2017年05月10日
【のんのんびより】マンガ 感想&あらすじ 田舎の町を舞台にのんのん気分で過ごす少女たちの姿を描いたゆるゆる日常コメディ
月刊コミックアライブ。2009年11月号から連載中。既刊10巻
作者:あっと
他作品:こあくまメレンゲ
「・・・もしかして・・・ウチ・・・田舎にすんでるのん?」
両親の都合で東京から引っ越してきた小学5年生の一条蛍が通うことになったのは、ひとつのクラスに小学生と中学生が混在し、自分を合わせて全校生徒がたったの5人しかいない「旭丘分校」。
そこは見渡す限り豊かな自然と田畑が広がり、道路には「牛横断注意」の標識が設置され、信号機の1つもなく、バスは5時間に1本しか来ないまごうことなき田舎。
蛍はこれまでの環境とは全く異なる田舎の様子にたびたび驚かされながらも、宮内れんげ、越谷夏海、越谷小鞠ら同じ学校へ通うちょっとおかしな少女たちとすぐに打ち解け、みんなで楽しくまったり日々を過ごしていく。
・一条 蛍(いちじょう ほたる)
あだ名「ほたるん」。東京から「旭丘分校」に転校してきた小学5年生の少女。まだ小学5年生ながら身長164cmもある発育のよい子で、実際の年齢よりお姉さんとして、または大人扱いされることもしばしば。見た目だけではなく言動や普段の振る舞いも大人びていますが、両親の前では年相応に甘える子供っぽさを見せ、珍しく皆の前で大はしゃぎした際は周囲が彼女のことを小学生だと再認識することも。自分とは逆に見た目も性格も子供っぽくて可愛い小鞠が大好きで、小鞠をモデルにした「こまぐるみ」という人形を大量に作っています。犬のペット「ペチ」の散歩が日課。
・宮内 れんげ(みやうち れんげ)
あだ名「れんちょん」。学校では最年少の小学1年生。紫色の髪をツインテールにした好奇心旺盛な女の子。一人称は「ウチ」、語尾には「〜のん、〜なん、ん」。「にゃんぱす」といういつでもどこでも使える便利な挨拶を持ってます。独特な感性の持ち主で、周囲の人たちが理解に悩む発言や行動をすることも多い子。その一方で学校の成績は非常に優秀なうえ、天才的な一面を覗かせることもしばしば。家によく出没する狸に「具」と名付けるなど、ネーミングセンスも独特。目は半目で、口は常に三角の形。
・越谷 夏海(こしがや なつみ)
あだ名「なっつん」。中学1年生。小鞠と卓の妹。明るい性格のムードメーカーですが、イタズラ好きのトラブルメーカーでもあり、特に小鞠が標的にされることが多め。勉強嫌いで成績も悪く、イタズラばかりするため母親・雪子のカミナリが落ちることも日常茶飯事ですが、改善の兆しは皆無。幼少期はお兄ちゃん大好きな子でした。元々の素材が良いため着飾れば美少女に変身しますが、本人はその姿に強い拒否反応を示します。
・越谷 小鞠(こしがや こまり)
あだ名「こまちゃん」(名前ではなく、小さい=「こまい」から)。クラスの女の子の中では最年長の中学2年生。最年長ではあっても140cmにも満たない小柄な体型で、本人もかなり気にしてる様子。蛍とは逆に知らない人からは幼い子供扱いされることが多め。さらに、無理に背伸びして大人ぶろうとする一面もありますが、元々子供っぽい性格で浅はかなところもあるため、よく空回りしています。料理に関しては壊滅的な腕の持ち主で、下手なうえに独自のアレンジを加える迷惑な人。クマのぬいぐるみ「しょうきちさん」を大切にしています。
・宮内 一穂(みやうち かずほ)
あだ名「かず姉」「ねぇねぇ」。れんげの姉、24歳。旭丘分校の教師。ポニーテールと眠たげな糸目が特徴の女性。家でも学校でも基本寝ていることが多く、授業も問題集や何かしらの課題を提示することが多い。マイペースな性格でダメ人間な面が目立つため、生徒たちからすらよく呆れられています。当然頼られることも少ないのですが、ごくごく稀に大人らしい振る舞いを見せることもあります。
・加賀山 楓(かがやま かえで)
あだ名「駄菓子屋」。20歳。一穂の後輩で彼女のことを「先輩」と呼びます。金髪(?)とヤンキー風の格好が特徴の女性。あだ名の通り本業として駄菓子屋を営んでいますが、それだけでは生活費を賄えないため、レンタル業もやっています。アネゴ肌の性格で、見た目と言動に反してとても面倒見の良い優しい人。れんげが赤ん坊だった頃によく面倒を見ていたことから、現在も妹のように想って気にかけていて、れんげもよく懐いています。
