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2018年12月17日

診察 〜 とある美術展

8 時起床.
快適な朝を迎えられた. 鬱と疲労感が無い日が二日続いた.
辛かった鬱の波から回復しつつあるのかも知れない.

午前中はクリニックに診察を受けに行った.
主治医に午前中に起きられたことを伝えると, 本当に良かったねと言ってくれた.
しばらくは無理せず休むことに専念しなさいとも.

診察が混み合っていて長時間待った.
数学をやって時間を潰したが, 診察を受け, 薬を出してもらってクリニックを出る時にはすでに午後 2 時を回っていた. 長かった.
しかし時間があったおかげで, これまで延々と行き詰まっていた計算が何をやっているのかが整理できて良かった.
抽象度の階段を一つ上ったら全体の輪郭が見えてきた感じ.
この考え方が間違っていなければの話だが.



そこから銀座に向かう. ギャルリさわらびという画廊.

櫻井陽司+東千賀+安彦講平『不合理ゆえにわれ信ず』という美術展を観た.
※: 櫻井陽司 (さくらいようし), 東千賀 (ひがしちか), 安彦講平 (あびここうへい)

東さんの個展は去年も観たが, 今回は三人展である.
自分にとっては暗く陰鬱に感じられる絵が殆どだったが, とても良い展示だったと思う.

東さんの『少女』という鉛筆画と『無題』という油彩画が印象に残った.

東さんの作品にはペンや鉛筆での細密画が多い.
表わすのが難しいが, それらの絵には死を真近にした生き物から漏れ出る体液の臭いのような気持ちの悪さがあって, そういうところに惹かれる.

『少女』という絵にはそれが無い.
何かに微笑みかけている可愛らしい少女の絵である. 執拗に描き込まれた髪と, 好奇心もしくは喜びに活き活きと輝く瞳の表現が凄い.

『無題』は何が描かれているのかわからない.
最初は二人の女性だと思ったのだが, 違うかも知れない. 水の流れる風景だろうかとも思うがわからない.
構図もどこか不安定なことに気付く.
観ているうちに不気味な感覚に襲われてくる.

この二枚の絵はじっくりと時間をかけて見た.
そのうち自分である程度消化できたら, 真似をして描いてみようと思う.
一枚の絵が心に消えない傷を残す事がある. その傷の痛みに陥ったと思う.

画廊から地下鉄の駅に向かう帰り道の途中, 気分が沈んできた.
この程度なら大丈夫だろうと思っていたが, 次第に抑鬱感が酷くなってきて, どうにもならずに落ち込んだ状態でアパートに帰った.

布団を敷いて寝込む.
posted by 底彦 at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常生活
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