2016年11月18日
【ドリフターズ】マンガ 感想&あらすじ 異世界に呼び出された歴史上の英傑たちによる夢の共演
ヤングキングアワーズ。2009年6月号より連載中。既刊5巻
作者:平野耕太
他作品:HELLSING
1600年関ヶ原、烏頭坂。戦国武将島津家家臣・島津豊久、天下分け目の大戦にて、叔父・義弘を逃がすため島津の退き口を展開し、井伊直政に一矢報いるも単身での突撃により自身も瀕死の重傷を負う。戦場を彷徨う豊久だったが、生死の狭間で現れた謎の男により、突如異世界へと飛ばされてしまった。
見た事もない種族を目にした直後に気を失い、連れられた先で目を覚ました豊久の前に現れたのは、自身と同じように飛ばされてきたという織田前右将信長、さらに那須資隆与一と名乗る英傑たちだった。
成り行きでエルフの村を開放した豊久たちは、ある軍団に対抗するため、異世界での国盗りへと舵を取る。
・島津豊久
主人公。漂流者の1人。戦国時代における戦闘民族・島津家の武将。30歳。関ヶ原、島津の退き口での死闘により瀕死の重傷を負ったところを転送。首級をあげることに強い執着を示し、ついたあだ名が「妖怪首おいてけ」。常人離れした身体能力を持ち、考えるより本能に従い行動に移す単純な性格。
・織田信長
戦国三英傑の1人。第六天魔王と自称した戦国武将・大名。49歳。本能寺の変にて、乱丸と共に脱出しようとした折に転送。無精髭を生やし、眼帯を付けた愉快なおじさん。卓越した智略・戦術眼を持つ冷徹非常な策略家。自らは裏に回り、豊久を王にするため行動しています。
・那須与一
源平時代の弓の名手。19歳。女性のような美しい容貌を持つ美少年。上に10人に兄がおり、兄弟の中で自分が一番ブサイクとのこと。主であった義経に対しては手段を選ばない卑劣さから快く思っていませんが、強制することをしない豊久には好感を持っているようです。麗しい見た目に反してかなりの戦闘狂。
・オルミーヌ
導師結社「十月機関」の構成員。眼鏡をかけ金髪ツインテールにした巨乳の女性。安倍晴明の支持により豊久一行を監視していたが、あっさりバレてしまい拘束され、その後はこの世界の説明をしながら行動を共にしています。信長からは「オッパーヌ」「オッパイメガネ」などといじられ、まともに名前を呼んでもらえずにいます。
・安倍晴明
平安時代の陰陽師。導師結社「十月機関」の長。構成員からは「大師匠」と呼ばれています。見た目は20代男性にしか見えないが、実際の年齢は83歳のおじいさん。符術の達人。間違いは正さなければいけないという考えから、廃棄物をこの世界から滅ぼすために「十月機関」を結成。
・黒王
亜人種を従える廃棄物の王。素顔も正体も全てが謎に包まれた存在。かつては人を救おうとしたが、その人間に拒絶され、今では強い憎しみを抱き世界から滅ぼそうとしています。手を触れただけで傷を癒し、食糧を増やす特殊な能力を持つ。手のひらには杭で打たれたような穴が開いています。
【eBookJapan】 ドリフターズ 無料で立ち読みできます
様々な時代から異世界に飛ばされてきた<漂流者(ドリフターズ)>と呼ばれる歴代の英傑たちと、同じように呼び出された世界の全てを憎む英傑・<廃棄物(エンズ)>たちとの世界の存続をかけた戦いを描いた物語。
『HELLSING』で有名な著者・平野耕太さんによる、様々な歴史上の英傑・偉人が登場する異世界ファンタジーアクション漫画です。アニメ化にもなり、2016年10月より放送中です。
物語の舞台となるのは、人間種のみならず、エルフやドワーフ、オークやゴブリンなどの亜人種、はてはドラゴンまで存在する世界。
世界観を簡単に説明しますと、日本の武将や軍人、ローマの英雄、カルタゴの戦術家、西部劇に出てくるガンマンなど、歴史上の様々な英傑・偉人、有名人が一つの世界、同じ時代に終結し、関ヶ原での東軍・西軍のように<漂流者(ドリフターズ)>側と<廃棄物(エンズ)>側に別れ、世界の命運をかけて争っている世界。歴史上の有名人達によるフェスティバルと言っても良いかもしれません。
