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2016年11月06日

275.Batman :Arkham City

バットマン アーカムシティ



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「バットマン :アーカムシティ」のレビューです。
 実績に関わるDLCを全て落として遊びましたが、相変わらずの圧倒的な世界観や白熱のコンバット、プレデター戦にお腹いっぱいです。当分バットマンはいいや(笑)

公式サイト

 しかしながら個人的には今作シティよりも前作アサイラムの方が楽しめた感があります。
 今作の戦闘は技の種類が増えコンバットにもプレデターにもかなり融通が利くようになり、確かに前作よりはゲームとして非常に遊びやすくなったと思います。
 ですが今作のストーリーは敵同士の確執の中に何も知らないバットマンがぽいっと放り込まれたような状況で、かつ三つ巴が四つ巴になりどんでん返しが唐突で〜と、ま、それ自体の賛否は置いといて、そんな状況で悪戦苦闘するバットマンにどこか振り回され感やお遣い感を禁じ得ません(四つ巴って言葉があるのかは疑問 笑)。
 確かに前作とは違ってオープンワールド風になり、攻略の順番こそ選べませんが歩ける範囲は格段に広がり、その中でリドラーチャレンジを探す楽しみは増えました。
 でもレールアクション(一方通行戻り不可のアクション)にはレールアクションの良さがあるので、若干映画的な演出、時間の流れを感じさせるようなダイナミックなゲーム性は失われてしまったかなぁ、と。

 前作ではバットマンVSジョーカーという構図がはっきりしていたのに対し、今作では場に応じて敵がころころ変わるのも手伝っていると思います。

 翻訳に関しては前作と同レベル。DLCでの字幕など、若干質が下がっている気もしますが世界観を壊すほどではないと思います。

 それよりも強烈に印象に残ったのが膨大なチャレンジモード、リドラーの復讐でした。
 前述の通りほぼ全DLCを導入したので(実績追加なしの有料チャレンジマップのみ未購入)アーカムシティプレイの8割くらいはチャレンジモードの挑戦でした(笑)
 二週間くらいリドラーのドヤ顔を見せつけられ続けました(汗)

 前作と同じくコンバットとプレデターの単一マップに加え、これらを三つ組み合わせて通してクリアするキャンペーンというモードが追加されました。
 実のところステージマップ自体は少ないのですが、これが6種類にそれぞれ敵の構成やお題を変えた上級マップが存在し全12種類がコンバット、プレデターそれぞれにあり全部で24種類。ランキング対応なのでこれをランクド・チャレンジと呼びます。
 この中からそれぞれ三つずつを合わせたキャンペーンが12種類。
 ついでにキャラDLCと共に追加されるコンバット二種類とプレデター二種類とキャンペーン二種類。
 これらのステージを四人のキャラで制覇するので……。

 バットマン:ランクドチャレンジ24種×各3メダル=72
       キャンペーン12種×9メダル=108

 キャットウーマン:同上

 ロビン:上に加え、ロビンDLC追加時のボーナスマップ。ランクド2種とキャンペーン1種。

 ナイトウィング:バットマンのものに加え、ロビンとは違うボーナスマップのランクド2種とキャンペーン1種。

 ね、すごいメダルの数でしょ(汗)
 でもぶっちゃけストーリーよりも、このバットマンシリーズの粋を合わせたコンバット、プレデターを堪能できるチャレンジの方が断然面白かったです。
 コンプまでの道のりはなかなか険しいのですが、モチベーションは高いと思います。

 さて、今作のコンバットモードは前作に比べかなり敷居が低くなりました。
 技の種類が増え、様々な状況に対応できるようになった上、要求スコアもシビアな値ではなくなったと思います。
 相変わらずのコンボ至上主義であり、コンボを繋げることが至上命題ではあるのですが、技の組み合わせや締めにGTDを意識する必要はなくなりました。
 というか各キャラで使える周囲攻撃というのが非常に強力で(性能的にもスコア的にも)使えるようになったら逐一こいつを振っておくだけでスコアがもりもり上がるという新設設計(?)なんですよね。厄介なタイタンやアブラモビッチもこの攻撃で怯むので多少運は絡みますが御しやすくはあります。
 なのでコンバットチャレンジはかなり易しく、キャンペーンモードにおいては息抜きの時間です。厄介なMODはここで消化しておくのが一番です。

 プレデターの仕様については前作と変わりありませんが、お題の中には難しいものも含まれているのが厳しいです。
 前作同様、敵は初め既定の巡回ルートを通っているのですが、倒れた味方を発見したり、バットマンの存在を感知するとルートから外れ、ランダムな移動に切り替わります。
 これが実に厄介で、たとえば「一度の壁爆破で三人の敵を気絶させる」というものがあると、じっと隠れていても壁の前で三人が集まる、などという状況は絶対に生まれませんので、何かしら自分で誘導する必要があります。
 あるいはプレデターマップでタイムリミットのMODをどうしても選ばなくてはならなくなった時。
 これが本当に厄介で、思ったように動いてくれないことが多く、かなり運に頼った攻略になることも多々あります。
 そしてやられると内部ロードが終わるまで飛ばせないリドラーのドヤ顔を見せつけられることに(笑) 地味にストレスです。仕方ないけどね。

 チャレンジモードのコンプにおいて一番きついのはガジェットでのごり押しが利かないキャットウーマンのプレデターではないでしょうか。
 一番きつく感じ、時間もかかりましたが、諦めるという選択肢はまったく思い浮かばず、そして達成した時の嬉しさも一入(ひとしお)でした。

 そして、カウンター表示が消え、敵の攻撃にスローが入らないニューゲーム+モードですが、前周の知識とチャレンジモードで鍛えた私に隙はないのであった(笑)
 余裕でクリアできます。

 そうそう、ストーリー中のリドラートロフィーですが、私の探し方が甘いのか(今作では特定の敵に尋問することで徐々にトロフィーやリドルの在処がわかっていきます。その敵は遠くからでもよく目立ち、誤って倒してしまっても復活します)、ほんの一部マップに表示されないものがありました。
 奇跡的にそれらはノーヒントで見つかったので事なきを得ましたが、詰んでいたらと思うとゾッとしますね。

 再三申しますがチャレンジモードは楽しい反面ストレスもきっちりもらいますので、別の癒しゲームも用意しておきましょう(笑)

攻略サイト


2016年10月19日

274.Dragon Age II

Dragon Age II (ドラゴンエイジII)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ドラゴンエイジ2」のレビューです。

 前作ドラゴンエイジ:オリジンズにて描かれる「ブライト」の戦火から逃れるため、海を渡ってとある街に辿り着いた主人公ホークとその家族たち。
 彼、もしくは彼女がこの街で英雄と呼ばれるまでになった過程を描いたRPGです。

 世間では、世界の危機「ブライト」とそれを鎮めた救世主の物語であるオリジンズに比べ、街とせいぜいがその郊外でイベントが決着し、いわゆるサクセスストーリーに終始する本作はあまり評価が良いとは言えません。
 しかし個人的には本作の方が楽しめた感があります。

 オリジンズの攻略がかなり以前のことなので、大分記憶があやふやなのですが、当時私がオリジンズに感じたのは、ほとんどのキャラクターがそれぞれの種族の代表のような立ち居振る舞いをしており、あまり個性やその人個人を感じられず、常に大局を眺めているような気分に陥ったことでした。

 その点、本作でのストーリー視点はかなりミクロ寄りになり、種族ではなくそのキャラ個人の性格や人生観が浮き彫りにされているように感じます。
 もっと言えば、前作およびAwakening(未プレイ 汗)でも登場したアンダースは、もっとも好きになれず、また客観的に見ても多くの人に好かれないだろう性格をしていました。
 というのも彼はオリジンズで私が感じたままのマクロすぎる立ち位置に固執しており、なんというか「自分と世界」の間に「あなた」がいない、思春期特有の人格成型途中の気が見て取れるのです。
 ありていに言えば中二病であり、それは彼が人生の大半をサークルでの幽閉に費やしたと考えると、Act3メインミッション「野放し」に出てくるあのボンボン貴族のように、「大人になれずに大人になった」ようにも思え、そこを意識してキャラ作りをしているなら、やはりさすがはバイオウェア、人物描写の技術は飛びぬけていると思います。

 アンダースは二言目には教会は〜、テンプル騎士団は〜、魔道士は〜と宣い、線引きされたカテゴリの中で物を語ろうとします。
 その癖自分の中に棲みつく精霊を出汁に「俺は危険な奴なんだ、近づくな」と自分にもレッテルを貼り、その思想を他人に押し付けようとします。
 嫌な奴ではないんだけれど、他のパーティーメンバー全員が各々の問題と良識と、他人に対する一定の距離を持っているのに対し、彼だけが喧嘩腰で、どうにも精神年齢が一回り低く見えるんですよね。
(仲間クエストの最終盤において、ストーリー序盤から抱えていた問題を解決するにあたり、唯一その道を諦めさせられないキャラでもあります)

 まぁ、アンダースについてはこの辺にしておいて、そんなわけで本作では人と街そのものが主役でもあり、世界であり、その世界の問題はやや簡潔にまとめられています。
 政治と、二つの集団の対立と、外からの脅威です。

 街は初めから危ういバランスの元に成り立っており、この秩序がいつ崩壊してもおかしくない状況でした。ここに住むすべての人が、この状況から脱し、安定を求めて動き回っている結果でもあります。
 主人公はこの問題に巻き込まれ、成り行きで権力を手にしたと見ることが出来、「こいつが来なきゃこんなことにはならなかったんじゃないか」とか、「よくわからんうちに英雄になっちゃった」とか、否定的な意見を見ることもできます。
 ただ、もう少し深読みすると、前述の通り街は既に危ういバランスに瀕しており、ホークが手を出さずともいずれ崩壊していたはずです。
 ご都合主義的にたまたまホークが注目され英雄となったのかもしれませんが、彼/彼女自身もまたこの街に生きる一市民として、街の現状に疑問を抱き、彼/彼女なりのやり方で皆と同じように動き回り、住みよい街に、故郷と呼べるよう自分の好きな場所にするべく走り回った結果だと、私は思うのです。

