2017年06月14日
【あやかしこ】マンガ 感想&あらすじ 人間と妖(あやかし)の交流を微笑ましく描いた日常系ハートフルストーリー
月刊コミックアライブ。2015年5月号から連載中。既刊3巻
作者:ヒジキ
妖たちが共同で住まう古い民家、通称「あやかし荘」。通常は人の目には見えず、古くから畏れの対象とされてきた妖という存在だが、此処にいる彼女たちには怖さのカケラもなかった。
あやかし荘の住人は、座敷わらしのきぃ、妖狐の玖雨狐(くうこ)、雪女の雪芽(ゆきめ)。そして、ここを管理している唯一の人間である宮塚真帆路(みやつか まほろ)は、妖たちとふれあうことができる不思議な力を持った16歳の女の子。
これまで管理していた祖母が亡くなったことで真帆路があやかし荘を引き取り、生活能力に欠ける妖たちのお世話をしながら学校へ通っていた。
ある日、真帆路たちは猫又になったばかりの新米あやかし・ネネと出会う。戸惑っていた彼女に自分たちと一緒に暮らすことを提案し、あやかし荘には新たな住人が、そして家族が増えることに―。
本来は相容れることのない人間とあやかし。でも、あやかしたちの喜ぶ姿を見られることが嬉しい真帆路。自由気ままなあやかしたちに振り回されることは日常茶飯事だけど、なんだかんだで毎日が賑やかで楽しい――そんな妖のいる日常がここに。
ネタバレも若干含むので注意
・宮塚 真帆路(みやつか まほろ)
主人公。人間。黒髪ロングストレイートの女の子。16歳。「あやかし荘」の管理人。
あやかし荘を管理していた祖母が他界し、取り壊されそうになっていたところを彼女が引き取りました。管理人になったのは、生まれつき高い霊能力を持っていたことで幼い頃から妖を見て、触れて、会話することができた真帆路が、妖たちに居場所を作ろうとした祖母の優しさに共感したから。妖たちは家事能力が低いためあやかし荘の家事全般を一手に担っています。
カツカツの家計をやりくりしているためお金には細かい。ネコ大好きだけど猫アレルギー持ちなので普通のネコは触るとくしゃみと喘息が発生しますが、ネネだけは問題ないのでよく撫でてます。学校では人を寄せ付けないミステリアスクールビューティとして男女年齢問わず大人気。実際はただの人見知りで、本人は普通に過ごしたいと思っています。
・きぃ
妖・座敷童子(ざしきわらし)。あやかし荘の住人。容姿は幼い子供。
幼いのは見た目だけではなく、言動も振る舞いも無邪気な子供で甘えん坊。真帆路と一緒にいるときは傍目に見ると完全に母と子の関係。非常に食いしん坊でもあり、しょっちゅう真帆路におやつや食事をねだっていますが、パセリやニンジンなど野菜はちょっと苦手。きぃの機嫌が悪くなると座敷童子の特性によって地味な災いが頻発。エミからは最初「化け狸」と勘違いされて激怒しました。玖雨狐たちとは違い外から来たのではなく、あやかし荘と呼ばれる以前からこの家に住み着いていた妖。
・玖雨狐(くうこ)
妖・妖狐(ようこ)。あやかし荘の住人。キツネの耳とポニーテールが特徴。妖術が使える。
「肉食動物」「残像」など、様々な文字がプリントされた変なTシャツをいつも着ています。テレビ番組などで様々な情報を取り入れては、誰かを実験台にして遊んでいるあやかし荘のイタズラ好きなムードメーカー。キツネの耳と尻尾にはさして意味はなく、普段から出しているのはあると落ち着くからという理由。きぃと同じくかなり食い意地が張っている狐。とある稲荷神社に祀られているアキとクキの双子の稲荷姉妹からは、誤解(?)から「ニート狐」「クソ狐」と呼ばれ恐れられています。
・雪芽(ゆきめ)
妖・雪女(ゆきおんな)。あやかし荘の住人。ショートカットにした青い髪が特徴。強い日差しが苦手。