「紫」という謎の男に呼び出された者達が<漂流者(ドリフターズ)>。生死の狭間をさまよっていた者達が死の間際に飛ばされ、意識も能力も現実世界そのままの状態で残っています。生死不明とされている人物などで構成されてますね。
「EASY」という謎の少女に呼び出されているのが<廃棄物(エンズ)>。深い恨み憎しみを抱きながら非業の死をとげた者達によって構成されており、溢れ出る負の感情により正常な精神を喪失しています。炎や氷などを操る異能持ち。
これは明確に説明されているわけではないため、何か別の理由があるかもしれません。
何と言っても魅力は濃すぎる登場人物たち。そして、その人物たちによる夢の共演ですね。
織田信長や安部清明、ジャンヌ・ダルクにハンニバルなど、様々な作品で主役級を張るキャラが次から次へと登場してくる作品です。異世界に飛ばされたのが仮にその中の1人や2人だけでも物語は十分面白くなるところ、沢山集めて戦わせてしまおうというのだから胸踊ります。
勇猛な気質を持つ戦闘に特化した一族である島津の武将・豊久と、士道を貫く幕末の戦闘集団新撰組の副局長・土方との戦い。
日ノ本に変革をもたらし統一まであと一歩にまで迫った戦国のカリスマ・織田信長と、ロマノフ王朝を裏から操り滅亡に追い込んだ怪僧・ラスプーチンとの国乗っ取り合戦。
あと、戦闘機とドラゴンの戦いなど、現実では決してお目にかかれない者同士の立合いは必見。
人物像は作者さんの独自解釈が強めなのか、信長にしろハンニバルにしろ、彼らが登場する他作品とは違った性格をしているのも面白いところですね。
さらに面白いポイントが、当時はなかった、あるいはこの世界にはなかった武器や戦術を、過去の武人・軍人・戦術家や異世界の種族が知ったらどうなるのか?というところにもあると思います。
信長やハンニバルが機関銃や戦闘機を持っていたらどんな戦術を立てるのか、考えただけでも身震いします。ハンニバルの機関銃を見たときの「なにこれすごい。これくれ、ちょっとローマ滅ぼしてくる」には笑いましたね。
本来交わることのなかった者(物)が巡り合い、新たな展開が生まれようとしている様からは、次に何が起きるのかという興味が尽きません。
この作品の最大の謎、「黒王」の正体は誰?というところにあり、私も非常に気になっています。
現時点でも変わらずフードを深々と被っているため素顔すら判然とせず、イエス・キリスト、神武天皇、天草四郎時貞説など、様々な予想が飛び交ってますね。
手の平にある杭で打たれたような穴、傷を癒し食料を増やす奇跡の技、無花果など、彼の発するセリフからもイエス・キリストを思わせる要素が多いんですよね。だからこそ、あまりにも思わせぶりな要素が多すぎることからして、私はキリストはミスリードだと思っています。
とは言っても、「なら誰?」と聞かれたら困ってしまうわけですけど。私は天草四郎時貞説を推してたんですが、近代戦術を知ってるあたり実はオルテ建国したヒトラーなんじゃないか?とも思っています。彼が死んだと言われてから国王が出てきた気もしますから。ただ、黒王は生前人々を救おうとした人物ということなので、それを考えるとヒトラーは難しいですよね。もう完全に迷走中です。
とにかく面白いです。キャラクター、ストーリー共に最高の出来に仕上がっている作品だと思います。ギャグとシリアスのバランスもよくとれているので、軽くなりすぎることも重くなりすぎることもなく読み易い。『HELLSING』でも見られた圧倒的な画力による迫力と深みのある絵は今作でも発揮されています。
難点をあげるとしたら、なかなか新刊出ないことですね。2009に開始したのに現時点で発行されたのはまだたったの5巻ですから。
各種クセの強い作風ではありますが、ハマる人はそのクセにこをとことんハマる面白さがありますので、よければ読んでみてください。強くおすすめさせていただきます。
