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2016年11月23日

【東京自転車少女。】マンガ 感想&あらすじ 女の子たちが練馬の街中をのんびりポタリングする作品

コミック アース・スター。2011年3月から2016年2月まで連載。全11巻
作者:わだぺん。
他作品:℃りけい。



あらすじ・概要

東京の匂い、色、忙しなく進む時間、窮屈なこの街の全てを嫌い、少しでも遠くへ行きたいという理由からロードバイクに乗る少女、加藤さん。高校からは寮生活を始め、準備がてら周囲を自転車で散策した帰り道、大きな風呂敷を背負いふらふら歩いている少女・島野いるかと出会う。東京に強い憧れを抱いて離島から上京してきた彼女は、見るもの全てに目を輝かせ、加藤さんとは違う反応をこの街に示す。その場を後にした加藤さんだったが、寮の部屋に向かうと、そこにはルームメイトになった先ほど出会い別れた少女がいた。
ひょんなことから2人は東京を自転車でぷらぷらすだけの部「自転車天使部」へ入部し、2人の先輩たちと一緒にまだ見ぬステキを探しに自転車を走らせる。

主要登場人物

・島野いるか
主人公。立豊珠高校に通う1年生。ポニーテールでまとめた髪と小柄な体型が特徴。天真爛漫で明るく、いつもハイテンションな元気娘。語尾に「〜でしょ」を付ける口癖をしています。オシャレな東京ガールに憧れ、生まれ育った離島を離れ上京。愛車はママチャリの「ワカマツ号」。ところどころを改造してオシャチャリ化させ乗っています。加藤さんのことが大好き。

・加藤さん
豊珠高校に通う1年生。いるかのルームメイトであり、彼女の憧れの対象。黒髪ロングストレートのクールな絶世の美少女。加藤さんを見た練馬のお年寄りたちは、彼女のことを「照姫」と呼びます。校内でも「豊高の照姫」というあだ名をつけられます。愛車のロードバイクを大切にしており、当初は誰にも触らせようとしませんでした。

・川越彩果
豊珠高校に通う2年生。ショートカットの髪形をした、粋でいなせな江戸っ子娘。行きつけの自転車店「サイクルショップ源」や、商店街にあるいくつもの店にツケを貯め込んでいます。愛車は改造されたミニベロ。

・松竹梅雪見
豊珠高校に通う3年生。自転車天使部部長。ウェーブのかかった薄い茶髪にヘアバンドをした少女。実家は古くから続く和菓子屋を営んでいます。いつも微笑みをたたえる穏やかな性格をしていますが、洞察力は鋭い。溢れる母性の持ち主でもあり、いるかは小動物と化し甘えています。頼れる存在ではありますが、極度の方向音痴。愛車はクロスバイク

・上様
自転車天使部の部費を出資してくれる謎の人物。部費を出す代わりに、練馬区にある史跡の調査を指令。指令は動物に持たせたり、目のつく場所に設置したり、矢文を際どい場所に射るなどの方法で出されます。作中で姿を見せることはなかったため、素顔は不明。




【eBookJapan】 東京自転車少女。 無料で立ち読みできます


感想

東京に憧れを抱く田舎育ちの少女と生まれ育った東京を嫌う少女が、高校の自転車天使部へ入部し、そこで出会った2人の先輩と一緒に東京の様々な場所を楽しんで探索する話。
東京(練馬)+自転車+少女を題材とした自転車漫画です。少女たちが練馬の街を自転車でツーリングする部活モノ。溢れる自転車への愛、東京への愛を、少女たちの姿から強く感じられる作品でした。

ロードレースに挑む熱きスポ魂漫画『弱虫ペダル』、ロングライドを楽しむ少女たちの姿を描いた『ろんぐらいだぁす!』、他にも『のりりん』や『かもめチャンス』など、自転車漫画といってももその種類・特徴は様々にありますね。今回紹介させてもらう『東京自転車少女』は、レースとは関係ない『ポタリング』を題材にした作品です。
ポタリングを簡単に一言で言ってしまうと、自転車でぶらぶらすることです。「Potter(ぶらつく)」の語源のまま、目的地を定めるも定めないも自由に、のんびりと気楽にサイクリングを楽しむ。ポタリングという言葉を意識していないだけで、結構多くの人が普通にやってることですね。使用される自転車もママチャリからロードバイクまで様々。

自転車漫画の中ではあまり見かけない珍しさある作品。ポタリングを題材として扱っているということだけでも言えることですね。
まったくの素人がひょんなことから興味を持った世界の魅力に惹かれ、ハマっていくというポイントはお馴染みな展開。ただ、エピソードごとの目的はあるものの、物語全体を通しての明確な目標・夢というものはなく、街中をぶらぶらしてその過程で様々な物事を発見するという、ほのぼの日常系のような雰囲気ある作品です。あえて物語の目標や目的を定めるなら「楽しむ」ですね。

さらに、物語の舞台を東京都練馬区に限定しているというのも特徴の1つ。舞台を1つの場所に限定しているため結構掘り下げも深いです。
私は東京に住んでいるわけではないので確かなことは分かりませんが、東京の中では都会の喧騒から外れた静かな田舎らしさある場所という印象。作品読む前に持ってた練馬の印象・知識といったらこんな程度でしたね。他にあるといったら畑が多いぐらいです。
ぽたぽたリングで練馬にある実在する史跡や神社などを巡ることがメイン。巡る場所の認知度はおそらくそれほど高くなく、ひっそりとしすぎて気づくことすら困難な場所もちらほらありました。知らなかった場所、気づかなかった事、それに気づかせてくれる面白さといのはこういった作品の醍醐味と言えると思います。

そしてなんといってもキャラクターの可愛らしさ、これに尽きます。ノリなんかは『けいおん』ぽいかな。生い立ち異なる2人の主人公を軸に話が進んでいくので感情移入しやすいのも良いです。
天真爛漫な天然少女、島野いるか。オシャレな東京ガールに憧れを持つ地方の田舎で生まれ育った少女であるため、見るもの聞くもの全てに新鮮な反応を示し、素直で子供っぽい性格から体全体で感動を表現するので見ていて楽しい。作者さんは地方から練馬に上京してアニメーターになったという経歴をしているので、性格はともあれいるかの視点は作者さん自身にあるのかもしれませんね。
もう1人は東京で生まれ育った少女、加藤さん。東京を嫌い、東京の悪い部分しか目に入っていなかった彼女が、純粋に感動するいるかに手を引かれ、視線を変えることで見慣れていたはずの街の中に新たな色を発見していきます。最初はツンツンしていたクールな彼女が物語を通してどんどん変わっていく様、いるかに懐かれて照れるている表情、可愛すぎますね。
地方や田舎にいる人ならいるかに、東京・都会で生まれ育った人なら加藤さんに、異なる2つの視点によって感情移入して読むことができ、片方の新鮮な反応を楽しみながら読むこともできますね。

白熱したレースを展開する自転車漫画も面白いですけど、こういったのんびりと自転車を走らせ、その中でいろいろな物事を発見しながら楽しむほのぼの自転車漫画も良いですね。
可愛い絵で描かれた少女たちは個性豊かで魅力に溢れ、分かりやすいストーリーはテンポよく進み読みやすく、のんびりしながら読むには最適な漫画だと思います。
ロードレースとは違い身近にある楽しみ方でもあるので、ちょっと自転車に乗って出かけてみれば、彼女たちの感じた感動を味わえるかもしれません。よければ読んでみてください。



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posted by ハネ吉 at 18:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常
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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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