ほんわかした冷暗所でないとぐっすり眠れないらしく、冷蔵庫の中で眠ることもあります。家事の手伝いをしようとするなど一見しっかり者のように見えますが、その実かなりのドジっ娘で結果として真帆路の仕事を増やすこともあるポンコツ。感情が昂ぶると周囲の水分を凍らせてしまう癖を持っています。冷たいものを摂取すればするだけ霊力が増加し、高まり過ぎると家中を凍らせてしまうため、カキ氷は1日1杯までと決められました。
・ネネ
妖・猫又(ねこまた)。あやかし荘の住人。髪はロングストレートの黒髪で、ネコの耳と尻尾が特徴。変化したばかりの新米あやかし。
ネネが猫又になったばかりで戸惑っていたところに出くわし、ひとりぼっちで困っていた彼女を真帆路があやかし荘に誘ったことで新しい住人になりました。ネコの習慣・特性はそのままなので、頭や顎の下を撫でられると「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。真帆路が子猫やエミと仲良くしているとジェラシーを感じてしまうツンデレさんでもあります。ネコまんまはなんかしっくりくるらしい。
・高梨 エミ(たかなし えみ)
大阪から真帆路のクラスに転校して来た女の子で始めての友達。人間。母がドイツ人のハーフだけどドイツ語は話せません。長い金髪と碧眼、それと関西弁が特徴。
妖怪とお友達になりたいちょっと変わった明るいコミュ力の高い子。真帆路が妖たちと会話していた現場を目撃し、自分も友達になりたいと接近。霊感はあるけどハッキリとは見えず、彼女の目には靄がかかったように映っています。玖雨狐の助けもあって、真帆路が近くにいるときだけは普通にふれあうことが出来るようになりました。真帆路からはコミュ力の高さを尊敬されています。キモかわいいものが大好き。
【eBookJapan】 あやかしこ 無料で試し読みできます
忙しい日が続くとなかなか疲れが抜切らないもので、体の疲労だけなら色々やりようはあるのですが、精神的な疲れは心の持ちようかもしれませんけど時間がとれないと結構きつい。
そんなときにはほのぼのした癒し系作品がもってこいですね。ゆったり優しい空気に包まれると体の力も抜くことができますし、同時に心もほぐしてもらえるため、私もちょっと空いた時間や就寝前にはよく助けてもらってます。
今回紹介させていただく作品も疲れた心に癒しをもたらしてくれる漫画『あやかしこ』。ふらっと書店に立ち寄った際、表紙のブックデザインと雰囲気が『のんのんびより』と似ていたことに引かれて手に取った作品。というより、店頭に並んでいたこの作品を見つけた時は、知らない内に『のんのんびより』の新刊でも出てたのかと勘違いしました。
妖たちが共同生活をしている一軒の古民家を舞台に、その家を引き取って管理している16歳の女の子(人間)と、気ままで賑やかな住人達(妖怪)との、ちょっと不思議で温かな妖がいる日常を描いた物語。
共同生活している人間と妖(あやかし)が織り成す癒しの日常系ハートフルストーリー。『のんのんびより』の作者・あっと先生もなごみ中とのことです。
作者は漫画家・ヒジキ先生。『干物妹!うまるちゃん』のスピンオフ作品『ひもうと!うまるちゃんSS』で作画担当されています。
下町情緒が残る東京・浅草に建てられた一軒の風情ある古い屋敷――通称「あやかし荘」が主な舞台。管理人をしている主人公の少女・宮塚真帆路を除けば、ここで暮らす住人たちはみんな妖(あやかし)。
以前の管理人である真帆路の祖母が、妖たちに居候としてではなく住人として暮らしてもらうため、表札を改めたのが「あやかし荘」です。そして、この場所を受け継いだ真帆路は、妖の存在をなんとなくでしか感じ取れなかった祖母とは違い、異常なほど高い霊能力でバッチリハッキリ見て、さわって、会話もできるので、彼女たちのお世話をしながら高校へ通い、大変だけど賑やかで楽しい日々を送っているという話。