 ドラゴンエイジ=竜の年という「時代」をテーマにした本シリーズですから、この歴史に大きな亀裂を残すブライトを描くのは当然ですが、この激動の時代に在った一つの街を舞台にその群像劇を表現するのも、タイトルにしっかりとマッチしたやり方だと思います。
 本作もまた非常にドラゴンエイジらしい、と感じました。

 たとえば戦国時代、というと合戦の様子ばかりが描かれますが、安土桃山文化に生きる人々の暮らしや悲喜こもごもを著(あらわ)すのも、戦国時代という時代の一つの描き方ではないでしょうか。

 ちょっと難しい? 話になってしまったけど、それぞれのキャラがどいつもこいつも皮肉屋で会話スキルが妙に高く、その辺がまたドラゴンエイジらしくて、でもってドワーフのヴァリックの感嘆するほどの面倒見の良さや、鉄面皮のアヴェリンの思わずにやけるラブコメやら、非常に楽しめたんですよ。
 Actが進むごとに三年刻みで年代も進み、その都度街の様子が少しずつ変わっていくのが味わい深いです。
 あたかもハイファンタジーの世界の、一つの都市の中で、様々な人と触れ合いながら暮らしているようです。

 また本作の良い点は好感度の仕様が見直されたことだと思います。
 前作では仲が悪くなるとパーティーを離脱してしまうことがあり、八方美人の良い子ちゃんを演じなければならない向きがありました。
 しかし本作では(選択肢次第ではやはり離脱もあるのですが)、仲が悪いのではなく意見が対立する、というシステムに変更されており、たとえ自分と意見が合わなくとも自らの主義を信じ突き進む姿には尊敬の念を覚える、という感覚がよく表現できていると思います。
 これによってたとえば魔道士は悪であり、テンプル騎士団によって管理されるべきだ、と考えるフェンリスと真っ向から対立し、魔道士は不当に扱われていて、解放されるべきだと主張する主人公とロマンスを開始し、成し遂げることだってできるし、「テンプル騎士団のやり方は気に食わないけど、お前にはついていくよ」と説得することも可能です。
 初回プレイにおいてより自分らしい(プレイヤーらしい)選択肢を選べるようになって、これは良いシステムだと思いました。

 ただ、このシリーズを通してちょっとした不満があります。
 それは、「発展」しない、という点です。

 正+反=合

 という式があります。
 これは対立する二つの意見を鑑み、そのどちらも凌駕する、あるいはまったく別の方向へと導く別の回答を提示する、という考え方で、私は小説専門学校に通っている際に先生から教わりました。

 ドラゴンエイジには、この考え方が存在しないのです。

 プレイヤーには選択する自由という采配が与えられており、それによってプレイヤーだけの歴史を作ることができます。
 しかしそれはいつだって、対立する二つの立場のどちらを選ぶか、ただそれだけのなのです。
 作中では、どちらの陣営の良い部分も悪い部分も存分に描かれます。
 だからこそどちらの陣営を選ぼうとも痛みと喜びがついて回り、それがプレイヤーに一つの感動と次周へのモチベーションを与えるのですが。
 ゲーム内キャラクターはどちらの陣営も、我が陣営こそが正義であり、まぁ多少まずいところはあるんだけれども、あらゆる物事、要素にたいして相手には譲れない、清濁併せ呑んだ上で支配するか、あるいはされるか、という頑固者たちです。

 どうして自らの非を認め、自浄する、自らが自らを見つめなおすという行為をしないのでしょうか。
 テンプル騎士団は魔道士たちに冷酷すぎると非難することは出来ても、「それはしょうがないことだ」と一蹴され、魔道士たちに対する新しいルールを考えるという道はありません。
 同様に魔道士側にも、絶対悪であるブラッドマジックの存在を黙認し、テンプル騎士に対する切り札としている節があります。
 テンプル騎士団が魔道士にもう少しの自由を与える代わりに、サークル自体が魔道士を管理し、ブラッドマジックの撲滅を誓えば、それはなかなかに住みやすそうな街が出来上がるのですが……。

 この辺の考え方をゲームに落とし込もうとすると、それはもうゲームではなくなってしまうのかもしれませんが。
 やはりどちらかを切り捨てるだけの選択は、個人的には辛いものがあります。

 まぁ、クナリ族を見て「やっぱり共産主義っていつも叩かれてるなぁ」とか、DLCの配信が止まって久しいので「あぁ〜DLCもやりたかったぁ、やりたかったなぁ〜……(中古で買ったので付属のコードは使用済みでした 泣)」とか、誤字をちょいちょい見かけるけど翻訳の質は非常に高く、追従を「ついしょう」と読んでくれたことに感動したり(追従には「ついじゅう」と「ついしょう」と二つの読み方がありますが、私は単純に付き従う意味を「ついじゅう」、へりくだってちょっと嫌味を持つ時を「ついしょう」と読んでいます。本作ではその意味を正しく使ってくれたと感じて感動しました)、そんなくだらないことも考えながらちゃんと楽しみました。

 ONEも持ってないくせに今からインクイジションが楽しみで仕方ないっす(笑)
*日向さんのプレイ日記やすっごい綺麗な画像を見てると、ため息が漏れます。

攻略サイト


2016年10月06日

273.Riot Act2

ライオットアクト 2【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ライオットアクト2(原題Crackdown2)」のレビューです。

 やることは同じでも若干コンセプトの方向性が違っていて、これはこれで十分に楽しめました。というか1から超絶遊びやすくなっているのでそれが一番の驚きでした(笑)
 でもまぁ、遊び終わってみると、なんだかんだで1の方が中毒性があったかなぁ。
 あの、えぐみも渋みも残る開発中の新食材みたいな感じが夢中にさせてくれて、完成品となり灰汁や渋みを取り切ってマイルドになったのが本作。あの、ちょっと身体によくない感じが懐かしいなぁという感じ。

 オーブレーダーでアジリティもシークレットも場所がわかり、Statsメニューから現在の取得数、総数、各地域ごとの総数もわかり、各アクティビティの場所も丸わかり……スタントリングだって一度発見すればマップに記載され、潜れるまでそこにある、これでもかと言わんばかりの新設設計です。

 また、1をプレイしてすぐ後に始めたので、ゲーム内時間で10年経ったパシフィックシティの変わりようがなんだか感慨深くもありました。
 ……というか崩壊しすぎじゃね?
 屋上の亀裂や壁に植物が群生していたりと、まるで数百年経った遺跡のような建物もあったりして、1をクリアした直後には既にこの荒廃は始まっていたとしか思えません。
 私はいったい何のために犯罪組織と戦っていたのか……そう思わざるを得ません(笑)

 1が美しい街をたっぷり堪能し、探索しつくしてくれ! この街の中で暴れろ! といったコンセプトなのに対し、本作はバトルそのものを楽しめ! 本能のままに暴れろ! といった感じです。
 どちらも似ているのですが本作ではより戦闘にフォーカスした仕様のように感じます。

 その根拠となる何よりのポイントがまず敵の数ですよね。
 本作は尋常じゃない数の敵が一気に襲ってくる集団戦がメインになります。
 このフリークどもは言ってみれば「ゾンビのような何か」なのですが、まさに「これなんてデッドラインジング?」と言わんばかりにひしめき合っていてかなり別ゲーです。

 フリークには太陽の光に弱いという弱点があって、昼間は地下に潜って大人しくしています。
 人々が安心して外に出られる昼間は、エージェントにとっては反乱分子との戦いというもう一つの仕事があって、この昼と夜とで街の空気ががらりと変わるシステムが斬新でした。
 夜明けを迎えてちょっとしたBGMが流れると本当にほっとさせてくれます。
 まぁ、難易度縛りはないので最低難易度でやればまず負けないのですが。
 そんな中で反乱分子の基地を叩く時、皆が帰る夜に襲撃すると痛い目を見るとか、逆に地下のフリークの巣を叩くときは昼間は避けた方が良いとか、ちょっとしたところにこのゲームらしさがあって面白いと思いました。
 前作では昼夜の概念がゲームプレイに関係ありませんでしたから。

 ただ、本作のミッションは基本的に定点防衛のみで、1のようにボスを目指して攻略するわけではありません。
 そのため1で使っていた抜け道や裏道などが死んでおり、あまり「パシフィックシティ」という街を意識できませんでした。

 さらに本作では移動手段としてヘリと、DLCですがスラスターという装備が存在し、特にこのスラスターは神すぎてメインミッション攻略中は使用を自重したほどです。
 これらの存在により車は単なるアクティビティクリアのための道具と化し、せっかく登りやすく調整された掴みだとかジャンプ高度だとかの改善点も霞んでしまっています。
 そのため高所に登って屋上から屋上へ、屋根から屋根へ、上から敵を狙撃して防御の穴を開き、そこから侵入、裏道を通ってボスへ肉薄、といった1で楽しかった攻略の肝がばっさり切られているんですよね。

 というわけで本作は一定の地点を守りつつ、四方八方から襲撃してくる敵を時間いっぱい迎撃する、ただこれだけの無双ゲーとなっています。

 このあたりが1と2とのコンセプトの違いを感じる点です。

 とはいえ反乱分子もフリークも1とは段違いの数で押してくるのでこれらをまとめて吹き飛ばす各種攻撃方法がなかなか爽快で楽しいです。
 これに的を絞ったDLC「デリュージ」も、何度かトライしてセオリーを見つけると途端に攻略しやすくなり、調子が良ければ無死で全50ウェーブクリアも可能です。
 制限時間は短く敵の数は多いのですが、戦い方を心得れば1ウェーブ1分もかからなかったりします。

 またルーフトップレースやロードレースなど1ではシビアだった基準タイムも大分甘くなったと感じましたし、スタントリングもちゃんと近くにジャンプ台代わりのものが用意されていたりして、大分素直になった印象です。

 そうそう、最後にウィングスーツ。
 ナレーションの言う通り扱うには慣れが必要で、結構な高所から飛ばないと上手く機能させられず、スラスターと組み合わせて使うのが一番輝くのですが、これで大空をぎゅんぎゅうんと飛び回るのが本当に気持ちよかったです。

・追記
 あ、デリュージですが、公開設定で一人で遊んでたら外人さんが一瞬だけ入ってきて感染実績を残して去っていきました(笑)
 なので私とデリュージ遊べば感染実績解除ですぜ! ついでにオン実績も解除しましょうぜ(最大3人必要)!