・越谷 卓(こしがや すぐる)
クラスでは唯一の男子生徒であり、学年は最年長の中学3年生。存在感が非常に薄く、無表情なうえに作中では全くしゃべることはありません。ただ、スペックは異様に高く、フィギュア作り、料理、ギターなど様々な特技を有しています。周囲からぞんざいに扱われがちですが、本人はさして気にはしてない様子。名前を使われることがなく、呼ばれるときも「兄ちゃん」や「にぃにぃ」。
【eBookJapan】 のんのんびより 無料で試し読みできます
バスが5時間に1本しか来ないド田舎にある学校へ通う子供たちが、周囲の人たちとふれあいながら、豊かな自然の中でのびのび楽しく過ごす日々の様子を描いた漫画。
田舎で暮らす少女たちが送る、まったりゆるゆるな日常コメディ。「のんのんびより=穏穏日和」。作者の漫画家「あっと」さんは、2016年に放送されたアニメ『ハイスクール・フリート』でキャラクター原案を担当された方ですね。
2013年10月にアニメ1期が放送され、2015年7月から『のんのんびより りぴーと』というタイトルで2期が放送されています。また、コミック単行本第7巻・第10巻の特装版にはOVAが付属しています。
このせわしなく時間が流れ、多くの人が忙しさで身も心も疲弊させてる時代。こんな時代だからこそ、癒し系、日常系、脱力系、空気系など、ちょっとした時間の合間を使って気楽に読め、ゆるゆるな雰囲気にクスっとした笑いと同時に癒し効果まである作品は高い人気を得ていると思います。
代表的なところでは、私も大好きな『ARIA』や『よつばと』、それから『みなみけ』なんかがまさにそのジャンルに分類されますね。学校や家庭など現代を舞台にした作品をはじめ、近未来、異世界ファンタジー、果ては動物の世界を描いた作品など、さまざまな見せ方ができることからその種類も多岐に及びます。
今回紹介させていただく『のんのんびより』は、人が想像する理想的な田舎の風景と共に、ユニークでカワイイキャラクターたちのゆるい日常でのやりとりを見せ、読者に笑いと癒しを与えてくれる内容になってます。
この作品の舞台は、全校生徒がたった5人しかいない小中一貫校があり、道路には信号がない代わりに「牛横断注意」の標識が設置され、バスにいたっては5時間おきにしか運転されていないド田舎の町。
利便性に関しては不便ばかりが目立つ土地ではありますが、その代わりにせわしない都会の喧騒とはまるで縁がなく、四方は緑の生い茂る山々が囲い、綺麗な小川が流れ、田園風景が広がるなど、そこにいるだけで心も身体も癒してもらえそうな豊かな自然が溢れる場所。野菜の無人販売所や駄菓子屋がまた良い味わいを醸し出していますね。
実際にあるどこかの町をモデルにしたわけではなく、作者・あっとさんの自宅や実家周辺の風景、たまたま見つけた写真などを参考に作中舞台が作られたため、いろいろな場所が混在することになり、そんなこんなで日本のどこかにある幻想の田舎町が出来上がっています。
この作品ほどではなくても私の実家もちょい田舎寄りだったことから、過度な期待をしてはいけないと分かってはいるんですけど、描かれている風景はまさに人が思い描く理想的な田舎町なので、どうしても見てると憧れてしまう心地よさがありますね。
作品を彩る個性豊かな登場人物たちも当然魅力のひとつ。4人の少女たちをメインに据え、彼女たちの周囲にいる人たちを交えながら、漫画は1話完結方式で展開されていきます。
しっかり者で大人っぽい見た目だけど両親の前では甘えん坊になってしまう小学5年生、一条蛍。周囲の理解が及ばない独特の感性を持つ好奇心旺盛な小学1年生、宮内れんげ。明るいムードメーカーだけどトラブルも背負ってくるイタズラ好きの中学1年生、越谷夏海。大人の女性に憧れを持つ小さくて子供っぽい性格のちょっと不憫な中学2年生、越谷小鞠。