これは、迷える妖たちのための共同住宅を舞台にした、人間と妖の交流を描いた作品です。
妖怪というファンタジーな設定ではありますが、怖さは欠片もなく、大事件が起こることもなく、終始ほのぼのまったりとした優しい日常が描かれています。急展開や突拍子もない余計な演出を挟むこともないので、身構えることなく安心して読むことができ、ただただ作品の優しい空気に身を預けておけばいい内容が延々続きます。「可愛い」、「まったり癒される」、それだけと言えばそれだけなんですが、それで十分とも言える作品です。
魅力はもちろん癒される可愛いキャラクター。妖怪と言ってもオドロオドロシイ姿形をしているわけではなく、見た目は可愛い女の子。まあ、女の子という年齢ではないんでしょうけど。
真帆路が管理しているあやかし荘の住人は、天真爛漫な食いしん坊のちっこい座敷童子・きぃ、ケモミミ生やしたイタズラ好きの妖狐・玖雨狐、おっとりしたドジっ娘の雪女・雪芽、変化したばかりのツンデレな猫又・ネネ。
みんな文句の付けようがない可愛さで描かれ、どの娘にもしっかりスポットを当てた展開を見せ、あやかし荘でのそれぞれのポジションもほぼ確立されています。
妖怪としての特性をそれとなく発揮しながら、食べて、遊んで、寝て、毎日を気ままに暮らしています。・・・ニートとか言わないように。
あと、住人ではないのですが、浅草のとある稲荷神社に祀られている双子の稲荷姉妹も登場。妖怪ではなく一応神様に分類されますが、きぃと同じ2頭身キャラで言動・行動も子供っぽい可愛くて微笑ましい子達です。
そんな気ままな妖たちをお世話しながらあやかし荘を管理しているのが、主人公の宮塚真帆路。妖怪娘たちに負けず劣らず可愛くて魅力的な女の子です。
あやかし荘では食っちゃ寝ばかりで生活能力に欠ける妖たちに変わって、カツカツの家計をやりくりしながら家事全てをこなし、じゃれついてくるきぃの相手をするなど、その姿はさながら一家の“お母さん”的存在。
家族の笑顔を見られることが嬉しい優しくて明るい女の子なんですが、学校では全く別の顔を見せます。子供の頃は霊能力が原因で誤解を受けることが多かったようで、隙を作らないようにし、周囲の人とも距離を取っていたことで極度の人見知りに。しかし、高校ではいじめとか迫害を受けているなんてことはなく、人を寄せ付けない彼女の雰囲気によって、むしろミステリアスクールビューティとして男女問わず高い人気を誇っています。
ずっと人間の友達がいないことには若干の寂しさを感じていたわけですが、妖を通してエミという友達が出来たことで、いつも学校ではぼっちだった真帆路もクラスメイトと一緒にご飯を食べられるようになりました。その辺の真帆路の変化も見所のひとつでしょうね。
ただ、個人的にはあくまでメインはあやかし荘での人と妖怪の交流であって欲しいとは思ってますけど。
ということで、疲れた心をまったり癒してくれる作品『あやかしこ』の紹介でした。まったりし過ぎて物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、余計なことを考えずに肩の力を抜いて気楽に読めるので、癒しをメインにした日常系としては良作だと思ってます。
とにかくキャラクターが可愛く、イラストも内容にマッチした優しいタッチで描かれ、作品全体から安心が伝わってくるところが良いですね。多少百合風味もあるので、その辺が好きな人にもいいかも。
癒し系日常系が好きな人、まったりしたい人なら特に楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。
作者:ヒジキ
あらすじ