 対戦部屋に人はいませんが、キャンペーンにはたま〜に人がいる、かも?? といった感じですかね。


2016年10月02日

272.Riot Act

ライオット アクト【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日は「ライオットアクト(原題Crackdown)」のレビューです。
 Xbox初期のタイトルながら爽快感があり夢中になって攻略してしまいました。非常に楽しかったです。
 ただ、古い洋ゲーらしく、多種多様なやりこみ要素があるにも関わらず、不親切極まりない設計でもありました。操作キャラや車の操作も自然とは言えず、微調整やハンドリングに苦労することでしょう。

 本作はオープンワールドタイプのアクションゲームです。
 特徴的なのはカテゴリ分けされたオーブ(経験値)を溜めることで段階的にキャラが成長していき、超人的なパワーを得るところでしょうか。
 移動スキルを成長させるアジリティオーブは基本的にビルの屋上など高いところにあるのですが、ぴょんこぴょんこ飛び上がって、屋上から屋上へ飛び移るのがすごく気持ちいいんです。
 で、アジリティオーブを取って移動スキルが上がれば更に速く走り、高く跳べるようになるので、そのうち目も眩むような超高層ビルなども登頂可能になります。

 スタントやレースなど、無いも同然のストーリーに反してやるべきことは豊富です。種類は多くとも、案外数は少なめですが、どれも一筋縄ではいかないやや高めの難易度でしょうか。
「暴れちゃえ!」というコンセプトがきちんとプレイングに浸透している、良いゲームでした。

 しかし無視するわけにはいかない欠点も多々あります。
 まとめるなら、不親切で理不尽。これに尽きます。

 高いところへ到達するには取っ掛かりを探してぶら下がりながら登ることになります。
 次元(笑)の言う通り指が掛かるならどこでも登れますが、この指が掛かる判定が非常に小さく、うまく引っ掛けてくれないことも多々あります。でもってさっさと飛び降りたいのに指が掛かってもたついたり……。
 本作の楽しさの肝でもあるのでもう少し調整が欲しかったところです。

 全体マップにはリスポン地点となるサプライポイントと抹殺目標の場所しか記載されておらず、活動の本拠地となるキープから各島へと繋がる連絡通路の場所も描かれていないので、初見時はまず自分が出てきたところを脳内マップに書き留めるところから始まります(笑)
 押収車を格納する時に困りました。
 まぁ、三箇所なので覚えるのは簡単ですけど。
 何気にサプライポイントは到達しにくい高所にあることが多いので、一度地面に下りてしまうと登りなおさなければならなくなり、若干面倒です。気軽に戻れません。

 なにより酷いのが全体マップに表示される自分の現在位置がずれてること(笑)
 そして主な三つの島で、ずれ方が違うこと……。
 たしかロス・ムエルトスは本当の位置から東北東、ヴォルグは北東、シャイゲンはほとんど差なし、だったかな。
 これに気づかないとオーブ集めが迷走します。

 他にもスタントやロードレース、ルーフトップレース、ストックパイル等各地のアクティビティの開始地点も未記載です。適当にやってると「ロードレースのあと一個が見つからない!」とかあります。

 これは一種のコレクティブルなので地図記載はないのが当然かもしれませんが、前述のアジリティオーブとシークレットオーブはそれぞれ500と300が各地に散りばめられており、これを探すのが非常に骨が折れます。

 最初様子見として何も考えずに下見のつもりで遊んだのですが、アジリティもシークレットも面白いくらいにそこらじゅうで見つかるので調子に乗って取りまくっていたわけですよ。
 いつしか本気プレイになっていて、遊びも中盤そろそろ各オーブ実績を狙おうかって時にこの膨大な数が牙を剥きました。
 馬鹿みたいに高いところに登って辺りを見渡せば大抵のアジリティオーブは見つかるので、奇跡的にアジリティはノーヒントで500個揃えることが出来たのですが、シークレットオーブは300個中、最後の一個が見つからず、泣く泣く最初からキャンペーンを始めるという地獄を見ました。
 PC開くの面倒くさがった罰ですね。
 高いところに飛び上がるゲームなので街のデザインが縦横無尽に非常に複雑でして、当該の座標に行っても簡単には見つからないんですよ。

 とはいえ本作はクリアするだけなら相当短く、オーブ集めも楽しいし、たった一個のオーブを探すために島中を駆け巡ったので大抵のボスに肉薄するための裏道なんかも頭に入ってますので、実は何気に楽しくもありました。
 特に有るか無いかもわからないオーブの「音」を聴くために神経を研ぎ澄ます必要がないのですごく気楽でした。
(結局最後の一個は、「あそこに登るのは不可能だろう」と思い込んでいた場所で、他全ての場所は取り逃しはなかったことに気づきました)

 ここまでは良かったのですが、スタントやタイムアタック、ストリートレースはやや苦行の部類でした。
 私はスタントがすごく苦手です……。どのオープンゲーでも車スタントはホント勘弁してほしいです。
 でもって本作のビークルスタントはGTAやセインツロウなどとは趣が違い、どんな手を使ってでも車に乗った状態でスタントリングを通過(接触)すれば良い、ということなんです。
 運転スキルが上がると初めに持っていた専用ビークルがバットモービルのごとくガショガショと変形し、特別なアクションを使用できるようになります。
 その中でもエージェントSUVはスタントに特化した仕様で、飛び上がりやすさは勿論その場でジャンプが可能になるなどチート心に溢れています。
 なのでわざわざジャンプ台を探さずとも真下からジャンプしてリングに接触したりと工夫することで、本来のやり方とは異なる方法でクリアを目指せるわけです。
 フレンドがいれば車ごと投げてもらうことだってできるわけです。

 その分、そんなひねくれた解法前提のような配置もあったりして、個人的にはかなりしんどかったです。
 ジャンプ台を自分で作る、とか斬新すぎます……。

 と、このように楽しさ半分、ストレス半分といったところでしょうか。
 味があって夢中になるほど楽しかったのも事実だし、うまくいかなくてイライラして煙草が物凄い早さで減っていったのも事実です。
 楽しさとストレスのバランスはやっぱり大事なんですね。

 パッケージや発売時期などで損してる感が否めませんね。モンキーパンチのイラスト自体は全然問題ないのですが、どうにもチープ感が漂っています。
 誰かに勧めてオンライン実績も狙いたいところではあるけれど、膨大なオーブ集めやストリートレース(インチキ攻略法はある)など負の一面を思うと……差し出した手が震えます(笑)

 1と2続けてプレイしてまとめてレビューしようと思ってましたが、1での苦楽が多くなったのでとりあえず単品であげることにします。
 やることできることが増えても、おそらく2も1とそう違わないはずなので2のレビューはシンプルになるかもしれません。

*古いゲームなのでコレクティブルマップ画像へのリンク切れが多く、自分で探すのは難しいかもしれません。
 探せば手に入ることは確か(2016年10月現在)ですが、もしご入用であれば声を掛けてください。

攻略サイト


2016年09月25日

271.Operation Darkness

オペレーション・ダークネス



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「オペレーション・ダークネス」のレビューです。

 本作は第二次世界大戦を舞台にしたSRPGなのですが、リアル系かと思いきやヴァンパイアやワーウルフ、しまいにはドラゴンなども出てきたりとかなりファンタジーな内容です。
 そんな異質な特徴を持った人々の寄せ集め部隊ブラッド・パック隊が、実際の史実をバックボーンとしながらも裏で糸を引く邪悪な存在と渡り合う王道ファンタジーもの、ですかね。

 ストーリーはぎりぎり及第点だと思います。お約束てんこもりですが、お約束や王道の展開がきちんと役割を果たす使い方なので、ちゃんとホッと出来たりうるっときたりします。
 個人的に興味深かったのが隊長のブリーフィングですね。
 自分たちが今どのような状況にあり、これからどこへ行って何をするのかが明確ですし、導入も毎回違い、「よし、集まったな」とか「30分休憩を取ったのちに進軍を開始する」などその場の臨場感や空気、時間を感じさせる良いセリフ回しで、とても好きでした。ちなみにこの隊長の中の人がスネークとかブラックジャックの中の人です。
(大塚氏の声は渋くて深みがあって私も大好きな声ですが、表舞台に姿を現さないという仕事人ポリシーを特に尊敬しています)

 ただ、本作の真価はやはりゲームにあります。
 稀に見るするめゲーだと思いますよ。ラスレムやOFP:DRのような、見た目や操作感で損してる部分もある上、「カバーシステム」や「攻撃範囲と射線」など直感的にすんなり入り込めるシステムではないので、理解できるまでは苦労すると思います。
 その代わり、これらの本作特有の概念を理解し、駆使できるようになると途端に面白くて仕方なくなりますし、これらをうまく使えなくとも、「ありったけの回復薬とオートキュアで耐えながら敵の頭数を減らす」という本作の基本理念さえ実感できれば、やっぱり楽しくて止められなくなりますました(笑)

 目玉システムである「カバー」は、一般的なFPSやTPSにあるような「遮蔽物に身を隠す」という意味ではなく「援護」的な意味合いが強く、その仕様上戦術は迎撃気味になります。
 そのためガンガン前線を押し上げる戦術とはうまく噛み合わない部分もあるのですが、ぶっちゃけ「カバー」を使わなくてもなんとかなるレベル至上主義でもありますし、ここぞという場面でしっかり機能したりするので、ちゃんと息をしたシステムだと思います。

 二年くらい棚に放置しっぱなしの本作でしたが、発掘出来て良かったと思える良いゲームでした。本作の醍醐味に惚れた人なら、もしかしたら実績コンプした後もふとやりたくなる中毒性も持ってると思いますよ。



攻略中に気づいたメモ

・ビクトリア十字勲章(タイムアタック)について
 かなりの余裕があります。
 計10時間近くレベル上げをしましたが、結局大幅に時間を残して余裕で解除できました。
 コーデリアやガラント、キースなどのアタッカーのレベルが上がれば上がるほど楽になるので、こちらの平均レベルで敵のレベルも上昇するARミッションで集中的にこれらのキャラを育てれば、メインミッションは驚くほどさくさくクリアできるでしょう。

