2016年11月28日
【人類は衰退しました】アニメ 感想&あらすじ 不思議な世界に誘われる妖精さんファンタジー
人類は衰退しました(全12話)
2012年7月から放送
監督:岸誠二
原作:田中ロミオ
脚本:上江洲誠、綾奈ゆにこ、熊谷純
わたしの声:中原麻衣
祖父の声:石塚運昇
妖精さんの声:小林由美子、あおきさやか、明坂聡美、他多数
あらすじ・概要
人類がゆるやかな衰退を向えてはや数世紀がたった世界。わたしたち旧・人類はその数を減らし、築いてきた文明も衰え、現在の地球は新たにその存在を確認された新・人類である「妖精さん」たちのものになっていた。
国連調停官であり、現・人類の妖精さんたちと人間との間をとりもつ仕事に務めている主人公の「わたし」は、調停事務所所長である祖父の下で働いていた。
そんなある日、わたしが暮らしているクスノキの里で不思議な事件が起こり、どうも妖精が一枚かんでると判明したため、祖父と共に調査へ乗り出すことになる。
主要登場人物
・わたし
主人公。クスノキの里で調停官を務めている旧・人類の少女。周りからは「先生」や「お姉さん」など、様々な呼ばれ方をされています。人付き合いが苦手であり、仕事に対してもあまり熱心に取り組んでいるわけではないが、押しに弱く流されやすいため、よく厄介事を抱えています。特技はお菓子作り。
・祖父
「わたし」の唯一の肉親である祖父。クスノキの里で調停事務所所長を務めています。わたしからは「おじいさん」と呼ばれています。妖精関連のみならず、様々な事に精通している博識な学者でもあります。趣味は狩猟。
・助手さん
無口なアロハシャツを着ている少年。祖父の部下ではあるが、「わたし」の助手をすることも多い。全く言葉を発することがなく、意思表示はスケッチブックかジェスチャーで行っています。絵が得意。
・Y(ワイ)
「わたし」の学舎時代の悪友。出会った当初は距離を置いていたが、ある出来事をきっかけに仲良くなり、よく一緒につるむようになります。腐った本に感化され、自身でも同類誌(同人誌)を出版。
・妖精さん
現在の人類。見た目は10cm程の可愛いマスコットのような存在。謎の高度な文明力を持ち、度々理解不能な現象を起こします。楽しいことを見つけると個体数を増やし、つまらなくなると一気に減少します。滅多に旧人類の前に姿を現すことはありません。甘いお菓子が大好物。
感想
人類が衰退したことによって地球が妖精さんのものになった世界で、両者の間をとりもつ調停役を務めている少女が、妖精さんの起こす不思議で少し迷惑な事象に巻き込まれていく物語。
『人衰』とか『人退』などと呼称されているファンタジー作品。原作は全9巻+短編1巻からなる田中ロミオ氏によるライトノベルです。
ほのぼのゆったりした空気感があることから日常系、あるいは癒し系の雰囲気ある作風になっていますが、その中に様々なパロディネタやブラックユーモアを散りばめられ、さらにSF要素も取り入れた作品になってます。
人と妖精さんが共存している不思議な世界観が魅力的で面白い。
舞台は遠い未来の地球。かつては地上の支配者のように君臨し、築いた文明を広げ繁栄し続けていた人間が、長い年月をかけゆっくりと衰退の一途を辿っている世界。そして今現在、数を減らし文明レベルも衰退したことで旧・人類となった人間の代わりに、新たにその存在を確認された妖精さんたちが台頭し、地球の現・人類として君臨しています。
人間が築いた文明崩壊の危機は既に末期症状ではありますが、自然の流れのように年月をかけ緩やかに衰退してきたことからか、人々の間に悲壮感といった切なさや寂しさはなく、むしろ穏やかに日々を過ごしているように見えました。
人間が衰退した終末期的な印象はあまり受けませんね。文明レベルが低い異世界の話でも見ているかのような感覚。形骸化しているとはいえ国連は存在し、人間が生み出した機会などの遺物も存在することから、一応衰退した人間の未来ということは伝わってくるものの、あまりにも人々がそのことに危機意識を持たずに受け入れてしまっているため、一見異常にも見えます。
まあでも、衰退や滅亡などを全面的に押し出す必要もない作品ではありますし、その異常さも妖精さん共々観る人を不思議な世界に迷い込ませる一因を担っているので悪い要素とは思いません。
少女ながら達観してるような主人公「わたし」の一歩引いた立ち位置も生きてきますね。この不思議で異常な世界や出会う人々、起こる事件に対して、パロディネタを踏まえたブラックユーモアで皮肉り、貶す彼女の言動は笑えました。
本作に出てくる妖精の見た目は、よくファンタジー作品に出てくる羽の生えた可愛らしくも美しい姿をした類のものではありません。手のひらサイズであることは変わりありませんが、羽はなく、開いた口が塞がらないなど、可愛らしくも不気味な雰囲気ある妖精です。
原理は解りませんけど楽しいことがあれば増殖し、飽きたら減少する謎の現人類。人間を遥かにしのぐ高度な技術と知識を有していますが、それによって人に危害を加えたり蹂躙して支配するようなことはしません。巡り巡って迷惑このうえない事態に陥ることは多々あり、人間の頭では理解に及ばない超常現象を引き起こすこともあります。性格は純粋無垢であるがゆえに、愛らしい言動や振る舞いをしながらも、一歩間違えれば世界自体終わらしかねない怖さも含んでいますね。食料事情など人が困っていることに対して、持ちうる技術を活用して彼らなりに手助けしようとしてくれるんですけど、感覚にズレがあるうえやり過ぎてしまうきらいがあり、さらに関わる人間の欲望も絡み、何とも言えない後味を残していきます。
見た目・言動・行動・能力、どれをとっても他の作品では見ることのない新しい妖精。
好みが分かれそうなアニメだなという印象。原作はどうか分かりませんけどアニメでは意味不明な点が多く、でもそれこそがこの不思議な世界観を形作ってるような気もします。真意やテーマなど、伝えたいことを深く読み取ろうと思えばできるのに、たまにそれすらバカバカしく思えてしまう不思議なアニメ。
オープニングからしてどこかクセになる魅力がありましたね。曲調や歌詞、それに妖精さんたちと「わたし」による変てこだけど可愛らしいダンス、飽きることなく毎回見てしまいました。
爆発的な面白さはないものの、じわじわクセになる作品だと思います。他にはあまりない作品ですのでよければ観てください。
人類は衰退しました Blu-rayBOX | ||||
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