妖たちが共同で住まう古い民家、通称「あやかし荘」。通常は人の目には見えず、古くから畏れの対象とされてきた妖という存在だが、此処にいる彼女たちには怖さのカケラもなかった。
あやかし荘の住人は、座敷わらしのきぃ、妖狐の玖雨狐(くうこ)、雪女の雪芽(ゆきめ)。そして、ここを管理している唯一の人間である宮塚真帆路(みやつか まほろ)は、妖たちとふれあうことができる不思議な力を持った16歳の女の子。
これまで管理していた祖母が亡くなったことで真帆路があやかし荘を引き取り、生活能力に欠ける妖たちのお世話をしながら学校へ通っていた。
ある日、真帆路たちは猫又になったばかりの新米あやかし・ネネと出会う。戸惑っていた彼女に自分たちと一緒に暮らすことを提案し、あやかし荘には新たな住人が、そして家族が増えることに―。
本来は相容れることのない人間とあやかし。でも、あやかしたちの喜ぶ姿を見られることが嬉しい真帆路。自由気ままなあやかしたちに振り回されることは日常茶飯事だけど、なんだかんだで毎日が賑やかで楽しい――そんな妖のいる日常がここに。
登場人物
ネタバレも若干含むので注意
・宮塚 真帆路(みやつか まほろ)
主人公。人間。黒髪ロングストレイートの女の子。16歳。「あやかし荘」の管理人。
あやかし荘を管理していた祖母が他界し、取り壊されそうになっていたところを彼女が引き取りました。管理人になったのは、生まれつき高い霊能力を持っていたことで幼い頃から妖を見て、触れて、会話することができた真帆路が、妖たちに居場所を作ろうとした祖母の優しさに共感したから。妖たちは家事能力が低いためあやかし荘の家事全般を一手に担っています。
カツカツの家計をやりくりしているためお金には細かい。ネコ大好きだけど猫アレルギー持ちなので普通のネコは触るとくしゃみと喘息が発生しますが、ネネだけは問題ないのでよく撫でてます。学校では人を寄せ付けないミステリアスクールビューティとして男女年齢問わず大人気。実際はただの人見知りで、本人は普通に過ごしたいと思っています。
・きぃ
妖・座敷童子(ざしきわらし)。あやかし荘の住人。容姿は幼い子供。
幼いのは見た目だけではなく、言動も振る舞いも無邪気な子供で甘えん坊。真帆路と一緒にいるときは傍目に見ると完全に母と子の関係。非常に食いしん坊でもあり、しょっちゅう真帆路におやつや食事をねだっていますが、パセリやニンジンなど野菜はちょっと苦手。きぃの機嫌が悪くなると座敷童子の特性によって地味な災いが頻発。エミからは最初「化け狸」と勘違いされて激怒しました。玖雨狐たちとは違い外から来たのではなく、あやかし荘と呼ばれる以前からこの家に住み着いていた妖。
・玖雨狐(くうこ)
妖・妖狐(ようこ)。あやかし荘の住人。キツネの耳とポニーテールが特徴。妖術が使える。
「肉食動物」「残像」など、様々な文字がプリントされた変なTシャツをいつも着ています。テレビ番組などで様々な情報を取り入れては、誰かを実験台にして遊んでいるあやかし荘のイタズラ好きなムードメーカー。キツネの耳と尻尾にはさして意味はなく、普段から出しているのはあると落ち着くからという理由。きぃと同じくかなり食い意地が張っている狐。とある稲荷神社に祀られているアキとクキの双子の稲荷姉妹からは、誤解(?)から「ニート狐」「クソ狐」と呼ばれ恐れられています。
・雪芽(ゆきめ)
妖・雪女(ゆきおんな)。あやかし荘の住人。ショートカットにした青い髪が特徴。強い日差しが苦手。
ほんわかした冷暗所でないとぐっすり眠れないらしく、冷蔵庫の中で眠ることもあります。家事の手伝いをしようとするなど一見しっかり者のように見えますが、その実かなりのドジっ娘で結果として真帆路の仕事を増やすこともあるポンコツ。感情が昂ぶると周囲の水分を凍らせてしまう癖を持っています。冷たいものを摂取すればするだけ霊力が増加し、高まり過ぎると家中を凍らせてしまうため、カキ氷は1日1杯までと決められました。