以下詳細。
 →さすがに銃器だけでARミッション単騎クリアは無謀だったのでSPアタック解禁まで普通に進める。

 →AR「アフリカの砲煙」でコーデリア単騎で出撃。最初はロケランで戦車を潰した後、銃器でちまちま敵兵を潰す。育ってきたら「水」を飲みながらSPアタックごり押し。サプライに水が尽きたらSPアタックとショットガンなどの軽い銃器でハイブリッド特攻。
(後になって考えたのですが、本作は経験値入手量が相対制なので、自レベルが敵より低いとおいしいですが、以上になると途端にまずくなります。レベル30程度までは最初の戦車二台で自キャラのレベルが上がってしまうので=単騎出撃=敵のレベルは自分と同じ=レベル上がったら残りの敵は全員まずくなる。
 ということは残った敵を有効に使うためにも単騎ではなく二、三人で出撃した方が効率が良いかもしれません。タゲが分散して安全性も高まります)

 →コーデリアが45になったらAR「愚か者たちの戦場」へ赴き、コーデリア+1人(A)で出撃。
 初期配置をコーデリアで一掃し、Aを敵増援の出現位置に配置。
 コーデリアで最後の一人を倒して増援を出し、待機していたAがロケランを敵の塊にぶっ放す。20くらいまで一気にあがるのでこれを人数分。
(この戦法はかなり危険でした。低レベルなAを20程度まで一気にあげるための戦闘ですが、コーデリア45+A7〜8程度なので敵のレベルは26程度。キャラによっては増援で出現した一団にAが先手を取れず蜂の巣にされたり、7〜8から一気に20程度まであげることは出来ても、それ以上は厳しいです。コーデリア45+A20くらい、だと敵の攻撃が痛すぎてコーデリア一人では手に負えなくなりました)

 →こんな感じでコーデリア45+他キャラ20程度まで育成。愚か者の戦場での増援待ち伏せ作戦は結構難易度が高くて苦労しました。もっとうまいやり方が絶対あるはず。
 ちなみにここまでやってセーブ画面のプレイタイムは10時間ちょっと。

 →以後はメインミッションのみ進行。イベントは普通に楽しみつつ、急ぐ意識もなく普通に楽しみ、ヴァルハラ指令書もレアアイテムもきちんと回収しつつ、仲間を集め、殺さないようにしつつ。

 →ミッション18をクリアすると出現するAR「鋼鉄の壁」にだけ寄り道します。
 ここで得られるスキル「アーマーブレイク」は神スキル。

 →ミッション20と23で、レベルが頭一つ高く、HPも多いステージボスに回復アイテムを使いながらリンチして、遅れているキャラのレベルを整えます。フランク、ルイス、ハーバードなどの最終SPアタックが強力なキャラを優先して育てると後がぐっと楽になります。

 →コーデリアがずっと強いので彼女を起点に攻略していけば余裕でしょう。ガラント、キースペアのワンコパンチは非常に強力ですし、終盤にはフランク、ルイスの晩成キャラも頭角を現しますし、終盤になるにつれ難易度は下がっていきます。

 →こうして、ラストミッション到達時のプレイタイムは29時間50分程でした。

・結論。急ぐ必要はまったくありません。

・本作には入手個数が限られるレア武器が、実績要件以外にも存在しますが、これらの取得もお勧めします。痒い所に手が届く良質な武器揃いです。特に「シモノフ」はメリットデメリットがどちらも強烈で、入手できれば戦術ががらりと変わることでしょう。
 2chで仕入れたネタですが、たしかにジャックに持たせると使いやすかったです。

・ドラゴンスレイヤーは敵から入手するチャンスが二度ありますが、実はミッションを進めることで一振りだけサプライから購入することもできます。
 たしか2400ポイントだったかな。こいつが実績としてカウントされるかはわかりません。

・ヴァルハラ指令書は実績wikiにて全24冊とありますが、正しくは全12冊です。
 ミッション13からこれを持つ敵が出現し、以降の12ステージに現れます。

・ファイヤーエムブレムっぽく、仲間が死んだ状態でステージクリアすると、その仲間はKIAとなり以降のストーリーに関与しなくなります。
 仲間が全員揃っているか否かでエンディングが変わるようですが、実績には影響ありません。

・「スキルレベルアップバグ」は強力ですが、逼迫した状況でもなければあえて利用するまでもないです。まぁ、あれば便利ですし、デメリットは皆無なので興味があれば。詳しくは攻略サイトで。

・実績wikiにて「ドラゴンには踏みつぶされない」とあります。私も踏みつぶされたことはありません。が、たぶん踏みつぶし判定はあると思います。
 ただ、ドラゴンの攻撃は9割方SPアタックなので、結果的に動かないということになります。
 目が光ってボーン!は通常攻撃なので、この後移動します。もしこの移動に巻き込まれたら、おそらくプチっとなるでしょう。
(強力無比なSPアタックですが、敵味方共通で1ターンその場に留まらなければならないというデメリットがあります。地味にきつい制約ですが、これがまた面白いです)

・ちなみにミッション1のタイムアタック実績はセーブ画面呼び出し時点で6分少々でした。ステージ攻略さえ効率的に出来れば、イベントを見る余裕はある、かな?

・カメラがぐるんぐるんするのでお疲れの時は注意(笑)

・面白かった!

攻略サイト


2016年09月15日

270.Saints Row :The Third

セインツロウ ザ・サード:フルパッケージ 【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「セインツロウ :ザ・サード」のレビューです。
 練り込みの甘い部分も目立つけれども、それと同じくらい惹き込む力も強く、なかなか乙な作品でした。

 本シリーズは本作が初プレイなので、いったいどんなものなのか、GTAと何が違うのか期待半分、不安半分というところでした。
 一通りプレイし終えて、改めて考えてみると本作および本シリーズの方向性はGTAとはまったく違うものだと思いました。
 遊びやすさをメインに箱庭世界で大暴れする模様は、「スリーピングドッグ」や(未プレイですが、おそらく)「ライオットアクト」に近いのではないでしょうか。
 そんな中で「銃弾ダメージ無効」や「弾薬無限」などの完全チート機能が公然とアップグレードリストに入ってくるあたり、作品の突き抜け感、お好きにどうぞといった感じの投げっぷりが頭一つ出ている感じです。
 そのためセインツロウらしさがきちんと出ており、欠点を呑み込んでいると感じました。

 本作はセインツと呼ばれる格好良いギャング集団が、お馬鹿でシュールでブラックで、どんどんエスカレートしていくアドベンチャーに飛び込んでいくというコンセプトで、非常に柔軟なキャラクリエイトが特徴でもあります。
 誰々に限りなくそっくりなキャラさえも作成可能であり、選ぶボイスタイプによってセリフも変わってくるという手の込みようで、自分だけの「ボス」(=プレイヤー)を作って壮大なスケールのドタバタギャングアクションを楽しむのがセインツ流となるようです。

 しかし私には本作のメインミッションの演出やゲーム難易度についてはいささか消化不良気味でした。
 まず、ミッションですがまるでムービーゲー(笑)のアンチテーゼでもあるかのように重要な部分だけ(主にドンパチシーン)を切り抜いて場面がぽんぽん飛ぶんですよね。
 セインツの格好いいところだけを切り出したかのような、まるでダイジェスト編集かのように、「奴を追いかけよう、ヘリを調達しろ」となったら暗転後既にヘリに乗っていてロケランを構えていたり、「このチケットでオークション会場に潜入するぞ、ちなみに商品はお前自身な」となったら驚く間もなく、暗転後既にオークションすら終わっていて脱出シーンからスタートでした。

 セリフも嫌な見方をすればいわゆる厨二セリフのようなもので、回りくどく、意味がすんなり入ってきません。
 加えて続き物なので当然のような顔をして割ってくるキャラたちが誰が誰なのか、ちょっと急展開すぎて楽しめなかったというのが正直なところです。

 私がイマイチに感じたのはこうしたミッション演出や、そのミッション中の銃撃戦の大味加減なのですが、逆の見方をすれば肩肘張ってゲームする必要はどこにもなく、やっぱり好きに暴れられるストレス発散ゲーということですよね。
 中盤あたりでキャラ強化が完成してしまったので、その両極端がよりはっきりしてしまいました。

 詰まる所、真面目な顔でガンダムに乗って蕎麦を茹でるようなミッションは、DLC含めあまり楽しめなかったのですが、その代わり集め物をしたり、アクティビティー(サブミッション的な。)デバージョンを達成したりと街を駆け巡るのがすごく楽しくて、時間を忘れてプレイしてしまいました。

 前述ストーリーへの移入度が個人的に低いと感じたので、エピソードで補完していく街そのものへの没入感も低いです。街中にはさまざまなランドマークがあったりしますが、ミッションやアクティビティーに関わることは少なく、そこに在るだけ、というのが若干勿体なく感じます。

 ただ、そんな清濁併せ呑んで結果的にストレスフリーで、実際40時間以上遊んだものの、気分的にはすごくあっさりと軽い気持ちでプレイし続けられたのは大きいと思っています。

 オープンワールドといえば時間のかかるもの、という先入観があったので驚きもしました。
 驚きついでに、オープンワールドといえばスタント、というのも私の中に先入観としてあって、ろくに調べもせずにスタントマップと睨めっこしながらポイントを回ってました。
 中にはなかなかシビアな難易度のものもあって、「本作において実績解除を目指すうえでスタントは必要ない」ことに気づいた頃には地上スタント9割、飛行機スタント100%を終えた頃でした……。
 何かおかしいとは思っていたんですが、いつかデバージョンリストに現れるはずと思い込んで序盤からちまちま消化してたんですよね。
 時間の無駄だったと後悔する気持ちもありますが、わりと楽しくもあったのでもやもやしてます(笑)

 ストーリーや下品な世界観には確かに受け付けない部分もあるのですが、だからといって別にそこまで下品でもないんじゃない? と思えてくる自然さもあって……。主観100%意見ですが、フェイブルほど押しつけがましい下品さではないと思います。
 それとは逆に街を駆け巡るのがかなり楽しくて、GTAとは違って職務怠慢気味な警察の存在が嬉しかったです。体力アップグレードや各種ダメージ耐性が整っていればまったく無視しても良いくらいちょろい組織です。