作者:平野耕太
他作品:HELLSING
あらすじ・概要
1600年関ヶ原、烏頭坂。戦国武将島津家家臣・島津豊久、天下分け目の大戦にて、叔父・義弘を逃がすため島津の退き口を展開し、井伊直政に一矢報いるも単身での突撃により自身も瀕死の重傷を負う。戦場を彷徨う豊久だったが、生死の狭間で現れた謎の男により、突如異世界へと飛ばされてしまった。
見た事もない種族を目にした直後に気を失い、連れられた先で目を覚ました豊久の前に現れたのは、自身と同じように飛ばされてきたという織田前右将信長、さらに那須資隆与一と名乗る英傑たちだった。
成り行きでエルフの村を開放した豊久たちは、ある軍団に対抗するため、異世界での国盗りへと舵を取る。
主要登場人物
・島津豊久
主人公。漂流者の1人。戦国時代における戦闘民族・島津家の武将。30歳。関ヶ原、島津の退き口での死闘により瀕死の重傷を負ったところを転送。首級をあげることに強い執着を示し、ついたあだ名が「妖怪首おいてけ」。常人離れした身体能力を持ち、考えるより本能に従い行動に移す単純な性格。
・織田信長
戦国三英傑の1人。第六天魔王と自称した戦国武将・大名。49歳。本能寺の変にて、乱丸と共に脱出しようとした折に転送。無精髭を生やし、眼帯を付けた愉快なおじさん。卓越した智略・戦術眼を持つ冷徹非常な策略家。自らは裏に回り、豊久を王にするため行動しています。
・那須与一
源平時代の弓の名手。19歳。女性のような美しい容貌を持つ美少年。上に10人に兄がおり、兄弟の中で自分が一番ブサイクとのこと。主であった義経に対しては手段を選ばない卑劣さから快く思っていませんが、強制することをしない豊久には好感を持っているようです。麗しい見た目に反してかなりの戦闘狂。
・オルミーヌ
導師結社「十月機関」の構成員。眼鏡をかけ金髪ツインテールにした巨乳の女性。安倍晴明の支持により豊久一行を監視していたが、あっさりバレてしまい拘束され、その後はこの世界の説明をしながら行動を共にしています。信長からは「オッパーヌ」「オッパイメガネ」などといじられ、まともに名前を呼んでもらえずにいます。
・安倍晴明
平安時代の陰陽師。導師結社「十月機関」の長。構成員からは「大師匠」と呼ばれています。見た目は20代男性にしか見えないが、実際の年齢は83歳のおじいさん。符術の達人。間違いは正さなければいけないという考えから、廃棄物をこの世界から滅ぼすために「十月機関」を結成。
・黒王
亜人種を従える廃棄物の王。素顔も正体も全てが謎に包まれた存在。かつては人を救おうとしたが、その人間に拒絶され、今では強い憎しみを抱き世界から滅ぼそうとしています。手を触れただけで傷を癒し、食糧を増やす特殊な能力を持つ。手のひらには杭で打たれたような穴が開いています。
【eBookJapan】 ドリフターズ 無料で立ち読みできます
感想
様々な時代から異世界に飛ばされてきた<漂流者(ドリフターズ)>と呼ばれる歴代の英傑たちと、同じように呼び出された世界の全てを憎む英傑・<廃棄物(エンズ)>たちとの世界の存続をかけた戦いを描いた物語。
『HELLSING』で有名な著者・平野耕太さんによる、様々な歴史上の英傑・偉人が登場する異世界ファンタジーアクション漫画です。アニメ化にもなり、2016年10月より放送中です。
物語の舞台となるのは、人間種のみならず、エルフやドワーフ、オークやゴブリンなどの亜人種、はてはドラゴンまで存在する世界。
世界観を簡単に説明しますと、日本の武将や軍人、ローマの英雄、カルタゴの戦術家、西部劇に出てくるガンマンなど、歴史上の様々な英傑・偉人、有名人が一つの世界、同じ時代に終結し、関ヶ原での東軍・西軍のように<漂流者(ドリフターズ)>側と<廃棄物(エンズ)>側に別れ、世界の命運をかけて争っている世界。歴史上の有名人達によるフェスティバルと言っても良いかもしれません。