・ネネ
妖・猫又(ねこまた)。あやかし荘の住人。髪はロングストレートの黒髪で、ネコの耳と尻尾が特徴。変化したばかりの新米あやかし。
ネネが猫又になったばかりで戸惑っていたところに出くわし、ひとりぼっちで困っていた彼女を真帆路があやかし荘に誘ったことで新しい住人になりました。ネコの習慣・特性はそのままなので、頭や顎の下を撫でられると「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。真帆路が子猫やエミと仲良くしているとジェラシーを感じてしまうツンデレさんでもあります。ネコまんまはなんかしっくりくるらしい。
・高梨 エミ(たかなし えみ)
大阪から真帆路のクラスに転校して来た女の子で始めての友達。人間。母がドイツ人のハーフだけどドイツ語は話せません。長い金髪と碧眼、それと関西弁が特徴。
妖怪とお友達になりたいちょっと変わった明るいコミュ力の高い子。真帆路が妖たちと会話していた現場を目撃し、自分も友達になりたいと接近。霊感はあるけどハッキリとは見えず、彼女の目には靄がかかったように映っています。玖雨狐の助けもあって、真帆路が近くにいるときだけは普通にふれあうことが出来るようになりました。真帆路からはコミュ力の高さを尊敬されています。キモかわいいものが大好き。
【eBookJapan】 あやかしこ 無料で試し読みできます
感想・見所
忙しい日が続くとなかなか疲れが抜切らないもので、体の疲労だけなら色々やりようはあるのですが、精神的な疲れは心の持ちようかもしれませんけど時間がとれないと結構きつい。
そんなときにはほのぼのした癒し系作品がもってこいですね。ゆったり優しい空気に包まれると体の力も抜くことができますし、同時に心もほぐしてもらえるため、私もちょっと空いた時間や就寝前にはよく助けてもらってます。
今回紹介させていただく作品も疲れた心に癒しをもたらしてくれる漫画『あやかしこ』。ふらっと書店に立ち寄った際、表紙のブックデザインと雰囲気が『のんのんびより』と似ていたことに引かれて手に取った作品。というより、店頭に並んでいたこの作品を見つけた時は、知らない内に『のんのんびより』の新刊でも出てたのかと勘違いしました。
妖たちが共同生活をしている一軒の古民家を舞台に、その家を引き取って管理している16歳の女の子(人間)と、気ままで賑やかな住人達(妖怪)との、ちょっと不思議で温かな妖がいる日常を描いた物語。
共同生活している人間と妖(あやかし)が織り成す癒しの日常系ハートフルストーリー。『のんのんびより』の作者・あっと先生もなごみ中とのことです。
作者は漫画家・ヒジキ先生。『干物妹!うまるちゃん』のスピンオフ作品『ひもうと!うまるちゃんSS』で作画担当されています。
のんびりまったりとした妖がいる日常
下町情緒が残る東京・浅草に建てられた一軒の風情ある古い屋敷――通称「あやかし荘」が主な舞台。管理人をしている主人公の少女・宮塚真帆路を除けば、ここで暮らす住人たちはみんな妖(あやかし)。
以前の管理人である真帆路の祖母が、妖たちに居候としてではなく住人として暮らしてもらうため、表札を改めたのが「あやかし荘」です。そして、この場所を受け継いだ真帆路は、妖の存在をなんとなくでしか感じ取れなかった祖母とは違い、異常なほど高い霊能力でバッチリハッキリ見て、さわって、会話もできるので、彼女たちのお世話をしながら高校へ通い、大変だけど賑やかで楽しい日々を送っているという話。
これは、迷える妖たちのための共同住宅を舞台にした、人間と妖の交流を描いた作品です。