 そんなわけでこれが「セインツロウ」か、と味を占めたので過去作品も機会があればやってみたいなと素直に思えました。

・追記
 ところで何故「The Third」なんでしょうか。
 無印(1)、2、The Third、IVという並び順です確か。
 ほんの触りだけ1と2を動画で見たのですが、3になって操作体系が刷新されよくあるアクションTPSに近くなりました。もしかしたらダメージ無効など「主人公が強い」タイプのオープンワールドも3になってからかもしれません。
 そんな、毛色が少し違うということでネーミングを捻ったのかな。
 もひとつ加えるなら、セインツの正式名称は「サード・ストリート・セインツ」だそうです。
 埋没の危機を脱せんとする努力の軌跡ですね。

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2016年09月08日

269.Shadows of the Damned

シャドウ オブ ザ ダムド【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「シャドウオブザダムド」のレビューです。

 はい、いつかロリポップチェーンソーで「もう須田ゲーはやりたくない」と語った須田ゲーです。
 今回も間違いなく須田ゲーでした。

 ただし今回は予め、どうせ馬鹿ゲーなんだろうなと覚悟してからプレイしたためかなりすんなりゲームに入り込むことが出来ました。むしろ一周目は結構楽しかったです。

 本作を何も知らないままパッケージを手に取ると、よくあるアクションシューター、ゲームの雰囲気もグロ系ファンタジーで、これだけ見るとあまり「馬鹿ゲー」「須田ゲー」というイメージは湧かないかもしれません。
 まぁ、キラーイズデッドなども蓋を開けるまでわからないという点では、これこそが須田51のなせる業なのかもしれませんが、申し訳ありませんが個人的には割と彼を敵視しちゃってる感があります……。

 たしかにもう須田ゲー、グラスホッパーマニファクチュア製のゲームはやりたくないですが、でももしGonDでノーモアやキラーイズが100円とかで投げ売りされたらたぶん買っちゃうかもしれません。
 彼の作品はゲーム内容としても、ゲームの作りとしても周回プレイに耐え得るものではありませんが、ゴテゴテと装飾されたメッキ風味の味付けは、一周目だけは面白いんですよね。

 さて、本作もそんなゲームです。
 高名なデーモンハンターなるガルシアが、攫われた恋人ポーラを助けるために単身(+相棒)魔界に乗り込み大暴れするお話で、カプコンの名作魔界村シリーズをふんだんに意識したステージ作りとなっています。
 パッケ裏には豪華制作陣の名で大々的に喧伝されていますが、たしかに雰囲気は良くてもゲームとしてのクオリティはあまり良いとは言えませんでした。

 ただ、須田氏以外にも気を配る大物がいたせいかどうかわかりませんが、ロリポップやブラックナイトソードのような意味不明なストーリー、意味不明な世界観は、「やや」鳴りを潜めていて割とまともで理解できる世界観、ストーリーにとどまっていると感じました。
 ここはもしかしたら評価が分かれるかもしれませんね。
 あの意味不明なトリップ感が良いんだとかいう意見もありそうです。
 個人的にはストレートにまとまっていて、本作のような作りの方がまだ好感も持てると思うのですが。

 初めに申しましたがお馬鹿でギャグな要素も盛り込まれています。耽美的な悪魔世界や絶望感の漂う魔界をイメージするとやっぱり泣くことになります。
 ただ、このギャグ感の出し方はなかなか面白かったです。
 ストーリーは硬派なシリアス風味で、あまりとぼけた様子はないのですが(シリアスですがペラペラで、当然狙ってやっているのですが、寒いです)、道中で見つかる看板や絵本などを調べると、主人公と相棒の感想が聞けたりします。その中でお茶目な魔界の様子が知れたりするので、意外とシリアスストーリーでも違和感がないんですよね。
 そんなお馬鹿な魔界の様子を知っていると、ラスボスの見方が変わるかも!?

 ゲーム自体はジェットコースターのような作りで、後ろは気にせずどんどん前に進むゲームです。一周目だけは初見の好奇心が勝って意外とあっという間にクリアしてしまいました。実績も一周こなすだけで7割解除できます。ポコポコ解除されていくの楽しいwww
 問題は二周目以降です。
 本作は実績コンプのためには難易度を変えて三周する必要があるのですが、そのモチベーションを阻害する大きな障害があるのです。

 それは、ムービースキップが不可能であること。
 ムービー中はポーズ画面すら開けません。二度も三度も観たいと思えるムービーではない上、ゲームプレイの半分はムービーなので。
 スキップさえ出来たら文句はないし、プレイ時間もかなりあっさりで終われるのに……。

 また、回避動作や当たり判定もまったく洗練されておらず、ゲームの理不尽な挙動に翻弄されることも少なくないです。
 踏みつけやスペシャルキルなどの特別なモーション中は無敵かと思いきや、そうだったりそうじゃなかったり、この辺もイマイチ信頼が置けなかったり、確信犯(誤用)的初見殺しシーンが、そこにあるとわかっていても避けきれないくらいエグかったり。
 須田シリーズの残念な特徴としてロードが非常に長い点も挙げられます。
(ACT5-3開始時のロードが不安になるくらい長いけど、ゲームのせいか、本体のせいなのか……)

 本作にはボイスが日本語と英語の二種類があり、なんと二つの言語では表示される文章も違ったニュアンスで表示されるなど、ローカライズとしてはかなり見習うべき点が隠されていました。
 雰囲気的には英語ボイスの方が世界観が壊れずにしっくり来るし、キャラクター達の口も英語発音の形ですが、実は日本語ボイスも一押しだったりします。
 序盤こそどうしようもないくらい三文役者、大根役者感を彷彿とさせて投げてしまいそうになるのですが、これをぐっと堪えてもうしばらく進むと、意外とこの三流加減が癖になってくるんですよね(笑)

 特に絵本や看板での相棒との会話が英語バージョンと日本語バージョンでかなり違うし、本作の商人キャラ・クリストファーは性格まで違っちゃうので頑張れば二周目も楽しめなくもないです。
 本作には正規ルートとアップグレードアイテムのある分岐ルートが複数あって、もちろん分岐でアイテムを取ってから正規に進むのが良いのですが、正規ルートはほぼ間違いなく後戻り不可の一方通行ルートでもあるので、取り逃しの発生が非常に多いです。
 ただ、金(シロダマ)さえ確保できればアップグレードアイテムは道中に落ちているもの以外でも店での購入でいくらでも賄えるので、実績や攻略的に詰むことはあまり考えられません。
 こういった行きそびれたルートを覚えておいて二周目で確認するのもそれなりに意味はあると思います。

 つまり……。
 二周目までは大目に見てやるが、三周目は完全に蛇足だ。

 ほんとにもうだらだらと続く飛ばせないムービーが辛かったです。エンディング、スタッフロールすら飛ばせない。
(スタッフロール後にちょっとしたおまけがあるのですが、こちらも英語と日本語で雰囲気が違うので、せっかくだから見ようと思うと、やっぱりスタッフロールも見ることになります)

 そうそう、須田ゲーのアクの強さに隠れてしまいがちですが、ヒロインがウザいという意見は置いといてもストーリーは伏線や盛り上がりなどは割と良い目で、BGMもかなりセンスがあると思います。ボス曲など格好良いですし、ボス戦自体がパズルのようなものなので解き方を考えるのもスパイスになります。
(ヒロインのウザさも、男性視点での作り物めいた女性像に対するアンチテーゼ、もっと簡単に言えばリアルな女性像を描いていると好意的に見ることも出来ます。したたかで不二子ちゃんみたいな女性キャラは須田氏のこだわりですね)
 BGMはB級ホラーテイストではあるのですが、逆にこの世界観ではよく合っている気がしますし、BGMに悪魔のうめき声とかが含まれていたりすると、思わずキャラの背後を確認して奇襲に身構えたりと、意外とホラー感が出ていると思いました。

 攻略情報は特に必要ないでしょうが、豊富ともいえないので気づいた点を少々。

・銃を構えず素のRT長押しでダッシュになります。
 方向転換は右スティックで行うので慣れないと壁に激突しがち、かつ短時間なので使い勝手が悪そうですが、実はダッシュ距離はRTを押すたびにリセットされます。
 速度が落ち始めるころにRTを引き直せば、無限にダッシュすることが可能です。これであのウザい女からも逃げやすくなるんじゃないかな。

・本作は無限湧きを利用してシロダマを稼がないと全アップグレードは厳しいですが、強化項目は攻略にほぼ必要ないものもあるので、厳選すれば稼ぎなしでも十分に攻略可能です。
 以下それぞれの項目の所感を述べておきます。

・ハンドガンタイプの赤銃
 癖が無く非常に扱いやすいです。こいつをフルアップグレードしておけば間違いないです。リロード速度は優先度低めなので、最高難易度では威力と装弾数を強化したら別の項目に振るといいと思います。
 ただ、難易度が高くなると敵も硬くなったり、総弾薬数の関係で武器一本に縛ると弾切れを起こしがちです。

・マシンガンタイプの青銃
 ハンドガンの強化が終わったらこちらの強化を始めるといいでしょう。
 ハンドガン以上に弾切れが早いのでメイン武器には向きません。
 アオダマで強化されきって「デンティスト」になると、ロックオン性能がつき、レーザーポインターがふらふらし始めますが、弾はノーロックでも真っすぐ飛んでいるので、時間がない、距離が短い場合は目算で捉えて撃ちまくることも可能です。
 ただし、射撃中はロックオンが完了しないので気を付けましょう。
 動きの少ないタフな敵、フラフラ動く敵など、終盤のボス戦にも活躍するのでこちらも破壊力と装弾数は強化推奨です。

・ショットガンというよりマグナムタイプの緑銃
 アップグレードは必要ないと思います(笑)
 理由は、まず無強化でも十分に強いこと。最高難易度で無強化でも雑魚なら1、2発で倒せるくらい破壊力は高いです(溜めナシ+近距離)。もちろんメインとしての使用は厳しいですが不測の事態の奥の手としては十分な性能です。
 二つ目の理由は、この銃が必要とされるのはパズル解きであり、求められるのは破壊力ではなく特徴だからです。
(ラスボス戦ではもしかしたら破壊力が影響するかもしれない。強化しなくてもなんとかなりましたが)

・ライトショット
 本作のフィーチャーであるライトショット強化項目。連射速度、命中範囲、ピヨリ時間延長の三種類。
 連射速度とピヨリ時間延長はお好みで取っても役に立ってくれます。このゲームに慣れてくるほど優先度が落ちるお助け機能ですね。
 命中範囲は正直効果がわかりません。多少外しても当たり判定が大きくなる感じでしょうか。範囲化で複数同時に、とかは夢物語です。