この性格も年齢も異なる4人の少女たちがメインキャラクター。この4人の中だと個人的にほたるんが1番好きですが、それでも注目せずにはいられない異彩を放ちまくりなキャラはれんちょんですね。幼い子供の無邪気さに加え、独特な感性も上乗せされていることで、言動も行動も予想の斜め上を行く面白すぎる子。ヘンテコな歌と踊り、宇宙を表現したあやとり、セミの幼虫を見て「どなたですのん・・?」には笑わせてもらえました。
他にも、常にぐうたらしてる一穂、優しいアネゴの楓、スポットを当てて欲しい卓、あとタヌキの「具」など、作中には魅力に溢れるキャラクターが多く登場します。全キャラ中だと一穂が1番好きな自分はどうなんだろ・・・。
大きな事件なんて何一つ起きることなく10巻を越えていきましたが、そこがいい、それでいいと思えるゆるい日常が心地よい。
各話で描かれているのは、学校の授業風景、休み時間のひととき、放課後や休日の出来事など、なにげない日常の中のひとコマ。仲良し4人娘たちがときに周囲の人たちを交えながら、遊んでふざけてちょっと冒険なんかもして、駄菓子屋に寄ってお菓子やアイスを食べ、都会ではなかなか体験できないようなことをしてゆるっと過ごしている様子が描かれています。
なかには、定規落としや肝試し、川での魚釣りに秘密基地など、自分の子供時代を思い起こさせてくれる要素もてんこ盛りなので、懐かしい気分にもなれますね。
田舎の町で暮らす少女たちの日常を描いた『のんのんびより』、いかがでしたでしょうか?可愛いキャラ同士の笑えるやりは面白く、たまに挟まれる感動話も良いアクセントになっていました。キャラ・ストーリー・演出、どこをとっても癒し効果抜群の作品。
また、背景の描き込みが素晴らしい。木々が生い茂る山や森、小川が流れる田畑、それに木造の校舎など、作者さんちょっとがんばりすぎじゃないかとさえ思ってしまうほど丁寧に描いていただけています。見開きページや大きなコマだけではなく、小さなコマでも手抜きがないところは頭が下がります。より一層田舎への憧れが溢れそうになりますね。
ちょっと笑えるほのぼのした日常系作品が好きな人なら気に入ってもらえる可能性は高いと思いますので、よければ読んでみてください。漫画もアニメも自信を持って強くおすすめさせていただきます。
作者:あっと
他作品:こあくまメレンゲ
あらすじ
「・・・もしかして・・・ウチ・・・田舎にすんでるのん?」
両親の都合で東京から引っ越してきた小学5年生の一条蛍が通うことになったのは、ひとつのクラスに小学生と中学生が混在し、自分を合わせて全校生徒がたったの5人しかいない「旭丘分校」。
そこは見渡す限り豊かな自然と田畑が広がり、道路には「牛横断注意」の標識が設置され、信号機の1つもなく、バスは5時間に1本しか来ないまごうことなき田舎。
蛍はこれまでの環境とは全く異なる田舎の様子にたびたび驚かされながらも、宮内れんげ、越谷夏海、越谷小鞠ら同じ学校へ通うちょっとおかしな少女たちとすぐに打ち解け、みんなで楽しくまったり日々を過ごしていく。
主要登場人物
・一条 蛍(いちじょう ほたる)
あだ名「ほたるん」。東京から「旭丘分校」に転校してきた小学5年生の少女。まだ小学5年生ながら身長164cmもある発育のよい子で、実際の年齢よりお姉さんとして、または大人扱いされることもしばしば。見た目だけではなく言動や普段の振る舞いも大人びていますが、両親の前では年相応に甘える子供っぽさを見せ、珍しく皆の前で大はしゃぎした際は周囲が彼女のことを小学生だと再認識することも。自分とは逆に見た目も性格も子供っぽくて可愛い小鞠が大好きで、小鞠をモデルにした「こまぐるみ」という人形を大量に作っています。犬のペット「ペチ」の散歩が日課。
・宮内 れんげ(みやうち れんげ)
あだ名「れんちょん」。学校では最年少の小学1年生。紫色の髪をツインテールにした好奇心旺盛な女の子。一人称は「ウチ」、語尾には「〜のん、〜なん、ん」。「にゃんぱす」といういつでもどこでも使える便利な挨拶を持ってます。独特な感性の持ち主で、周囲の人たちが理解に悩む発言や行動をすることも多い子。その一方で学校の成績は非常に優秀なうえ、天才的な一面を覗かせることもしばしば。家によく出没する狸に「具」と名付けるなど、ネーミングセンスも独特。目は半目で、口は常に三角の形。
・越谷 夏海(こしがや なつみ)