妖怪というファンタジーな設定ではありますが、怖さは欠片もなく、大事件が起こることもなく、終始ほのぼのまったりとした優しい日常が描かれています。急展開や突拍子もない余計な演出を挟むこともないので、身構えることなく安心して読むことができ、ただただ作品の優しい空気に身を預けておけばいい内容が延々続きます。「可愛い」、「まったり癒される」、それだけと言えばそれだけなんですが、それで十分とも言える作品です。
とってもカワイイ気ままな妖怪娘たち
魅力はもちろん癒される可愛いキャラクター。妖怪と言ってもオドロオドロシイ姿形をしているわけではなく、見た目は可愛い女の子。まあ、女の子という年齢ではないんでしょうけど。
真帆路が管理しているあやかし荘の住人は、天真爛漫な食いしん坊のちっこい座敷童子・きぃ、ケモミミ生やしたイタズラ好きの妖狐・玖雨狐、おっとりしたドジっ娘の雪女・雪芽、変化したばかりのツンデレな猫又・ネネ。
みんな文句の付けようがない可愛さで描かれ、どの娘にもしっかりスポットを当てた展開を見せ、あやかし荘でのそれぞれのポジションもほぼ確立されています。
妖怪としての特性をそれとなく発揮しながら、食べて、遊んで、寝て、毎日を気ままに暮らしています。・・・ニートとか言わないように。
あと、住人ではないのですが、浅草のとある稲荷神社に祀られている双子の稲荷姉妹も登場。妖怪ではなく一応神様に分類されますが、きぃと同じ2頭身キャラで言動・行動も子供っぽい可愛くて微笑ましい子達です。
学校ではクールビューティ、あやかし荘ではお母さん的な主人公・真帆路
そんな気ままな妖たちをお世話しながらあやかし荘を管理しているのが、主人公の宮塚真帆路。妖怪娘たちに負けず劣らず可愛くて魅力的な女の子です。
あやかし荘では食っちゃ寝ばかりで生活能力に欠ける妖たちに変わって、カツカツの家計をやりくりしながら家事全てをこなし、じゃれついてくるきぃの相手をするなど、その姿はさながら一家の“お母さん”的存在。
家族の笑顔を見られることが嬉しい優しくて明るい女の子なんですが、学校では全く別の顔を見せます。子供の頃は霊能力が原因で誤解を受けることが多かったようで、隙を作らないようにし、周囲の人とも距離を取っていたことで極度の人見知りに。しかし、高校ではいじめとか迫害を受けているなんてことはなく、人を寄せ付けない彼女の雰囲気によって、むしろミステリアスクールビューティとして男女問わず高い人気を誇っています。
ずっと人間の友達がいないことには若干の寂しさを感じていたわけですが、妖を通してエミという友達が出来たことで、いつも学校ではぼっちだった真帆路もクラスメイトと一緒にご飯を食べられるようになりました。その辺の真帆路の変化も見所のひとつでしょうね。
ただ、個人的にはあくまでメインはあやかし荘での人と妖怪の交流であって欲しいとは思ってますけど。
最後に
ということで、疲れた心をまったり癒してくれる作品『あやかしこ』の紹介でした。まったりし過ぎて物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、余計なことを考えずに肩の力を抜いて気楽に読めるので、癒しをメインにした日常系としては良作だと思ってます。
とにかくキャラクターが可愛く、イラストも内容にマッチした優しいタッチで描かれ、作品全体から安心が伝わってくるところが良いですね。多少百合風味もあるので、その辺が好きな人にもいいかも。
癒し系日常系が好きな人、まったりしたい人なら特に楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。
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