・Bボタン攻撃(ジョンソンボッコ)
 強化されるのはBボタン長押しの溜め攻撃の、溜め時間のみ。
 もちろん最大強化すれば一瞬で溜めが完了しますが、本編でこの攻撃が必要なシーンは一切ありません。
 また積極的に使おうとしても、使い勝手は劣悪の部類です。こんなことするくらいならライトショット当ててからのスペシャルキルの方がよほど優秀です。

・体力
 あれば便利ですがなくてもなんとかなります。
 最高難易度では被ダメがきついので保険で少々程度でもいいかもしれません。
 あと、体力アップグレードを施すと体力が全快します。エナジードリンクの節約になるのでアカダマを残しておくのもかなり有効な戦略です。

・本作の敵の攻撃範囲はかなり狭く、軸をずらすだけで当たらないことがほとんどです。ただ、敵は想像以上に踏み込んでくるのできちんと避けないと当たることもよくあります。
 Aボタンでの前転回避は無敵時間がついて優秀ですのでしっかり使いましょう。
 余談ですが前転した時のトーチが敵に触れると打撃音がして敵が怯みます(笑)。敵集団に向かって転がるのも意外と強力。

・2Dスクロールミニゲームは理不尽かついじわるです。しっかり心構えしておきましょう(笑) 本編の武器の強化具合は一切関係ありません。
 シロダマ集めきるとちょうど50になるはずが、たまに51になったりします(笑)

・無限湧き稼ぎ以外でのシロダマ稼ぎは、足を撃ち抜いて這いずりにしてからの踏みつけが一番だと思います。ヘッドショットやスペシャルキルだと、何も出ないか、弾薬か、シロダマの三択になりますが、踏みつけるたびに必ずシロダマが出現するので確実性があります。
 ただし、踏みつけは無敵時間がアバウトで(体感としては踏みつけるモーションのみが無敵で、Xボタンを受け付け次の踏みつけに移行する瞬間は無防備なのかも)、高難易度だと這いずり本人と相打ちになったり、周囲の悪魔に食われたりで、無理して狙うほどの価値はなくなります。
 ただ、這いずりになると移動速度、攻撃速度が遅くなり、この状態で放置しておけば敵の湧きも止まるので、戦術自体は有効です。

・バグの一種ですが、敵が攻撃しようと跳びかかった瞬間に攻撃を加えるなどして動きを止めると、敵の見えない霊体(笑)が攻撃してくることがあります。
 間一髪攻撃を止めたはずなのにダメージを負ったりして理不尽ですが諦めましょう。



 すごくどうでもいい注釈。
 本記事での「確信犯」は、「絶対わかってて、狙ってやってる」的な意味で使いましたが、本来の意味は、「自分の信奉するものを絶対の正義と信じて疑わず、その念により罪を犯すことおよびその犯人」です。
 ……不安になったので辞書引きました。

(三省堂国語辞典より)「政治上・思想上などの信念にもとづいて、正しいと信じておこなう犯罪」
(岩波国語辞典より)「政治的・思想的または宗教的信念に発して、それが(罪になるにせよ)正しいことだと確信して行う犯罪」
 だそうです。だいたい合っててほっとした(笑)

 通路の曲がり角にバナナの皮を設置し、来た人が滑って転ぶのを見て「あ、ごめーん、誰も来ないと思ってそこに置いておいたのー」というのが現在主流の使い方ですが、本来は、「この宇宙にとって貴様ら人間など害虫でしかないのだ、故に我は地球を滅ぼす……」というのが正しいわけです。
 わ、わかりやすいでしょ(汗)

2016年09月06日

268.Batman :Arkham Asyrum

バットマン アーカム・アサイラム



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「バットマン :アーカムアサイラム」のレビューです。

 面白い、面白いとは聞いていたけど……まさかこれほどとは。

 私はバットマンについては無知といっても過言ではなく、せいぜいがレゴシリーズのバットマンを遊んだ程度で、バットラングだとかバットモービルだとか、ガジェットの名称の一部を知っている程度に過ぎませんでした。
 あとジョーカーが宿敵ってくらい。

 バットマンって、こんなに格好良かったんだぁ。

 本作は、つい先日レビューしたキャッスルバニアのような、オープン風味のマップを探索しながら悪漢をなぎ倒し、脱獄を果たした原作キャラと死闘を繰り広げるアクションゲームです。
 本作がこんなにも面白いと感じるのは、丁寧かつ溢れる愛によって忠実に再現されたキャラモデルだけでなく、バットマンらしさを兼ね備えた戦闘システムにも中毒的な面白さが隠されているからこそだと思っています。
(地味な点ですが、ストーリーが進むと次第にコスチュームがぼろぼろになり、顎に無精ひげが生えたりするんです(笑)。ワンダと巨像思い出しました)

 巷でキャラゲーに名作なしと言われる所以は、原作の「再現」に注力するあまりゲーム性との親和がおろそかになっているからだと私は思っています。

 さてその戦闘についてですが、これはいったいなんと言ったらいいのでしょう、音ゲー……かなぁ。
 動画などを見ると、バットマンは戦闘中様々なアクションを採っているようで、カウンター一つ見ても多くのバリエーションがあるのですが、プレイヤー側の操作としては単純明快、敵の攻撃に合わせてYボタンただそれだけです。
 そんな感じで、操作は非常にシンプルでありながら、画面のバットマンは活き活きと動いてくれて、この打撃音がまたクセになるんですよね。

 そして音ゲーと評した理由ですが、本作は慣れれば全ての並み居る敵を無傷で鮮やかかつスタイリッシュに叩きのめすことも十分に可能ですが、連打やごり押しはほぼ不可能な設計になっています。

 敵の動きを見、隙をついて一撃一撃を確実に決めながら、相手の動きによって自分の行動を逐一決定していかなければならないのです。
 コンボという概念があり、次々と攻撃を繋げていくことでどんどん有利になっていきますから、当然これを狙うわけですが、間に無駄な行動を挟んだり一定時間が過ぎるとコンボ数がリセットされてしまうのでテンポよく攻めていかなければなりません。

 初めはカウンターから入り、敵集団が一瞬怯んだと見るやXを二回ほど押して、続く敵のパンチは背面取りで裏に回り、さらに攻撃したら必殺技でKO、即座に前転で離れてバットクロー、からのバットラングでダウンさせグラウンドテイクダウンで締め……。

 という風に一瞬一瞬のアドリブを利かせながら戦闘ワンシーンにおける流れ、殺陣(たて)を自分で形作っていく快感、これが綺麗にハマり、周りには伏した犯罪者たち、そこにただ一人立つバットマン……みたいなカメラワークが入ると脳汁が簡単に決壊します(笑)
 この戦闘テンポ、シンプルなコマンド戦闘が、ある意味格ゲーのようであり、音ゲーのようでもあるのです。

 また、本作は暴れるだけでなく忍ぶことも必要で、そこもまたバットマンらしさに溢れています。
 ここでは本格的なステルス戦略を楽しむことが出来ます。背後から忍び寄ってサイレントテイクダウンを狙うこともできますし、高所からマントで滑空して浴びせ蹴りからのグラウンドテイクダウン、仲間が気づく前にグラップリングで再び高所へ、なんていう映画的な攻めのステルスが楽しめます。
 仲間が一人、また一人と減っていくと、残った敵がだんだんと正気を無くし混乱していく様がまた見事なんです。
 たった一人になってせわしなく辺りをきょろきょろしながら、突然噴き出すスチームに焦って銃を乱射する様子を、頭上のガーゴイル像から眺めたりすると、気分はもうダークナイト。

 この世界観と各ゲームシステムの一体感が、名作どころか傑作レベルにまで押し上げています。

 気づいたら一気にやりこんでいて、あっという間に実績コンプまでいってしまいました。
 最初から最高難易度で挑んだので何度も何度も何度もゲームオーバー画面を見ることになりましたが、どうにも悔しくて、でも次こそはというモチベーションに溢れていて、見事にクリアできた時には(以下繰り返し)。

 前述の裏返しで、わりとコンボ命な戦闘システムのおかげで、攻撃をもらったり脳内処理が追い付かずに無駄な行動をとってしまうとあっという間に弱体化してしまいます。
 チャレンジなどではどれだけ長くコンボを続けられるか、9種類あるコンボバリエーションを組み込めるかで評価が変わってくるので気が抜けません。
 そういうわけで、うまくいく時はうまくいく、でもうまくいかないと憂き目に遭いっぱなしです。
 そんなやや極端な戦闘バランスが私のその時の気分には良く合っていたのですが、人によってはマイナス点と感じることもあるかと思います。
 徒手空拳の雑魚集団といえども部屋が狭かったりするとそれだけで苦労しますし(パーティーブレイカー実績が意外に苦労しました)、中ボス的存在の「タイタン」が一人加わるだけで難易度は急上昇します。
 でもやっぱり戦闘が楽しいので何度も何度もリトライして(くどい)。

 バットマンが有名なことはもちろん知っていますが中身はほとんど知らなかったのが幸いして、ストーリーや新たな強敵の出現にも新鮮な驚きや発見を楽しめました。

 素晴らしい作品ですね。続編アーカムシティも手元にあるので近い将来プレイするのが本当に楽しみです。

 あ、一つ。一つだけ、個人的に欠点と感じた点を述べます。
 ローカライズです。
 文章自体には何の問題もないのですが、要点だけを抜き出した非常にシンプルなもので、シンプルに過ぎるのです。
 作中、仇敵ジョーカーを始め様々なキャラクターがよく喋り、かなりの文字数を話しているはずなのですが、訳文には一行だけで簡潔にまとめられていたり……。
 英語は聞き取れないので詳しくは言えないですが、たとえば序盤、金属探知機が反応する場面では、

――ピー、ピー 金属反応あり。ただし、ジョーカーからの反応は無し。

ジョーカー「金属探知機が反応してるってよ、お前じゃないか? バットマン。何を隠し持ってるんだ、バットラングか、バットクローか? ヒヒヒ、お前はまるで鉄の塊だな」

 みたいな意味のことを言ったとすると、

ジョーカー「お前のことだってよ、バットマン」

 としか表示してくれないのです。
 おそらく人の手で翻訳されているのでストーリーの繋がりがわからなくなったり、意味不明な日本語が発生することがありません。というか、非常にわかりやすいです。
 わかりやすいけど、なんか切ないなぁ、もったいないなぁ。おそらくローカライズを、逆に頑張ってくれたからこそ、ここまでわかりやすくシンプルにまとまったんでしょうけど……。
 せめて口にされた固有名詞くらいは文章に盛り込めば、もっとセリフと翻訳に自然な感じが出たと思います。

攻略サイト


2016年09月01日

267.紫影のソナーニル Refrain :-what a beautiful memories-

紫影のソナーニル Refrain ?What a beautiful memories-



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「紫影(しえい)のソナーニル」のレビューです。

 実は実は、本作の360版発売予告としてPVが配信された時に、このPVを見てから一目惚れし、ずっとストーカーのように狙い続けてきた作品でした(笑)
 スチームパンク、というほどでもありませんが、こういった蒸気機関の発達した世界観とノスタルジックなBGMが私の心にはグッとくるものがありまして、「レイトン先生」とか「ハガレン」とか、みんな好きでしょ?
 そんなわけで「これ面白そうだなぁ、いや絶対面白いって」とか思いつつ、でもなかなか値段が落ち着かないばかりか、中古ショップではついにパッケージを見かけなくて……。
 最近いろいろあってようやく駿河屋で取り寄せたのでした。

 なんだ、これ。これなに。片想いかっ!

