分楽しめましたね。
【eBookJapan】 妖怪の飼育員さん
↑無料で立ち読みできます
妖怪の飼育員さん
著者:藤栄 道彦
掲載:BUNCH COMICS
1巻発売日:2015年12月9日
社会人1年目の女性・鳥月日和(とりつき ひより)。職場は生き物を飼育して一般に公開するありふれた動物園・・・ではなく、彼女の勤務先は河童や牛鬼などの様々な妖怪を飼育している「妖怪園」。
新米飼育員として西東京妖怪公園に勤めることになった日和。妖怪医師である陸奥吾郎(むつ ごろう)の指導を受けながら飼育仕事に従事するも、困った習性を持つ妖怪たちに振り回されてばかりの毎日。
訪れたお客さんに妖怪たちのことをもっと知ってもらいたい。そして、妖怪たちと心を通わせられるように、妖怪園を舞台に新米飼育員日和の奮闘が始まるのだった。
妖怪を見世物としているテーマパークに務めている女性が、悪戦苦闘しながらも先輩の指導のもと飼育員として奮闘し、交流していくなかで妖怪たちとも心を通わせていく物語。
著者は、偉人たちが次々来店するフランス料理店での人間ドラマを描いた『最後のレストラン』の藤栄道彦先生です。私は同作品のファンということからこの作品にも興味が湧き、表紙とコンセプトにも引かれたので読んでみました。
妖怪園での日常を描いたコメディ漫画。今流行の人外交流モノですね。様々な妖怪の生態を知る楽しさはもちろんのこと、帯に書いてあった通り妖怪を通して人間を見ることもできる作品です。
妖怪を扱っている漫画は多くありますが、動物園のように飼育され、展示するという設定は新鮮。この作品での妖怪たちはホラー作品のように不確かな恐怖の対象としてではなく、もっと人と身近に、社会に溶け込み認知されている存在として描かれています。
登場する妖怪は誰もが知るメジャーな妖怪から、あまり知られていないマイナーな妖怪まで様々。すねこすり、さとり、河童、つるべ落としなどが暮らしています。
賢い妖怪たちの場合彼らが黙って展示されるのかな、という疑問を持ちましたが、小豆洗いや雪女、烏天狗などの人間と同等かそれ以上の知能を有している妖怪とは、個々に契約を結んで園に住んでもらっているようです。あと、普段はOLとして働いている、人間が妖怪化した二口女なんかも出てきます。仕舞いには、日本の妖怪だけかと思って読んでいたら、どこぞのレスラーのようなケンタウロスまで登場してきました。
妖怪たちそれぞれの特徴は、いろいろな媒体で紹介されてきた従来の特徴をしっかり踏まえていながらも、新しい切り口から魅力を引き出し、他の作品ではお目にかかることができないような新たな妖怪像を生み出していると思います。
私は雪女好きですね。よく言われている男を魅了する美しい容姿をしており、好んで食すのは冷たい食べ物ばかり。それだけでなく、「冷える」というワードが使われていれば大抵の物事で気分を良くするようです。
心を読むとされている「さとり」の活用法には笑ってしまいました。思っていることを読まれ、それを言葉にされるという迷惑このうえない存在と思っていたんですが、自分の口では言いづらいことを代弁してもらうという有効な活用法があったとは盲点。
あと、単純に豆狸とすねこすりがかわいい。ふれ合いたい、抱きしめたい、持ち帰りたいです。
しばしば妖怪を使った人間や社会に対しての風刺が入っており、そこまで深く掘り下げていなくても、妖怪を通して人間を見ると妙な説得力を感じます。人間の浅ましさ、浅はかさがよく分かります。
展示されている妖怪たちの方が息苦しく感じるように思えるんですけど、彼らの生活や生き方を見てると、なぜか人間社会の方がよっぽど息苦しい檻の中にあるような気もしてしまいました。
今までありそうでなかった作品、面白かったです。動物園に見立てた妖怪園、こんな施設あったら楽しいでしょうね。基本的には1話完結の構成、話も絵もすっきりした作りになっているので読みやすいです。
妖怪のことばかり書いていましたが、人間の主人公日和も良いキャラしてます。可愛く、失敗もしますけど仕事には真面目、妖怪たちのことが好きで、日和自身も妖怪たちに好かれる子。少しSッ気があるところも良い味です。
風刺を挟んではいますけど重くはなく、基本はコメディですので気楽に読めました。いろいろな妖怪を見れるというだけでも十分楽しめましたね。
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