「紫」という謎の男に呼び出された者達が<漂流者(ドリフターズ)>。生死の狭間をさまよっていた者達が死の間際に飛ばされ、意識も能力も現実世界そのままの状態で残っています。生死不明とされている人物などで構成されてますね。
「EASY」という謎の少女に呼び出されているのが<廃棄物(エンズ)>。深い恨み憎しみを抱きながら非業の死をとげた者達によって構成されており、溢れ出る負の感情により正常な精神を喪失しています。炎や氷などを操る異能持ち。
これは明確に説明されているわけではないため、何か別の理由があるかもしれません。
何と言っても魅力は濃すぎる登場人物たち。そして、その人物たちによる夢の共演ですね。
織田信長や安部清明、ジャンヌ・ダルクにハンニバルなど、様々な作品で主役級を張るキャラが次から次へと登場してくる作品です。異世界に飛ばされたのが仮にその中の1人や2人だけでも物語は十分面白くなるところ、沢山集めて戦わせてしまおうというのだから胸踊ります。
勇猛な気質を持つ戦闘に特化した一族である島津の武将・豊久と、士道を貫く幕末の戦闘集団新撰組の副局長・土方との戦い。
日ノ本に変革をもたらし統一まであと一歩にまで迫った戦国のカリスマ・織田信長と、ロマノフ王朝を裏から操り滅亡に追い込んだ怪僧・ラスプーチンとの国乗っ取り合戦。
あと、戦闘機とドラゴンの戦いなど、現実では決してお目にかかれない者同士の立合いは必見。
人物像は作者さんの独自解釈が強めなのか、信長にしろハンニバルにしろ、彼らが登場する他作品とは違った性格をしているのも面白いところですね。
さらに面白いポイントが、当時はなかった、あるいはこの世界にはなかった武器や戦術を、過去の武人・軍人・戦術家や異世界の種族が知ったらどうなるのか?というところにもあると思います。
信長やハンニバルが機関銃や戦闘機を持っていたらどんな戦術を立てるのか、考えただけでも身震いします。ハンニバルの機関銃を見たときの「なにこれすごい。これくれ、ちょっとローマ滅ぼしてくる」には笑いましたね。
本来交わることのなかった者(物)が巡り合い、新たな展開が生まれようとしている様からは、次に何が起きるのかという興味が尽きません。
この作品の最大の謎、「黒王」の正体は誰?というところにあり、私も非常に気になっています。
現時点でも変わらずフードを深々と被っているため素顔すら判然とせず、イエス・キリスト、神武天皇、天草四郎時貞説など、様々な予想が飛び交ってますね。
手の平にある杭で打たれたような穴、傷を癒し食料を増やす奇跡の技、無花果など、彼の発するセリフからもイエス・キリストを思わせる要素が多いんですよね。だからこそ、あまりにも思わせぶりな要素が多すぎることからして、私はキリストはミスリードだと思っています。
とは言っても、「なら誰?」と聞かれたら困ってしまうわけですけど。私は天草四郎時貞説を推してたんですが、近代戦術を知ってるあたり実はオルテ建国したヒトラーなんじゃないか?とも思っています。彼が死んだと言われてから国王が出てきた気もしますから。ただ、黒王は生前人々を救おうとした人物ということなので、それを考えるとヒトラーは難しいですよね。もう完全に迷走中です。
とにかく面白いです。キャラクター、ストーリー共に最高の出来に仕上がっている作品だと思います。ギャグとシリアスのバランスもよくとれているので、軽くなりすぎることも重くなりすぎることもなく読み易い。『HELLSING』でも見られた圧倒的な画力による迫力と深みのある絵は今作でも発揮されています。
難点をあげるとしたら、なかなか新刊出ないことですね。2009に開始したのに現時点で発行されたのはまだたったの5巻ですから。
各種クセの強い作風ではありますが、ハマる人はそのクセにこをとことんハマる面白さがありますので、よければ読んでみてください。強くおすすめさせていただきます。
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