公式サイト
サイト内の用語解説には本編では特に語られない設定が書いてあったりするので、一読しておくと更に楽しめるかも?

 さてさて、本作の出来ですが、私の嗅覚に間違いはありませんでした。

 欲を言えば、本作の世界観はスチームパンク(=蒸気機関がそのまま発達し続けた架空の未来)なのですが、作中では単なる便利な代物「機関(エンジン)」としか描写されず、重要なのはその代償として膨大な排気ガスが空に溜まってしまった、ということの方でした。
 個人的にはもう少し「機関」についての細かい蘊蓄を楽しみたいところではありました。

 自動で歩く鞄や、自動車はもちろん、懐中電灯にさえ「機関(エンジン)」の名がついており、この世界における機関の重要さ、浸透感は十分に伝わってくるのですが、エンジンといえば私たちは主なところで車のエンジンを思い浮かべます。
 エンジンとは燃料を燃やして出来た圧力などを力に変換する機器のことですから(合ってるよね?汗)、小型の懐中電灯にさえ「機関灯(エンジンライト)」などと名前が備わっていると、どうにもイメージしにくいんですよね。

 リリィの歩く地下世界は、それこそ不思議な世界として一両だけの地下鉄が動力も人もなく勝手に走り出したり、獣人がいたり、ルフランがあったりと、「なんでもあり」な設定が逆に魅力を引き出していたのですが、それと対をなすように現実世界でも、偉大な発明である「機関」についてもっと掘り下げてリアリティを出して欲しかったです。
(あとで知ったのですが、この辺の世界観設定がシリーズ通してのものらしく、本作を制作するにあたって用語集などを収録するのが難しかったために削られたそうです。公式HPなどに各都市や用語などの詳しめな解説があるのは、そのためなのでしょうか)

 本作はテキストアドベンチャーです。
 突然の「大災害」により一夜にして崩壊してしまった街(架空のニューヨーク)を舞台に、主人公エリシアが想い人を探して旅する現実パートと、もう一人の主人公リリィがかつてのニューヨークが歪に残る広大な地下世界を旅する地下世界パートと二つの視点を行き来しながら、それぞれの目的と事件の謎を追うことになります。

 また、本作は人を選ぶとは思います。
 たとえば、文体はイラストやBGMなどからも想像できると思いますが、あえて寓話色の強い味を出しており、詩的な表現、同じ意味の文章を言葉を変えて繰り返すリフレインなどを多用しています。
 また、本作は登場人物の心情表現をとても大切にしており、彼らの心の中での反芻、自問自答などが多いです。
 なので実は地の文が少ないのも特徴でしょうか。

 たとえば謎が謎を呼ぶサスペンスであったり、キャラたちの明確な成長や臨場感溢れるバトルなど派手な展開などを期待していると、いつまでたっても進展しない(しているように見えない)展開に苛立つかもしれません。
 「7体の御使い」と呼ばれるモノと戦うこともありますが、後に紹介する大樹さん曰く、「儀式的」です。
 そこがいいんですけどねっ。

 ただ、私の見る限り、本作のライターさんはかなり腕の立つ人だと思いますよ。というか尊敬しちゃいます(笑)
 本作は童話的、詩的な世界観を持つのですが、それは文体にも十分に表れており、そこに「言葉」に対して非常に真摯な姿勢を見られます。
 本作には別人が書いたと思われるEXシナリオ(おまけシナリオ・詳細は後述)があるのですが、こちらもなかなか達筆ではあるものの、これと比べると、言葉の選び方、リフレインへの持っていきかた、そして何より出だしや心理変化のきっかけとなる言葉のとっかかりなど、うまく言えないのですが、目の付け所が独特なのです。
 これは感心しました。
 そしてそれが、全編に渡ってブレずに続いていくので、地下世界の不思議な世界観と相まって、どこか不思議で、それでいて違和感がなく、だんだん心地よくなっていくんですよね。
 それこそ童話のように。

 そんな中で「地下の寓話」と呼ばれる、ある意味魔法の言葉なんですが、これの演出が素晴らしく、これこそテキストゲーならではの、紙媒体の小説には出せない魅力だと感じました。
 たいした仕掛けではないのですが、これが発動(笑)するとゾクッとなって、ついつい耳を傾けてしまいます。
 セリフに合わせて表示される文章も、あえて平易なものを選んでいるところも分かりづらいけれども確かな工夫です。

 秘匿された情報や伏線などもきちんと張ってあり、モチーフや元ネタも豊富ですが、全体的にはシンプルな冒険譚です。
 リリィと一緒に感情を取り戻しながら、ゆったりと不思議なおとぎ話の世界を楽しめると思います。

 残念ながら、全てに決着が着く、プレイヤーの知りたいことが知れる、わけではありません。
 世界観設定的に矛盾は発生しにくいですが、結局あれは? これは? といった小さな疑問も残ると思います。特に現実世界での街崩壊の真相は若干消化不良気味です。

 さてさて、こちらで紫影のソナーニルをもうちょっとだけ楽しめる考察をされている方を見つけました。ネタバレも含まれますのでタイミングに注意ですが、私なんかよりよっぽど深く物語を見ていて、羨ましいです(笑)
 物語もさることながら、リリィとAの会話も目玉ですよね。
 終始ニヤニヤさせてもらいました。萌える、ってこういう時に使いたいよね!

だから、探すなって。
 嬉しいことに相互リンクまでさせてもらいました。これからよろしくお願いします!


 以下、EXシナリオについて。
 当初、私はこのおまけシナリオについてはほぼ無視する勢いで期待しませんでした。マブラブの警告劇場とか、クロスチャンネルのアフターストーリーなど、おまけシナリオで良い思いをした記憶がないです(笑)

 が、それは嬉しい誤算でした。
 調べたところによると、本編発売後に公開された二つの短編が収録されていたようです。
 前述のとおり、一つ目のシナリオは文体の雰囲気が少し異なるのですが、よくよく考えてみるとこちらはweb小説として執筆されたものであり、本編の文体をそっくりそのまま持ってくると、逆に読みにくくなってしまうのかなと考えなおしました。
 本編での詩的で叙情的、童話的な文章は、声と共に読み上げるからこそ味わい深くなるんだと。きっと目で追って想像で読むなら、読み辛いと思います。
 このお話は、どうやら本シリーズを跨いだ世界観を垣間見る構成のようらしく、360には存在しないこの作品群の過去シリーズの世界が出てくるため、ぶっちゃけ半分は意味不明だったりします。たくさんの世界観用語が出てきますから。
 ただ、プレイヤーの立場は主人公と同じ立ち位置なので、「ふーん、ほおほお」といった軽い気持ちで読み進めて問題ありません。その分、たくさんの歴史が詰まっていて、たくさんの物語、世界があるのだと、本作だけの世界にとどまらず、自分の中のソナーニルイメージを広げてくれるものとして非常に面白いお話でした。

 続く二つ目のお話は本編の味そのままの文体で、どこかほっとしたような、とても安心感のある作りです(笑)
 本作を締めくくるお話として、やっぱりここで終わりじゃない世界観の広がりを感じさせつつ、余韻を楽しむ極上のお話でしたね。

 極端なことを言えば、本編をクリアし、ネタバレありきのお話なので、ちょっと厨二臭いというか、そんなところもありますが……。

 もともとは男性向け作品でありながら、家庭用に移植されたこと、作品の雰囲気やAやルチアーノといった登場人物のこともあり、乙女チックな雰囲気や要素もあり、これだけでもかなり稀有な作品ですよね。
 お薦めしたい。うん。お勧めしたい。

2016年現在、Xbox360版、PSP版があります。VitaにてPSP版をプレイあるいはDLすることも可能ですが、ここでは360のみとしておきます。


2016年08月24日

265.Castlevania :Lords of Shadow2

悪魔城ドラキュラ Lords of Shadow 2



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「キャッスルバニア :ロードオブシャドウ2」のレビューです。
(アマゾンで探しても見つからなかったのですが、よくよく見たら邦題は「悪魔城ドラキュラ :Lords of Shadow2」でした……。どうりでw)

 前作が面白かったので今作にも期待しました。
 結論は概ね良好ってところです。普通に楽しめたのですが、2になって良くなったと感じるところ、悪くなったと感じるところ半々でした。
 まぁ、個人的には満足しています。

 映像の綺麗さ、キャラ造形やマップの造りなどは相変わらずこのシリーズの美点かもしれません。
 道中で手に入るアートギャラリーを見る限り、かなり忠実に再現されていますよね。非常に雰囲気が出ていると思います。
 ただ、本作は前作とは違い、覇道を成したドラキュラの城、およびそれから時が経ち城跡の上に建てられた街が舞台、ということで前作に比べれば意識的な世界は狭くなってしまいました。
 その上、たぶんストーリー時間軸上では一晩の物語なのでどこもかしこもやや暗めです。
 本作はこの現代の夜の街と過去のドラキュラ城を行き来しつつ進んでいくのですが、まるで地獄のような闇と炎のコントラストや月の遠景などやっぱり美しく壮大ではあるのですが、個人的には緑萌ゆる森や山道や寒村なんかが好きだったりします。
 まー何が言いたいかって、ざっくりまとめてしまうとあんまり変わり映えしない景色が続くんですよね。
 いやなんというか、どのステージも特徴があって同じ物なんかないんですけど、「ドラキュラ城」あるいは「現代の街」というテーマや、行動範囲がそこから出ないので、結果的に似たような風景になってしまうんです。