あだ名「なっつん」。中学1年生。小鞠と卓の妹。明るい性格のムードメーカーですが、イタズラ好きのトラブルメーカーでもあり、特に小鞠が標的にされることが多め。勉強嫌いで成績も悪く、イタズラばかりするため母親・雪子のカミナリが落ちることも日常茶飯事ですが、改善の兆しは皆無。幼少期はお兄ちゃん大好きな子でした。元々の素材が良いため着飾れば美少女に変身しますが、本人はその姿に強い拒否反応を示します。
・越谷 小鞠(こしがや こまり)
あだ名「こまちゃん」(名前ではなく、小さい=「こまい」から)。クラスの女の子の中では最年長の中学2年生。最年長ではあっても140cmにも満たない小柄な体型で、本人もかなり気にしてる様子。蛍とは逆に知らない人からは幼い子供扱いされることが多め。さらに、無理に背伸びして大人ぶろうとする一面もありますが、元々子供っぽい性格で浅はかなところもあるため、よく空回りしています。料理に関しては壊滅的な腕の持ち主で、下手なうえに独自のアレンジを加える迷惑な人。クマのぬいぐるみ「しょうきちさん」を大切にしています。
・宮内 一穂(みやうち かずほ)
あだ名「かず姉」「ねぇねぇ」。れんげの姉、24歳。旭丘分校の教師。ポニーテールと眠たげな糸目が特徴の女性。家でも学校でも基本寝ていることが多く、授業も問題集や何かしらの課題を提示することが多い。マイペースな性格でダメ人間な面が目立つため、生徒たちからすらよく呆れられています。当然頼られることも少ないのですが、ごくごく稀に大人らしい振る舞いを見せることもあります。
・加賀山 楓(かがやま かえで)
あだ名「駄菓子屋」。20歳。一穂の後輩で彼女のことを「先輩」と呼びます。金髪(?)とヤンキー風の格好が特徴の女性。あだ名の通り本業として駄菓子屋を営んでいますが、それだけでは生活費を賄えないため、レンタル業もやっています。アネゴ肌の性格で、見た目と言動に反してとても面倒見の良い優しい人。れんげが赤ん坊だった頃によく面倒を見ていたことから、現在も妹のように想って気にかけていて、れんげもよく懐いています。
・越谷 卓(こしがや すぐる)
クラスでは唯一の男子生徒であり、学年は最年長の中学3年生。存在感が非常に薄く、無表情なうえに作中では全くしゃべることはありません。ただ、スペックは異様に高く、フィギュア作り、料理、ギターなど様々な特技を有しています。周囲からぞんざいに扱われがちですが、本人はさして気にはしてない様子。名前を使われることがなく、呼ばれるときも「兄ちゃん」や「にぃにぃ」。
【eBookJapan】 のんのんびより 無料で試し読みできます
感想・見所
バスが5時間に1本しか来ないド田舎にある学校へ通う子供たちが、周囲の人たちとふれあいながら、豊かな自然の中でのびのび楽しく過ごす日々の様子を描いた漫画。
田舎で暮らす少女たちが送る、まったりゆるゆるな日常コメディ。「のんのんびより=穏穏日和」。作者の漫画家「あっと」さんは、2016年に放送されたアニメ『ハイスクール・フリート』でキャラクター原案を担当された方ですね。
2013年10月にアニメ1期が放送され、2015年7月から『のんのんびより りぴーと』というタイトルで2期が放送されています。また、コミック単行本第7巻・第10巻の特装版にはOVAが付属しています。
このせわしなく時間が流れ、多くの人が忙しさで身も心も疲弊させてる時代。こんな時代だからこそ、癒し系、日常系、脱力系、空気系など、ちょっとした時間の合間を使って気楽に読め、ゆるゆるな雰囲気にクスっとした笑いと同時に癒し効果まである作品は高い人気を得ていると思います。
代表的なところでは、私も大好きな『ARIA』や『よつばと』、それから『みなみけ』なんかがまさにそのジャンルに分類されますね。学校や家庭など現代を舞台にした作品をはじめ、近未来、異世界ファンタジー、果ては動物の世界を描いた作品など、さまざまな見せ方ができることからその種類も多岐に及びます。
今回紹介させていただく『のんのんびより』は、人が想像する理想的な田舎の風景と共に、ユニークでカワイイキャラクターたちのゆるい日常でのやりとりを見せ、読者に笑いと癒しを与えてくれる内容になってます。
疲れた心を癒してくれる理想的な田舎の風景