 また、今作は前作とは違いステージセレクト制ではありません。
 この辺は、伝統ある悪魔城シリーズにかなり近づけたのかなと感じました。
 広大な悪魔城、あるいはその上に建てられた現代の街をあちらこちら探索しながらアップグレードや伝承を探していきます。
 道中徐々に解禁されていくスキルで行動範囲が広がり、あいかわらず探索は楽しいです。
 謎解き要素はかなり控えめになったと感じましたが、ねずみになって穴を潜ったり、霧変身で鉄格子を抜けたりと、前作とはまた違った形で探索を楽しめるはずです。

 戦闘に関してはもしかしたら難易度が上がっているかもしれません。
 本作もまた甘めの判定でジャストガードがしやすく、そこからの反撃が強力なのですが、今回はそれに頼ることができない造りになっています。
 というのも、敵がガード不可のパワーアタックをしてくるとき、赤いマークで予備動作を教えてくれるのですが、音が聞こえたら即座に行動しないと反応できないくらい速く、わかっていても避けきれない事態が多々あるのです。
 また回避の仕方にも、回避とジャンプとさらには霧変身とがあって、敵の動きが早く、予備動作も似ていたりすると、かなり混乱します。
 でもって難易度関係なくどいつもこいつも頻繁にパワーアタックを連発してくる上、ノーマルだろうとパワーだろうと攻撃動作中はスーパーアーマー(攻撃してものけぞらない)が付くのでごり押しが効きません。
 そんなわけで、本作はなかなか華麗な凄腕ハンターになれませんでした。

 そんなこともあってか、切れば体力を吸収できる剣、攻撃力の高いパンチ、攻撃範囲の広い鞭と、武器のバランスは上々にも感じられました。
 アイテムでの体力回復は隙が多いし勿体ないので、ピンチの時は剣で斬ったりトドメアクションで回復、余裕が出来れば炎パンチで削り、パワーがなくなれば鞭で補充といった感じで回していけます。

 さて、本作で辟易した部分もあります。
 ひとえにロード扉が多すぎる……。これに尽きるでしょうか。
 本作はシームレス感を出すために、画面の切り替えをせずにエリア移動を繰り返します。
 方法は簡単、小部屋に入ったらスイッチを押すと、今入ってきた扉が閉まり、小部屋のギミックががちゃがちゃ動いて時間を稼ぎ、次のエリアへの扉が開く仕組みです。
 初見なら面白いと思いますが、タネがわかっちゃうと結構だるいです。無論、スキップも出来ずにじっとするか、うろうろするか、なまじキャラ操作可能な分なんだかもやもやします。
 おそらく暗転して普通にロードしても時間が変わらないなら、雰囲気作りのためにもこっちの方が良いのでしょうが、ストーリーも片付いて探索のためにさっさとエリア移動を繰り返すようになると、もしくは全部集め終わってさくっと最高難易度を攻略する段階になると、これが気になり始めます。

 そして本作は細々したムービーも非常に多いです。
 それもこれも本作を一つの作品として、雰囲気を演出し、ドラマを作るのには非常に貢献しているので、単に鬱陶しいからこれは止めろと言えないのは承知しているのですが、スタートボタンでスキップしても即座にまた次のムービーが入ってまたスキップ……、これも二周目からきつく感じるようになります。

 そしてこの長いロードとムービー地獄が牙を剥いたのが、集め物も終わり最高難易度攻略も終わり、最後に残ったクライドスチャレンジに取り掛かった時でした。

 このクライドスチャレンジ。
 コンセプトとしては非常に面白いと思います。
 私は初め、DMCのブラッディパレスのような、ひたすら敵と殴り合うコロシアムモードだと思ってました。
 最高難易度といえど本編では敵の数は少なめでかなりあっさりクリアできることから、もうちょっと戦闘を楽しみたいと思っていたところでしたから。
 しかしこのチャレンジ、かなりの曲者です。
 チャレンジにはそれぞれ複数のミッションみたいなものが用意されていて、実績解除のためには最高難易度でこれらのミッションを全て同時に満たさなくてはなりません。
 意外とただ生き残るだけでも難しいこのチャレンジにおいて、「カオスパワーを使うな」だとか、「HPMAXを維持しろ」だとか、これ単体では簡単そうに見えても複数の要素が加わるとかなり鬼畜な縛りになり得ます。
 でもって唯一シールドやアーマーを破壊可能なカオスパワーを封じられる戦闘ではほぼ確実にシールド、アーマー持ちがわんさと出てくるんですよね。
 で、いかにしてこいつらを料理するかを考えるのが、実はこのモードの楽しみなわけです。
 まるで知恵の環を解くように、あるいはアクションパズルでもあるかのように、字面だけ見ると「はぁ??」とかなりそうな条件を見事にクリアしてきっちりクリアする方法がちゃんと用意されてるんですよね。
 これを探すのが意外に楽しくて、そして本編ではやや空気だった特殊技が活きてきます。
 意外な活用法だったり、クリアするまで未使用だったあの技が意外と強力だったり、敵の行動を改めてじっくり見る機会になったり。
 パズル要素もそうですが、戦闘自体もかなりきつく、何度もリトライすることになると思います。

 そう、リトライ……。

 こいつが曲者でした……。

 チャレンジに失敗するとすぐにリスタートできます。出来るのはいいのですが……なんと使ったパワーやアイテムは減ったまま再スタートなのです。
 だいたいの戦闘でカオス、ヴォイドパワーが必要になるのですが、これが意外と回復しづらいんですよね。
 うかつに殴ってはいけないチャレンジもあるのでいったん外に出て回復してくることになりますが、そこであの牙が剥かれるわけです。

 チャレンジを諦める→鏡に入るムービー(スキップ)→異次元を歩く(実際に歩かされる・スキップ不可)→鏡から出るムービー→店を出る(ロードが終わるまでエレベーター内でうろうろ)→エレベーターを降りて20歩くらい走る→シンボルを利用して異次元の扉を開く→狼が出てくる→そこまで行く→狼にゆっくりついてく→異次元を通る(二回目)→現代に来てすぐそこのパワー供給機からパワーを吸い取る→鏡に入るまで同じことをする。

 で、ここでようやくチャレンジ再開。始まってすぐ手順を間違えた日にゃあ軽くコントローラ投げたくなります。
 そこまでしなくても1分間パワーが使い放題になるアイテムもあるのですが、時間が切れると全てのパワーが0になるのでアイテムを何個もストックしなければなりません。
 しかしここでまた問題が。
 アイテムの最大ストック数は5なのですが、お店に並ぶのは最大3個までなのです。

 もうね、そろそろめんどい理由を書くのも疲れました。
 とにかくこのチャレンジモード、中身は面白いのにリトライ性が悪すぎるんです。チャレンジで使用したものを補充するための施設が一つ所に集約されていないのが原因です。
 幸い、チャレンジの総数は多くないので何とかなりましたが、このチャレンジのリスタートコマンドが死んでいるのがなんとも残念でした。

 ちょっと愚痴が多くなってしまいましたがゲーム自体はかなり楽しめました。ストーリーは、うーん、まぁ、まぁかな。ひどすぎるわけではないと思いますが、あまり捻ったものではないです。久しぶりにドラクエ式、FF式空気ラスボスを見た気がします(笑)
 詳しくは知りませんが、「宿命の魔鏡」が登場したところを見ると、XBLAで配信されている2.5Dのアクションゲーが、もしかしたら本作の前日譚なのかもしれませんね。

 ちなみにDLCもプレイしました。
 本編で登場したアルカードを操ってDLC専用ステージをプレイできるのですが……ぶっちゃけ実績がいらないならプレイしなくて良いレベルです。
 ストーリーが知りたくてもプレイしなくて良いレベルです。

 めっちゃネタバレしますが今から三行でDLCの全容を語って良いですか?
 いきますよ?

 頃合いなので剣を抜いたらママが出て、パパの武器を取り返せと言う。
 二つの武器を取り返してパパの見つけやすい場所に置く。
 ゾベックの副官を屠って成り替わる。ナイスアーマー。

 以上でございます。
 いやぁ、これはないわぁ。
 むしろ副官に成りすました後、パパが戦ってる間にこっちはこっちでなにやら動いていた、とかそんな本編に付随するアナザーストーリーを期待していたのに、別にそこは語らなくてもいいよ、っていうか後からこじつけた感満載のお遣いで終わってしまうって……。ムービー全スキップで最高難易度通しましたが、30分かかったかかからなかったか、くらいです。
 これはちょっと良くないDLCです。

 やっぱり攻略が終わった直後に書いているので記憶が生生しく、ネガティブな面が多いです。
 ただ、本編プレイ中は十分に楽しかったし、アルカード編はパズル色が強くて、やっぱりクリアするまでは楽しかったです。
 個人的にはこれでも満足しているのですよ。うん。

・こっそり追記
 クライドスチャレンジのミッション内容についてですが、たとえばニブルヘルの戦いのミッションの一つである「パラディンが双剣を繋いだら、20秒以内にひるませて、全員倒す」といったようなものがあります。
 これはちょっと誤解を招く書き方かもしれません(というか私は誤解しました)。
 内容をもう少し言い直すとすると、「パラディンが双剣を繋いだら20秒以内にひるませる、というルールの元、全ての敵を倒せ」でしょうか。

 すなわち、予め全員の体力をギリギリまで削っておき、パラディンが双剣を繋いだら20秒以内に彼を怯ませつつ速攻で全ての敵を葬り去る……という意味ではないです。

 なので、パラディンの行動をキャンセルさせつつじっくりと他の敵を始末していけるというわけですね。

 この「○○して、全ての敵を倒せ」というミッションは他にもちょいちょい出てくるのですが、混乱しないように気を付けてください。むしろ全ての敵を倒せ、は当然の項目なので無視して構わないです。
 別にヴォイド・ソードで止めを刺さなくてもいいのです。


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