この作品の舞台は、全校生徒がたった5人しかいない小中一貫校があり、道路には信号がない代わりに「牛横断注意」の標識が設置され、バスにいたっては5時間おきにしか運転されていないド田舎の町。
利便性に関しては不便ばかりが目立つ土地ではありますが、その代わりにせわしない都会の喧騒とはまるで縁がなく、四方は緑の生い茂る山々が囲い、綺麗な小川が流れ、田園風景が広がるなど、そこにいるだけで心も身体も癒してもらえそうな豊かな自然が溢れる場所。野菜の無人販売所や駄菓子屋がまた良い味わいを醸し出していますね。
実際にあるどこかの町をモデルにしたわけではなく、作者・あっとさんの自宅や実家周辺の風景、たまたま見つけた写真などを参考に作中舞台が作られたため、いろいろな場所が混在することになり、そんなこんなで日本のどこかにある幻想の田舎町が出来上がっています。
この作品ほどではなくても私の実家もちょい田舎寄りだったことから、過度な期待をしてはいけないと分かってはいるんですけど、描かれている風景はまさに人が思い描く理想的な田舎町なので、どうしても見てると憧れてしまう心地よさがありますね。
個性豊かでユニークな魅力溢れるキャラクターたち
作品を彩る個性豊かな登場人物たちも当然魅力のひとつ。4人の少女たちをメインに据え、彼女たちの周囲にいる人たちを交えながら、漫画は1話完結方式で展開されていきます。
しっかり者で大人っぽい見た目だけど両親の前では甘えん坊になってしまう小学5年生、一条蛍。周囲の理解が及ばない独特の感性を持つ好奇心旺盛な小学1年生、宮内れんげ。明るいムードメーカーだけどトラブルも背負ってくるイタズラ好きの中学1年生、越谷夏海。大人の女性に憧れを持つ小さくて子供っぽい性格のちょっと不憫な中学2年生、越谷小鞠。
この性格も年齢も異なる4人の少女たちがメインキャラクター。この4人の中だと個人的にほたるんが1番好きですが、それでも注目せずにはいられない異彩を放ちまくりなキャラはれんちょんですね。幼い子供の無邪気さに加え、独特な感性も上乗せされていることで、言動も行動も予想の斜め上を行く面白すぎる子。ヘンテコな歌と踊り、宇宙を表現したあやとり、セミの幼虫を見て「どなたですのん・・?」には笑わせてもらえました。
他にも、常にぐうたらしてる一穂、優しいアネゴの楓、スポットを当てて欲しい卓、あとタヌキの「具」など、作中には魅力に溢れるキャラクターが多く登場します。全キャラ中だと一穂が1番好きな自分はどうなんだろ・・・。
懐かしさを感じる少女たちのゆるっと楽しい日常
大きな事件なんて何一つ起きることなく10巻を越えていきましたが、そこがいい、それでいいと思えるゆるい日常が心地よい。
各話で描かれているのは、学校の授業風景、休み時間のひととき、放課後や休日の出来事など、なにげない日常の中のひとコマ。仲良し4人娘たちがときに周囲の人たちを交えながら、遊んでふざけてちょっと冒険なんかもして、駄菓子屋に寄ってお菓子やアイスを食べ、都会ではなかなか体験できないようなことをしてゆるっと過ごしている様子が描かれています。
なかには、定規落としや肝試し、川での魚釣りに秘密基地など、自分の子供時代を思い起こさせてくれる要素もてんこ盛りなので、懐かしい気分にもなれますね。
最後に
田舎の町で暮らす少女たちの日常を描いた『のんのんびより』、いかがでしたでしょうか?可愛いキャラ同士の笑えるやりは面白く、たまに挟まれる感動話も良いアクセントになっていました。キャラ・ストーリー・演出、どこをとっても癒し効果抜群の作品。
また、背景の描き込みが素晴らしい。木々が生い茂る山や森、小川が流れる田畑、それに木造の校舎など、作者さんちょっとがんばりすぎじゃないかとさえ思ってしまうほど丁寧に描いていただけています。見開きページや大きなコマだけではなく、小さなコマでも手抜きがないところは頭が下がります。より一層田舎への憧れが溢れそうになりますね。
ちょっと笑えるほのぼのした日常系作品が好きな人なら気に入ってもらえる可能性は高いと思いますので、よければ読んでみてください。漫画もアニメも自信を持って強くおすすめさせていただきます。
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